MRとして生きていく為の製薬業界動向・MR求人・MR転職情報サイト

【6月3日新着】米FDA 重症マラリア治療薬アルテスネイト承認

食品医薬品局(FDA)は5月26日、米Amivas LLC社(本社:メリーランド州フレデリック)の重症マラリア治療薬Artesnate 静脈注射薬(アルテスネイト)を承認した。適応は、成人および小児における重症マラリア。米国では、キニン以来初の重症マラリア治療薬となった。 同剤は、希少疾病薬と顧みられない熱帯病治療薬の開発に特化したベンチャー企業であるAmivas社と米国陸軍医学研究開発司令部(USAMRDC)が共同開発契約を結び、開発を進めてきた。なお、FDAは、同剤を優先審査および希少疾病薬に指定していた。 Amivas社のBryan Smith最高医学責任者(CMO)は、「我々が希少疾病の熱帯病に対する治療薬をもたらせる専門知識を持っていることが示された。重症マラリア患者の救命に貢献できると期待している」と話している。 米国では、キニンの製造業者が同剤の製造を中止して以降、マラリア治療薬がなく、患者には、FDAの薬剤拡大アクセスプログラムを通して、疾病管理予防センター(CDC)がアルテスネイトを供給していた。CDCによると、毎年、約2000人がマラリアと診断され、そのうち、300人が重症マラリアという。

続きを読む

【6月2日新着】5月患者受診動向 患者数は昨年実績比12%減 宣言解除後に昨対比プラスもトータル患者数は戻らず

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、診療所を受診するコロナ以外の患者の受診抑制が5月も継続していたことが分かった。エムスリーの「患者数リアルタイムレポート」の5月分データから明らかになったもの。1か月間(5月3日~30日)にクリニックを受診した全診療科の患者数は、昨年同月実績に対し12%減となった。ただ、緊急事態宣言を全面解除した5月24日の週(5月24日~30日)に限ってみると、前週より患者数は落ち込んだものの、昨対比でプラスに転じ、宣言解除で患者がクリニックを一斉に受診していたことが分かった。 ◎3月分データ、全診療科で受診患者数が減少に転じる 患者数リアルタイムレポートは、全国の医療現場で起きている診療実態を正確かつリアルタイムに把握する目的で、エムスリーが独自に構築したリアルワールドデータベース(2020年3月時点で延べ2600万患者分)をもとに作成した。 週次ごとのクリニックの受診患者数をみると、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった3月第1週(1日~7日)が昨年実績に対して6%減、3月第2週(8日~14日)が9%減、3月第3週(15日~21日)が10%減、3月第4週(22日~28日)が4%減、3月第5週(29日~4月4日)が8%減となり、3月の1か月間を通じ、全診療科で受診患者数が減っていることが分かる。 ◎4月分データ 緊急事態宣言の発令で受診控えが顕著に 外出自粛も影響か 東京、大阪など7都府県に緊急事態宣言が発令された4月7日以降の受診患者数のトレンドをみる。4月第2週(5日~11日)は11%減、緊急事態宣言が全国に拡大された4月16日を含む4月第3週(12日~18日)は23%減、4月第4週(19日~25日)は30%減と、3月に比べて患者の受診控えが増えていることが分かる。緊急事態宣言が発令され、外出自粛の要請が一段階強まったことも背景にある。なお、4月第5週(26日~5月2日)は連休のためデータはない。 ◎5月分データ GW挟み患者数減トレンド変わらず 宣言解除後に若干のプラスも 緊急事態宣言は5月14日に39県で解除、残る東京、大阪なども25日に解除された。では、5月の全診療科における受診患者数を見てみたい。5月第1週(3日~9日)はゴールデンウイークと重なったことから、昨年実績に対し52%減、連休明けの5月第2週(10日~16日)は16%減、5月第3週(17日~23日)は18%減、5月第4週(24日~30日)は21%減となった。ただ、緊急事態宣言が全面解除された5月25日の週でみると、患者数の実数は減っているものの、昨対比は上昇しており、若干ながら患者がクリニックを受診する動きに変わったことが示唆される。診療科別の詳細は明らかでないが、内科以外の診療科は昨対比がプラスに転じており、患者の受療行動に宣言解除が影響したことが示唆された。 ◎疾患別では花粉症患者の受診抑制が明らかに 新型コロナウイルスの感染拡大が診療科、年齢、疾患などにどのような影響を与えたかについても分析した。これまでの様々なデータから、新型コロナに伴う影響として、今回の感染拡大時期に流行する花粉症患者の受診抑制や、小児の受診控えが指摘されていた。花粉症については、クリニックを受診した患者数のうち昨年実績比が最も高かったのが3月第2週(8日~14日)で22%減となった。これは全診療科のトレンド(9%減)と比較しても、特異的に受診患者数の減少が分かる。 ◎感染拡大で小児患者の受診減 小児科は他診療科以上に影響大の可能性も 年齢別にみると0~14歳の受診患者については、3月第3週(15日~21日)が28%減となり、全診療科のトレンド(10%減)と比較して、受診控えがあったことを裏付けた。診療科のうち、小児科の受診患者数については、3月から5月末まで、全診療科に比べて患者数の減少は顕著だった。3月第3週(15日~21日)が29%減、その後も4月第4週(19日~25日)、翌第5週(26日~5月2日)はともに51%減、連休明けの5月第2週(10日~16日)は44%減、翌第3週(17日~23日)は47%減となっていることが分かった。

続きを読む

【6月2日新着】塩野義製薬 新中計「STS2030」発表 ヘルスケアプロバイダーへの変革 国内販売体制の再構築も

塩野義製薬の手代木功社長は6月1日、都内で記者会見し、新中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)」を発表した。24年度までの5年間をSTS Phase 1、30年度までをSTS Phase 2と位置づけている。手代木社長は会見で、創薬型製薬企業から「ヘルスケアプロバイダーへと自らを変革させる」と強調。社会変革の時代に見合う新たなヘルスケア領域のプラットフォームの構築に向けてパートナリングを進める考えを強調した。新設したヘルスケア戦略本部では「疾患戦略の実行」を掲げ、同社の治療薬をコアに、診断・予防・未病・ケアの各段階に取り組む。このため国内販売体制を再構築するとし、MRの生産性向上やデジタルアプローチによる顧客アクセスの強化などに注力する方針を明らかにした。 「次なるステップに入る」-。手代木社長は新中期経営計画の発表にあたり、こう宣言した。同社は2028年ごろにHIV製品の特許切れに伴うパテントクリフが控えている。また、ここ数年でゾフルーザなど自社創製品を複数上市したものの、「全社的なマーケティング力の不足」(手代木社長)などの課題も顕在化しており、従業員一人当たり生産性の向上が求められている。一方で、海外事業は、米国ビジネスで戦略品の目標未達などあるものの、中国・アジア市場では、中国平安保険グループとの協業によるビジネス基盤の構築に注力しており、データを活用したヘルスケアソリューションを武器にアジア市場への展開を模索する段階に入った。 ◎新型コロナは経済にパラダイムの変化を起こした 手代木社長は会見で、「今回の新型コロナウイルスは、経済にパラダイムの変化を起こした」と指摘。「社会の変化に我々がどんなサービスを提供できるかを考えなければならない」と述べ、当初の予定を1年間前倒して新中期経営計画(STS2030)を策定したことを明らかにした。ビジネスモデルの転換では、自社販売とアライアンスのバランスをあげ、「パテント活用ビジネス」と「強みを活かしたパテント以外のビジネスのバランス」をあげた。具体的には、日米欧・中国における医薬品の自社販売を強化するほか、医療用医薬品以外の製品やサービスとして、OTC、ワクチン、CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)、さらに新プラットフォームサービスなどをあげる。すでに中国平安保険グループとは、創薬型製薬企業モデルを進化・発展させた新たなモデルの構築をスタートさせたところだ。手代木社長は、プラットフォームによる販売体制の構築で、GEビジネス、OTCビジネス、データドリブンのR&Dとそれに基づく新薬開発と販売を展開する方針を提示。「海外事業の中でも中国・アジア事業について特に注力する」とし、強い期待感を表明した。 ◎疾患戦略を重視 国内販売体制について再構築 生産性向上 国内事業については、ゾフルーザやインチュニブなどを中心に、新薬の成長を実現する。具体的な戦略では、ヘルスケア戦略本部において、重点疾患におけるプラットフォーム構築で、予防・未病から治療、予後のトータルケアを実現するとした。このため国内販売体制については再構築する考え。MRに対しては、「疾患をトータルで理解し、顧客の相談相手に選ばれる知識とスキル」を求めた。また精鋭化や効率化による生産性向上にも取り組む方針。さらに「遅れていた」デジタルアプローチによる顧客アクセスの強化に努める考えだ。 ◎初期5年間「STS Phase 1」でトランスフォーメーションの具現化目指す 新中期経営計画のSTS Phase 1(20年度~24年度)では、売上高5000億円(FY2019:3333億円)、コア営業利益1500億円(同:1282億円)、コア営業利益率30%以上(同:38.5%)、海外売上比率(RYT除く)50%以上(同:18.5%)、自社創薬比率60%以上(同:67%)の目標を掲げている。なお、新たな成長ドライバーへの事業投資は5000億円。R&D投資は、過去5年比で20%以上増とした。

続きを読む

【6月2日新着】第一三共 抗体薬物複合体DS-1062とキイトルーダとの併用療法を評価へ

第一三共は6月1日、TROP2に対する抗体薬物複合体(ADC)のDS-1062と、米メルクの免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法を評価する研究開発提携契約をメルク子会社と締結したと発表した。契約に基づき、第一三共は活性化遺伝子異常のない進行・転移性非小細胞肺がん患者を対象とした両剤併用のフェーズ1試験を行う。 第一三共は、「DS-1062と標的の異なる他剤との併用療法により、DS-1062の価値を最大化し、がん患者さんのアンメット・メディカル・ニーズの充足に取り組む」としている。 同試験は2つのパートからなり、用量漸増パートのパート1では、DS-1062の投与量を段階的に増やしながら安全性と忍容性を評価し、最大耐用量と推奨用量を決定する。用量展開パートのパート2では、両剤併用の推奨用量での安全性と忍容性を評価する。主要評価項目は両剤併用における最大耐用量、推奨用量での安全性と忍容性で、副次評価項目は客観的奏効率(腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合)などとする。日米で約60人の患者を登録する予定。 ADCは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤。がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高める。 DS-1062は第一三共独自のADC技術を用いて創製されたもので、独自のリンカーを介して新規のトポイソメラーゼⅠ阻害薬(DXd)を抗TROP2抗体に結合させた薬剤。1つの抗体につき約4個のDXdが結合している。TROP2は非小細胞肺がんを含む複数の固形がんに高発現するたんぱく質の一種で、非小細胞肺がんの大多数に発現しており、がんの進行や生存率の低下に関係しているといわれている。現在、非小細胞肺がん患者を対象に承認されているTROP2を標的とした治療法はない。

続きを読む

【6月2日新着】リン吸着薬・リオナ錠で鳥居薬品とあすか製薬がコプロ 鉄欠乏性貧血の効能追加見据え

鳥居薬品とあすか製薬は6月1日、リン吸着薬のリオナ錠(一般名:クエン酸第二鉄水和物)について、コプロ契約を締結したと発表した。同剤は現在、鉄欠乏性貧血治療薬として効能追加申請中。鳥居薬品は、産婦人科領域に強みを有するあすか製薬とコプロすることで、早期の市場浸透を狙う。 承認取得後は、鳥居薬品は、主に腎臓内科・透析科等、慢性腎臓病領域の医療機関に注力。あすか製薬は同社の強みである産婦人科の医療機関を中心に情報提供を行う。 同剤は2014年1月、日本たばこ産業(JT)が承認を取得。「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」を効能・効果に、鳥居薬品が同年5月から、販売及び情報提供活動を行っている。鉄欠乏性貧血を適応症とする効能追加申請は、JTが20年5月に行っていた。

続きを読む

【6月2日新着】薬粧連合が政治団体「薬粧政連」を設立 政治活動を強化

第一三共やアステラスなどの労働組合で構成される医薬化粧品産業労働組合連合会(薬粧連合)は6月1日、同連合会を母体とする政治団体・薬粧政連(医薬化粧品産業労働組合連合会政治連盟)を設立した。国の政策や制度に大きな影響を受ける産業別労組として、政治活動を強化することが目的。会長は薬粧連合の浅野剛志会長が務める。 薬粧政連によると、設立に至ったのは、医薬化粧品関連産業は薬機法をはじめ、国の政策や制度に非常に大きな影響を受ける規制産業にも関わらず、これまで政治に関する活動が活発に行われておらず、労働者の側から声を上げる必要があったため。 今後は、薬価制度改革などをテーマに年3回程度勉強会を開催するほか、製薬業界団体や厚労系の国会議員などと意見交換を行う方針。医薬化粧品産業に対する理解や協力を得られるよう、関係者に働きかける。ただ当面は、特定の支持政党を示さない方針としている。 設立総会は当初2月に行なう予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大をふまえ、5月に持ち回り審議で開催。6月1日に東京都選挙管理委員会に対し、設立届を提出した。

続きを読む

【6月2日新着】JT JAK阻害薬コレクチム軟膏の低濃度製剤を承認申請 小児アトピー性皮膚炎治療薬として

日本たばこ産業(JT)は5月29日、世界初の外用JAK阻害薬コレクチム軟膏(一般名:デルゴシチニブ)の低濃度製剤となるコレクチム軟膏0.25%を同日付で承認申請したと発表した。2歳以上16歳未満の小児のアトピー性皮膚炎を予定適応とする。既承認のコレクチム軟膏0.5%についても同日付で、小児の用法・用量を追加する一変申請を行った。同軟膏0.5%は1月に承認を取得し、JT子会社の鳥居薬品が6月24日に発売する予定。 同軟膏0.25%は小児用製剤となる。同軟膏は、細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たすヤヌスキナーゼ(JAK)の働きを阻害し、免疫反応の過剰な活性化を抑制することで、自己免疫・アレルギー性疾患を改善する。 国内で実施した2歳以上16歳未満の日本人小児アトピー性皮膚炎患者を対象としたフェーズ3試験では、有効性の主要評価項目である投与開始日を基準とした最終評価時のmEASIスコア(アトピー性皮膚炎の重症度評価として周知されているEASIスコアから、頭頸部スコアを除いたスコア)の変化率について、プラセボに対するデルゴシチニブ軟膏の優越性が確認されたという。長期投与時の安全性についても確認されたとしている。

続きを読む

【6月1日新着】薬食審・第一部会 新薬8製品の承認了承 経口GLP-1作動薬、服用後一定時間は食物摂取不可

厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は5月29日、Web会議で新薬8製品の承認の可否を審議し、いずれも承認することを了承した。この中には2型糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬で初の経口薬となるリベルサス錠(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))や、新規の経口腎性貧血薬のHIF-PHD阻害薬で初の保存期適応を持つ▽バフセオ錠(バダデュスタット)▽ダーブロック錠(ダプロデュスタット)――の2剤もある。いずれも大型化が期待されている製品で、6月にも正式承認されるとみられる。 リベルサスは1日1回の服用で用いるが、厚労省によると、同剤は空腹時に服用後、一定時間は食物摂取は不可との使い方になるという。添加剤のサルカプロザートナトリウムによって同剤の胃からの吸収を可能としたが、他の胃内容物の影響を受けやすいことから服用後すぐの食物摂取は不可となる。 この日の部会では、リベルサスの臨床上の位置づけや、リベルサスと同じ成分の週1回皮下注製剤・オゼンピックとリベルサスとの使い分けも議論になった。適正使用できる患者は経口薬、病医院で週1回しっかり管理してもらいたい患者は皮下注製剤とのやり取りもあったようだ。 ■保存期と透析期の腎性貧血に使用できるHIF-PHD阻害薬2剤も登場へ 【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名) ▽オンジェンティス錠25mg(オピカポン、小野薬品):「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。 末梢性の長時間作用型の新規COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)阻害薬。1日1回投与製剤で、レボドパ含有製剤と併用して用いる。細胞毒性を示すことなく、末梢選択的に高いCOMT阻害作用を示す。プラセボと比較して、レボドパ(ドパミン前駆体)のバイオアベイラビリティを最大65%まで増加させ、用量依存的にOFF時間を短縮するとされる。同種同効薬にコムタン錠がある。 海外では19年6月時点で、32の国・地域で承認済。 ▽オノアクト点滴静注用50mg、同点滴静注用150mg(ランジオロール塩酸塩、小野薬品):「敗血症に伴う▽心房細動▽心房粗動▽洞性頻脈――の頻脈性不整脈」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。 短時間作用型アドレナリンβ1受容体遮断薬。交感神経系のβ1受容体に選択的に結合し、カテコールアミンの作用に拮抗することで心拍数を低下させる。現在は手術時の頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置などに使われている。 静注用β遮断薬としてインデラル注射液やブレビブロック注が上市されているが、敗血症に伴う頻脈性不整脈の適応を持つ薬剤はない。オノアクトの今回の適応は海外でも承認されていない。 ▽サムスカ錠7.5mg、同錠15mg、同錠30mg、同OD錠7.5mg、同OD錠15mg、同OD錠30mg、同細粒1%(トルバプタン、大塚製薬):「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。再審査期間は10年。 水利尿(電解質を含まない水分の排泄)を促進する経口バソプレシンV2受容体拮抗薬。抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)はバソプレシンが生理的調節機構を逸脱して過剰に又は不適切に分泌され、V2受容体を介する抗利尿作用により希釈性低ナトリウム血症をきたす疾患。放置すれば徐々に悪化して中枢神経症状を呈するようになり、脳ヘルニアなどにより死に至ることもある。統計学的に国内のSIAHD患者は1700人とされる。日本内分泌学会から開発要望が出され、未承認薬等検討会議での議論を経て、厚労省から開発要請された。 海外では19年9月現在、SIAHDにおける低ナトリウム血症の治療薬として、欧米を含む45の国・地域で承認済。 ▽バフセオ錠150mg、同錠300mg(バダデュスタット、田辺三菱製薬):「腎性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。 低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHD)阻害薬と呼称する新クラスの薬剤。慢性腎臓病(CKD)患者では、赤血球産生を促すホルモンであるエリスロポエチンが十分に産生されないため貧血がよくみられる。HIF-PHD阻害薬は、低酸素(酸素欠乏)で生じる生理学的作用と同様に、骨髄での赤血球産生を促すことで腎性貧血に効果をもたらす。 保存期と透析期の腎性貧血に使用できる。正式承認されれば、保存期適応を持つHIF-PHD阻害薬は同剤とダーブロック錠が1番手となる。用法・用量は1回300mgを開始用量として、1日1回経口投与する。以後は患者の状態に応じて投与量を増減するが、最高用量は1日1回600mgとする。保存期、透析期とも同じ用法・用量となる。 海外で承認されている国・地域はない。 ▽ダーブロック錠1mg、同錠2mg、同錠4mg、同錠6mg(ダプロデュスタット、グラクソ・スミスクライン):「腎性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。 低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHD)阻害薬と呼称する新クラスの薬剤。慢性腎臓病(CKD)患者では、赤血球産生を促すホルモンであるエリスロポエチンが十分に産生されないため貧血がよくみられる。HIF-PHD阻害薬は、低酸素(酸素欠乏)で生じる生理学的作用と同様に、骨髄での赤血球産生を促すことで腎性貧血に効果をもたらす。 保存期と透析期の腎性貧血に使用でき、正式承認されれば、保存期適応を持つHIF-PHD阻害薬として同剤とバフセオ錠が1番手となる。ダーブロックも1日1回投与で使うが、用法・用量が▽保存期慢性腎臓病▽保存期で赤血球造血刺激因子(ESA)製剤からの切り替え▽透析患者――のそれぞれで規定されており、この点がバフセオと異なる。 ダーブロックは保存期慢性腎臓病患者に対して、1回2mgまたは4mgを開始用量とし、以後は患者の状態に応じて適宜増減し、最高用量は1日1回24mgまでとして使う。保存期でESA製剤からの切り替えと透析患者に対しては、1回4mgを開始用量とし、以後は患者の状態に応じて適宜増減し、最高用量は1日1回24mgまでとする。 ダーブロックを承認申請したGSKは、ESA製剤ネスプを手掛ける協和キリンと同剤に関する提携契約を結んでおり、承認取得後は協和キリンが販売し、両社で情報提供・収集活動を行う。海外では20年3月現在、承認されている国・地域はない。 ▽リベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mg(セマグルチド(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ):「2型糖尿病」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間は6年。 1日1回経口投与のGLP-1受容体作動薬。承認されれば、GLP-1受容体作動薬で初の経口薬となる。セマグルチドを主成分とする週1回投与の皮下注製剤・オゼンピックもノボが承認を取得している。 セマグルチドは生体内で分泌されるホルモンであるGLP-1のアナログで、リベルサスはサルカプロザートナトリウム(SNAC)と呼ばれる吸収促進剤を含有した製剤。SNACは胃でのセマグルチドの吸収を促進することで、セマグルチドの生物学的利用能を高め、効果的な経口投与を可能にする。 用法・用量は、通常、成人には、1日1回3mgから開始し、4週間以上投与した後、1日1回7mgに増量する。1日1回7mgを維持用量とする。患者の状態で適宜増減するが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1回14mgまで増量できる。厚労省によると、患者向け資材や添付文書にて、同剤は空腹時に服用し、その後すぐに食物摂取することは不可との旨の使用法を記載する。 ノボは同剤の承認取得後、経口血糖降下薬のジャヌビアなどを手掛けるMSDとコ・プロモーションする。 海外では、米国で19年9月に、欧州で20年4月に承認済。 ▽ゼオマイン筋注用50単位、同筋注用100単位、同筋注用200単位(インコボツリヌストキシンA、帝人ファーマ):「上肢痙縮」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。 有効成分のインコボツリヌストキシンAは、A型ボツリヌス菌により産生されるA型ボツリヌス毒素から菌由来の複合タンパク質を取り除いたもの。これにより中和抗体ができにくくなる。 再投与は前回の効果が減弱した場合に可能で、投与間隔は類薬のボトックスと同じく「12週以上とすること」とされたが、ゼオマインはさらに、「なお、症状に応じて投与間隔は10週まで短縮できる」とも記載された。「10週まで短縮できる」との投与間隔が、ゼオマインの特徴のひとつとなる。 海外では上肢痙縮の適応に対して、欧米を含む73の国・地域で承認済。 ▽エンスプリング皮下注120mgシリンジ(サトラリズマブ(遺伝子組換え、中外製薬):「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。 ヒト化抗IL-6レセプターリサイクリング抗体。視神経脊髄炎スペクトラム(NMOSD)は視神経と脊髄の炎症性病変を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患で、生涯にわたって衰弱を引き起こす。繰り返す再発により、神経の損傷や障害が蓄積される。症状として視覚障害、運動機能障害などが現れる。同剤はNMOSDの病態に深くかかわっているとされるIL-6シグナルを阻害することで、NMOSDの再発を抑制することが期待されている。 海外では20年2月時点で、承認されている国・地域はない。 【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名) 報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。 ▽キンダリー透析剤AF5号、同AF5P号、同5E(一般名は医療用配合剤のため該当しない、扶桑薬品):「慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として用いる」を効能・効果とする類似処方医療用配合剤。再審査期間は、なし。既存のキンダリー透析剤AF4号の組成を基本として、カリウムとマグネシウムの濃度が4号より若干高い。海外では20年3月現在、承認されている国・地域はない。 ▽フェントステープ0.5mg、同テープ1mg、同テープ2mg、同テープ4mg、同テープ6mg、同テープ8mg(フェンタニルクエン酸塩、久光製薬):がん性疼痛の適応について、現在は他のオピオイド鎮痛薬から切り替えて使用することになっているが、今回、オピオイド鎮痛薬未使用患者にも使えるようにする。フェントステープをオピオイド鎮痛薬の未使用患者に用いる場合は、0.5mgから開始する。再審査期間は、なし。

続きを読む

【6月1日新着】医療用薬5製品 効能追加など承認取得 イクスタンジとアーリーダ、遠隔転移のある前立腺がんを追加

医療用医薬品5製品が5月29日、効能追加や用法追加の承認を取得した。この中には、アステラス製薬が製造販売元の抗がん剤イクスタンジとヤンセンファーマの同アーリーダについて、そろって「遠隔転移を有する前立腺がん」を効能・効果に追加することがある。 承認された製品は以下の通り(カッコ内は一般名、製造販売元) ▽オフェブカプセル100mg、同150mg(ニンテダニブエタンスルホン酸塩、日本ベーリンガーインゲルハイム):「進行性線維化を伴う間質性肺疾患」を効能・効果に追加する新効能医薬品。優先審査品目。再審査期間は5年10か月。 血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)αβ及び線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)1,2,3及び血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする低分子チロシンキナーゼ阻害薬。今回、進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)に対する抗線維化作用が期待される初の治療薬として承認された。 ▽イクスタンジ錠40mg、同80mg(エンザルタミド、アステラス製薬):「遠隔転移を有する前立腺がん」を効能・効果に追加する新効能医薬品。再審査期間は残余期間(2022年3月23日まで)。 経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬。アンドロゲン受容体へのアンドロゲンの結合を競合的に阻害し、転写因子であるアンドロゲン受容体の核内移行及びDNA上の転写因子結合領域との結合を阻害することにより、アンドロゲン受容体を介したシグナル伝達を阻害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。18年6月から「去勢抵抗性前立腺がん」の効能・効果で販売している。 ▽アーリーダ錠60mg(アパルタミド、ヤンセンファーマ):「遠隔転移を有する前立腺がん」を効能・効果に追加する新効能医薬品。再審査期間は残余期間(2027年3月25日まで)。 経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬。前立腺がん細胞のアンドロゲンシグナル経路を遮断する。アンドロゲンがアンドロゲン受容体(AR)に結合するのを阻害する、ARががん細胞核内に移行するのを止める、ARががん細胞のDNAに結合するのを阻害する、との3つの方法でがん細胞の増殖を阻害する。19年5月から「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」の効能・効果で販売中。日本新薬とコ・プロモーションしている。 ▽プレベナー13水性懸濁注(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)、ファイザー):ハイリスク患者における肺炎球菌による感染症の予防を追加する新効能医薬品。再審査期間は残余期間(2021年6月17日まで)。 現在は高齢者や小児に使えるが、今回、ハイリスクの成人患者にも使えるようになった。海外では欧州で09年12月に、米国で10年2月乳幼児を対象に承認された後、欧州で13年7月、米国で16年7月までに対象年齢が全年齢層に拡大された。 ▽ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.4mL、同皮下注80mgシリンジ0.8mL、同皮下注40mgペン0.4mL、同皮下注80mgペン0.8mL(アダリムマブ(遺伝子組換え)、アッヴィ):化膿性汗腺炎の適応で2週間に1回投与を可能にする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は残余期間(2029年2月20日まで)。 ヒト型抗ヒトTNFαモノクロ―バル抗体製剤。化膿性汗腺炎に対する現在の用法・用量は、初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射し、初回投与4週間後以降は40mgを毎週1回皮下注射して用いるというもの。今回、初回投与4週間後以降の部分について、「40mgを毎週1回又は80mgを2週に1回、皮下注射する」とし、現在の投与量を倍増させて2週間に1回投与も可能とした。

続きを読む

【6月1日新着】卸連 新型コロナで価格交渉が困難「中間年の薬価改定の実施方針は見直すべき」と決議

日本医薬品卸売業連合会(卸連)は5月28日、「中間年の薬価改定の実施方針は見直すべき」などを盛り込んだ決議文を採択した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、医療機関や保険薬局から納品以外の訪問活動の自粛を要請されているなど、通常の流通取引に支障をきたしている状況下で「適切な価格交渉を行うことは困難な状況である」とし、薬価の中間年改定(毎年薬価改定)への対応が難しいと強調した。また、昨年11月に独禁法違反の疑いで会員会社が公取委の強制調査を受けたことに触れ、「コンプライアンスの徹底を図りつつ、社会的信頼の回復に向けて重大な決意をもって取り組む」ことを決議文に明記した。 ◎医療機関・保険薬局「平常時とは全く様相を異にしている」 新型コロナウイルス感染症をめぐり政府の緊急事態宣言は解除されたものの、全国各地の医療機関や医療従事者は第2波に備え、医療提供体制の維持・確保や検査体制の強化などで気の抜けない状況が続いている。こうした状況を踏まえ、卸連の決議では、「外来の大幅な減少、入院による手術の延期など、平常時とは全く様相を異にしている」と指摘した。 ◎納品以外の訪問は自粛 価格交渉「見積書提出どころか条件面の調整も行えていない」 流通取引の現状については、「殆どの医薬品卸は、医療機関・保険薬局から納品以外の訪問自粛を要請されているため、営業活動が行えず、配送業務を中心に活動せざるを得ない状況」と訴えた。4月の薬価改定後の価格交渉についても、「見積書の提示どころか、条件面での調整も行えていない」と強調し、理解を求めた。 5月27日の中医協薬価専門部会では、薬価の中間年改定にむけて議論をスタートさせた。卸連は、「中間年の薬価調査にあたっては、単品単価契約、早期妥結などを積極的に推進するとされたが、医療機関・保険薬局においてもそれらに対応する余裕がなく、適切な価格交渉を行うことは困難な状況である」と強調。決議文では、「中間年の薬価調査・薬価改定について議論された当時とは、医療や医薬品流通の現況は大きく異なっている」と指摘し、平常時と異なる状況下において、中間年の薬価改定の実施方針を見直すべきと強調した。 ◎公取委の強制調査を受け「社会的信頼の回復に向け重大な決意」 決議文では昨年11月に公取委の強制調査を会員会社が受けたことに触れた。「関係者の不振を招き、国民に疑念を生じさせることになったことを重く受け止めなければならない」とし、「公正かつ自由な競争に十分に留意するなど、コンプライアンスの徹底を図りつつ、社会的信頼の回復に向けて重大な決意をもって取り組む」とした。 また、「新型コロナウイルス感染症の終息が見えない状況下において、感染防止に努めるとともに、医薬品の安定供給が自らの最大の使命であることを再認識し、医療に支障を生じさせないことのないよう全力で取り組む」ことも決議した。

続きを読む

サイト内検索