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富士フイルム、インドでAI診断支援の検証開始

富士フイルムは9日、インドで画像診断支援に使う人工知能(AI)技術の検証を始めると発表した。2月に同国で健康診断のサービス事業を始めており、胸部コンピューター断層撮影装置(CT)検査の受診者2000人を対象に画像診断支援のAIが医師の診察を効率化できるかなどを確かめる。検証結果をもとに他国への展開にもつなげる。 2月にインド南部のベンガルールに開設したがん検診などの健診センター「NURA」で検証を始める。画像...

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大塚製薬や米アムジェン、新たな仕組みの片頭痛薬

国内に約800万人の患者がいるとされる片頭痛の予防で、新薬が相次ぎ登場している。大塚製薬や米アムジェン日本法人など3社がそれぞれ、頭痛が起きる原因物質に直接作用して発症を抑える新たな治療薬を発売した。新たな仕組みで作用する薬が実用化されるのは約20年ぶりといい、患者の治療の選択肢が広がる。 大塚製薬は「アジョビ」、アムジェンは「アイモビーグ」の名称で、それぞれ新しい薬を8月に発売した。「抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)抗体」という種類の抗体医薬で、数週間に1度注射する。日本イーライリリーも同じ種類の治療薬「エムガルティ」を日本で4月に発売し、第一三共と組んで販売している。 片頭痛の原因とされるCGRPと呼ぶ物質に結合して、血管が広がることを抑えて痛みを感知する神経を刺激しにくくする。投与対象となるのは、痛み止めの処方などの治療をしても日常生活に支障をきたしている患者。定期的に投与すると片頭痛の発症を抑えられるという。各社はピーク時に年140億~170億円の売上高を見込む。 従来は片頭痛の予防のためには、脳血管の収縮を抑える高血圧の治療薬が使われていた。血管の収縮と拡張の差を小さくすることで痛みを出にくくするものだったが、片頭痛の原因物質に働くものではなかった。 片頭痛の症状が出た際に飲む薬の開発も進んでいる。日本イーライリリーは「ラスミジタンコハク酸塩(一般名)」について厚生労働省に製造販売承認を申請している。片頭痛に関与するとされる物質の「5-HT1F受容体」にのみ働くとされ、従来の似た作用の薬とは違って血管の収縮を伴わないという。心血管の病気のリスクを持つ人にも使いやすい可能性がある。

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大日本住友・野村社長 フロンティア事業を医薬に次ぐ成長エンジンに 2032年度の売上収益1000億円

大日本住友製薬の野村博社長は9月8日の「フロンティア事業説明会-FBO Showcase」に臨み、「医薬事業に次ぐ成長エンジンとして同事業を確立する」と表明した。同社のフロンティア事業は、予防・治療・予後を通じたヘルスケアソリューションの開発を目的に2019年4月から本格稼働させた。野村社長は、「医薬事業と近接した領域に特化し、医薬品では解決できない健康上の課題を解決するソリューションを提供する」と述べ、社会ニーズと社会課題にそれぞれ応える考えを強調した。なお、22年度から各種ソリューションの上市を順次進め、2027年度には日米市場で2~300億円、32年度で1000億円の売上収益を見込む。 同社のフロンティア事業が注力する領域は、①精神神経、②運動機能障害、③生活習慣病、④がん―など。その領域ごとに、予防、診断、治療、介護期、社会復帰期のそれぞれに潜む課題解決のソリューションを開発・提供する。例えば、「精神神経」領域のうち認知症については、「兆候を把握し、未然に防ぐ」ようなソリューションの開発が求められる。運動機能障害では、身体補強と拡張に関わる技術、生活習慣病ではPHRやモニタリングなどで開発が求められる。 ◎Aikomi社とパートナーシップで「認知症周辺症状用機器」を開発 この日の説明会では、Aikomi社とのパートナーシップによる「認知症周辺症状用機器」の開発状況が報告された。非薬物療法を目指すデジタルソリューションで、早期に発症リスクと症状進⾏パターンを予測し、認知機能の維持と⽣活を⽀援できる環境を提供する。同機器については、2022年度中にコンシューマー・介護用途での本格販売を目指す方針も明らかにされた。さらに、プログラム医療機器(治療アプリ)としての活用も視野に入れ、認知症患者へのリハビリを想定した治験などが計画されている。 ◎VR領域でBehaVR社と「社交不安障害用VRコンテンツ(SAV-985)」を制作 一方、VR(バーチャル・リアリティ)分野では、BehaVR社とのパートナーシップによる「社交不安障害用VRコンテンツ(SAV-985)」の開発状況が報告された。社交不安障害は対人恐怖症、赤面恐怖症とも言われ、社会的状況に強い不安や苦しみを感じて自身の行動を極端に制限してしまうもの。VRコンテンツで認知⾏動療法を再現できるため、対人セラピーを受けられない人でも社会活動を取り戻せる可能性を追求できるという。同疾患の米国内での12か月有病率は7.1%、社交不安障害を経験した人は12.1%に及ぶという。BehaVR社との共同開発により、ジェネラルウェルネス品モデルとして2022年中に⽶国で製品化し、将来は医療機器(DTx)として製品化を⽬指す方針が示された。 ◎メルティンMMIと「⼿指⿇痺⽤ニューロリハビリ機器」を開発 運動機能障害については、メルティンMMIとのパートナーシップで開発が行われている「⼿指⿇痺⽤ニューロリハビリ機器」が紹介された。メルティンMMIは2013年に起業したサイボーグベンチャー。18年10月に大日本住友製薬と共同研究開発契約を締結している。運動⿇痺の原因疾患は、脳⾎管障害が圧倒的に多く、脳卒中リアビリテーションの課題でもある。この課題を解決するため、両社は「生体信号」×「ロボット」でニューロリハビリレーションを実現するソリューションの開発に着手した。脳卒中⽚⿇痺患者を対象に順天堂大学とメルティンMMIによる臨床試験も始まっている。今後は、実臨床でのエビデンスの収集を急ぎ22年度中の医療機器認証の取得を目指す。その後は、認証機器で得られたエビデンスおよび他疾患への対応により医療機器としての承認も取得したい考え。 ◎ソリューションごとに収益モデルを検討 雇用者向け福利厚生や保険償還など様々 フロンティア事業で手掛ける各種ソリューションは、22年度以降順次上市する予定。22年度は、日本では「認知症周辺症状⽤機器」(非医療機器)をAikomi社が介護⽤途で販売するほか、米国は「社交不安障害⽤VRコンテンツ」(非医療機器)の販売を予定している。収益モデルについては今後詰めるとしているが、例えば、VRコンテンツを用いたジェネラルウェルネス事業については、企業の雇用者向け福利厚生としてのサービス提供などを想定している。一方、薬事申請を経て医療機器(DTx)として製品化した場合は、保険償還を目指す。このほか販売チャネルや流通チャネルについても、製品化を同時に詰める方針が示された。

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病棟の患者用ネット環境 DPC病院の9割近くが整備に前向き 「整備済み」は46%

DPC病院の9割近くが、病棟の患者用インターネット環境の整備に前向きなことがわかった。病棟の患者用ネット環境が「整備済み」は46%、「検討中」は40%だった。コロナ禍で入院患者の外部との接触が制限されるなか、オンラインで外部とのコミュニケーションをとれるようにする。実際、「整備済み」の病院では、オンライン面会や妊婦の母親学級などに活用され、患者満足度の向上や不安軽減につながったとの声が聞かれた。 この調査は医療情報のネットワーク化を推進するメディカル・データ・ビジョン(以下、MDV)がウェブで実施した。調査時期は8月23日~30日。全国162のDPC病院から回答を得た。調査の背景には、悪性リンパ腫治療で長期入院を経験し、現在復帰した元フジテレビアナウンサーの笠井信輔さんら有志が立ち上げた「#病室WiFi協議会」の活動に共感したことがある。 病棟に患者用ネット環境が整備されているかを聞いたところ、「整備済み」は75病院(46%)、「検討中」は65病院(40%)、「整備する予定はない」は22病院(14%)――だった。 整備済みの病院からは、「オンライン面会でき、患者さんが涙を流して喜ばれた」(東北医科薬科大学病院(仙台市))、「ターミナル(終末期)の患者さんから、やりたい仕事ができたと喜ばれた」(西陣病院(京都市))、「集団指導ができない中、母親学級で資料動画を提供することができ、妊婦さんの不安軽減につながった(青森県立中央病院(青森市))――といった声が寄せられた。 病棟に限らず院内のネット環境を整備したことで、「外来患者の待ち時間の過ごし方の幅が広がった」(つるぎ町立半田病院(徳島県美馬郡))や、「療養中や待合中の患者満足度はもちろん、職員個人も使えるよう大規模な装置を整備したので、職員満足度の向上にもつながっている」(ハートライフ病院(沖縄県中頭郡))との事例も紹介された。 ◎環境整備に課題も 一方で、「速度が遅い」といった苦情があったことや、高齢者のオンライン面会時に職員が立ち会うことになり「人員のやりくりが大変」との意見もあった。 9月末に申請期限を迎える厚労省の21年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金は、入院患者などが利用できるWi-Fi環境の整備費用も対象になっている。しかし、「他の費用で補助金の上限額に達してしまった」、「前年度の同補助金を受領したため申請できない」といった指摘があった。MDVは、「ネット環境の整備を検討している病院がより導入しやすい体制の整備が期待される」としている。

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バイエル薬品とシミック 臨床試験の効率化と質向上でコラボ 電子お薬手帳の活用も

バイエル薬品は9月8日、シミックホールディングスとコラボし、循環器領域の臨床試験で、シミックのお薬手帳「harmo(ハルモ)」を活用した併用禁止薬の検知システムを稼働させたと発表した。システムの活用で、被験者の安全性を向上するとともに、併用禁止薬の見落としによる逸脱を未然に防止できるなど、臨床試験の質向上が期待できるとしている。両社は8月、デジタル技術などを活用した臨床試験の効率化と質の向上を目指す基本合意書を締結しており、取り組みはこの先駆けとなる。 今回スタートさせたのは、臨床試験中に服薬を禁止されている医薬品が処方されたことが電子お薬手帳に登録されると、CRCに速やかに通知し、安全管理を行うシステム。併用禁止薬の服用は、被験者の安全性への影響に加え、臨床試験のデータが評価に用いることができないことにつながる懸念もある。一方で、臨床試験中に服用禁止とされる医薬品の数も多く、CRC や被験者が把握し、マネジメントすることに負担がかかっているという。システムの活用により、自動で情報が入手できることで、見落としが減り、被験者の安全性が高まることにも期待を寄せる。取り組みは、8月から、医療機関3施設で実施している。 ◎デジタル技術活用で臨床試験の効率化と質向上 両社が基本合意 両社は8月、デジタル技術などを活用した臨床試験の効率化と質の向上を目指す基本合意書を締結しており、取り組みはこの先駆けとなる。臨床試験が複雑化し、膨大なデータ量があるなど様々な課題があるなかで、新たなソリューションを活用することで、臨床試験の効率化と質向上につなげ、迅速な新薬開発を目指す。今後は両社で、共同研究や開発機会について協議し、中長期的なコラボレーションを展開するとしている。 シミックホールディングスの大石圭子代表取締役社長 COO は、「デジタル技術など新たな手段を用いた臨床試験の効率化・質の向上への取り組みは、製薬企業だけでなく、開発業務を受託する我々のような企業が協業することで、初めて実効性があるソリューションを迅速に生み出すことができると信じていり。今回のバイエル薬品との基本合意はその一歩として大変期待している」とコメントしている。 バイエル薬品研究開発本部クリニカルオペレーション部の山中雅仁部長は、「医薬品の開発において臨床試験は最も時間のかかるステップで、いち早く患者さんへ薬を届けるという製薬企業のミッションを果たすうえで、デジタル技術を柔軟に取り入れ、臨床試験を効率化していくことは非常に重要な取り組みだ。臨床試験の実施において多くの経験を有するシミックとの協業は、双方間の強みをかけあわせた新しい価値創出につながると確信している」としている。

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パクリタキセル点滴静注、既採用先からの注文増も辞退  ファイザー

 ファイザーは8日、出荷調整中の抗悪性腫瘍剤「タキソール」の後発医薬品であるパクリタキセル点滴静注液100mg/16.7mL「ホスピーラ」と同30mg/5mL「ホスピーラ」について、新規採用に加え、既...

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【FOCUS】動き出す地域フォーミュラリ “地域から信託を受けた存在”目指す

「地域フォーミュラリの導入・実施は、多職種連携の理念を実現することにつながるもので、地域包括ケアシステムの構築に大きく貢献する」―。2020年度厚生労働科学特別研究事業の指定研究として行われたフォーミュラリ実施の方法論開発の研究班代表を務める今井博久氏(東京大大学院医学系研究科特任教授)は本誌取材にこう強調した。超高齢社会が到来し、ポリファーマシーなど、“薬”をめぐる課題が地域の医療現場でクローズアップされるなか、医薬品の適正使用のあるべき姿を地域から発信しようという機運が高まっている。医療現場で動き始めた地域フォーミュラリが描く地域での薬物治療の姿を追った。(望月 英梨) 「厚労省研究班がガイドラインを作成したことを聞いた。これで環境も整ってきた。さらに推進するには診療報酬上の対応が必要だ」―。7月21日の中医協総会で、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)はこう主張した。 一方、前回20年度改定でフォーミュラリの診療報酬上の評価に反対した診療側は、「診療報酬で評価するのにはなじまない」(城守国斗委員・日本医師会常任理事)と従来の姿勢を崩さなかった。「フォーミュラリはその定義もまだ明確ではないし、その策定の方法、そしてプロセスも確立をしていない」と突き返した。 このテーマをめぐっては年末にかけてさらに議論がヒートアップすることは間違いない。議論の焦点となるのが、その定義や手法だろう。 ◎「院内」と「地域」は全く別物 厚生労働科学特別研究事業の指定研究の研究班は、「地域フォーミュラリの実施ガイドライン」(試案)を取りまとめる方針だ。 フォーミュラリは、病院の施設内で運用される“院内フォーミュラリ”と、地域単位で運用される“地域フォーミュラリ”に大別される。一見似通って見えるが、今井氏は、「地域」と「院内」は全く別のものだと指摘する。「勝手に病院や病院グループが単独でフォーミュラリを策定することは避けるべき」とまで強調する。 研究班では、地域フォーミュラリを「一定の地域における医師(会)および薬剤師(会)、その他医療関係者が協働作業を通じて共通の理解と了解を前提に作成され、地域の患者に対してEBMに則りながら有効性、安全性、経済性などの観点から総合的に最適であると判断され使用が推奨される医薬品集および使用指針」と定義する。理念として掲げるのは、「地域医療全体において最新で最良の科学的なエビデンスに従って医学的妥当性や医療経済性等を踏まえて“標準的な薬物治療”を実施し、治療を享受する患者のアウトカムを最良の水準にする」ことだ。 ◎後発品推進協議会の場を活用した議論も 超高齢社会のなかで、「地域」の概念は高まりをみせている。地域包括ケアシステムの構築も求められるが、これは医療提供体制側にとっては多職種連携に他ならない。今井氏は、地域フォーミュラリの導入は、「地域医療において診療所、病院、訪問診療、慢性期施設、特養などの高齢患者に対して医療と介護の実践の場としてその垣根を取り除き、横断的に同一の医薬品を使用して標準的な薬物治療を実践すること」と説明する。そのため、コスト削減や在庫整理などに主眼が置かれる院内フォーミュラリでは、“地域”の観点が失われると懸念を示す。実際、研究班の調査で約9割が自院のフォーミュラリにとどまっており、地域に浸透していないこともわかってきた。 日常診療で忙しい医師にとって、最新の知識を常にアップデートし続けることは容易でない。製薬企業のプロモーションの影響も受ける。今井氏は、「感と度胸の恣意的な診療、製薬企業に左右される商業的な薬物治療など前近代的な医療から脱却する」必要性があると指摘。“標準的な薬物治療の推進”に直結する制度を早期に導入する必要性を強調する。制度運用にあたっては、全国38道府県(3月時点)に設置した「後発品使用促進協議会」を活用し、県薬務課が事務局を担うことも提案する。 ◎「目的」、「作成」、「実施」、「評価」にわけて明記 ガイドライン(試案)は、地域フォーミュラリの「目的」、「作成」、「実施」、「評価」にわけて具体的な手法を示した。 作成には、医師会医師、中核病院医師、薬剤師会薬剤師(病院薬剤師)、地域保険者(職域保険者)、行政などの参画が望ましいとした。様々なステークホルダーの意見を反映させることが重要なためだ。地域フォーミュラリの作成組織委員の選定に当たっては、利益相反(COI)を開示する必要性も指摘した。製薬企業との関係が、推奨薬選定に影響する可能性を踏まえた。 地域によって疾病率や医薬品のシェアが異なることから、「地域の実状を反映させる」ことの重要性も強調。「地域に精通していない、大手調剤チェーンのような民間の営利会社が画一的に委託して地域フォーミュラリを作成するのは、かなり無理があり、現実的ではない」と指摘。「他人任せの地域フォーミュラリを地域の診療所医師が使用するとは考えられない」と牽制する。 具体的な作成手順は、医薬品の専門家である薬剤師が同種同効薬について、効能や薬物動態、有害事象、薬価などの情報を収集して一覧表を作成。それをベースに、処方の実経験や使いやすさなど、処方医の意見を取り入れ、推奨薬を選定する。 医薬品の選定は、有効性・安全性に加えて、経済性も重要になる。このため「後発品が対象になる」ことも明記する。「欧米の地域フォーミュラリはすべてが後発医薬品だ」という。一方で、先発品の使用が禁止されていないとしている。 ◎製薬企業を評価する意義 銘柄の選択に際しては、製薬企業を評価することも重要になる。「地域フォーミュラリは、“地域から信託を受けた存在”になるため、安定供給や品質が担保されていなければならない」と今井氏は強調する。 地域フォーミュラリの先駆的な存在である、山形県酒田地区の地域フォーミュラリ検討段階で、安定供給、品質、価格について製薬企業に情報開示を求めた。「原薬のソースの数」や、「自社工場での製造」、「物流センターの数」などを安定供給の指標とした。一方で、情報開示を拒む企業は、最初から除外したという。 ただ、地域フォーミュラリの黎明期であるいま、フォーミュラリをゼロベースから創り上げることは難しいとの声もある。そこで研究班は、生活習慣病薬や抗アレルギー薬、抗炎症鎮痛系薬など、19種類の薬効群で作成したモデル・地域フォーミュラリをパブリック・ドメインとして公開する。 今井氏は、研究班のフォーミュラリを「基本的な資料」として利用することで、標準的なフォーミュラリの作成が可能になると力を込める。 今年6月には、今井氏が理事長となって一般社団法人日本フォーミュラリ学会を発足させた。学会員への支援や助言を行うことで、スムーズな導入を後押ししたい考えだ。 中医協では、地域連携パスにおけるフォーミュラリの運用が望ましいとの声も診療側からあがったが、今井氏は、これに前向きな姿勢を示す。がん治療などで地域フォーミュラリが作成されれば、患者にとっても地域医療にとっても、効果的で効率的との考えだ。 ただ、一気に導入を進めるのではなく、「概ね数種類から5種類程度からはじめ、地域の診療所や病院、薬局、老健、特養などへの周知を医師会広報、薬剤師会広報などを通じて十分に行いながら、徐々に広めるのが望ましい」と話す。フォーミュラリ策定後には、薬価や品質などを踏まえ、年に1〜2回更新することが望ましいとの考えも示した。 ガイドラインでは、地域フォーミュラリ導入後の地域医療への影響を評価する重要性も指摘している。このため、導入前に臨床指標(クリニカル・インディケーターズ)や臨床アウトカムなどを項目として設定することを提案している。この評価には、保険者の協力を得て定量的に実施することも期待される。 山形県酒田地域では、ARBについて薬剤費の推移を地域フォーミュラリの導入前後で分析した。先発品のアジルバのシェアが高かったが、地域フォーミュラリ策定に向けた議論を進めるなかで、薬価が問題となり、推奨薬から外れた。結果として、アジルバの処方は減り、薬剤費も抑制されたとしている。 今井氏は、地域の医療課題を克服するうえで、地域フォーミュラリの実施は「不可欠だ」と強調。「早急に実践へと歩みだすべきだ」と呼びかけた。

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塩野義製薬 石黒浩阪大教授の「AVITA」と資本業務提携 CGアバター活用したソリューション開発へ

塩野義製薬は9月7日、ロボットやアバター研究の第一人者である石黒浩氏が創設した「AVITA」と資本業務提携契約を締結したと発表した。AVITAの有するアバター技術を活用し、医療・福祉分野でのロボットやCGアバターを活用した対話サービスや各種健康相談など、新たなヘルスケアソリューションの開発・提供を通じてヘルスケア領域の課題解決に取り組む。 同社は、中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)」において医療用医薬品を中心に提供する「創薬型製薬企業」から、ヘルスケアサービスを提供する「HaaS企業」へのビジネス変革を推進する。HaaSとは、「Healthcare as a Service」のことで、医薬品をコアビジネスに掲げながらも、患者や生活者に応じた様々なヘルスケアソリューションの開発・提供を目指すというものだ。アプリ、フィットネス、ヘルスチェックなども含まれており、「患者視点のソリューション」を新たな事業ポジショニングに打ち立てている。 ◎AVITA 大阪ガス、サイバーエージェント、凸版印刷、フジキ、塩野義製薬から5.2億円調達 一方、今回資本業務提携した「AVITA」は、大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒浩氏が代表取締役CEOを務める。石黒氏自身が「ムーンショット型研究開発制度」のプロジェクトマネージャーや、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」のテーマ事業プロデューサーなどを手掛けており、企業との連携によって新たに生み出す研究成果を、社会に実装するといったミッションを掲げている。このためAVITAに対し、大阪ガス、サイバーエージェント、凸版印刷、フジキン、塩野義製薬などが総額5.2億円の資金調達に協力している。 ◎アバター活用で社会に新たな価値を提供 AVITAの強みは、アバターと呼ばれる仮想空間(ネット世界)での姿(分身)を利用し、実世界の仮想化と多重化(virtualize the real world)を実現する技術を有していること。塩野義製薬とAVITAの両社は、「CGアバター」と呼ばれるネットワーク上の仮想空間でユーザーの分身として表示するキャラクターを活用し、医療・介護分野での新たなヘルスケアソリューションの開発・提供などを行う。こうした取り組みを通じて、社会に対して新たな価値を提供するだけでなく、患者や生活者のホスピタリティに対するニーズなどに応えることにしている。

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厚労省 米ノババックス社の新型コロナワクチン 約1億5000万回供給で武田薬品と合意

厚生労働省は9月6日、国内の製造を担う武田薬品と、米ノババックス社(Novavax)の新型コロナワクチンについて、日本での薬事承認を前提に1年間で約1億5000万回の供給を受けることで合意したと発表した。早ければ2022年初頭の供給開始を目指す。武田薬品は国内治験を実施し、PMDAでの製造販売承認取得を目指す。承認取得後は、国内での生産・流通を担う。 新型コロナワクチン候補は、「TAK-019」(開発コード)。武田薬品はノババックス社から技術移管を受けており、抗原と共に充填するMatrix-M TMアジュバントを供給する。 同ワクチンは、組換えタンパクワクチンで、B型肝炎ワクチンなどでも用いられている従来型のワクチンとなる。 現在、武田薬品とノババックス社で、追加接種への使用も視野にワクチンの開発を行っており、この中には変異株への対応も含まれているという。開発が成功した場合は、武田薬品からワクチンの供給を受けることも可能となっているとしている。

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先頭走るMSD、追うファイザー  経口コロナ薬の国内開発競争、日本勢トップは塩野義

新型コロナウイルスの増殖を抑制する経口治療薬の開発が進んでいる。国内開発競争の先頭を走るのは、MSDのモルヌピラビル(開発コード=MK-4482)だ。現在は日米欧を含めた国際共同臨床第3相(P3)試.

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