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キッセイ薬品 22年度計画 ベオーバは売上110億円、35%増収へ 出荷調整解除見込む

キッセイ薬品は5月10日、2022年3月期(21年度)決算会見を電話会議で開き、主力品の過活動膀胱治療薬・ベオーバ錠の出荷調整が2022年度中に解除されるとの見通しを示した。同剤の売上は、21年度は81億4100万円(前年度比15.9%増)だったが、出荷調整解除を見込んで、22年度は110億円(35.1%増)の大幅増収を計画した。同社の駒村孝幸・経営企画部長は、「(ベオーバの)増産体制が動き始めており、十分な在庫を積み増しているところ」と説明した。 22年度のいつ頃に出荷調整が解除されるかについて、同社は「製造販売元の杏林製薬から説明がある」とした。杏林製薬は本誌取材に、5月11日に開示予定の21年度決算資料の中で明らかにすると説明した。 ベオーバは杏林製薬とキッセイ薬品が共同販売している選択的β3アドレナリン受容体作動薬。19年12月の長期投与解禁を機に想定以上の需要があり、両社とも20年から出荷調整を継続。生産体制を再構築している。 ◎医薬品事業 21年度は4%減収 薬価改定影響大きく キッセイ薬品の21年度連結業績は、売上653億8100万円(前年度比5.3%減)、営業損失14億200万円、親会社帰属純利益129億2100万円(144.5%増)だった。 医薬品事業の売上は541億4700万円(4.0%減)だった。ベオーバや夜尿症・中枢性尿崩症治療薬ミニリンメルトOD錠などは好調だった一方で、21年度薬価改定で7%台の改定影響を受けるなどして減収となった。 ◎営業損失 減収や研究開発費の増加が影響 利益面は、減収に加え、研究開発費を主とした販管費の増加などで営業損失を計上。研究開発費は103億6300万円で、前年度から7.7%伸びた。一方で、投資有価証券売却益の計上などにより、親会社帰属純利益は大幅増益となった。 ◎22年度 医薬品事業は5%増収を計画 ベオーバ大幅増や技術料収入などで 22年度の連結業績は増収、営業利益及び経常利益の増益を見込んだ。医薬品事業は570億円(5.3%増)を計画。ベオーバの大幅増収や、薬価収載手続き中の顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症治療薬タブネオスカプセル(一般名:アバコパン)及び潰瘍性大腸炎治療薬カログラ錠(カロテグラストメチル)の市場導入、導出品に係る技術料収入などにより、22年度薬価改定での9%台の改定影響を吸収できると予想した。技術料収入は42億円(前年度5億1800万円)を計画しているが、どの導出品による収入かなど詳細は開示していない。利益面は増収、売上原価率及び販管費の低減などにより増益を見込む。 【21年度連結業績 (前年同期比) 通期予想(前年同期比)】  売上高653億8100万円(5.3%減)、680億円(4.0%増) 営業利益△14億200万円(-) 28億円(-) 親会社帰属純利益129億2100万円(144.5%増)、100億円(22.6%減) 【21年度の国内主要製品売上(前年同期実績) 通期予想、億円】 ベオーバ 81(70) 110 ミニリンメルト他 39(34) 39 ユリーフ 28(36) 22 ピートル 57(58) 63 ダルベポエチンアルファBS 37(48) 36 エポエチンアルファBS 38(44) 22 グルベス 38(43) 34 グルファスト 11(11) 10 マリゼブ 12(15) 12 タブネオス -(-) 7 カログラ -(-) 3 レクタブル 8(7) - サラジェン 14(15) 11 注)1億円未満切捨て。レクタブルは22年4月からEAファーマのみ販売し、キッセイ薬品はコ・プロしている。

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アステラス製薬 「Mahol-A-Ba」をメディア公開 細胞の創薬利用プラットフォーム 10以上創薬研究に

アステラス製薬は5月10日、同社つくば研究センターにある細胞の創薬利用プラットフォーム「Mahol-A-Ba」(まほろば)をメディア向けに公開した。Mahol-A-Baは、「匠の腕」(写真・上)と呼ばれる細胞培養の熟練研究者の技をロボット技術で自動化(デジタル化)。「匠の眼」(写真・下)として生細胞のリアルタイムかつ継続的な形態変化の観察で最新画像処理技術を導入した。さらに研究員が在宅から遠隔操作できるため、リモートを通じて世界中の研究者がリアルタイムで研究成果やデータを共有できるなど、創薬機会の創造と生産性向上によるコスト減に期待を寄せる。志鷹義嗣専務担当役員・研究担当(CScO)は、「細胞に関しては、これからが勝負だが、Mahol-A-Baの活用に関してはかなり先端を走っていると自負している」と胸を張った。 「これまでに獲得した知識や経験に、ロボティクスやAIの力を組み合わせて、優れた創薬技術の開発を目指す」―。志鷹専務担当役員はこう強調した。アステラス製薬が目指すデジタル創薬は、「ヒトとデジタルのベストミックスで、そこから開発候補品の高質化が得られる」とも語っている。これまで同社が培った低分子創薬は、数多くのデータの蓄積に加えてタンパク質構造解析技術で世界トップクラスの経験、質、数を積み重ねた。この強みは欧米のグローバル企業と比べても競争優位性を確実に発揮すると志鷹専務担当役員は強調する。一方でデジタル創薬の世界も低分子から新規モダリティにシフトしており、iPS細胞を含む創薬開発には、細胞培養や自動合成の分野で、「創薬研究力×日本の強みの細胞・ロボット・画像撮像/処理技術」を持つ新たなプラットフォームの構築が求められるという訳だ。 ◎すでにiPS細胞による創薬活用に着手 「Mahol-A-Ba」の名前の由来は、まほろ(Mahol)を使った、アステラス(A)のプラットフォーム(場=Ba)だ。まほろばとは、「素晴らしい場所、理想郷」という意味もある。期待される用途としては、すでにiPS細胞による創薬活用に着手している。 「匠の腕」として、細胞培養を行う研究者の技を自動車の生産を行う産業ロボットの基盤を用いて数値化した。また、半導体産業で培ったオートメーション技術を使った自動細胞培養装置を導入した。計測、制御、情報の技術、異常の余地検知にはディープ・ラーニング機能を搭載した。この機能は「匠の眼」にも応用されている。さらに、分光光度計に始まるライフサイエンス機器やラボオートメーションソフトウエアなどの技術が「匠の眼」に採用された。こうした複数の技術を集積することにより、ロボットには不向きとされた「多品種少量生産型細胞」の生成を覆すことができ、逆に汎用性のあるプラットフォームを構築できたという。 ◎「患者由来のiPS細胞を用いた筋分化系」を初見で成功! 「Mahol-A-Ba」は査読済み国際専門誌でもハイライトされた。特に驚きをもって注目を集めたのは、熟練者と同等のレベルで2か月以上にわたり未分化iPS細胞を維持できたことだ。日内日間差が非常に少ないことも評価された。さらに、技術移管でも、CiRAが構築した「患者由来のiPS細胞を用いた筋分化系」を初見で成功させた。従来であれば実験室に習いにいくと数日から数か月かかるものを初見で成功させたことは、まさに「匠の腕」が評価された瞬間だったという。 ◎ヒット化合物の創出に強い期待 生産性向上では休日出勤の減でコスト効果も 「Mahol-A-Ba」の実績については、候補品の同定までは至っていないとしながらも、すでに10以上のプログラムで創薬研究に応用されている。熟練者以上の高精度、高再現性データで100~1000倍規模の実験が今後可能になるとみており、病態関連性仮説の検証や表現型スクリーニングを通じたヒット化合物の創出に強い期待を寄せている。また、生産性向上については、系構築期間の50%以上の短縮や試行回数の減少、さらには休日出勤の減などでコスト効果を発揮するとみている。 一方、将来的な課題として、IT人材の確保や育成などがあり、独自のデジタル創薬人材育成プログラムを導入していることも明かしてくれた。また、AI創薬の将来としては、バーチャル技術も駆使した「空間を超えた創薬活動」を現実化したい考え。さらに、グローバルの研究者ともリモートでデータやノウハウの共有を行う機会を広げるなど、デジタル創薬を可能にするプラットフォームのグローバル共有化にも取り組む考えだ。

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NBI・青野社長「日本はグローバルに大きく貢献」 生産拠点の「グローバルでの戦略的位置づけ上がる」

日本ベーリンガーインゲルハイムの青野吉晃代表取締役会長兼社長は5月10日、2021年度業績発表会で、研究開発・生産拠点としても、「日本はグローバルに大きく貢献している」と強調した。同社の日本の医療用医薬品売上高は前年比6.7%増の2082億円と「好調な実績」(青野社長)だった。その背景として、グローバル戦略拠点として研究開拠点と生産拠点の強化を進めていることをあげた。生産拠点である山形工場では国内向け製品の生産が大半だったが、アジア・オセアニア地域へバルクを供給する計画であることを紹介。「以前よりもグローバルでの戦略的な位置づけはあがっていく」と述べた。同社は、大手外資系製薬企業として唯一、研究開発拠点とバルク製造のできる生産拠点を有している。 ◎「イノベーションのソースとしての重要性に変わりはない」 同社の国内医療用医薬品売上高は、前年比6.7%増の2082億円。糖尿病治療薬・ジャディアンスファミリー(ジャディアンス、トラディアンス)と、抗線維化剤・オフェブが業績を牽引した。ジャディアンスファミリーは前年比30.8%増の527億円、オフェブは29.8%増の510億円に成長した。青野社長は、「想定以上に厳しい中間年改定があったが、堅調な業績だった」と述べた。日本市場については、「中国をはじめとした新興国のマーケットは拡大しているが、比較的安定した成熟市場だ。イノベーションのソースとしての重要性に変わりはない」と強調した。 業績が好調な背景として青野社長は、「我々はグローバルの研究開発の戦略拠点の一角として早い段階から参画し、後期開発品の開発も加速している。神戸医薬研究所(研究開発拠点)や山形工場(生産拠点)を含む、グローバルの戦略拠点としてファンクションを強化している。長期的な視点に立った人材育成にも取り組んでいる。こうしたことをベースとして、現在の業績がある」と述べた。 研究開発拠点である神戸医薬研究所は、グローバルの戦略拠点として事業開発と創薬研究アライアンス機能を担っていると説明。「神戸医薬研究所は、具体的なグローバルでの役割があり、明確に機能している。グローバルの中でも評価を受けている」と述べた。 生産拠点である山形工場では、これまで日本の医療用医薬品売上の約90%の生産を担ってきた。これまでは日本向けの製品が中心だったが、日本だけでなく、アジア・オセアニア地域に糖尿病治療薬をバルクで供給する計画だと説明。今後も継続的な投資を行い、品質要求に応える製造環境を維持する考えを示した。青野社長は、「ウクライナ情勢もあり、グローバルなサプライチェーンが問題となるなかで、日本の品質、工場の能力、勤勉性を評価し、日本だけでなく一部のリージョンにも供給していく。以前よりもグローバルでの戦略的な位置づけはあがっていく」と述べた。 また、人財の重要性についても強調。「人財こそすべてというところ。強くBIとして認識している」と述べた。 ◎ペイシェントエンゲージメント部門を新設 患者の声を反映 シャシャンク・デシュパンデ代表取締役兼医薬事業ユニット統括社長は、21年度業績について、「大きな成功を収めた一年だった」と評価。特に、前年比7.1%増と新興市場(プラス5.9%)を上回る成長率を遂げたことを「非常に誇りを感じている」と述べた。 成長を牽引した2型糖尿病治療薬・ジャディアンス、抗線維化剤・オフェブともに、エビデンスが積み重ねられており、それが好調な業績につながっているとの見方を示した。オフェブについては、「肺線維症領域のマーケットリーダーとして、より早期の診断・治療を支援する責任がある。可能であれば、肺機能を維持するというところにできるだけ早い段階から貢献したい」との考えを表明。デジタルに強みを有する企業とのコラボレーションを通じ、アドヒアランスを向上し、患者をサポートする活動に力を入れる考えも示した。 “ペイシェントエンゲージメント”を部門として新設したことも紹介。「ブランドや製品を代表するのではなく、患者の声を理解する。患者のニーズを理解する」重要性を強調。患者から得た学びやインサイトを医薬品開発や患者サポートプログラムに反映するなど、取り組みを加速する考えを示した。

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奨学寄付金の基本方針は維持  三重大病院事件で製薬協、規制当局が新見解示せば対応も

 日本製薬工業協会のコード・コンプライアンス推進委員会は、奨学寄付金に関する基本方針を今後も維持する方針だ。三重大病院で贈収賄事件は起きたが、2014年4月22日に発出(18年5月に一部更新)した通知...

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スズケンとサンバイオ 再生医療等製品の流通管理で特許取得 投与後の患者フォローも可能に

スズケンとサンバイオは5月9日、両社が共同開発した再生医療等製品における流通管理・投与スケジュールサポートシステム「R-SAT」の特許を取得したと発表した。厚労省に承認申請したサンバイオの再生細胞薬「SB623」について、スズケンは上市後のメーカー物流・卸流通および製造業務における契約締結を予定しており、上市後は「R-SAT」を活用した製造・流通から患者への投与後のフォローまでのスケジュール管理を行う予定だ。 「R-SAT」を活用した流通モデルのイメージは、主治医が専用のWebサイトに患者IDを登録し、再生医療等製品の投与スケジュールを入力する。その情報に基づいて、製造業者が再生医療等製品の出荷業務を行う。その後、輸配送業者が温度ロガーや GPS による管理のもとで、トレーサビリティを確保しながら再生医療等製品を医療機関に配送する。また、投与後のフォローを行うことも可能で、これら一連の情報を関係者全員がクラウドで共有できる。 なお、スズケンは「R-SAT」を独自で展開する権利を有している。これにより再生医療等製品の上市を目指す製薬企業に対し、メーカー物流・卸流通、製造業務受託、さらに患者への投与後のフォローまでのスケジュール管理を総合的に提案・受託できる体制を整備する方針だ。

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