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日医・松本会長 薬価差は「あくまで市場が決めるもの」市場実勢価格主義「急変はかえって混乱起こす」

日本医師会の松本吉郎会長は9月7日の定例会見で、「薬価差は、あくまで市場が決めるということが基本的な考えだ」と強調した。そのうえで、現行薬価制度における市場実勢価格主義については、「ある程度の薬価差益はやむを得ないものと考える。これを急に変えることは、かえって混乱を起こす」と慎重な姿勢を表明した。日本製薬工業協会(製薬協)の岡田会長が8月30日の記者会見で、「薬価差の透明性・妥当性に課題がある」と指摘。市場実勢価格に基づく薬価改定方式の抜本的見直しを主張したことに対し、松本日医会長が見解を示した。 ◎市場の変化、現場の状況など鑑み「薬価差が一定程度生じるのはやむを得ない」 医薬品の市場実勢価格は、医薬品卸と医療機関・薬局の川下取引だけでなく、製薬企業と医薬品卸の川上取引も含めた流通当事者間の合意で形成される。日医の松本会長は、8月30日の岡田製薬協会長の記者会見での発言に対する質問に、「薬価差については、あくまで市場が決めるということが基本的な考え方だ」と表明した。また、「流通のいろいろな段階で、薬価差が生じているが、“市場の変化”、“現場の状況”など、その影響を鑑みるにあたっては、こういった薬価差については、一定程度生じるのはやむを得ないと思っている」との見解を示した。続けて、「調整幅も含めてやむを得ない」とも付言した。 市場実勢価格方式に基づく薬価改定方式の見直しは、今後の流通・薬価議論における一つの論点になる見通しだ。現行の市場実勢価格に基づく薬価制度をめぐって製薬協の岡田会長は8月30日の記者会見で、「医療機関や薬局にとっては薬価差から得られる収益が経営の極めて重要な要素となっている現状だ。一方で、その薬価差に関する“透明性・妥当性には課題がある”との指摘は長年の議論を経てもなくなることは一切なく、増すばかりだと思っているところだ。最終的に薬価差は、国民負担となっている。それがどこに還元されているかは別として、国民負担となっていることを踏まえれば、国民にとってもわかりやすい透明性のある仕組みとして根源的な課題である市場実勢価格に基づく薬価改定方式の抜本的見直しを検討する時期にまさしく来ている」と主張していた(関連記事)。

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SaMDの優先審査制度を試行導入  厚労省、対象品目の公募開始

 厚生労働省は、画期性や有用性、世界に先駆けて日本で開発・申請する意思といった要件を満たしたプログラム医療機器(SaMD)を優先的に審査する制度を、試行的に導入する。SaMDの実用化を促進するため、

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CROのイーピーエス 物価上昇で特別手当を支給 全従業員に

EPSホールディングス子会社でCRO事業を展開するイーピーエスは9月6日、世界情勢を背景にした物価上昇に対し、従業員の生活を安定させることを目的に約3000人の全従業員に特別手当を支給すると発表した。2022年6月~9月の4カ月分について、8月、9月の給料日に支給する。 支給対象者は、22年8月1日に同社に在籍している直接雇用の全従業員。1人あたりの平均支給額は開示していない。今回は事業年度の区切りということで9月までを支給対象としたが、10月以降については、「物価状況等を踏まえ延長要否について検討中」としている。 ロシアによるウクライナ侵攻を発端に、インフレ傾向が世界的に強まっている。さらに円安も影響し、特にエネルギーや食料品の高騰が家計に打撃を与えている。イーピーエスは、今回の特別手当の支給で従業員の不安の払しょくを図るほか、在宅勤務制度の見直し、山梨にあるサテライトオフィスを利用したリフレッシュプログラムの実施など様々な施策で全従業員が安心して働ける職場づくりを目指す。

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高まる最低薬価見直しへの待望論 採算割れ起こす商習慣や流通取引など「構造的課題の説明が重要に」

製薬業界内から最低薬価の引上げなど、薬価制度の見直しの待望論があがる。端を発したのは本誌が7月初旬に行った沢井製薬の澤井光郎代表取締役会長へのインタビュー。「品目によらず、最低薬価を引き上げるというのも一つの手法ではないか」と熱弁を振るった。この取材で感じたのは、赤字品目が多数を占めるジェネリックビジネスの抱える構造的課題に対する強い危機感だ。(望月英梨) 「合理的な根拠で最低薬価の見直し、引き上げが必要。そして何よりも、いまの後発品の品質安全、供給問題など適正化することを入れるべき」―。8月31日に初会合を開き、議論を開始した厚労省の「医薬品の迅速かつ安定的な供給のための流通・薬価制度に関する有識者検討会」(遠藤久夫座長・学習院大経済学部教授)で青山学院大学の三村優美子名誉教授は、こう援護射撃した。“医薬品の安定供給”をテーマのひとつに掲げる有識者会議において、最低薬価の引き上げも今後の議論の焦点となることが想定される。一方で、製薬業界は採算割れを起こした背景にメスが入ることを自覚する必要がある。これまでの商習慣や、製薬企業間・医薬品卸間の競争など、ビジネスモデルをめぐる課題に焦点があたることも忘れてはならない。 先述の沢井製薬の澤井会長は本誌取材に対し、同社が発売する300成分のうち、約50成分が利益の8割を占めると明かしてくれた。逆に赤字品目は70品目に及ぶという。いわば、収載直後の品目で得られる利益で、価格の下がった品目を補填するビジネスモデルだ。毎年薬価改定の導入は、薬価の加速度的な下落と、物価・エネルギー価格の高騰が追い打ちをかける。後発品の安定供給が求められるなかで、多くの企業が生産体制強化に舵を切るが、そうした設備投資にも利益は不可欠だ。ジェネリックのビジネスモデルの持続可能性を考えれば、危機的な状況と言えるだろう。 ◎なぜ不採算品目が生まれるのか、その背景にあるビジネスモデルがなぜ生まれたのか なぜ不採算品目が生まれるのか、その背景にあるビジネスモデルがなぜ生まれたのか―。ここは立ち止まって考える必要があるのではないだろうか。日本の薬価制度は市場実勢価格主義を貫いており、医療機関・薬局と医薬品卸のみならず、製薬企業も含めた流通当事者間での合意形成で成り立っている。こうしたなかで、最低薬価を下回る、“みなし最低薬価”品目が多数存在する理由をどう説明するのか。かつて“売り逃げ”と揶揄されるような、後発品の薬価追補収載直後に低価格を武器とした価格取引も横行した。製薬企業間、卸間の価格競争も依然として残る。果たして、ジェネリックメーカーのビジネスモデルはどうあるべきだろうか。 見逃せない観点が、薬価と切っても切り離せない流通の抱える構造的課題だ。不採算品目が生まれる原因の一つとして、比較的安価であるジェネリック医薬品が、医薬品卸と医療機関・薬局との川下取引における調整弁として使われ、結果として必要以上に薬価が下がるとの指摘がある。近年は医薬品卸を通じた市場取引の割合が高まってきたとはいえ、昔ながらの販社や直販ルートを持つジェネリックならではの特殊性が存続していることは見逃せない。 ◎「割戻しとアローアンス基準明確化と適正運用を望む」 自民議連で販社協 「一次売差は赤字でもしょうがないということが多いなかで経営を行っている。メーカーより四半期ごとにリベート・アローアンスをいただき、四半期の赤字経営を詰め合わせ、どうにか経営が成り立っている現状だ」-。8月26日に開かれた自民党の議員連盟「ジェネリック医薬品の将来を考える会(上川陽子会長)」で、日本ジェネリック医薬品販社協会(販社協)は、こう説明した。続けて、「割戻しとアローアンス基準明確化と適正運用を望む」と訴えた。「割戻しとアローアンスの支払間隔は、各メーカーで異なっているようだが、およそ四半期の間隔で行われているようだ」とも言及し、居並ぶ自民党厚労議員を前に流通実態の現状を訴えた。 ◎城審議官「単品単価取引の推進と言いながら、最後はどこかで総価的に帳尻合わせしている」 厚生労働省の城克文医薬産業振興・医療情報審議官は本誌取材に、「単品単価取引の推進と言いながら、最後はどこかで総価的に帳尻合わせをしている取引がある。2社、3社で流通しながらシェアに応じてアローアンスを設定している。こういうことがなぜ起きるのかは、個人的にも聞いてみたい」と話す。一次売差マイナスなど、国民には理解しがたい商習慣が依然として残るが、こうした根本的なひも解きが必要と言えるかもしれない。 「有識者検討会ではあくまで国民の視点で、医薬品の迅速かつ安定的な供給をするために、ファクトとして何が起きているかを示し、それを突き詰めると床に課題があるのか、解決策を検討するものだ」―、城審議官はこうも語る。製薬業界には、国民目線で、ファクトベースにロジカルに議論に臨むことが求められている。

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GE安定供給へ支援策検討、薬価での下支えも  北里大・成川氏、新たな厚労科学研究班で

 後発医薬品の品質確保・安定供給に向けた施策を探る厚生労働科学研究班が始動した。まずは後発品企業への聞き取りなどを通して課題を抽出・整理し、提言につなげる。研究代表者を務める成川衛・北里大薬学部教授は

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