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小野薬品 オプジーボの22年度売上高1550億円と計画 再算定「今年度は想定していない」

小野薬品は5月11日、最主力品のがん免疫療法薬・オプジーボについて、2023年3月期(22年度)に売上1550億円を計画していると発表した。21年度の売上は1124億円(前年度比13.8%増)で、22年度は前年度比37.8%の大幅増を目指す。同剤の成長ドライバーは非小細胞肺がん1次治療と胃がん1次治療で、原発不明がんや尿路上皮がんにおける術後補助療法といった最近、追加した適応での使用拡大も見込む。相良暁社長は同日に開いた21年度決算会見で、同剤に特例拡大再算定(市場拡大再算定の特例)が適用される可能性について、「今年度は想定していない」と述べた。 特例拡大再算定は、「年間販売額が1500億円を超え、基準年間販売額の1.3倍以上となるもの」などに該当する大型品に適用され、薬価が最大50%引き下げられる。オプジーボは17年2月に、年間売上が1500億円を超えると判断されて緊急的に薬価が50%引き下げられた。同社によると、当時の「1500億円を超えた額」に1.3倍した販売額が次の特例拡大再算定の基準額になるという。相良社長は会見で、「2000億円を超えたところにラインがある」と述べ、同剤の売上が2000億円超となったどこかのタイミングで特例拡大算定が適用される可能性があるとの認識を示した。 また、市場拡大再算定の道連れルールがオプジーボに適応される可能性についても、同ルールの対象になり得る競合薬(イミフィンジ及びバベンチオ)の市場動向から、22年度にその可能性はないとした。 ◎21年度も増収増益 フォシーガは売上367億円、64%の大幅増 同社の21年度業績は売上3614億円(前年度比16.8%増)、営業利益1032億円(4.2%増)、親会社帰属純利益805億円(6.8%増)――の増収増益だった。 最主力品のオプジーボに加え、慢性心不全や慢性腎臓病(CKD)の適応を追加したフォシーガ、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療薬・パーサビブ、多発性骨髄腫治療薬・カイプロリス、中枢神経系原発リンパ腫治療薬・ベレキシブルなどが成長。このうちフォシーガは売上367億円で、64.0%の大幅増となった。額では143億円の増収となり、心不全とCKDの適応で売上を伸ばした。 また、オプジーボやキイトルーダに係る「ロイヤルティ・その他収入」も1154億円(21.8%増)となり、薬価改定や長期収載品といった減収要因を吸収した。 ◎22年度に売上4000億円突破へ 22年度は売上4250億円(17.6%増)、営業利益1450億円(40.5%増)、親会社帰属純利益1100億円(36.6%増)――と過去最高の売上と利益を目指す。研究開発費は870億円(14.7%増)を見込む。 ◎相良社長 年間1000億円の研究開発投資、「近い将来」の達成に自信 相良社長は、売上が4000億円の大台を突破することの受け止めについて、「売上規模を追うのではなく、年間1000億円の研究開発投資ができる会社になることを目指している」と強調。「研究開発費は今年度に870億円まできているので、(1000億円の達成は)近い将来と思っている」と話した。売上に占める研究開発費比率は「20%程度」にしたいとも語った。単純計算で売上は5000億円程度を目指していることになる。 ◎オプジーボ NSCLC1次治療、胃がん1次治療などに注力 売上上位製品の22年度計画は、オプジーボは1550億円(37.8%増)、フォシーガは470億円(28.2%増)、抗リウマチ薬・オレンシアは230億円(0.5%増)、DPP-4阻害薬・グラクティブも230億円(6.3%減)――と設定した。オプジーボは額で426億円増、フォシーガは103億円増となる。 高萩聡営業本部長は会見で、オプジーボの営業戦略について、売上計画1550億円の半分程度は非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療と、免疫チェックポイント阻害薬の中で同剤のみが持つ胃がん1次治療が占めると明らかにした。この2つの適応に注力するとともに、21年12月に追加した原発不明がん、22年3月に追加した尿路上皮がんにおける術後補助療法――といった最近追加した適応の市場浸透も図ることで、売上計画を達成させる考えを示した。 なお、同剤のNSCLCでの新規処方シェアは「3割程度」(高萩氏)だが、PD-L1陽性率1~49%の弱陽性患者における市場シェアが十分ではないとも指摘し、この弱陽性患者に係る情報活動を強化して新規処方シェアを拡大させる計画も披露した。 ◎フォシーガ 「今年度の成長ドライバーは慢性腎臓病」 フォシーガは2型糖尿病、1型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病(CKD)を適応とし、CKDを適応とする国内初の治療薬でもある。高萩氏は同剤の営業戦略について、「糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病の3つは非常に密接に絡み、合併患者も多い。フォシーガの強みである慢性腎臓病を主体に、しっかりプロモーションし、市場拡大を図りたい」とし、「今年度の成長ドライバーは慢性腎臓病」と述べた。 21年8月からのCKD適応の情報活動を通じて、これまでに治療薬がなかったこともあり、「(CKDが)しっかり診断されていない」との認識も示した。そして、CKDと診断されている患者には「フォシーガをしっかり届ける」と強調するとともに、CKDの診断に関する情報活動にも注力していく構えを見せた。 【21年度連結業績 (前年同期比) 22年度予想(前年同期比)】 売上高3613億6100円(16.8%増) 4250億円(17.6%増) 営業利益1031億9500万円(4.9%増) 1450億円(40.5%増) 親会社帰属純利益805億1900万円(6.8%増) 1100億円(36.6%増) 【21年度の国内主要製品売上高(前年同期実績) 22年度予想、億円】 オプジーボ 1124(988) 1550 フォシーガ 367(224) 470 グラクティブ 245(255) 230 オレンシア 229(219) 230 パーサヒブ 89(81) 80 カイプロリス 84(71) 90 ベレキシブル 63(21) 70 オノアクト 49(47) 45 オパルモン 47(55) 35 リバスタッチ 29(66) - ビラフトビ 27(11) 35 メクトビ 22(10) 25 オノンカプセル 36(29) 25 オンジェンティス 29(3) 50 当期新発売品(見込みを含む) 10(-) - *仕切価ベース ロイヤルティ・その他 1154(947) 1350 *BMSからオプジーボに係るロイヤルティ収入が20年度598億円、21年度699億円――、メルクからキイトルーダに係るロイヤルティ収入が同243億円、308億円――がそれぞれ含まれる。

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塩野義製薬・手代木社長 新型コロナ治療薬・ワクチンで22年度1100億円の売上見込む

塩野義製薬の手代木功代表取締役社長は5月11日、21年度(22年3月期)決算会見に臨み、開発中の新型コロナに対する経口治療薬(S-217622)および遺伝子組換えタンパクワクチン(S-268019)により22年度通期で1100億円の売上を見込んでいると発表した。うち中間期までに経口治療薬で450億円を見込む。手代木功社長は「この予想はかなり難しい。これよりものすごく大きくなる可能性は十分にあると思っているが、どれぐらいを最低線として考えていけばいいのかということを示しながら、適切なタイミングで必要があればリバイズ(修正)をする」と語った。 ◎新型コロナ治療薬で各国政府と交渉「次のステージの会社になるためのチャレンジ」 経口治療薬については、今年2月25日に国内承認申請済み。申請のもとになったフェーズ 2bパートに続けて実施中のフェーズ3パートについては「6月、7月ぐらいまでには結果を出したい」と述べた。別にグローバルフェーズ3試験を予定。グローバル展開に向けた他社との提携について手代木社長は「22年、23年は各国ごとに政府買い取りを中心に動くと思う。販売活動がどこまで必要かというと、そこまでではないかと思う」「自分で政府交渉して自分でモノを造って独自で展開する能力をいま上げておかないと、企業としての進化がない。次のステージの会社になるために、22年の大きなテーマとしてチャレンジしてみたい」との考えを示した。 ◎新型コロナワクチン「どんなに遅くとも6月から7月には承認申請したい」 一方、ワクチンについては、既に追加免疫比較試験(ファイザーのコミナティ2回接種後の追加免疫)およびフェーズ 2/3試験(安全性・免疫原性評価試験)の結果を発表済みだ。このほか、実施中の中和抗体価比較試験(アストラゼネカのバキスゼブリアに対する優越性検証試験)について、「5月、6月の中で論文での結果公表を考えている」とするとともに、追加免疫比較試験(国内追加試験)は5月中に結果速報を入手予定とした。手代木社長はこれらの試験結果をもとに「どんなに遅くとも6月から7月には承認申請したい」と述べた。 ◎21年度売上高は12.8%増の3351億3800万円 国内はサインバルタの後発品参入響く 21年度の業績は売上高が前期比12.8%増の3351億3800万円だった。最終利益は2.1%増。 国内医療用医薬品の売上高は5.9%減の891億円。21年6月に後発品が参入したうつ病・疼痛治療薬サインバルタが106億円減の159億円となったのが響いた。17年5月発売のAD/HD治療薬インチュニブは33億円増の164億円となったが、19年12月発売の同ビバンセは5億円増の8億円にとどまっている。インフルエンザファミリー(ゾフルーザ、ラピアクタ、ブライトポックFlu・Neo)は、ラピアクタの政府備蓄による売上を計上したため、28億円増の31億円となったものの、流行が極めて小規模だったため、計画した79億円に48億円もとどかなかった。 それでも2桁増収を確保できたのは、米ギリアド社とのドルテグラビル特許侵害訴訟の和解に伴う一時金により、HIVフランチャイズのロイヤリティー収入が506億円増の1740億円となったため。また、欧米で多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコルの販売が好調で、海外子会社/輸出は97億円増の344億円となった。手代木社長は「2年ぐらい非常にインフルエンザの売上がなくて苦しんでいたが、ここに来て少し下げ止め感を出させた決算だった」と総括した。 22年度の売上予想は19.4%増の4000億円。国内医療用医薬品は11.8%減の786億円を見込む。サインバルタは98億円減の61億円まで落ち込む予想。インチュニブは31億円増の 195億円、ビバンセは3億円増の11億円を予想する。21年度に特殊要因があったHIVフランチャイズのロイヤリティー収入は401億円減の1339億円となる見通し。一方、COVID-19関連製品(S-217622、S-268019)で1100億円の売上を予想する。手代木社長は「COVID-19以外の成長ドライバーはどうなのかということについて、次のステージに対する考え方を示さなければいけない。22年度はそれを伝えていくことも重要だろうと思っている」と語った。 【21年度連結業績 (前期比)22年度予想(前期比)】 売上高 3351億3800万円(12.8%増)4000億円(19.4%増) 営業利益 1103億1200万円(6.1%減)1200億円(8.8%増) 親会社帰属当期利益 1141億8500万円(2.1%増)1360億円(19.1%増) 【21年度国内主要製品売上高(前期実績)22年度予想、億円】 サインバルタ 159(265)61 インチュニブ 164(131)195 ビバンセ 8(3)11 感染症薬 118(98)134 –注1 うちインフルエンザファミリー 31(3)51 オキシコンチン類 48(53)45 スインプロイク 27(23)33 アシテア 5(3)6 ムルプレタ 1(1)1 ピレスパ 38(51)24 その他 324(320)276 海外子会社/輸出 344(246)416 ロイヤルティ収入 1813(1446)1404  うちHIVフランチャイズ 1740(1234)1339  うちクレストール 12(166)―  その他 61(47)65 COVID-19関連 ―(―)1100 注1)感染症薬の構成製品:ゾフルーザ、ラピアクタ、ブライトポックFlu・Neo、フィニバックス、フルマリン、フロモックス、シオマリン、バンコマイシン、バクタ、フラジール、イソジン

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武田薬品・ウェバー社長「日本の求める革新的医薬品とパイプラインがマッチ」 21年度国内実質8%成長

武田薬品のクリストフ・ウェバー代表取締役社長CEOは5月11日、2021年度決算発表に臨み、国内ビジネスについて「日本では、革新的パイプラインがとても重要だと認識されている。日本が求めている革新的医薬品と我々のパイプラインがマッチしている。これは非常に重要なことだ」と述べた。同社の21年度の国内売上高は前年比17.7 %増(実質ベースは8.1%増)の6590億円と成長。さらに、国内で新規候補物質4件の承認を取得した。ウェバー社長は、同社の革新的なポートフォリオが成長に寄与したとの見解を表明。「我々は日本の会社であり、日本は非常に重要な国だ」としたうえで、「研究開発の戦略が日本の患者さんに資するものであることも非常に重要な点だ。それが日本の医療制度が求めているものだと考えている」との見解を示した。 ◎21年度売上高は11.6%増 「バランスの取れた多様なポートフォリオ」に自信 同社の21年度売上高は前年比11.6%増(実質ベースは7.4%増)の3兆5690億600万円。ウェバー社長は、「21年度は特筆すべき年だった。生命を変える新薬を患者さんにお届けし、主要な事業分野で力強い成長を遂げた。患者さんに最大のインパクトを与えることができる分野、例えば効果的な治療選択肢が切実に必要とされる希少疾患のサイエンスを前進させることに注力している」と述べた。 主力品のエンティビオが21.5 %増の5218億円、タケキャブが20.7%増の1024億円を売り上げるなど、業績を牽引。血漿分画製剤(免疫疾患)領域の売上高も20.6%増の5070億円となるなど、注力領域の消化器系疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ニューロサイエンスが伸長。ウェバー社長は、「バランスの取れた多様なポートフォリオ」に自信をみせ、「私たちの戦略がうまくいっていることを強く支持するもので、長期的な成長に向けて引き続き、万全な体制にある」と述べた。 同社にとって21年度は、単年度としてて単年度では最も多い新規候補物質の承認を取得した。日本では新規候補物質4件の承認を取得している。ウェバー社長は、「21年度は、記録的な年だった」とした。「日本での薬剤の承認取得において業界をリードしていることを誇りに思う」と述べた。 さらに、後期開発段階にある10プログラムを含む約40の臨床開発パイプラインがあると説明。自社開発に加え、アカデミアやベンチャー、グローバルメガファーマなど多様な提携先を通じ、研究開発を加速する姿勢を示した。注力する細胞・遺伝子治療については、プレゼンス構築に向けて継続的な投資を続ける方針。ウェバー社長は、「中期的にパイプラインが生み出すポテンシャルには自信がある」と強調。「多様なポートフォリオにより、今後も安定した有機的な売上収益を達成するとともに、競争力のあるマージンや将来のイノベーションを推進する強力なキャッシュフローを生み出すことができると考えている。最近の承認取得により、コマーシャル面での実行力の強さとパイプラインの可能性が相まって、長期的な成長を促進することができるとさらに確信を深めている」と自信をみせた。 ◎働く場は「コラボレーションが起きるスペースへと強力に変革」 コロナ禍で働き方に柔軟性を持たせていることも説明。家やオフィスを活用した、ハイブリッドな働き方を認めているとした。「コロナ前に戻ることはない」としたうえで、「ハイブリッドな働き方を推進することで、働き方のフレキシビリティを高めたい。我々の働く場も変革し、コラボレーションが起こるスペースにしていきたい」と述べた。 具体的には、「社員が一緒に仕事をし、チームや上司と顔を合わせてクリエイティブなセッションをもって問題解決のセッションを行う」ようなスペースと説明し、「テクノロジーも使って、強力なコラボレーションが起こるスペースとなるよう、推進していきたい。強力な変革が我々の働く場で起こる。スペースの必要量としては下がるが、よりコラボレーションが起こるコミュニティースペースが増えていく」と述べた。 【21年度連結業績 (前年同期比) 22年度予想(前年同期比)】 売上高 3兆5690億600万円(11.6%増)3兆6900億円(3.4%増) 営業利益 4608億4400万円(9.5%減)5200億円(12.8%増) 親会社帰属純利益 2300億5900万円(38.8%減)2920億円(26.9%増) 【21年度のグローバル主要製品全世界売上高(前年同期実績) 22年度見込み 億円】 エンティビオ 5218(4293) 6590 タケキャブ 1024(848)1120 レベスティブ 758(646)910 DEXILANT 508(556)400 PANTOLOC/CONTROLOC 403(431)400 リアルダ/MEZAVANT 265(255)230 PENTASA  202(231)170 AMITIZA 65(212)- RESOLOR/MOTEGRITY 130(112)140 アロフィセル 18(8)40 エラプレース 731(688)770 リプレガル  517(518)680 ビプリブ 424(385)460 NATPARA/NATPAR  54(36) アドベイト 1185(1285)1730(※アディノベイトとあわせて) アディノベイト 607(581) ファイバ 392(445)380 RECOMBINATE  123(134)130 HEMOFIL/IMMUNATE /IMMUNINE 177(187)190 タクザイロ 1032(867)1250 フィラジル 267(268)210 CINRYZE   193(219)130 KALBITOR  44(39) 免疫グロブリン 3859(3349) アルブミン 900(576) ベルケイド 1100(1011)470 リュープリン 1065(954)1060 ニンラーロ 912(874)1030 アドセトリス 692(594)750 アイクルシグ 349(342)410 ベクティビックス 247(238)240 アルンブリグ136(88)260 バイバンス 3271(2715)3720 トリンテリックス 823(689)950 インチュニブ 189(204)190 ADDERALL XR 209(178)90 ロゼレム 117(120)80 アジルバ 763(822)730 ロトリガ 327(318)130 アイファガン 149(159) ホスレノール 136(135)110 ACTOVEGIN 134(107)120 【21年度の国内主要製品売上高(億円)】 エンティビオ 113 27.0 %増 タケキャブ  946 13.6 %増 レベスティブ 16 ― エラプレース 10  35.9 %減 ビプリブ 13 13.8 %増 アドベイト 57 11.4 %減 アディノベイト 148 1.3 %減 ファイバ 7  25.4 %減 フィラジル 17 29.2 %増 リュープリン 273  22.1 %減 ニンラーロ  61 20.3 %増 アドセトリス 115 4.4 %増 ベクティビックス 247 3.7 %増 アルンブリグ 10 ― バイバンス 5  7099.7 %増 トリンテリックス 54 167.2 %増 インチュニブ  71  33.0 %減 ロゼレム 118 0.8 %増 アジルバ  763  7.2 %減 ロトリガ  327  2.9 %増 アイファガ 149 6.4 %減

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リアルワールドデータ社 米Aetion社と業務提携の覚書締結 日本の医療情報を世界の創薬開発に活かす

リアルワールドデータ社(本社・京都市中京区:RWD)は5月10日、米国Aetion社と同社が有するリアルワールドエビデンスのプラットフォームに関する共同プロモーションで業務提携すると発表した。両社の取り組みは、臨床開発の効率化と医療ビッグデータの利活用を促進する狙いが込められている。RWD社は同社の電子カルテデータベースの利活用をグローバルで加速させ、日本の医療情報を世界の創薬開発に活かす取り組みを支援する方針だ。 RWD社は、国内最大規模の電子カルテ由来のデータベースを運営する事業者。診療情報、学校健診・乳幼児健診などの各種データベースの構築事業を手掛けている。なお、同社による電子カルテデータベースの国内の実患者数は2440万人(22年3月末日)にのぼる。一方、Aetion社は、米国ニューヨークに本社を置き、リアルワールドエビデンスのプラットフォームの提供を通じ、製薬企業等への安全性、有効性などの検証支援を行っている。 今回の業務提携は、医薬品開発におけるリアルワールドデータの効果的な活用を支援するもので、Aetion社のプラットフォーム上で寄せられたRWD社のデータ利用の要望に対し、RWD社とAetion社の両社が共同でソリューションを展開し、効率的・効果的なデータの利活用環境を支援するというもの。RWD社は、これにより電子カルテデータベースの利活用をグローバルレベルに拡大できる。また、両社は臨床開発の効率化と価値創造に貢献する医療ビッグデータの利活用を更に促進させ、世界規模の創薬開発に貢献したい考えだ。

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エーザイ ALSに対する高用量メコバラミン製剤 23年度中に再び新薬承認申請へ

エーザイは5月10日、徳島大学を主体とする研究チームの医師主導治験の結果を踏まえて、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する高用量メコバラミン製剤の新薬承認申請に向けた作業を開始したと発表した。2023年度中の承認申請を目指す。なお、22年3月に希少疾病用医薬品指定申請を厚労省に提出している。 同社はALSに対する高用量メコバラミン製剤について、臨床第2/3相試験(761試験)の結果をもとに15年5月に新薬承認申請したが、PMDAから申請パッケージが不十分との見解が示され、16年3月に申請を取り下げた経緯がある。 761試験では、メコバラミン投与群(25mg及び50mg投与群)はプラセボ投与群と比較してイベント発生までの期間の延長傾向とALSFRS-R(日本語版改訂ALS機能評価スケール)スコアの低下抑制傾向はみられたが、統計学的有意差は確認できなかった。しかし、追加解析したところ、ALS発症後12か月以内に治療を開始した患者では高用量メコバラミンによるイベント発生までの期間延長とALSFRS-Rスコアの低下抑制が示唆されるなどしたため申請した。しかし、当時、PMDAからは、有効性が確認できず審査困難である旨の見解が出された。 この追加解析結果を受けて、発症1年未満という発症早期のALS患者を対象として高用量メコバラミンの有効性・安全性を再検証するため、AMEDの支援により、徳島大学を主体とする研究チームによる医師主導治験(JETALS)が実施された。その結果、高用量メコバラミンの有効性、安全性、忍容性が確認され、査読学術誌「JAMA Neurology」で発表された。この試験結果を踏まえ、エーザイと徳島大が協議し、承認申請を改めて行うことになった。 なお、医師主導治験は、徳島大学の梶龍兒特命教授(主任研究者)、徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床神経科学分野の和泉唯信教授(治験調整医師)らの研究チームが実施した。 ALSは重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で進行性の難病。メコバラミンの ALS の病態における作用機序は解明されていないが、非臨床研究の結果から、神経保護作用、神経軸索再生作用により有効性を示す可能性が示唆されている。メコバラミンは、末梢神経障害などの治療薬として、メチコバールとして販売されている。

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