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KMバイオ・永里社長 新型コロナの不活化ワクチン「9月申請目指す」 乳幼児向けも

KMバイオロジクスの永里敏秋社長は4月20日の記者会見で、開発中の新型コロナに対する不活化ワクチン「KD-414」について、「本年(2022年)、9月申請を目指す」と表明した。18歳以上40歳以下の成人に対して3回接種で初回免疫を獲得するワクチンと、生後6カ月以上18歳未満の小児に対して2回もしくは3回接種で初回免疫を獲得するワクチンを開発。若年齢層でワクチン接種率が低い状況や、現在5歳未満に接種できるワクチンがない状況を早期に改善し、集団免疫獲得の一助とする考えだ。また、オミクロン株などの変異株に対するワクチンを迅速に開発・製造するため、「プロトタイプワクチン(製造株の変更を想定した模擬ワクチン)」としての承認取得も目指す。 不活化ワクチンは乳幼児や小児の定期接種ワクチン、インフルエンザワクチンなどで長年使われてきたモダリティで、副反応が比較的少ないワクチンとして知られている。現在、日本で新型コロナに対する不活化ワクチンはなく、KD-414が1番手で登場する可能性がある。5歳未満に投与できる初の新型コロナワクチンとなる可能性もある。 ◎Meiji Seika・小林社長 「国家安全保障上の武器として早期承認を求めていく」 KMバイオと同じ明治ホールディングスの傘下で、ワクチン開発を支援しているMeiji Seika ファルマの小林大吉郎社長は会見で、「行動範囲の広い若年齢層のワクチン接種率の早期改善。5~11歳の小児のワクチン接種率、特に5歳未満に接種できるワクチンがない状況の早期改善は重要だ」と指摘。「エンデミックに向かって継続したワクチン接種は避けられない」とも見通し、KD-414で特に乳幼児・小児・若年齢層の重症化予防と、社会全体の集団免疫獲得に貢献したいと話した。 さらにKD-414は国内で製造する国産ワクチンであることを改めて訴えた上で、「KD-414の臨床的な必要性、不可欠性は明らか。緊急性もある」と強調し、「国家安全保障上の重要な武器として、早期承認を求めていく」とも語った。すでに生産設備は完成し、5月から稼働できる状態になっている。 永里社長も、「いま、感染者数が減らない理由は小さなお子さんがいる家庭での家庭内感染。いつまでたっても同じことの繰り返しになり、問題解決しない」と指摘。「いかに早く集団免疫を獲得するかを考えるとき、不活化ワクチンの存在意義はあると思っている」と述べ、安全性が高く、小児の定期接種ワクチンとしても馴染みのある不活化ワクチンは保護者の受入れも良いとの見方を示した。 ◎「緊急承認制度」の活用を視野に早期申請目指す 永里社長は、KD-414の開発・申請計画について、▽安全性と、若い年齢層ほど中和抗体陽転率及び中和抗体価の増加が認められた国内第1/2相臨床試験結果(20歳以上、210例)、▽7月中に全データがまとまる予定の国内第2/3相試験結果(18歳以上、2000例)、▽4月下旬から開始する小児の国内第2/3相試験結果(6カ月以上18歳未満、600例)――の3つの試験結果を用いて、現在国会で審議されている「緊急承認制度」を活用した早期承認申請を9月に行う計画を明らかにした。同制度は、緊急時に健康被害の拡大を防止するため、安全性が確認され、有効性が推定される医薬品等に承認を与えるもの。 さらに、日本とフィリピンで18歳以上40歳以下の成人1500例を対象にした第3相臨床試験(多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験)を4月下旬から開始。アストラゼネカ製の新型コロナワクチン・バキスゼブリア筋注を対照薬に、KD-414の免疫原性、有効性、安全性を比較し、結果をPMDAに追加提出する形で開発を進める考えを示した。成人向けのKD-414の用法・用量は、1回0.5mLずつ2回、28日の間隔をおいて筋注し、2回目接種13週後に0.5mLを1回筋注する――となる。 対照薬をバキスゼブリアとした理由については、▽英国で4月に承認された新型コロナの不活化ワクチンの臨床試験で、対照薬がバキスゼブリアだった、▽PMDAとの治験相談で既承認ワクチンと比較して優越性を示すことが求められ、バキスゼブリアを対照薬とするよう助言があった――ことをあげた。 なお、成人向けの国内第1/2相臨床試験は3用量群(H群、M群、L群)で実施。死亡・重篤な副反応、接種を中止せざるを得ない副反応の発現はなく、健康成人および高齢者での忍容性が確認された。特に、mRNAワクチンにみられるような日常生活に支障のある重度(Grede3)以上の副反応は高用量の「H群」での回復性の発熱1例のみだった。有効性は、用量依存で中和抗体陽転率および中和抗体価の増加が認められた。特に、若い年代(20歳以上40歳未満)での中和抗体陽転率は100%だった。 ◎小児の国内第2/3相臨床試験で接種回数など検討 4月に開始予定の小児の国内第2/3相臨床試験は多施設共同無作為化単盲検試験で、小児における用法(2回接種or3回接種)と用量の設定を試験目的とする。同試験結果や成人の試験結果を踏まえ、小児の第3相臨床試験を行う方針。 ◎プロトタイプワクチンの承認取得し、変異株に迅速対応 永里社長はKD-414について、「プロトタイプワクチン」としての承認取得を目指すことも表明した。プロトタイプワクチンは、パンデミックワクチンの迅速な開発・製造のため、ウイルスに応じて製造株の変更を想定した模擬ワクチンのこと。従来株でワクチンを製造して承認を取得するとともに、プロトタイプワクチンとしての承認も得ることで、いち早く市中感染している変異株を用いたワクチンを製造できるようにする。 永里社長は、オミクロン株のBA.2系統は既に入手しているとし、「年明けから早急に変異株を用いたワクチンを生産開始したいという計画がある。不活化ワクチンではこういった製造ができる」と話した。 ◎市場環境踏まえて開発戦略を軌道修正 KMバイオとMeiji Seikaはこれまで、初回免疫(1回目、2回目)はファイザー製やモデルナ製などのワクチンを接種し、追加免疫(3回目)にKD-414を用いる「交互接種」での使用を想定して開発してきた。しかし、高齢者を中心に3回目の追加接種が進む一方で、感染拡大している若年層では副反応を理由にワクチン接種が進んでいない/5歳未満のワクチンが存在しない――との市場環境を踏まえ、開発戦略を軌道修正。交互接種ではなく、主に若年層や乳幼児・小児を対象にKD-414で初回免疫を獲得する形で開発を進めることにした。

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ノボ・ベック社長 21年国内業績11.7%増も「日本での新薬開発回避」を示唆 薬価政策を批判

ノボ ノルディスクファーマのオーレ ムルスコウ ベック代表取締役社長は4月20日会見し、日本政府の薬価政策を批判し、自社の開発動向として、「日本での開発を避ける可能性もあると想定している」と述べた。同社の2021年国内売上高は前年比11.7%増の1092億円で、初の1000億円を突破した。ただ、国内の医療用医薬品市場が横ばいであることから、「日本市場の魅力は薄れている」と指摘。同社の国内開発についてグローバルよりも遅れる可能性があるとして、「日本がセカンド・ランクになっているかもしれない」と指摘。「薬価政策をどうするか、政治家を説得して何とかしなければならない」と述べた。 ◎国内売上高は11.7%増 初の1000億円を突破 同社の2021年国内売上高は対前年比11.7%増の1092億円。領域別で64%を占める糖尿病が売上を牽引し、糖尿病市場全体の11.9%のシェアを確保した。特に、2020年6月に発売したオゼンピック皮下注SD、21年2月に発売したリベルサス錠がマーケットシェア拡大に貢献した。拡大するGLP-1市場でも、同社として60%近くの金額シェアを確保した。 インスリンについては、前年から金額シェアを1.2%伸ばし、61.2%のシェアを確保した。ベック社長は、「セグメント全体で金額として伸ばすことができている」と説明。持効性インスリン・ゾルトファイがマーケットシェア(金額ベース)で19.0%を獲得するなど伸長。一方で、バイオシミラーが参入した即効型インスリンについてはマーケットシェア50.9%と前年よりも金額ベースでのシェアを落とした。 ◎22年度薬価制度改革は「ネガティブな変更で相殺」 原価計算方式、長期収載品の見直しで 同社が注力する国内の糖尿病市場全体はSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の伸びで、対前年比で5.1%伸びた。ただ、ベック社長は日本の医療用医薬品市場全体も2.2%増となったが、「市場規模は2016年度ほぼ同等」と指摘。「グローバルに対するシェアは縮小している。ランキングも下降し続けている。日本に対して新しい新薬を持ってくる魅力は薄れつつある」と述べた。 そのうえで、22年度薬価制度改革に言及。22年度薬価制度改革は、上市後の有用性を認め、新薬創出等加算の対象範囲を拡大するなど、イノベーションを評価する見直しが柱となっている。ベック社長は、「プラスの変更も見られた」とした。そのうえで、原価計算方式で最低の移転価格を使用するなどの見直しがなされたことや、長期収載品の薬価が適正化されたことを“ネガティブな変更”と指摘。「他のネガティブな変更もあり、(プラスの効果は)相殺されてしまった」として、「ネガティブな見直しを大幅に変更するほどには至っていない」とした。特に、原価計算方式に関連する見直しについては、「イノベーションを削ぐようなものではないか」と述べた。 ベック社長は、「これまでは、日本の見通しが明るくなくても、革新的な新薬を導入してきた」と述べ、これが結果として業績の伸びにつながっているとの見方を示した。そのうえで、「しかし、継続できるかは様子を見ないといけない。近隣諸国よりも、日本の優先度は落ちてくるかもしれない」と指摘。業界団体の意見を引き合いに、日本市場の魅力が薄れ、“セカンド・ランク”となりつつあることは業界全体の統一した見方であると主張。「薬価政策をどうするか、政治家を説得して何とかしなければならない。日本がドラッグ・ラグに再び陥ることを避けなければならない」と述べた。 ◎杉井開発本部長「グローバルは日本を重視してくれている」 杉井寛取締役副社長開発本部長は、「臨床試験が連続して、途切れなく日本に来ることが最大の回答だと思っている。臨床試験は本社からすれば最大に近い投資だと思うし、日本の臨床試験の質はかなり評価されていて、複数の新しい臨床試験も来ている。これは嬉しい話で、開発のモチベーションにつながっている。ただ、単に開発するエリアとして捉えるのではなく、その後のマーケティング、メディカル、コマーシャル(営業)につなげていってくれているのではないか。開発の立場で希望的観測かもしれないが、グローバルでも日本をかなり重視し、信用してくれていると感じている」と述べた。 ◎バイオファーマ事業本部立ち上げ 同社は今年3月、希少・超希少血液疾患、内分泌疾患、腎疾患領域に参入すると発表。現行の「バイオファーマ事業本部」の名称を「希少疾患事業本部」に変更し、希少疾患にコミットする姿勢を示している。ベック社長は、「いま現在、事業本部に移行するプロセスにある。新しい疾患領域に対応していくのかという準備期間だ。希少疾患としてのいま開発中の製品はまだ何年もかかるが、我々のコミットメントについて変わらない」と説明。現在、スタッフが1000人いることも説明した。

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大鵬薬品 抗悪性腫瘍薬・アブラキサンの限定出荷を6月に解除へ 製造拠点の再評価が完了

大鵬薬品は4月19日、抗悪性腫瘍薬・アブラキサン点滴静注用 100mgについて、限定出荷(出荷調整)を6月に解除する見通しであると公表した。 アブラキサンの製造を担う、米ブリストル マイヤーズ スクイブの子会であるABRAXIS BIOSCIENCE の製造拠点の製造工程に関する定期的な検証における再評価が完了。稼働を再稼働した。6月には十分な在庫確保の目途が立つ予定としている。 同社は、「安定供給再開となるまでは、引き続きご心配をおかけしますが何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。製薬会社としての重要な使命である医薬品の安定供給が確保できず、 多大なご迷惑をおかけしておりますこと、重ねまして深くお詫び申し上げます」としている。

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旭化成メディカル 次世代抗体医薬品CDMOの米国バイオノバ社を買収

旭化成メディカルは4月19日、バイオ医薬品企業への製造プロセス開発受託、抗体医薬品GMP製造受託を行う米国バイオノバ サイエンティフィック社を買収する契約を締結したと発表した。同社によると、バイオノバ社の製造プロセス開発力は製薬企業などから高く評価されており、抗体薬物複合体(ADC)や二重特異性抗体など製造が難しい複雑な次世代抗体医薬品についても「多くの実績を持っている」という。GMP製造についても、シングルユースバイオリアクター(使い捨てを前提に設計された樹脂製の培養槽)をはじめとする最新設備を保有し、抗体医薬品の市場拡大に伴い高まる需要に対応できるとしている。 買収金額は非開示。ただ、親会社の旭化成広報部は本誌に、旭化成グループが2021年12月に買収したイスラエルの医療機器メーカー・イタマー社の買収金額約590億円を下回る金額だと説明した。 旭化成グループはバイオプロセス事業をヘルスケア領域の成長エンジンの一つに位置付けている。今回のバイオノバ社の買収により、バイオプロセス製品事業、装置事業、バイオセーフティ試験受託サービス事業に加え、製造プロセス開発に強みを持つバイオ医薬品CDMO事業を獲得することになる。 同社は、「製造プロセス開発やGMP製造は顧客の製品実現プロセスの中核をなすもの」とした上で、「バイオノバ社の持つノウハウを活かすことで、新薬開発・製造プロセスにおいて次世代抗体医薬品顧客を含む、より幅広い顧客層に多くのサービスを提供することができるようになる」としている。

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厚労省 ノババックス製の新型コロナワクチンを承認 初の組換えタンパクワクチン

厚生労働省は4月19日、武田薬品が承認申請したノババックス製の新型コロナワクチン「ヌバキソビッド筋注」(一般名:組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン)を承認した。初の組換えスパイクタンパクを抗原とした新型コロナワクチン。18歳以上を対象とし、初回免疫(1回目、2回目)と追加免疫(3回目)について承認された。 同ワクチンは18日の薬食審医薬品第二部会で承認が了承されたもの(記事はこちら)。後日開催される厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で、公費接種の対象とするかどうかや、初回免疫でファイザー製やモデルナ製などのワクチンを接種した者に追加免疫でノババックス製を用いる「交互接種」を可能とするかなどが議論される。 ノババックス製ワクチンは、ウイルス抗原(SARS-CoV-2スパイクタンパク)の遺伝子をもとに、昆虫細胞を用いて発現させた遺伝子組換えSARS-CoV-2スパイクタンパク質をナノ粒子化して製造されたワクチン。免疫の活性化を促進するため、アジュバントが添加されている。ウイルスタンパクをアジュバントとともに直接投与することで免疫応答を引き起こす。既存のファイザー製、モデルナ製、アストラゼネカ製に続く4剤目のコロナワクチンだが、これまでの3剤とはモダリティが異なる。 武田薬品はノババックスから製造技術のライセンス供与を受け、技術移転を行い、武田薬品の光工場(山口県光市)で同ワクチンを製造している。武田薬品は日本政府との間で、概ね1年間で1億5000万回分を供給する契約を締結しており、「供給準備が整い次第、順次出荷を開始する予定」としている。なお、厚労省は4月6日に、ノババックス製ワクチンは5月23日の週から配送が始まる予定と都道府県に通知している。

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