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シーメンスヘルスケア AI搭載アプリケーションの開発3社と提携 医療DXの推進を牽引したい

シーメンスヘルスケアはこのほど、医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する目的で、AIメディカルサービス、エルピクセル、Splinkとそれぞれ提携した。11月12日の共同記者発表会で明らかにしたもの。今回の提携により、シーメンスヘルスケアの「チームプレイ・デジタル・ヘルス・プラットフォーム」(チームプレイ)上で提供されるアプリケーション群に、各社のソフトウェアやAIプログラムが加わる。同社の森秀顕社長は、「3社との提携により、医療DX促進に向けた医療サービスの提供を強化できることを大変光栄に思う」と強調。それぞれの企業の強みを有機的に組み合わせて医療サービスの発展に貢献する考えを示した。 ◎グローバルで75以上のアプリを導入 記者会見で森社長は、ヘルスケア分野のデジタルデータの増加率は前年比36%に達し、IoTデバイス数も25%増加しているが、一方でヘルスケアデータの90%が統合不足で失われていると指摘。米国では3分の1の医療機関が患者情報を施設間で電子的に統合しているとしながらも、「日本では統計すらなく、各医療機関の個別の取り組みに委ねられている」と指摘した。 こうした現状を踏まえ森社長は、「当社の長年の経験と実績による柔軟かつ拡張性の高いインフラ、特にチームプレイを基幹プラットフォームとして提供していきたい。またデータの見える化を通じて部門間、組織間の相互運用性を高めて、日本の医療機関の大きな課題でもある業務プロセスの効率化にも貢献していきたい」と意欲を示した。 同社のチームプレイは、オープンで安全なクラウド環境を基盤に医療機関、医療従事者、患者、自治体、メーカーやそのパートナーを含むすべてのステークホルダーがつながり、有用なアプリケーションやより良いサービスの提供・活用を促進する狙いがある。例えば、メーカーやそのパートナーには開発したアプリやサービスをすぐに提供できる環境がもたらされる一方、医療従事者は必要なサービスをいち早く利用できるようになる。 同プラットフォームは検査パフォーマンス管理アプリケーション、AIを用いた画像解析などを擁し、国内で2100の施設に導入されている。11の自社製アプリケーションに加え、これまでに提携した3つの他社製アプリを提供している。今回の提携により、診断をサポートする3つの新たなアプリケーションを加えることで、これまで以上に幅広い領域での診療に貢献し、データに基づいた意思決定支援などにより、業務効率化と医療サービスの質向上に寄与するプラットフォームへと成長させていく考えだ。 ◎保険診療の点数化でパートナー企業と共闘も 新たに加わるアプリケーションは、内視鏡画像解析ソフトウェア(AIメディカルサービス製)、医用画像解析ソフトウェア「EIRL Brain Aneurysm」(エルピクセル製)、脳ドック用AIプログラム「Brain Life Imaging」(Splink製)の3つ。 AIメディカルサービスは消化器領域のがんの根絶を目指して内視鏡AIの開発に取り組んでいるが、その第一弾として2021年8月に胃がん鑑別AIを医療機器製造販売承認申請しており、承認されればAIを活用した胃領域の内視鏡診断支援システムとして世界発となる。 医師で同社代表取締役CEOの多田智裕氏は、実際の胃がん鑑別AIのイメージ映像を投影しながら、「胃がんは専門医でも早期に見つけるのが困難で、報告では2割前後見逃されると言われている。しかし、国内100以上の医療機関から集めたデータをもとに開発した鑑別AIにより、検査中にがんの有無を早い段階で鑑別することが可能だ。今回、チームプレイと共に日本発の内視鏡AIの世界展開が加速できることを大変うれしく思っている」と述べた。 医用画像解析ソフトウェア「EIRL Brain Aneurysm」は、脳MRA画像から2㎜以上の嚢状動脈瘤候補点を検出してマークを表示することで、医師の読影をサポートするAIソフトウェア。医師単独で読影した場合と比べ、約10%の感度向上が認められ、2019年10月に深層学習を活用した脳MRI分野のプログラム医療機器として国内初の薬事承認を取得して販売を開始。新モデルを含めたEIRLシリーズは200以上の医療施設で導入されている。 一方、脳ドック用AIプログラム「Brain Life Imaging」は頭部MRI画像を解析し、記憶や学習にかかわる「海馬」領域の体積を測定・可視化し、受診者目線のわかりやすいレポートを届けることで気づきを促す脳ドック用AIプログラム。高精度な脳解析と脳の健康維持や将来の認知症予防のためのアドバイスを提供するなど、満足度の高い脳ドックの受診体験に寄与する。 シーメンスヘルスケアではパートナー企業のアプリケーションについて、「あえて領域や部位別にすみ分けを図ることはせず、ユーザー側がプラットフォーム上の数多くの選択肢からアプリケーションを選択できるような環境をめざす」(狩野氏)としている。最後に森氏は、「政府に対しても共同で働きかけを行い、保険点数によるビジネスの底上げを図るなど、パートナー企業とのアライアンスを強化していきたい」と述べ、医療DXの推進における国のサポートの重要性を訴えた。

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薬価の決定方法「知らない」は7割に 製薬協・生活意識調査

生活者で、薬価の決定方法を「知らない」と回答した人は約7割-。日本製薬工業協会(製薬協)は11月18日、「くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」の結果を公表した。調査では、薬価が公定価格であると知っている人は23%で、知らない人が68%を占めた。製薬企業に対する信頼感は85.7%と高く、50代以上でより高い傾向が示された。 調査は、医薬品や製薬産業に対する患者・生活者の理解や認識の実態を把握し、医薬品や製薬企業に対する理解・信頼感を高めるための広報活動の基礎資料として用いる目的で実施した。調査対象は、首都圏および京阪圏に居住する満20歳以上の男女2000人で、インターネットを介して実施した。調査期間は、7月20日から25日まで。 その結果、医薬品の価格決定方法を「処方される薬の値段は公定価格であり、国が決める」と知っていた人は23.2%。「知らない」が68.2%、「OTCと同様、販売者が決めている」が8.6%だった。正しく、薬価の決め方を回答した人は2割にとどまった。薬価が“公定価格”と知っていたのは60代(31.8%)、70代以上(31.3%)でほかの世代よりも高率だったものの、3割にとどまった。また、かかりつけ薬局があると回答した人の方は29.5%が公定価格であることを知っており、かかりつけ薬局を持たない人より高率となった。 ◎医薬品の価格 「高いと感じる」が46.6% 医薬品の価格については、「高いと感じることがある」が46.6%でトップ。「妥当な値段だと感じている」が26.7%、「意識したことはない」が23.1%となった。高額薬剤の登場を報道で見たときの意識としては、「価格だけでは何とも言えない」が33.9%、「いくら画期的な薬剤でも受け入れられない」が28.8%、「膨大な研究開発費がかかっているのでやむを得ない」が26.1%、「画期的薬剤は、いくら値段が高くても価値がある」が10.4%で回答は分かれた。 ◎製薬企業「信頼できる」が85.7% よく効く薬に期待する声多く 製薬企業に対する信頼感は、「信頼できると思う」が14.2%、「まぁ信頼できると思う」が71.5%だった。製薬産業のイメージは、「社会的必要性が高い産業」、「技術力が高い産業」がともに92.5%でトップとなった。一方で、「自然環境を守るのに熱心」は46.2%と低率だった。また、「情報提供に積極的な産業」、「消費者の声を聞こうとする産業」のイメージは、20代と70代以上で開きがみられた。 自由回答で、製薬産業、製薬企業への期待を聞いたところ、トップは、「よく効く薬・早く効く薬を作ってほしい」が549件でトップ。「新薬の開発/さらなる研究開発」、「安全な薬・副作用の少ない薬の開発」、「新型コロナの薬・ワクチンの開発」などが次いだ。

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GE専業大手3社、国内事業の明暗がより鮮明に  4~9月期決算、GMP違反と代替需要が影響

後発医薬品専業大手3社の2021年4~9月期の国内事業は、富山第一工場(富山県滑川市)のGMP違反の影響が続く日医工の業績が悪化する一方、サワイグループホールディングス(HD)と東和薬品が、他社の品...

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日医・中川会長 財政審は「領空侵犯」 薬価の「調整幅」変動させることは難しい

日本医師会の中川俊男会長は11月17日の定例会見で、財務省主計局が財政制度等審議会財政制度分科会で示した主張に対し、「財政審の主張は診療報酬の各論に踏み込みすぎて、領空侵犯だ」と反発した。診療報酬の具体的な項目は中医協で議論すると改めて強い姿勢を示した。財務省が「躊躇なくマイナス改定をすべき」と表明したことにも触れ、「躊躇なくプラス改定とすべきだ。医療現場は著しく疲弊しており、これを何とか立て直すためにも、このメッセージをしっかり発信していく」と真っ向から反論した。論点の一つにあがる薬価の「調整幅」については松本吉郎常任理事が説明し、「コロナ禍、後発品の安定供給障害等で、流通経費や在庫管理コストが増加していることを鑑みれば、これ以上調整幅を引き下げたり、変動させたりすることは難しい」として、議論をけん制した。 ◎財務省の主張「守備範囲を超え、現場感覚とズレている」 中川会長は、「財政面から国保の項目について問題点を指摘しようとするのは財務省の役割であり、大変よく勉強して頑張っている」と皮肉った。そのうえで、「所管である財政の問題を越えて、細かく医療分野の各論に踏み込んでくるのは省としての守備範囲を越えている。現場の感覚と大きくズレている点もあり、容認できない点が多々ある」と強調。「すべてに反論していたら、朝までかかっても反論しきれない。それくらい問題がある」とも述べた。一方で、同一敷地内薬局等に係る調剤基本料の見直しや、薬価の原価計算方式で採用されている製薬企業の高い平均営業利益率の見直しなどは、「異論がない部分もある」とも述べた。 ◎平時の医療提供体制の余力こそが、有事の際の対応力に直結する 日医が特に問題視するのが、財務省が「診療報酬(本体)のマイナス改定を続けることなくして医療費の適正化は到底図れない」と主張したこと。中川会長は、「コロナ禍において、地域の医療提供体制は依然として厳しい状況にさらされている。マイナス改定とすることは到底ありえず、われわれとしては当然プラス改定にすべきであると考えている」と語気を強めた。新型コロナの収束が不確実な中で、「コロナ感染症や新たな新興感染症の医療と通常医療との両立が可能な医療提供体制の整備をしていく必要がある。平時の医療提供体制の余力こそが、有事の際の対応力に直結すると、私は常々訴えてきた」と主張。補助金を含めると医療機関経営の実態は近年になく好調とした財務省の指摘に対しては、「補助金がなければ赤字の状態だ。補助金頼みの医療機関経営は非常に不安定だ。本来は診療報酬で経営が成り立つようにしなければならず、そのためにもプラス改定は必須だ」と強調した。 ◎財源は「政府が責任をもって確保」 薬価改定財源は有力な診療報酬本体の改定財源だ 改定財源については、「政府が責任をもって確保していただく。そのためには、22年度改定に向けた全体の財源確保を適正に行ってほしいと主張していくだけだ」とした。財務省が診療行為点数をミクロとし、医療費への財政的影響を「マクロの改定率決定の範囲内に収めることに限界がある」としていることに対しては、「マクロでこうだから、ミクロでこうだから、ということではない。その都度、必要な財源は確保していただきたい」と述べた。 薬価改定財源を診療報酬本体に振り替えることについて財務省が、「フィクションにフィクションを重ねたもの」と指摘し、否定的な姿勢を示している。これに対し中川会長は、「薬価改定財源は、有力な診療報酬本体の改定財源にこれまでもなってきたし、これからもなっていくだろうと思う。幅はその年によって違うが、この主張は一貫して申し上げていきたい」と述べた。 このほか、低密度で対応できる医療しか行わない急性期病院について“なんちゃって急性期病床”という表現を用いたことにも反発。「医療機関に対しても、入院して治療を受けている患者さんに対しても極めて失礼な表現だ。まるで医療政策を弄んでいるかのようで唖然としている」とも述べた。 ◎松本常任理事「調整幅が必要ではあることに変わりない」 個別項目の論点として、松本常任理事は“調整幅”をあげた。松本常任理事は、薬価の調整幅は「薬剤の流通安定のための一定幅であり、これまでの様々な歴史的経緯により、現在の2%が維持されてきたと理解している」と説明。「価格や経費のバラツキがどうしても生じていることを前提とすれば、ある程度平均的に吸収させる仕組みとして、この調整幅が必要であることに変わりはない」との考えを示した。 リフィル処方については、「処方日数がさらに長期化し、受診回数の減少により、病状の悪化の発見が遅れることが懸念される。慢性疾患患者の疾病管理の質を下げるリスクもあり、日医としては慎重にならざるを得ない」と指摘。症状が安定しているか、処方の内容も含めて医師が総合的に診断していると説明した。多剤・重複投薬については、「多職種連携、病院、診療所、薬局の枠組みのなかで、一層の改善に努めることが最善の策と考えている」と述べた。また、OTC類似医薬品について保険給付範囲からの縮小などを提案したことに対しては、「国は、国民の健康を守るために、治療に必要な医薬品は公的な医療保険で賄うことを基本姿勢とすべき」としたうえで、「保険給付範囲の縮小は、社会保障の充実と逆行する政策であり、断固反対する」と語気を強めた。 かかりつけ医については、「患者が自ら選ぶのが基本だ。原則として、フリーアクセスを担保する、あるいはそれを制限しないことは、患者目線からも非常に大事だ。かかりつけ医の受診が限定されればされるほど、患者の利便性や地域医療の質も低下する」と指摘。かかりつけ機能を担っている医療機関は、「なるべく患者に見えるような形でその機能を提供し、機能を広げていく努力をしている。そのような切磋琢磨の状況は、患者からを見ても、受診してもらえば分かることだろう。そうした姿勢で我々医療機関としても、今後とも取り組んでいきたい」と述べた。 ◎医療法人の事業報告書の電子開示「実調にとって代わる提案とも読み取れる」と警戒感 このほか、医療法人の事業報告書を詳細化し、電子開示することについては、「将来、事業報告書が医療経済実態調査にとって代わる提案とも読み取れる内容だ」と指摘。医療法人の事業報告書は医療法で提出義務が定められていることから、「医療経済実態調査のように改定のたびに、記載項目を変更することは難しい。今後も、課題に応じて改善し、改定の基礎資料としている医療経済実態調査を行っていくべき」との考えを示した。 また、医療法人の事業報告書のデジタル化も議論されている。こうしたなかで、匿名で手軽に医療機関の経営の詳細まで見られるようになれば、「行き過ぎた政策などの弊害が危惧される」と指摘。「個別の医療法人の詳細な経営状況が、小規模の一人医療法人も含めて公開されることになる。それが本来の制作目的とは全く違うことに利用されることになれば、現場に大きな混乱が生じ、弊害の方が大きい」とけん制した。

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新薬12製品を薬価収載へ 11月25日付 ファイザーのビンマック、ピーク時524億円と予想

厚生労働省の中医協総会は11月17日、新薬12成分16品目の薬価収載を了承した。同省は11月25日に収載する予定。ピーク時売上が100億円以上と予測されたのは5製品。このうちファイザーのトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)治療薬ビンマックカプセル(一般名:タファミジス)は10年後の売上が524億円になると予想した。 このほかに100億円以上と予想されたのは、▽アトピー性皮膚炎治療薬リンヴォックの30mg製剤(ウパダシチニブ水和物、アッヴィ)、▽初のRETキナーゼ阻害薬で、RET 融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに用いるレットヴィモカプセル(セルペルカチニブ、日本イーライリリー)、▽アトピー性皮膚炎に用いるJAK阻害薬サイバインコ錠(アブロシチニブ、ファイザー)、▽がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がんに使用する抗体薬物複合体のパドセブ点滴静注用(エンホルツマブ ベドチン、アステラス製薬)――となる。 ◎モイゼルト軟膏など3製品が収載見送り 「製造過程で確認を要する事項」 一方で、9月27日付で承認された新医薬品のうち、3製品が今回の薬価収載を見送った。具体的には、▽PDE4阻害薬として初のアトピー性皮膚炎の適応を持つモイゼルト軟膏(ジファミラスト、大塚製薬)、▽メトトレキサート排泄遅延時の解毒に用いるメグルダーゼ静注用(グルカルピダーゼ(遺伝子組み換え)、大原薬品)、▽顕微鏡的多発血管炎や多発血管炎性肉芽腫症に用いる択的補体C5a受容体拮抗薬タブネオスカプセル10mg(アバコパン、キッセイ薬品)――となる。 大塚製薬は本誌取材に、モイゼルトの収載見送りについて、「製造過程で確認を要する事項があり、精査している」と明らかにし、安定供給確保のため今回の収載を見合わせたと説明した。大原薬品も製造面に課題があったとし、「日本出荷用の製剤の製造に失敗した」という。 キッセイ薬品は、タブネオスの開発や販売のグローバル戦略は創製元の米ケモセントリクス社、導入元のスイスのビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ社の3社で協議して決めているとした上で、今回の収載見送りは「協議を踏まえた対応」と説明した。算定薬価で折り合いがつかなかったと思われる。 11月25日付で収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社) ▽アジルバ顆粒1%、同錠10mg、同錠20mg、同錠40mg(アジルサルタン、武田薬品) 薬効分類:214 血圧降下剤(内容薬) 効能・効果:高血圧症 薬価:1%1g 73.60円 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数6.3千人、販売金額2.5億円 加算:小児加算(A=5%):「国内における小児効能に係る臨床試験を実施していること、小児に対する臨床使用上適切な製剤があること、小児に係る用法及び用量が明示されていること、本剤の比較薬が小児加算の適用を受けていないことから、小児加算(A=5%)を適用することが適当と判断した」 新薬創出等加算:主な理由「新薬創出等加算を受けている製剤の剤形追加」 費用対効果評価:該当しない 小児の用法・用量は、「通常、6歳以上の小児には、アジルサルタンとして体重50kg未満の場合は2.5mg、体重50kg以上の場合は5mgの1日1回経口投与から開始する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は体重50kg未満の場合は20mg、体重50kg以上の場合は40mgとする」となった。小児に使いやすい剤形として顆粒剤が追加された。 ▽ビンマックカプセル61mg(タファミジス、ファイザー) 薬効分類:219 その他の循環器官用薬(内用薬) 効能・効果:トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型) 薬価:61mg1カプセル15万5464.00円(1日薬価:15万5464.00円) 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数4.1千人、販売金額524億円 加算:なし 新薬創出等加算:なし 費用対効果評価:該当しない 既承認のトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)治療薬ビンダケルカプセル(一般名:タファミジスメグルミン)は1日1回4カプセル服用する必要がある。患者の負担経験の観点から、1日1回1カプセルの服用で済むビンマックが開発された。 ▽エフメノカプセル100mg(プロゲステロン、富士製薬) 薬効分類:247 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤(内用薬) 効能・効果:更年期障害及び卵巣欠落症状に対する卵胞ホルモン剤投与時の子宮内膜増殖症の発症抑制 薬価:100mg1カプセル 229.70円 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数1.9万人、販売金額12億円 加算:なし 新薬創出等加算:主な理由「厚生労働省が開発を公募」 費用対効果評価:該当しない 天然黄体ホルモン製剤。天然型黄体ホルモンをマイクロナイズド化(微粒子化)することで、経口投与でも吸収しやすくした。卵胞ホルモン剤と併用して用いる。 ▽リンヴォック錠30mg(ウパダシチニブ水和物、アッヴィ) 薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(内用薬) 効能・効果:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎 薬価:30mg1錠 7459.40円 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数5.7千人、販売金額103億円 加算:なし 新薬創出等加算:なし 費用対効果評価:該当しない 経口JAK阻害薬。成人のアトピー性皮膚炎に対し、患者の状態に応じて30mgまで増量できるため、30mg錠の剤形追加が承認された。 ▽レットヴィモカプセル40mg、同80mg(セルペルカチニブ、日本イーライリリー) 薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(内用薬) 効能・効果:RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん 薬価:40mg1カプセル 3680.00円 80mg1カプセル 6984.50円(1日薬価:2万7938.00円) 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数748人、販売金額156億円 加算: 有効性加算(II)(A=5%):「RETチロシンキナーゼに対する選択的な阻害作用を有する新規作用機序医薬品であり、臨床上の有用性が一定程度評価されていると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」 市場性加算(I)(A=10%):「比較薬は原価計算方式で算定されているが、過去に市場実勢価格を反映した薬価改定を受けていること、また、本剤が希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)を適用する」 新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用医薬品として指定」 費用対効果評価:該当する(H1) 初のRETキナーゼ阻害薬。RET融合遺伝子又はRET遺伝子変異は、RETを介したシグナル伝達経路を亢進させることにより、腫瘍の生存や増殖に大きく寄与することが報告されている。同剤はRETのキナーゼ活性を阻害し、RETを介したシグナル伝達を阻害することで腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。同剤はコンパニオン診断薬を使用して用いる。 ▽サイバインコ錠50mg、同錠100mg、同錠200mg(アブロシチニブ、ファイザー) 薬効分類:449 その他のアレルギー用薬(内用薬) 効能・効果:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎 薬価: 50mg1錠 2678.40円 100mg1錠 5221.40円(1日薬価:5221.40円) 200mg1錠 7832.30円 市場予測(ピーク時8年後):投与患者数1.5万人、販売金額166億円 加算:小児加算(A=5%):「小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。日本人の試験組み入れ数等を踏まえ、加算率は5%が妥当である」 新薬創出等加算:なし 費用対効果評価:該当しない ヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリー(JAK1、JAK2、JAK3及びTyk2)のうち、主にJAK1を阻害する低分子化合物。アトピー性皮膚炎(AD)の適応を持つ経口JAK阻害薬としては、オルミエント錠(バリシチニブ)、リンヴォック錠(ウパダシチニブ水和物)に続く3剤目だが、12 歳以上の小児適応を有するのは、リンヴォックに続き2剤目。 ▽ソグルーヤ皮下注5mg、同皮下注10mg(ソマプシタン(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ)21年1月22日承認 薬効分類:241 脳下垂体ホルモン剤(注射剤) 効能・効果:成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る) 薬価: 5mg1.5mL1キット 2万6107円(1日薬価:1865円) 10mg1.5mL1キット 5万2214円 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数7.0千人、販売金額47億円 加算:なし 新薬創出等加算:なし 費用対効果評価:該当しない 長時間作用型の遺伝子組み換えヒト成長ホルモン(hGH)誘導体。週1回の皮下注射で用いる。内因性アルブミンとの可逆的な非共有結合で、ソマプシタンの血中からの消失が遅延し、結果として作用時間が延長する。持効性インスリンなどに活用されるタンパク質工学技術を成長ホルモンに応用し、開発された。 ▽ネクスビアザイム点滴静注用100mg(アバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組み換え)、サノフィ) 薬効分類:395 酵素製剤(注射薬) 効能・効果:ポンペ病 薬価:100mg1瓶 19万6940円 (1日薬価:14万671円) 市場予測(ピーク時9年後):投与患者数58人、販売金額30億円 加算:なし 新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用医薬品として指定」 費用対効果評価:該当しない 酵素補充療法製剤。ポンペ病がもたらす重大な症状である呼吸機能、筋力・身体機能の低下を阻止することが期待されている。ポンペ病は、ライソゾーム酵素のひとつである酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の遺伝子の欠損または活性低下が原因で生じ、複合多糖(グリコーゲン)が全身の筋肉内に蓄積することで生じる疾患。 ▽サフネロー点滴静注300mg(アニフロルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ) 薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射薬) 効能・効果:既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス 薬価:300mg2mL1瓶 9万6068円(1日薬価:3431円) 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数5.5千人、販売金額45億円 加算:なし 新薬創出等加算:主な理由「新規作用機序」 費用対効果評価:該当しない I型インターフェロン(IFN)α受容体のサブユニット1に結合するヒトIgG1κモノクローナル抗体で、Ⅰ型IFNシグナル伝達を阻害する。全身性エリテマトーデス(SLE)患者の大部分ではⅠ型IFNシグナル伝達が制御されず、Ⅰ型IFN誘導遺伝子発現(IFNGS)の亢進が認められ、その亢進はSLEの疾患活動性及び重症度と相関するとされている。 ▽コセンティクス皮下注75mgシリンジ(セクキヌマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ) 薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射薬) 効能・効果:既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎 薬価:75mg0.5mL1筒 4万144円 市場予測(ピーク時4年後):投与患者数215人、販売金額1.3億円 加算:小児加算(A=5%):「日本国内における小児効能に係る臨床試験を実施したこと、小児に対する臨床使用上適切な製剤及び用法・用量を開発したこと、本剤の比較薬が小児加算の適用を受けていないこと等から、小児加算(A=5%)を適用することが適当と判断した」 新薬創出等加算:主な理由「新薬創出等加算を受けている製剤の剤形追加」 費用対効果評価:該当しない ヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤。炎症性サイトカインであるIL-17Aと結合し、IL-17AのIL-17受容体への結合を阻害することで、IL-17Aの生理活性を阻害する。今回、乾癬の小児適応を追加し、併せて75mg製剤を追加した。 ▽パドセブ点滴静注30mg(エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組み換え)、アステラス製薬) 薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬) 効能・効果:がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん 薬価:30mg1瓶 9万9609円(1日薬価:2万2234円) 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.1千人、販売金額118億円 加算:有用性加算(II)(A=10%):「は既存の治療方法では効果不十分な患者群において効果が認められており、対象疾病に対する標準的治療法として位置づけられることから、有用性加算(II)(A=10%)を適用することが適当と判断した」 新薬創出等加算:主な理由「加算適用」 費用対効果評価:該当する(H1) 抗体薬物複合体(ADC)。ネクチン-4に対するIgG1サブクラスのヒト型モノクローナル抗体と微小管重合阻害作用を有するモノメチルアウリスタチンE(MMAE)が、リンカーを介して共有結合している。腫瘍細胞の細胞膜上に発現するネクチン-4に結合し、細胞内に取り込まれた後にプロテアーゼによりリンカーが加水分解され、遊離した MMAE がアポトーシスを誘導することなどにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。 なお、1次治療における有効性及び安全性は確立していない。 ▽ライアットMIBG-I131静注(3-ヨードベンジルグアニジン(131I)、富士フイルム富山化学) 薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬) 効能・効果:MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ 薬価:1.85GBq5mL1瓶 107万2505円 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数25人、販売金額2.1億円 加算: 有効性加算(II)(A=5%):「国内診療ガイドラインにおいて, 123I-MIBGの病変への集積陽性例に対しては、131I‐MIBG内照射が標準的治療として位置付けられていることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」 市場性加算(I)(A=10%):「希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす」 新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用医薬品として指定」 費用対効果評価:該当しない 副腎髄質ホルモンのノルアドレナリン(NA)に類似した構造を有する 3-ヨードベンジルグアニジン(MIBG)のヨウ素原子を放射性同位体(131I)に置換した 131I-MIBG を有効成分とする放射性医薬品。主にNAトランスポーターを介した再摂取機構(uptake-1)により腫瘍細胞内に取り込まれ、131I から放出されるβ線により細胞を傷害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。

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