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【5月15日新着】政府・未来投資会議 感染拡大の前のビジネスモデルに戻ることは難しい 新たなビジネスモデル検討を

政府の未来投資会議は5月14日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応と経済活動について議論した。論点メモには、「感染症拡大の前のビジネスモデルに完全に戻ることは難しい」と明記され、今後の経済活動について、「産業構造の変化を伴うものと考えるべき」と記した。この間、製薬業界をはじめ多くの産業に従事する社員が在宅勤務やテレワークを強いられた。未来投資会議の論点メモでは、感染拡大防止と経済活動を両立する「新たな日常」を探るべきであり、「新たなビジネスモデルの検討が必要ではないか」と指摘している。 この日の未来投資会議に示された基礎資料によると、新型コロナの感染拡大が経済活動に大きな影響を与えた業種として、宿泊、飲食、フィットネスクラブなどをあげた。一方で製薬産業は公的医療保険の枠内でのビジネスが主流のため、現時点で経営的な打撃まで至っていない。このため経済政策の優先順位としては、打撃を受けた業種への対応が求められる。ただ、今回の新型コロナの感染拡大に伴い、製薬産業の主要顧客である医療機関の経営が徐々にダメージを受けていることは無視できない。診療所を定期受診する患者の受診控えや、新型コロナ感染症の患者を受入れた医療機関における一般入院患者数の減などは、すでに顕在化し始めた。これらは結果的に医療機関の経営を悪化させ、その反動が製薬企業や医薬品卸の業績にも響く可能性を秘めている。ちょうど2020年3月期決算の発表時期とも重なり、各企業トップによる次期業績予想の中に、こうした環境変化への対応を危惧する声も漏れはじめている。 ◎新たな働き方を提案 テレワークを活かす 未来投資会議は、こうした市場環境の変化や新型コロナによって経験した「新たな働き方」を活かし、新たなビジネスモデルにどう誘うかを政府方策として議論するものだ。在宅勤務で一躍注目を集めた働き方がテレワークだ。全国の正社員のテレワーク実施率は13.2%(3月9日~15日)から、27.9%(4月10日~12日)へと上昇した。4月7日に緊急事態宣言が発令された7都府県に絞ってみると、実施率は38.8%となっていた。この日の会議に提出された資料によると、新型コロナ感染症収束後に「テレワークの継続を希望する者は53.2%」に及び、これを実施できる環境整備を進めたい考えだ。一方で、事業者がテレワークを推奨・義務付けしない理由としてあがった「セキュリティ上、パソコンや仕事道具を持ち帰れない」(回答率14%)については、業務の見直しにより更なるテレワークの拡大が可能との見解まで示している。 このほか感染拡大防止と両立するビジネスモデルの再構築では、シンガポールなどで開発・導入が進む接触追跡アプリや健康管理・把握アプリの活用を図るべきとの見解も盛り込んだ。シンガポールでは、アプリの利用者が新型コロナに感染した場合、接触履歴データから感染者と接触した者を特定し、登録の電話番号に連絡することで、医療指導やケアを行っている。個人の特定など情報管理の課題も散見されるが、デジタル化時代の新たなビジネスモデルとして政府も注目しているようだ。 ◎「前のビジネスモデルに完全に戻ることは難しい」と一口に言うが・・・ 「前のビジネスモデルに完全に戻ることは難しい」と一口に言うが、すでに緊急事態宣言に伴い、雇用維持、事業継続、資金繰りなどに課題を抱えている。こうした課題への対応策にも言及しており、例えば雇用調整助成金について、事業者側でなく、労働者側が直接、給付を申請できる制度の検討に着手する考えを示した。 また、資金繰り対応の強化では、「劣後ローン」の検討にも言及している。劣後ローンとは、通常の融資より返済順位の低い融資のことだ。弁済期限が長い、措置期間が長く弁済期間に一括して返済する、利益に応じた金利の設定が可能などの特徴がある。この日の未来投資会議の資料では、武田薬品の事例(2018年10月)が紹介されている。借入契約金額は5000万円、弁済期限60年、適応利率は2028年~44年が2.25%ステップアップ、44年以降は3.00%ステップアップというものだ。資料によると、有利子負債が多くなった場合の企業の財務体質を改善する処方としての活用が可能で、民間金融機関の融資増が行いやすいことも紹介している。

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【5月15日新着】アステラス 国内MRは300人減の1700人体制に アムジェン転籍などで

アステラス製薬は5月14日、本誌取材に、国内MRは4月1日付で1700人体制になったことを明らかにした。これまでは旧アステラス・アムジェン・バイオファーマ(AABP、4月1日から「アムジェン」)への出向者を含めて2000人体制と公表していた。今回、アムジェンへの転籍者、社内異動、入社/退職者などにより、アステラスのMRは約300人減となった。 アムジェンへの転籍者数は開示していない。 AABPは4月1日付けで米アムジェンの完全子会社となり、アステラスが保有するAABPの発行済み株式49%を米アムジェンが買い取った。アムジェンが製造販売元の高コレステロール血症治療薬レパーサ、再発・難治のB細胞性急性リンパ性白血病治療薬ビーリンサイト、骨粗鬆症に用いる抗体製剤イベニティの3製品は4月以降も引き続き、アステラスが流通・販売を担当し、アムジェンとアステラスがコ・プロモーションしている。 ■19年度国内事業は6.5%減収 アステラスはこの日、2020年3月期(19年度)決算を発表した。日本市場の売上は3454億円、前年度比6.5%減だった。これまでアステラスが販売し、アストラゼネカが製造販売元の喘息・COPD治療薬シムビコートの販売契約が19年7月末に終了したことで、アステラスが計上する売上が270億円減となったことに加え、アステラスが販売していたKMバイオロジクスのヒト用ワクチン及び血漿分画製剤計16品目の販売契約も7月末で終了したことで同186億円減となったことが、国内事業の主な減収理由となる。 ■19年3月発売のイベニティ 売上は236億円 「想定より強い立ち上がり」 一方で、前立腺がん治療薬イクスタンジや過活動膀胱治療薬ベタニス、2型糖尿病薬スーグラファミリーなどの新薬群は堅調に伸長し、なかでも19年3月に発売したイベニティは売上236億円と、前年度から230億円の大幅増収となった。同社は「想定より強い発売後の立ち上がり」だとしている。 イベニティは細胞から分泌され、骨形成の抑制などに関与する糖タンパク質スクレロスチンと結合してその作用を阻害し、骨形成を促すとともに骨吸収を抑える抗体製剤。月1回、12か月投与で用いる。同社広報部は本誌に、「利便性の良さと骨密度検査によって効果が実感された結果であり、想定より速く浸透している」と説明した。 ■前立腺がん薬イクスタンジ 売上4000億円に到達 連結業績は売上1兆3008億円(前年度比0.4%減)、営業利益2439億円(0.0%増)だった。特にグローバル製品の前立腺がん治療薬イクスタンジは全ての地域で拡大して、売上4000億円(20.1%増)に到達し、国内事業の減収を吸収した。修正予想からも160億円強上積みしており、同社は「予想を大きく上回る成長」だとしている。なお、イクスタンジの国内売上は358億円(10.7%増)だった。 ■20年度計画 国内は16%減収の見込み 20年度の連結業績は減収増益の予想を立てた。イクスタンジはグローバルで4593億円(14.8%増)を目指す一方で、日本市場の売上は2891億円(16.3%減)と厳しい状況になるとしている。 国内では販売提携終了品の売上がなくなるほか、6月に後発品が参入見込みのセレコックスは売上209億円(57.4%減)と前年度から283億円の減収になる見込みだとし、イクスタンジやスーグラファミリーなどの成長をもってしても吸収できないとしている。なお、19年度に急成長したイベニティの20年度の売上予想は開示していない。 【19年度連結業績 (前年同期比) 20年度予想(前年同期比)】  売上高1兆3008億4300万円(0.4%減) 1兆2820億円(1.4%減) 営業利益2439億9100万円(0.0%) 2520億円(3.3%増) 親会社帰属純利益1954億1100万円(12.1%減) 2020億円(3.4%増) 【19年度のグローバル主要製品全世界売上高(前年同期実績) 20年度予想、億円】 イクスタンジ 4000(3331) 4593 ゾスパタ 143(25) 232 ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ 1616(1472) 1725 ベシケア 447(950) 324 プログラフ 1929(1957) 1863 ハルナール/オムニック 427(474) 405 ファンガード/マイカミン 352(345) 251 エリガード 142(148) 129 【19年度の国内主要製品売上高(前年同期実績) 20年度予想、億円】 グローバル品 イクスタンジ 358(323) 393 ゾスパタ 28(6) 32 ベタニス 343(327) 349 ベシケア 202(223) 172 プログラフ(グラセプター含む) 443(454) 411 ハルナール 41(52) 26 ファンガード 76(76) 36 ローカル品 スーグラファミリー 239(178) 323 うち、スージャヌ 89(44) 非開示 レパーサ 31(25) 非開示 リンゼス 56(39) 66 ビーリンサイト 45(11) 非開示 イベニティ 236(6) 非開示 セレコックス 492(494) 209 シムビコート 141(412) 非開示 ジェニナック 77(84) 71 ワクチン 112(298) 74 ゴナックス 51(48) 55 シムジア 93(94) 94 ミカルディスファミリー 177(226) 非開示 ボノテオ 60(90) 32 リピトール 127(152) 100 マイスリー 90(107) 72 *仕切価ベース

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【5月14日新着】【PMDA】救済制度への関心高まる‐国民の約8割、認知度も

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、2019年度の医薬品副作用被害救済制度等に関する認知度調査の結果を公表した。薬剤師など医療関係者の認知率は83.5%で、前年度から0.2減少した一方、制度の利用手続きに関わった人は11.4%で過去5年間で最高となった。また、一般国民の認知率は30.2%で0.5%上昇し、制度に関心を持った人の割合は77.3%で同様に過去5年間で最も高かった。  調査は、薬剤師や医師などの医療関係者と全国の20歳以上の一般国民を対象に、医薬品副作用被害救済制度等の認知率や内容に対する理解度をインターネットで質問したもの。

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【5月14日新着】【神奈川県薬】8割以上の薬局が収入減‐マスクや消毒薬不足に苦慮

神奈川県薬剤師会は、新型コロナウイルス感染症拡大による薬局経営への影響を把握するために実施したアンケート調査結果をまとめた。収入に関しては、「21%以上減」が29.2%、「11~20%減」が30.7%、「1~10%減」が23.6%と、8割以上の薬局が減少に転じていることが分かった。  アンケートは4月20~22日の3日間、神奈川県薬のメールマガジンを通じて実施。479件の回答(回収率35.3%)があった。  収入への影響については、83.5%の薬局が減少したと回答。「変わらない」が13.2%、「増加」が3.3%だった。処方箋枚数は、「21%以上減」が35.5%、「11~20%減」が33.4%、「1~10%減」が21.3%と、9割の薬局で減少していた。 [ 記事全文 ] * 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。

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【5月14日新着】キョーリン製薬HD・荻原社長 MR活動は「ソリューション提供型」に 予防・診断・治療をトータルに提案

キョーリン製薬ホールディングスの荻原豊社長は5月13日、ウェブで実施した2020年3月期(19年度)決算と新中期経営計画の発表会見で、今後のMR活動について、顧客の抱えている課題を把握して解決策を提案する「ソリューション提供型」に変えると表明した。「これまではモノを単純に売るディテールが多かった」と指摘し、マインドを含めてMR活動を大きく変えることに意欲を示した。ソリューション提供型の活動は感染症領域から開始し、予防、診断、治療をミックスして解決策を提案する。その後、呼吸器や泌尿器にも対象範囲を広げる。 新中期経営計画「HOPE100-ステージ3」は23年度を最終年度とする4か年の中期計画。同社は23年度に創業100周年を迎えることから、10年に「HOPE100」との長期ビジョンをまとめており、今回の新中計は長期ビジョンの総仕上げの意味合いもある。長期ビジョンでは「ヘルスケア事業を多角的に展開・発展させ、23年には社内外が認める健全な健康生活応援企業へと進化する」ことを掲げた。 新中計の数値目標は、連結売上高の年平均成長率5%以上、研究開発費控除前の連結営業利益(営業利益+研究開発費)は対売上高20%以上――とした。利益追求のために研究開発投資が縮小することがないよう、「営業利益+研究開発費」との指標を用いた。 成長ドライバーは喘息治療薬フルティフォーム、抗アレルギー薬デザレックス、過活動膀胱治療薬ベオーバ、合成抗菌薬ラスビックの新薬群で、迅速・的確・簡便で小型化されたPCR装置「ジーンソック」による診断事業も成長させる。 ■オリジナリティーを追求へ 新中計では、「オリジナリティーの追求による成長トレンドを実現する」との基本的な考え方を示した。荻原社長は、市場環境がさらに厳しく、制限がより強化されると、「似たような打ち手になり競争力がそがれる」と指摘し、独自の競争力のある打ち手(オリジナリティー)を追求すると話した。 オリジナリティーのある取り組みのひとつに、MR活動のソリューション提供型への変貌を挙げた。ソリューション提供型の活動は感染症領域から開始する。同社は感染症領域に、予防の製品として「ミルトン」「ルビスタ」、診断では「ジーンソック」、治療では「ラスビック」をラインナップしている。 荻原社長は、「ソリューション提供型のMR活動は、従来の活動とは異なり、顧客の考えている課題に対して『こういう解決策がある』との、いわゆる提案型の営業のやり方」と説明し、「感染症関連の医療従事者にトータルで情報提供する。医療関係者に対してキョーリン独自の貢献をする」と意欲を示した。これまでヘルスケアと医療分野を「極めて分離して活動していた」とも指摘し、今後は「この垣根をなくして複合的なディテールをしていく」と話した。 ■キョーリンリメディオのMR グループ調剤中心に活動 新中計の期間中に、コスト競争力の向上にも取り組む。このひとつとして、「GE営業体制の効率化により、GE事業のコスト競争力を高める」ことを盛り込んだ。この点について荻原社長は、同社グループで後発品を扱うキョーリンリメディオのMR約80人はグループ調剤を中心に活動するようにし、一般の薬局・薬店はグループ全体でカバーする取り組みだと説明した。 なお、前中計の「HOPE100-ステージ2(16年度~19年度)」では年平均成長率3%以上を目指したが、結果はマイナス2%だった。連結営業利益率15%以上を目指したが、結果は6.8%にとどまった。新薬創出等加算の見直しなど薬価制度抜本改革があったことや、デザレックスの一時供給停止、自社創製のラスビックの上市遅れなどが計画未達の理由となる。荻原社長は、デザレックスは19年11月に供給を再開し、ラスビックは20年1月に発売したとして、「いずれも解決した。成長ドライバーである新薬が出そろった。(新中計の)ステージ3では新薬群の伸長による成長トレンドの実現を目指す」とした。 ■19年度は減収減益 デザレックス供給再開の遅れなどで 同社の19年度連結業績は売上1099億円(前年同期比3.2%減)、営業利益75億円(16.4%減)の減収、各利益段階でも2ケタの減益だった。医療用医薬品事業の売上は1036億円(3.9%減)と減収で、特に国内の新薬事業が712億円(8.4%減)と不調だったことが響いた。 国内の新薬事業は、フルティフォームやベオーバなどは伸長する一方で、▽デザレックスの供給再開の遅れ(自主回収19年7月、再開同年11月)▽3%台の薬価改定影響▽アレルギー性鼻炎治療薬ナゾネックスに後発品が参入して売上が60億円(52.8%減)と半減した――といった減収要因を吸収できなかった。 このうちデザレックスについて荻原社長は、花粉症シーズンと新型コロナウイルスの感染拡大に伴うMRの訪問活動の自粛が重なったことで十分な情報提供活動ができず、非常に進捗が緩やかになったと説明した。そして、「新規処方や切替処方には、やはり対面(での情報活動)が非常に重要と思っている」とし、コロナ収束後のデジタルとリアルの活動で同剤を成長させたいと意欲をみせた。 ベオーバは想定以上の市場浸透により現在、出荷調整中。この点について荻原社長は陳謝するとともに、「生産体制の再構築に全力で取り組む」と述べた。ベオーバは売上43億円(481%増、36億円増)で、予想より15億円増だった。20年度は「ベオーバを過活動膀胱治療薬の第一選択薬に育成」するとしている。 なお、国内の後発品売上は310億円(5.5%増)で、ナゾネックスAGなどが寄与した。 ■20年度は増収増益の計画 新薬4製品の大幅伸長で 20年度計画は連結業績で売上1155億円(5.0%増)、営業利益97億円(29.3%増)と増収増益を見込む。新型コロナの影響は現時点では軽微だとしている。 2%台の薬価改定影響があるものの、国内新薬事業は746億円(4.8%増)を目指す。主力の新薬群の売上目標はフルティフォームが150億円(2.4%増)、デザレックスは88億円(240.2%増)、ベオーバは70億円(62.9%増)、ラスビックは41億円(279.7%増)――と設定し、大幅な売上増加を見込んだ。国内後発品事業は349億円(12.7%増)を計画し、6月にウリトスのAGなどを投入する。 【19年度連結業績(前年度比) 20年度予想(前年度比)】 売上高 1099億8300万円(3.2%減) 1155億円(5.0%増) 営業利益 75億300万円(16.4%減) 97億円(29.3%増) 親会社帰属純利益 61億4900万円(10.5%減) 76億円(23.6%増) 【19年度の国内主要製品売上高(前年度実績) 20年度予想、億円】 フルティフォーム 146(131)150 デザレックス 26(37)88 ベオーバ 43(7)70 ラスビック 11(-)41 ウリトス 58(66)27 ペンタサ 133(135)117 ナゾネックス 60(128)26 キプレス 118(138)95 ムコダイン 58(68)49 ジェネリック計 310(293)349 うち、キプレスAG 115(119)107 うち、ナゾネックスAG 28(-)35

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【5月14日新着】大日本住友 非定型抗精神病薬ラツーダ リモート専任MRが情報提供 6月上市予定

大日本住友製薬は5月13日、電話会議で開催された2020年3月期(19年度)の決算会見で、20日付けで薬価収載される非定型抗精神病薬・ラツーダ(一般名:ルラシドン塩酸塩)は6月に発売予定であることを明らかにした。新型コロナウイルスの影響で、MRによる医療機関への訪問の自粛が続くなか、新たにリモート専任MRが情報提供活動を開始する予定だとしている。 同社が活用を予定しているのは、「iMR」と呼ばれるリモート専任MRによる情報提供活動。医療関係者は、同社の医療情報サイト上から、チャットボットで予約を入れると、オンラインで面談することができる。予約が簡便で、直接医師と対話する形式で情報提供ができるのが特徴だ。 ■野村社長 「長い目で見ればMRの役割変わる」 野村博社長は、「訪問自粛が長引くと、直接対面する形での情報提供ができずに立ち上がりが難しくなるが、デジタルでできることは相当ある。早期に市場浸透させていきたい」と述べ、デジタルツールを用いたMR活動の可能性に期待感を込めた。そのうえで今後について、「デジタルにスイッチできない部分もあり、コアなFace to Face(対面での情報活動)は残るだろう」と指摘する一方、「長期的にみればVRなどを使うことで、Face to Faceで話しているような形で情報提供活動できると思う。現在、MRが担っている役割の多くはデジタルにスイッチされるため、長い目で見ればMRの役割は変わってくる」との考えを示した。 ■国内医療用薬 19年度8.1%増収 20年度予想は10.5%増目指す  19年度の国内医療用薬事業売上高は1397億円(前年度比8.1%増)。抗精神病薬・ロナセンなど長期収載品の売上が減少したものの、GLP-1受容体作動薬トルリシティが前年度比29.6%増の300億円を売り上げたほか、19年7月からノバルティスファーマと共同プロモーションを開始した糖尿病治療薬のエクアやエクメットの販売が寄与したことも増収に寄与した。 20年度の国内医療用薬事業の計画は、売上高は10.5%増の1544億円を目指す。主力品のトルリシティは22.1%増の366億円、6月に上市予定のラツーダは22億円の売上計画を立てた。また、エクア・エクメットは136%増の405億円を計画しているほか、19年9月に上市したロナセンテープは20年9月末に投薬期間制限解除に伴い、販売が拡大するとしている。 野村社長は、これらの製品群に加え、上期には、2型糖尿病治療薬として承認申請する予定だとして、「2020年度に国内で、精神神経・糖尿病領域でナンバーワンを目指す」と意気込んだ。 一方、がん領域の成長ドライバーとして期待を寄せていたナパブカシンについて、結腸・直腸がんの国際共同臨床第3相試験の結果が今夏にも判明する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で遅れが生じていると明らかにした。これまで21年度の上市を予定している。 【19年度の連結業績(前年同期比) 20年度予想(前年同期比)】  売上高 4827億3200万円(5.1%増) 5100億円(5.6%増) 営業利益 832億3900万円(43.8%増) 240億円(71.2%減) 親会社帰属純利益 407億5300万円(16.2%減) 70億円(82.8%減) 【19年度の国内主要製品売上高(前年同期実績) 20年度予想、億円】 トルリシティ* 300(231)366 トレリーフ 162(157)170 リプレガル 133(125)133 エクア・エクメット 171(—)405 メトグルコ 96(101)78 シュアポスト 69(61)30 アンビゾーム  42(40)40 ロナセンテープ 5(-)53 アムロジン 76(91)61 ロナセン錠・散 56(122)23 アイミクス 40(82)29 プロレナール 32(40)22 ガスモチン 31(38)23 AG品 74(55)94 仕切価ベース、*は薬価ベース

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【5月14日新着】エーザイ デジタルによる双方向情報提供体制へ転換 入眠薬デエビゴはデジタルで発売準備

エーザイの内藤晴夫CEOは5月13日、ウェブで開いた2020年3月期(19年度)の決算説明会で、「COVID-19のもたらす新秩序の大きなキーワードはデジタルトランスフォーメーションだと思う」と述べ、情報提供・収集活動や医薬品の安定供給体制、医療提供の現場など様々な分野でデジタル活用が進むとの認識を示した。4月に薬価収載された新規の不眠症治療薬デエビゴ錠(一般名:レンボレキサント)を「7月初めに発売予定」であることを明らかにするとともに、「デジタルを中核とする新発売の情報伝達を準備中」と述べた。新型コロナの影響に加え、会社としてデジタルトランスフォーメーションを推進する方針を掲げていることから、新製品をデジタル中心で展開してみることを示した格好だ。 デエビゴのデジタルを中核とする情報活動では、インターネットライブセミナーやウェブ上でのMRと医師との面会、デジタル会議を活用する考え。なお、同社MRの医療機関への訪問自粛は現時点では5月末まで継続する予定。 同社はこの日の決算資料の中で、新型コロナを背景とする今後のMR活動について、「フィジカルな医療機関に対する営業体制から、デジタルによる双方向情報提供体制へ転換」すると記載した。この解釈について同社広報部は本誌取材に、「常に対面での情報提供・収集活動を目指していたところから、デジタルをより活用していくということ」と説明した。 このほか内藤CEOは、デジタルトランスフォーメーションの取り組みとして、パンデミックや気候変動、自然災害など様々な要因による需要変化を人工知能(AI)が予測し、原料調達から生産、出荷までの最適な生産計画を策定・実行する仕組みを「焦眉の急で実現しないといけない」と語ったほか、データを核とした認知症プラットフォーム「easiit」(記事はこちら)による患者・家族との双方向の情報提供体制の構築に改めて意欲を示した。 ■11年に開発中止したエリトラン 重症新型コロナで国際共同治験開始 同社はこの日、新型コロナの治療薬・ワクチン創出の取り組みのひとつとして、11年に開発を中止したエリトラン(一般名、開発コード:E5564)の国際共同治験(ランダム化比較試験)を6月から開始する予定であることを明らかにした。感染が確認され、入院中かつ症状が進行している患者400例を組み入れる計画で、試験開始に向けた治療薬を準備中とした。内藤CEOは「順調にいくと年内には結果が判明する」と述べた。国内の治験施設の確保で調整中であることも明かした。 同剤はサイトカインストームの原因となる多種サイトカイン産生シグナリングの最上流に位置するTLR4(Toll様受容体4)の活性化を阻害する自社創製のアンタゴニスト。IL-6、TNFα、IL-1βなど複数のサイトカイン産生を単剤で一度に抑制することで肺炎の重症化を防ぐ可能性があるという。もともと重症敗血症の治療薬として開発していた。 ■19年度は過去最高益 抗がん剤レンビマが大幅伸長、ブロックバスターに 19年度の連結業績は、売上6956億円(前年同期比8.2%増)、営業利益1255億円(45.7%増)となるなど増収、各利益段階で2ケタ増益となった。営業利益は過去最高となった。日本の医療用医薬品売上は2471億円(10.7%減)の減収だった。 日本で後発品事業を展開するエルメッドエーザイを19年4月に日医工に譲渡したことが国内事業の主な減収理由となる。ただ、グローバルで抗がん剤レンビマが売上1119億円(78.9%増)とブロックバスターに成長し、レンビマに関連する米メルクとの戦略的提携に伴う一時金及びマイルストンペイメントとして761億円(前期から106億円増)の計上もあったため、国内事業のマイナスを吸収した。 内藤CEOによると、レンビマはその有用性や世界での適応拡大に加え、新型コロナで様々な学会から内服抗がん剤を推奨する各種ガイダンスが発出されたことも追い風になったという。「レンビマが持つ内服抗がん剤としてのメリットが、このような感染リスクの中で高まっていると考えている」と述べた。 ■20年度計画 レンビマ関連で約2200億円 20年度計画は、売上7190億円(3.4%増)、営業利益880億円(29.9%減)の増収減益を見込む。レンビマが引き続きグローバルで大きく成長して売上1580億円(41.2%増)を目指す。加えてメルクからの同剤に係るマイルストンペイメントもある。内藤CEOは、「(20年度に)レンビマは約2200億円の大きな売上収益をあげる事業に成長する」と期待を寄せた。 20年度はレンビマ以外にも、抗てんかん薬ハラヴェンや抗がん剤フィコンパなども成長させる。一方で、20年度は中期経営計画「EWAY2025」(16年度~25年度)の後半の成長に向けた「先行投資の年」と位置付けているとして、▽次世代認知症治療薬▽アンメットニーズの高いがん腫を標的としたレンビマとキイトルーダ併用療法――の開発に「積極的な資源投入を行う」としたほか、デジタルトランスフォーメーション実現に向けた投資なども行う計画。このため各利益段階で2ケタ減益の予想を立てた。 バイオジェンと共同開発している早期アルツハイマー病治療薬アデュカヌマブについて、内藤CEOは「全体として申請プロセスは良好かつ順調に進捗している」と説明。米国では20年度第2四半期の申請完了が「明確に視野に入った」としたほか、日欧でも規制当局との協議を継続進行しているとした。 【19年度の連結業績 (前年同期比)  20年度予想(前年同期比)】 売上高 6956億2100万円(8.2%増) 7190億円(3.4%増) 営業利益 1255億200万円(45.7%増) 880億円(29.9%減) 親会社帰属の純利益 1217億6700万円(92.1%増) 670億円(45.0%減) 【19年度のグローバル製品全世界売上高 (前年同期実績) 20年度予想、億円】 レンビマ 1119(626)1580 ハラヴェン 402(413)420 フィコンパ/Fycompa 253(193)340 アリセプト 349(402)350 パリエット/アシフェックス 241(277)240 【19年度の国内主要製品売上高 (前年同期実績) 20年度予想、億円】 ヒュミラ 519(469)520 リリカ 286(283)- メチコバール 139(150)120 アリセプト 133(179)100 レンビマ 131(100)150 ルネスタ 126(112)135 パリエット 106(129)75 ※ ハラヴェン 92(94)95 トレアキシン 77(72)- ケアラム 64(44)85 エレンタール 64(64)- ※ フィコンパ 39(30)100 グーフィス 36(-)65 ※ ジェネリック医薬品 -(252)- ※EAファーマ取り扱い製品 注) リリカは共同販促収入

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【5月14日新着】田辺三菱20年度3月期決算 営業利益112.1%減 60億円の減損

三菱ケミカルホールディングスは5月13日、完全子会社化した田辺三菱製薬の2020年3月期決算で営業利益が前年同期比112.1%減の60億円の減損だったと発表した。売上高は前年同期比10.6%減の3798億円、親会社帰属の純利益は1億円(99.6%減)だった。連結子会社のメディカゴ社が季節性インフルエンザの効能取得を目指して開発を進めていた植物由来VLPワクチン(MT-2271)について米国で申請を取りやめ、約240億円の減損損失を計上したことが響いた。 国内の医療用医薬品売上高は前年同期比1.9%増の3043億円。免疫疾患治療薬のステラーラが108億円伸びて260億円売上げるなど、重点品目が伸長した。ただ、多発性硬化症治療薬・ジレニアの特許をめぐり、ノバルティスとの仲裁手続きが行われていることから一部ロイヤリティについては認識を行わず、440億円減となったことが影響した。 VLPワクチンについては、成人を対象とした第3相臨床試験で、季節性インフルエンザの有用性を検討したが、主要評価項目の成功基準を満たさなかった。高齢者を対象とした臨床試験では、対照薬の鶏卵ワクチンに対する非劣勢を示し、主要評価項目の成功基準を満たした。ただ、メディカゴ社が米FDAと協議を進めた結果、追加の臨床試験の実施を求められたため、米国での承認申請を行わないことを決定していた。同社は、現行の製剤よりもさらに有効性を向上させる改良を行うため、アジュバントを加えた季節性インフルエンザワクチンの開発について、新たに検討を開始したとしている。 【19年度連結業績(前年同期比) 20年度予想(前年同期比)】 売上高 3798億円 4247億円(10.6%減) 3835億円(1.0%増) 営業利益 ▲60億円 503億円(112.1%減) 170億円(―) 親会社帰属純利益 1億円 373億円(99.6%%減) 85億円(―) 【19年度主要製品国内売上高(前年同期実績) 20年度予想、億円】 レミケード 533 (588) 447 シンポニー 409 (374) 422 ステラーラ 260 (152) 328 テネリア 152 (152) 149 カナグル 88 (67) 91 カナリア 67 (74)93 レクサプロ 149 (140) 146 ルパフィン 67 (34) 102 イムセラ 42 (43) 41 ワクチン計 389 (373) 409 うち、インフルエンザ 126 (102) 122 うち、テトラビック 94 (85) 112 うち、ミールビック 59 (68) 64 うち、ジェービックV 51 (55) 53 うち、水痘ワクチン 49 (51) 48 関連ファイル

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【5月14日新着】武田薬品・岩﨑プレジデント GMBUのMR170人をオンコロジー事業部に異動 スリムで機動的な組織づくり

武田薬品の岩﨑真人・取締役ジャパンファーマ ビジネスユニットプレジデントは5月13日、Web会議システムで本誌取材に応じ、新型コロナ後を見据えた製薬ビジネスの方向性について語った。岩﨑プレジデントは、「コロナが起こる前のノーマルな状況にはもう戻らない」と強調。新型コロナの感染拡大を通じ、地域医療が抱える課題を全国の知事、医療関係者、患者が理解したことで「はからずも地域包括ケアシステムが進むのでは」と述べ、これに対応するMRの情報提供活動もデジタルの活用が不可欠になると見通した。また社内体制については、ジェネラルメディスンビジネスユニット(GMBU)のMR170人を3か月間の研修を経て4月にオンコロジー事業部に異動させたことを明らかにした。オンコロジー領域の新薬3製品の上市を見込んだもの。岩﨑プレジデントは「世の中がどんどん変わっていく。我々もそれに応じスリムで機動的(アジャイル)な組織を作らないといけない」と述べた。 ◎ポストコロナ「ノーマルな状態には戻らない」 武田薬品はシャイアーとの統合を完了し、いよいよ5つのビジネスエリア(消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ニューロサイエンス)ごとの価値最大化を加速させる。岩﨑プレジデントは、「5年、10年、組織を変えないというやり方はしない。いまは3年で組織を変えている」と述べ、ビジネス環境に即応できる組織作りに注力する考えを強調した。ビジネス面では新型コロナウイルス感染症が多分に影響すると指摘。ポストコロナでは、「ノーマルな状態には戻らない。ニューノーマルは前のような活動を求めることはしない」と見通し、MRを含む情報提供活動そのものへの変化が避けられないと断言した。 ◎各営業所の「デジタルリード」を配置 デジタルリテラシー向上に一役 「MRは、何がデジタルで出来て、何がデジタルで出来ないかを自分たちで評価する」。同時に「(顧客の)医療機関や医療従事者、ステークホルダーも、わざわざ(病院まで)足を運んでもらわなくても情報収集が出来る、ということを見極めてくる」-。岩﨑プレジデントは強調する。ポストコロナはこれだけのインパクトを放つ可能性を秘めていると見る。 実は武田薬品は、新型コロナ問題が起こる半年前から社員のデジタルリテラシーを向上させるためのトレーニングを開始していた。各営業所に「デジタルリード」と呼ばれる営業職の専任者を1人もしくは2人配置。デジタルを活用した情報提供の牽引役としての活動を開始した。そのキックオフと新型コロナの感染拡大がちょうど重なるタイミングになったことは幸いした。岩﨑プレジデントは、こうした事前の準備が「結果的に活かされた」と評価した。続けて「この変化に伴いデジタル活用は進む。我々はこの間の在宅勤務を通じ、新型コロナの第2波やその他の感染症が次に来ることを学んだ。その意味で、いろいろなことが進んでくると思う」と述べ、デジタル感度の高いMRが活躍する時代が来るとも見通した。 ◎レアディジーズ「デジタルなしでは無理だと思う」 「出てくる新薬は環境変化に影響されにくいものになっていく」-。シャイアー買収の成果を岩﨑プレジデントはこう指摘した。「いずれパイプラインの切り替えがどんどん加速していく」とも強調する。レアディジーズや血漿分画製剤の領域は、「まだまだ疾患が診つくされていない」という。シャイアーを買収して学んだことについて岩﨑プレジデントは、「診断されるまでの期間が米国より30%以上遅い。ある疾患では13年もかかってやっと患者が診断されている。患者にとっても不幸だ。これをどうやって半分にするかがテーマだと思っている」と熱く語った。そのうえで医療者へのアプローチに触れ、「医師一人ひとりに情報活動するだけではどうにもならない」と述べ、「デジタルなしでは無理だと思う」との考えを披露した。ただ、Face to Faceを否定するのではなく、あくまでデジタルリテラシーに基づくツールの活用を主張している。岩﨑プレジデントは、詳細は控えるとしながらも、デジタルの強みは「空間と時間を超えることにある」とだけ明かしてくれた。 ◎バリューベースドやリインバースメントも十分ある 岩﨑プレジデントに製薬産業におけるイノベーションの評価についてもたずねた。同氏は一つの考え方として、「バリューベースドやリインバースメント(reimbursement=払い戻し)も十分ある」と応えた。1回の治療代が高額になる革新的新薬が多い。例えば、投与初期はクスリ代を請求しないが当該薬剤が効いている期間だけ、分割してクスリ代を請求するというもの。「我々のデータだと数年間は効きそうです。ならば効いている期間を請求頂く。これからは考えていくべきではないかと思う」と私見を交えて語ってくれた。 まさにバリューベースドの考え方に基づくものだ。岩﨑プレジデントは、国がイノベーションを評価する仕組みを持つことが前提とくぎを刺す。その一方で、「日本は製薬のリテラシーや技術は高い。この国から技術を生んでいくのは我々の責任だと思う」とも述べた。

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【5月8日新着】サノフィ プラルエントの販売停止 PCSK9抗体の特許訴訟 上告を最高裁が不受理

サノフィは5月7日までに、高コレステロール血症治療薬であるプラルエントの販売を停止した。同様の作用機序を有するレパーサの製造販売元であるアムジェンとの係争により、最高裁がアムジェンのPCSK9抗体をめぐる特許を認め、同社の国内でのプラルエントの生産、譲渡、輸入又は譲渡の申し出を行うことが禁じられたため。法律上、販売が差し止められたことになる。すでに医療機関や特約店に販売済みの製品は差し止めの対象ではないとしている。 争点となったのは、PCSK9抗体の特許だ。アムジェンが所有するPCSK9抗体とその権利範囲に関する2つの特許に対してサノフィが2015年に無効審判を申し立てたことが発端となっている。特許庁は17年8月にアムジェンの特許が有効との審判を下したが、サノフィがこの審決を不服として日本の知的財産高等裁判所(知財高裁)に審決取消訴訟を起こした。18年12月にはアムジェンの特許を認める判決を下し、サノフィは最高裁に上告受理の申し立てを行っていた。 これに対し、アムジェンは17年にサノフィに対し東京地方裁判所(東京地裁)に特許侵害訴訟を提訴。東京地裁は19年1月、アムジェンの特許の有効性を認め、サノフィに対し、プラルエントの生産、譲渡、輸入または譲渡の申し出を禁じる判決を下していた。サノフィはその後、知財高裁に控訴したが19年10月、原判決を支持する判決を下した。そのため、サノフィは最高裁に上告受理の申し立てを行っていた。 最高裁は、サノフィからの2本の上告受理申し立てに対し、4月24日に、いずれも不受理とする決定を行った。アムジェンの特許権が国内では有効であることが確定し、結果として、サノフィが国内でプラルエントの生産、譲渡、輸入又は譲渡の申出を行うことが禁じられた。 なお、同様の訴訟は、米国やドイツなど複数の国で行われているが、いずれの国も結論が出ていない状況にあるという。 ◎4月27日以降プロモーション活動停止 GW明けから医療機関への情報提供を開始 これを受け、サノフィは4月27日以降、受注やプロモーション活動を停止。5月7日から本格的に医療機関への情報提供を開始していた。サノフィは本誌に対し、「特許の正当性を信じていた。治療選択肢を増やすことは患者を考えると必要だと考えていた。極めて遺憾だ」とコメント。同剤を担当するMRについては、循環器や代謝領域の複数の製品を扱っていることから、「この影響で組織へのインパクトがあるということはない」と説明。これによるMRなどの人員削減などについては「現時点では考えていない」としている。 ◎アムジェン「治療継続を希望する患者の利益を最優先に」 アムジェンは本誌に対し、「重篤な疾病と闘う患者さんの治療ニーズに応える医薬品の創出には大きな投資が必要で、創薬におけるイノベーション促進のために、特許権の保護はアムジェン社のみならず、バイオテクノロジーおよび医薬品産業全体にとって必要不可欠」と指摘。「創薬におけるイノベーションを保護するため、特許権の侵害に対しては一貫した措置を講じる」との姿勢を示した。この結果として、将来にわたり革新的新薬を患者に届けることができるとの考えを強調した。 そのうえで、レパーサの製造販売元として、「医療現場に混乱を来さないよう細心の注意を払いながら、速やかに最高裁決定に基づき対応していく予定だ。共同販売会社であるアステラス製薬と、医療関係者を含む関連パートナーとの緊密な連携の下、PCSK9阻害剤による治療の継続を希望する患者さんの利益を最優先に努める」としている。

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