MRのためのニュース・求人情報サイト

患者が話す津軽弁が「難しい」 AI翻訳で医師救え、弘前大が開発中

患者が話す津軽弁が「難しい」 AI翻訳で医師救え、弘前大が開発中 方言の中でも聞き取りが難しいとされる津軽弁。青森県弘前市の弘前大学が人工知能(AI)を活用し、津軽弁を翻訳するシステムの開発に取り組んでいる。医療や観光の現場で使うことを想定し、今年からAIの学習に使う津軽弁の音声データを集め始めた。

「にやにやする」

 これは、腹部などのしくしくとする鈍い痛みを表現する津軽弁だ。県外出身の医師も多い弘前大学病院では、方言を理解することが患者との対話の課題だった。

 「弘大×AI×津軽弁プロジェクト」の代表を務める大学院理工学研究科の今井雅教授は「まずは医師が机の上に置いたスマートフォンで患者の言葉を共通語にテキスト化できるアプリを完成させたい」と話す。

 プロジェクトには、理工学研究科や保健学研究科、人文社会科学部など、学部、研究科の垣根を越えた研究者が参加する。めざすのは医療や介護、観光、農業などの現場で活用できる翻訳システムだ。今井教授は「訪日外国人にも対応できる、方言と外国語の双方向変換システムにつなげたい」と展望を語る。

 課題は、津軽弁特有の区別のあいまいな音や鼻濁音、短縮された言葉の変換だ。例えば「シ」と「ス」の区別があいまいで、「あなた」を意味する言葉は「な」と短縮される。

 AIの翻訳学習には一言語あたり最低20万の文例が必要とされるが、これまでに集まった文例は医療分野を中心に約3千。「その10倍は集めたい」という。

 プロジェクトは昨秋、翻訳システムのために集めた津軽弁約1万語を収録したデータベース「津軽語辞書」を作成。さらにAIが話し言葉を認識する際の精度を高めるため、ホームページ(http://tgrb.jp/)で津軽弁の音声データの募集を始めた。音声データはスマホなどで録音した音声ファイルをアップロードできるほか、音声収集用の専用アプリを使って登録することもできる。

 今井教授は「まず1、2年で津軽弁を共通語のテキストに変換できる基本的なしくみを作りたい。年代を問わず協力をお願いしたい」と呼びかけている。
サイト内検索