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諮問会議で民間議員 創薬力強化で「税制・予算の支援や規制改革推進」を要請 医薬品の輸入超過を注視

政府の経済財政諮問会議の民間議員は4月27日、創薬力の強化にむけて、治験や審査期間の短縮を目指し、「税制・予算の支援や規制改革の推進を強化すべき」と提案した。岸田政権は、新たな資本主義実現に向け、“成長と分配の好循環”の強化を目指す。この日、民間議員は、「対外経済面からの収益拡大と所得流出」を柱に据えた。医薬品については、新型コロナワクチン・治療薬に数兆円規模の予算配分がなされたが、ほとんどを外資系企業が開発している状況にある。民間議員は足元の医薬品の輸入増を「黒字縮小圧力となっている」と指摘し、改善に向けた提案を行った。 民間議員は、成長と分配の好循環強化にむけて、「対外経済面からの収益拡大と所得流出の抑制」と「対日直接投資やサプライチェーンの再構築を契機とした国内民間投資の拡大(貯蓄から投資へ)」を2本柱に据えた。 医薬品については、輸入超過の状況が、経常収支の黒字幅の縮小をもたらしていると問題視。改善に向けて、「創薬力の強化に向け、コロナ禍で遅れが明らかになった開発薬の実用化に要する治験・審査などの期間の短縮を目指し、税制・予算の支援や規制改革の推進を強化すべき」と提案した。、国産のワクチンや治療薬の開発が遅れるなかで、コロナ対応に政府はワクチンの購入に2兆4000億円、治療薬に1兆5000億円を支出した。 国産のワクチンや治療薬の遅れの一因として、国内の研究開発費が低下傾向である一方で、国内の承認には治験が必須となり、コストが増加していることが指摘されている。特に、治験をめぐっては日本人のデータが事実上必須となることから、治験や審査の期間が長引く傾向にある。実際、ファイザーの新型コロナワクチンは、申請時期は1か月ほどの差だが、(米国では2020年11月20日、日本では20年12月18日)、承認時期は2か月に開いている(米国では20年12月11日、日本では21年2月14日)。 緊急時の薬事承認制度として、日本には特例承認があるが、有効性・安全性を確認することが求められ、事実上日本人を対象とした治験が必須となる。このため、治験期間や審査期間が長くなることが指摘されていた。一方、米国のEUAは、当該時点で利用可能なデータで承認がなされる。実際、シンガポールや韓国では、海外での治験データの利用が可能となっている。こうした状況を踏まえ、現在、国会で薬機法改正をめぐる議論が進められている。安全性の確認を前提に有効性が推定された時点で承認する「緊急承認」の創設が検討されている。 また、政府が掲げる2030 年対日直接投資残高80兆円目標の実現に向け、「対日直接投資推進会議の下で、イノベーション創出やサプライチェーン強靱化につながる対日直接投資を戦略的に進めるべき」とも主張。重点課題の一つに掲げる医療についても、「KPIを掲げ、課題解決を迅速かつ着実に推進すべき」とした。また、“健康医療”について、「今後、新市場として成長が見込まれ、グローバルな課題解決にも資する分野」の一つとし、「対日直接投資の重点分野」に位置付けた。「海外との連携を優先的に進めるため、関係省庁によるプッシュ型の支援(コンシェルジュ方式による手続の補助等)を検討すべき」とした。 サプライチェーンの再構築の重要性も指摘。「民間投資の促進に向け、対外依存が大きい物資の内訳、国の取組内容等を明確に示すとともに、これらの物資の分散調達を進め、リスク分散を図るべき。あわせて、官民協働で対外依存が大きい物資の確保に取り組むための協議会(プラットフォーム)を設け、特定国への依存の低減を進めることも検討すべき」とした。すでに取り組みを進める欧州(EU)では、このなかに医薬品の原薬も含まれている。 ◎岸田首相 イノベーションに対する戦略的投資促進策の検討を指示 岸田首相は、「対日直接投資はコロナ禍であっても着実に伸びている。10年間で倍増、2030年に80兆円という政府目標の実現に向けて、特に我が国のイノベーションやサプライチェーンの強靱化につながるような戦略的な投資促進策について、具体策の検討を進める」よう、指示した。

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PMDA 不妊治療に係る医薬品の副作用「卵巣過剰刺激症候群」で注意喚起 近年増加傾向

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は4月26日、不妊治療で排卵誘発や調節卵巣刺激に用いる医薬品の副作用として知られている「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」について、副作用報告数が近年増加傾向にあることに加え、中等症OHSSに相当する所見が認められても治療継続された症例もあるとして、「適正使用のお願い」を発出した。 PMDAは医療関係者に対し、OHSSの早期発見や適切な処置ができるよう、患者にOHSSの説明を行うことのほか、▽患者の自覚症状(重度の骨盤痛、下腹部痛、下腹部緊迫感、腰痛、悪心・嘔吐等)▽急激な体重増加▽卵巣腫大(内診、超音波検査、血清エストラジオール値検査等)――に留意し、OHSSが認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うよう求めた。 「適正使用のお願い」では、不妊治療が継続され、重症OHSSに至った典型例も紹介。例えば、ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン(hMG)を用いた調節卵巣刺激を行った症例で、多数の発育卵胞により卵巣がかなり腫大し、血清エストラジオール(E2)値が2万pg/mLを超え、中等症OHSSを発症していたものと考えられたが、同日ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を投与。40個以上採卵した当日にOHSSは重症化し、入院加療に至った。 hMGを用いた調節卵巣刺激を行った多嚢胞性卵巣症候群の症例では、hMG投与中、血清E2値が1万pg/mL以上、卵巣最大径は8cmを超え、腹水を認め、中等症OHSSを発症していたものと考えられたが、同日hMGとhCGを投与。採卵直後にOHSSは重症化し、入院のうえ集中治療が必要になったという。 ◎OHSSの副作用報告数 19年度59件、20年度72件、21年度81件 なお、PMDAに近年報告されたOHSSの副作用報告数は19年度59件、20年度72件、21年度81件――、PMDAにおける副作用救済給付の決定件数は同23件、46件、51件――と増加傾向にある。21年度の副作用報告や救済給付の決定事例では、「hMG、hCG、コリオゴナドトロピンアルファ(遺伝子組換え)、ホリトロピンアルファ(遺伝子組換え)、uFSHが多く報告されている」としている。

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ホスピタリティエージェント コロナ禍のMRに「商談場所」を提供 オンライン面談や少人数会議を想定

イベント運営などを手掛けるホスピタリティエージェント(本社:東京都千代田区)はこのほど、同社の会議室予約サイト「ビズアポ(BIZ@PO)」を通じ、コロナ禍のMR活動を支援するサービスを開始した。病院の訪問自粛要請に伴うMRの活動制限や、支店・営業所などの拠点廃止により、MRがオフィス以外で商談や打ち合わせをする機会が増えていることに着目。ビズアポを通じたネット予約により、全国各地の貸し会議室やホテルの会議室予約を簡単でリーズナブルにできるようにした。少人数の営業会議だけでなく、医師や医療従事者とMRによるオンライン面談にも対応可能で、情報漏洩などリスク回避にも役立つとしている。 同社は、コロナ禍のMR活動において、オフィス以外で顧客とオンライン面談を行うことができ、かつビジネス上の情報漏洩を回避できる場所やスペースの確保に日々困っている状況を重視。営業車内や喫茶店・ファミリーレストランで行う内勤業務が常態化していることなどから、MRのビジネス環境を側面的にサポートする「働く場所」をリーズナブルに提供するビジネスに乗り出した。ビジネスシーンとしては、オフィシャルなアポイントやオンライン面談の実施、社内営業会議、オンライン配信・受信会場としての利用を想定している。 ◎「ビズアポ(BIZ@PO)」 利用料金は1時間当たり1650円、3300円、5500円の3プランで統一 昨年同社が立ち上げた会議室予約システム「ビズアポ(BIZ@PO)」は、ミーティングスペースをリーズナブルに予約できる会員制サイト。個室空間が確保できることや、受付が有人であること、さらに音漏れの心配が無いことなど、ビジネスを前提とした面談や商談を想定した施設を全国に厳選した。利用料金は1時間当たり1650円、3300円、5500円の3プランで統一。利用時間は最低1時間から最大12時間まで予約可能とした。会議室の予約は2週間前~1日前まで可能。PCやスマホから予約ができ、支払はクレジットカードが利用できる。MRの利用はオンライン面談のみでなく待機時のオフィスとしての利用も想定している。 ◎MRが利用したい会議室・ホテルの紹介も受付ける方針 なお、予約できる貸会議室は、東京、千葉、埼玉、大阪、名古屋、東日本エリア、西日本エリアに分類されている。同社としては、MRが利用している、または利用したい会議室・ホテルの紹介も受付ける方針で、ビズアポ事務局が該当施設に営業し、加盟を促進するとしている。

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香取・上智大教授 「流通を変えるなら薬価ルールを直すべき」 現場の流通取引ルールと薬価の決め方に歪も

厚労省時代に年金局長などの要職を歴任した上智大総合人間科学部の香取照幸教授は4月26日、ヘルスケア関連産業シンポジウムで、「本当に流通を変えようと思うのであれば、流通取引のルールを決めている薬価のルールを直さないといけないのではないか」と問題提起した。香取氏は、岸田政権における全世代型社会保障構築会議の委員を務めるなど、社会保障制度に精通しているキーパーソンの一人。香取氏は、「医薬品の流通問題は、建値制に移行すると言いながら移行できていないなど、解決できないというのは、なぜなのか」と指摘した。 ◎赤名薬価研委員長「色々な意味で安定供給やイノベーションなど限界がきているのでは」 香取氏の質問に応えた日本製薬団体連合会(日薬連)保険薬価研究委員会委員長の赤名正臣氏(日本製薬工業協会(製薬協)産業政策委員会委員長)は、個人的な意見と断りながら、「単品単価交渉・契約が果たして現実的なのか」と指摘。単品単価交渉・契約の背景に薬価制度の根幹である市場実勢価格主義があり、それに基づく実勢価改定があると述べながらも、「実勢価改定でいままでずっとやってきたことが、色々な意味で安定供給やイノベーションなど限界にきているのではないかと個人的には思っている。あわせて、大胆な見直しが必要ではないか」と続けた。 これに対し香取氏は、ドラッグストアを引き合いに、「薬だから、品物がたくさんあるから、個別の取引ができないから、総価になるということはない」と指摘。「取引のルールをそういう風に決めているから、そうなっているのではないか。今の薬価の決め方がそういう決め方になっているので、現場の取引がそうなっているという構造になっている気がする。本当に流通を変えるのであれば、薬価のルールを直さないといけないのではないか」と強調した。 ◎厚労省・安藤経済課長 医薬品の価値に応じた取引「いまの流通実態で必ずしもそうではない」 厚生労働省医政局経済課の安藤公一課長は、「医薬品の価値に応じた形で取引が行われているのかどうかだが、いまの流通実態の中では必ずしもそうなっていないのでは」との認識を示した。また、「流通改善ガイドライン(GL)をまさに先般出したところだ。やや自虐的に申し上げると、そもそもいまの流通実態について我々がきちんと捉えきれていないのではないか。それが一番大きな背景にある」と指摘。「流通改善GLの運用で改善できるのか、(薬価)制度的に対応しないといけないという段階にきているのか、安定供給の問題がすでに顕在化しているなかで、流通のあり方は真剣に考えないといけない」と表明した。一方で安藤課長は、香取氏が提起した薬価制度からの見直しについては、「本当に必要なのかはもう少し考えさせてほしい」と述べた。安藤課長はまた、「新薬のイノベーションをどう評価するか。後発品も今の薬価の決め方が実際に合っているのか。もう一つは改定ルールに根っこがあり、流通があって、その改定の中で実際に交渉されて値決めがされる。今のあり方がふさわしいのかどうか。この点について、今の足元の状況を踏まえると、製薬業界と一緒になって真剣に考えていかなければならない」とも語った。 ◎赤名薬価研委員長 中間年改定「実施の是非も含めて、抜本的な見直しが必要」 このほか、中間年改定をめぐっては赤名氏が改めて、「実施の是非も含めて、抜本的な見直しが必要ではないか」と訴えた。ことを踏まえ、対象範囲の“乖離の大きな品目”を対象とされたが、21年度改定では、平均乖離率の0.625倍超、全薬価収載品目の7割が改定対象となった。これを踏まえ、「中間年改定は、乖離率を修正する趣旨からすると外れているのではないか」と指摘。「新薬の開発だけでなく、安定供給、医療機関や薬局、卸の経営にも甚大な影響が出るのではないか」と指摘。ウクライナ情勢などの影響を引き合いに、物価が上昇しても、「公定薬価以上に値上げができない」との問題意識も示した。 そのうえで、「国家戦略としての医薬品産業政策が必要であり、イノベーションの評価と高品質な医薬品の安定供給を支える薬価制度がないと、日本の国民の皆様が不利益を被るのではないか」と述べた。

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オゼンピック皮下注SD出荷調整後の動向 新規・切り換えともトルリシティを選択 リベルサスも新規増加

ミクス編集部は、GLP-1受容体作動薬・オゼンピック皮下注SDが出荷調整となった2月以降の薬剤の実処方状況を分析した。出荷調整後の新規処方は、注射剤はトルリシティ皮下注0.75mgアテオス(日本イーライリリー)、経口剤はリベルサス錠(ノボ ノルディスク)がそれぞれ選択され、両剤ともオゼンピックの出荷調整直後から処方構成比を最大5ポイント前後伸ばしていることが分かった。一方、ビクトーザ皮下注18mgの新規処方および切り換えは軽微だった。 ノボ ノルディスクファーマは今年2月、FDA査察を受けたオゼンピック皮下注SDの欧州提携製造会社が製造と輸出を一時中止したとの報告を受け、当該製品を出荷調整とした。同社は代替薬として、注射剤はトルリシティ皮下注0.75mgアテオスと、ビクトーザ皮下注18mgを、経口薬はリベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mgへの切り換えを要請した。また、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会も同剤の出荷調整への対応に関する文書(2月14日付)を公開し、安定供給が確保されるまでの間、「オゼンピックを新規に処方しないで欲しい」と医療関係者に求めた。 ◎オゼンピック 出荷調整に伴い新規処方患者減 処方構成比は7.7ポイント減 ミクス編集部はオゼンピック皮下注SDと代替薬3剤の計4剤について、エムスリーが独自に構築したリアルワールドデータベース「JAMDAS」(Japan Medical Data Survey:日本臨床実態調査)を用い、今年2月6日の週~4月17日の週までの実処方の動向を調べた。4剤の新規患者(過去180日間にGLP-1の処方なし)の処方構成比を出荷調整前後でみた。出荷調整直前(2月6日の週)のオゼンピック皮下注SDの新規患者の処方構成比は18.10%、注射剤のトルリシティは40.70%、ビクトーザは5.60%、経口剤のリベルサスは35.60%だった。オゼンピックは出荷調整に伴い、週を追うごとに新規患者を減らしており、4月17日の週の新規処方の構成比は10.40%で、出荷調整直前に比べて7.7ポイント減少していた。 ◎トルリシティ 新規処方増加 処方構成比は最大4.4ポイント増 一方で注射剤のトルリシティは、2月以降、新規患者数を増やしており、3月27日の週の新規処方の構成比は45.10%、出荷調整直前に比べて4.4ポイント増加した。直近の4月17日の週の処方構成比は42.70%となった。なお、トルリシティの実処方例から前治療に使用されていた薬剤をみても、2月27日の週を境にオゼンピックからの切り換えが増加していることも分かった。 同じ注射剤のビクトーザの処方構成比は4月17日の週で5.90%、出荷調整直前に比べて0.3ポイント増となり、4月3日の週の新規処方の構成比が7.0%と増加傾向を示すものの、オゼンピックからの切り換えという点で軽微となっていることが分かる。実処方例から前治療の薬剤をみてもオゼンピックからの切り換えはトルリシティに比べて少なかった。 ◎リベルサス 出荷調整後の処方構成比は5.5ポイント増 経口剤のリベルサスについては、4月17日の週の新規処方の構成比が41.10%となり、出荷調整直前に比べて5.5ポイント増加していることが分かった。実処方例から前治療の使用薬剤をみると、オゼンピックからの切り換えは3月6日の週から3月20日の週に集中していた。 関連ファイル

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