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【6月1日新着】薬食審・第一部会 新薬8製品の承認了承 経口GLP-1作動薬、服用後一定時間は食物摂取不可

【6月1日新着】薬食審・第一部会 新薬8製品の承認了承 経口GLP-1作動薬、服用後一定時間は食物摂取不可 厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は5月29日、Web会議で新薬8製品の承認の可否を審議し、いずれも承認することを了承した。この中には2型糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬で初の経口薬となるリベルサス錠(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))や、新規の経口腎性貧血薬のHIF-PHD阻害薬で初の保存期適応を持つ▽バフセオ錠(バダデュスタット)▽ダーブロック錠(ダプロデュスタット)――の2剤もある。いずれも大型化が期待されている製品で、6月にも正式承認されるとみられる。

リベルサスは1日1回の服用で用いるが、厚労省によると、同剤は空腹時に服用後、一定時間は食物摂取は不可との使い方になるという。添加剤のサルカプロザートナトリウムによって同剤の胃からの吸収を可能としたが、他の胃内容物の影響を受けやすいことから服用後すぐの食物摂取は不可となる。

この日の部会では、リベルサスの臨床上の位置づけや、リベルサスと同じ成分の週1回皮下注製剤・オゼンピックとリベルサスとの使い分けも議論になった。適正使用できる患者は経口薬、病医院で週1回しっかり管理してもらいたい患者は皮下注製剤とのやり取りもあったようだ。

■保存期と透析期の腎性貧血に使用できるHIF-PHD阻害薬2剤も登場へ

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

▽オンジェンティス錠25mg(オピカポン、小野薬品):「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

末梢性の長時間作用型の新規COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)阻害薬。1日1回投与製剤で、レボドパ含有製剤と併用して用いる。細胞毒性を示すことなく、末梢選択的に高いCOMT阻害作用を示す。プラセボと比較して、レボドパ(ドパミン前駆体)のバイオアベイラビリティを最大65%まで増加させ、用量依存的にOFF時間を短縮するとされる。同種同効薬にコムタン錠がある。

海外では19年6月時点で、32の国・地域で承認済。

▽オノアクト点滴静注用50mg、同点滴静注用150mg(ランジオロール塩酸塩、小野薬品):「敗血症に伴う▽心房細動▽心房粗動▽洞性頻脈――の頻脈性不整脈」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。

短時間作用型アドレナリンβ1受容体遮断薬。交感神経系のβ1受容体に選択的に結合し、カテコールアミンの作用に拮抗することで心拍数を低下させる。現在は手術時の頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置などに使われている。

静注用β遮断薬としてインデラル注射液やブレビブロック注が上市されているが、敗血症に伴う頻脈性不整脈の適応を持つ薬剤はない。オノアクトの今回の適応は海外でも承認されていない。

▽サムスカ錠7.5mg、同錠15mg、同錠30mg、同OD錠7.5mg、同OD錠15mg、同OD錠30mg、同細粒1%(トルバプタン、大塚製薬):「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。再審査期間は10年。

水利尿(電解質を含まない水分の排泄)を促進する経口バソプレシンV2受容体拮抗薬。抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)はバソプレシンが生理的調節機構を逸脱して過剰に又は不適切に分泌され、V2受容体を介する抗利尿作用により希釈性低ナトリウム血症をきたす疾患。放置すれば徐々に悪化して中枢神経症状を呈するようになり、脳ヘルニアなどにより死に至ることもある。統計学的に国内のSIAHD患者は1700人とされる。日本内分泌学会から開発要望が出され、未承認薬等検討会議での議論を経て、厚労省から開発要請された。

海外では19年9月現在、SIAHDにおける低ナトリウム血症の治療薬として、欧米を含む45の国・地域で承認済。

▽バフセオ錠150mg、同錠300mg(バダデュスタット、田辺三菱製薬):「腎性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHD)阻害薬と呼称する新クラスの薬剤。慢性腎臓病(CKD)患者では、赤血球産生を促すホルモンであるエリスロポエチンが十分に産生されないため貧血がよくみられる。HIF-PHD阻害薬は、低酸素(酸素欠乏)で生じる生理学的作用と同様に、骨髄での赤血球産生を促すことで腎性貧血に効果をもたらす。

保存期と透析期の腎性貧血に使用できる。正式承認されれば、保存期適応を持つHIF-PHD阻害薬は同剤とダーブロック錠が1番手となる。用法・用量は1回300mgを開始用量として、1日1回経口投与する。以後は患者の状態に応じて投与量を増減するが、最高用量は1日1回600mgとする。保存期、透析期とも同じ用法・用量となる。

海外で承認されている国・地域はない。

▽ダーブロック錠1mg、同錠2mg、同錠4mg、同錠6mg(ダプロデュスタット、グラクソ・スミスクライン):「腎性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHD)阻害薬と呼称する新クラスの薬剤。慢性腎臓病(CKD)患者では、赤血球産生を促すホルモンであるエリスロポエチンが十分に産生されないため貧血がよくみられる。HIF-PHD阻害薬は、低酸素(酸素欠乏)で生じる生理学的作用と同様に、骨髄での赤血球産生を促すことで腎性貧血に効果をもたらす。

保存期と透析期の腎性貧血に使用でき、正式承認されれば、保存期適応を持つHIF-PHD阻害薬として同剤とバフセオ錠が1番手となる。ダーブロックも1日1回投与で使うが、用法・用量が▽保存期慢性腎臓病▽保存期で赤血球造血刺激因子(ESA)製剤からの切り替え▽透析患者――のそれぞれで規定されており、この点がバフセオと異なる。

ダーブロックは保存期慢性腎臓病患者に対して、1回2mgまたは4mgを開始用量とし、以後は患者の状態に応じて適宜増減し、最高用量は1日1回24mgまでとして使う。保存期でESA製剤からの切り替えと透析患者に対しては、1回4mgを開始用量とし、以後は患者の状態に応じて適宜増減し、最高用量は1日1回24mgまでとする。

ダーブロックを承認申請したGSKは、ESA製剤ネスプを手掛ける協和キリンと同剤に関する提携契約を結んでおり、承認取得後は協和キリンが販売し、両社で情報提供・収集活動を行う。海外では20年3月現在、承認されている国・地域はない。

▽リベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mg(セマグルチド(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ):「2型糖尿病」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間は6年。

1日1回経口投与のGLP-1受容体作動薬。承認されれば、GLP-1受容体作動薬で初の経口薬となる。セマグルチドを主成分とする週1回投与の皮下注製剤・オゼンピックもノボが承認を取得している。

セマグルチドは生体内で分泌されるホルモンであるGLP-1のアナログで、リベルサスはサルカプロザートナトリウム(SNAC)と呼ばれる吸収促進剤を含有した製剤。SNACは胃でのセマグルチドの吸収を促進することで、セマグルチドの生物学的利用能を高め、効果的な経口投与を可能にする。

用法・用量は、通常、成人には、1日1回3mgから開始し、4週間以上投与した後、1日1回7mgに増量する。1日1回7mgを維持用量とする。患者の状態で適宜増減するが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1回14mgまで増量できる。厚労省によると、患者向け資材や添付文書にて、同剤は空腹時に服用し、その後すぐに食物摂取することは不可との旨の使用法を記載する。

ノボは同剤の承認取得後、経口血糖降下薬のジャヌビアなどを手掛けるMSDとコ・プロモーションする。

海外では、米国で19年9月に、欧州で20年4月に承認済。

▽ゼオマイン筋注用50単位、同筋注用100単位、同筋注用200単位(インコボツリヌストキシンA、帝人ファーマ):「上肢痙縮」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

有効成分のインコボツリヌストキシンAは、A型ボツリヌス菌により産生されるA型ボツリヌス毒素から菌由来の複合タンパク質を取り除いたもの。これにより中和抗体ができにくくなる。

再投与は前回の効果が減弱した場合に可能で、投与間隔は類薬のボトックスと同じく「12週以上とすること」とされたが、ゼオマインはさらに、「なお、症状に応じて投与間隔は10週まで短縮できる」とも記載された。「10週まで短縮できる」との投与間隔が、ゼオマインの特徴のひとつとなる。

海外では上肢痙縮の適応に対して、欧米を含む73の国・地域で承認済。

▽エンスプリング皮下注120mgシリンジ(サトラリズマブ(遺伝子組換え、中外製薬):「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

ヒト化抗IL-6レセプターリサイクリング抗体。視神経脊髄炎スペクトラム(NMOSD)は視神経と脊髄の炎症性病変を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患で、生涯にわたって衰弱を引き起こす。繰り返す再発により、神経の損傷や障害が蓄積される。症状として視覚障害、運動機能障害などが現れる。同剤はNMOSDの病態に深くかかわっているとされるIL-6シグナルを阻害することで、NMOSDの再発を抑制することが期待されている。

海外では20年2月時点で、承認されている国・地域はない。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

▽キンダリー透析剤AF5号、同AF5P号、同5E(一般名は医療用配合剤のため該当しない、扶桑薬品):「慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として用いる」を効能・効果とする類似処方医療用配合剤。再審査期間は、なし。既存のキンダリー透析剤AF4号の組成を基本として、カリウムとマグネシウムの濃度が4号より若干高い。海外では20年3月現在、承認されている国・地域はない。

▽フェントステープ0.5mg、同テープ1mg、同テープ2mg、同テープ4mg、同テープ6mg、同テープ8mg(フェンタニルクエン酸塩、久光製薬):がん性疼痛の適応について、現在は他のオピオイド鎮痛薬から切り替えて使用することになっているが、今回、オピオイド鎮痛薬未使用患者にも使えるようにする。フェントステープをオピオイド鎮痛薬の未使用患者に用いる場合は、0.5mgから開始する。再審査期間は、なし。
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