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エンハーツの米特許係争で米特許商標庁がPGR手続き却下 第一三共は「不服」表明 法的手段等検討する

抗体薬物複合体(ADC)・エンハーツの米国特許をめぐり米Seagen社が第一三共に提起した侵害訴訟をめぐり、米国特許商標庁はSeagen社の再審理請求を認め、特許の有効性を審査する特許付与後レビュー(Post Grant Review:PGR)を進めないことを決定した。この判断に第一三共は「不服」を表明。「米国特許商標庁がPGR手続きを完了するよう、今後あらゆる法的手段等を検討して参ります」とのコメントを7月19日に発表した。 米Seagen社は、第一三共のHER2に対するADC・エンハーツに対し、20年10月19日に'039特許の侵害を主張し、テキサス州東部地区連邦地方裁判所に提訴した。これに対し、第一三共側も同年12月23日に、'039特許が無効であるとして米国特許商標庁にPGRの開始を請求。米国特許商標庁も今年4月7日にPGRの開始を決定していた。 一方、これと同じタイミングでテキサス州東部地区連邦地方裁判所が下した陪審評決は、陪審審理に至るまでの期間のSeagen社の損害額が4182万ドル(約52億円)であると判断するもので、'039特許の故意侵害があったと認定したのだ。ただ、この段階はあくまで地裁による陪審評決であり、判決が下ったわけではない。しかし、米国特許商標庁はSeagen社の再審理請求を認める決定を行い、第一三共が求めたPGR手続きを進めないと判断した。 第一三共は同日発表したプレスリリースを通じ、「当該決定は、米国特許商標庁が'039特許の有効性について判断したものではない」と述べた上で、「米国特許商標庁が、PGRを開始した後にSeagen社の再審理請求を認めたことに不服であり、米国特許商標庁がPGR手続きを完了するよう、今後あらゆる法的手段等を検討する」と強調した。 第一三共はSeagen社の前身であるSeattle Genetics, Inc.(シアトル ジェネティクス社)と2008年7月から15年6月にかけてADCの共同研究を実施していたが、現在のADC品とはまったく異なる、との立場を強調している。

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協和キリン 次世代戦略品「KW-6356」の開発中止 理由は規制面、開発難易度、上市までのタイムライン

協和キリンは7月15日、自社創製品のアデノシンA2A受容体拮抗薬/逆作動薬「KW-6356」の開発を中止したと発表した。同社はこれまでパーキンソン病を対象疾患に臨床試験を実施。国内第2相試験では、単剤およびレボドパ含有製剤との併用ともに、運動症状および非運動症状に対する有効性が認められていた。しかし、▽グローバル開発における規制面での見通し▽開発難易度▽将来的な上市までのタイムライン――などを総合的に検討した結果、開発中止を決断した。 同剤は、2021年~25年の現中期経営計画で、次世代戦略品のひとつに位置付けられていたもの。1000億円超の売上げが期待できるとしていた。

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厚労省・安藤課長 市場実勢価ベースに「過度な薬価差、薬価差偏在は是正」 今夏に有識者検討会立ち上げ

厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課の安藤公一課長は7月15日、第24回インターフェックスWeek東京で講演し、「市場実勢価主義を破棄することはないと思うが、実勢価方式をベースとしながら過度な薬価差、薬価差の偏在問題については是正する取り組みを進めなければならないのではないか」との見解を示した。後発品の使用浸透が進み、スペシャリティ医薬品が増加するなど、医薬品のカテゴリーチェンジも進む。毎年薬価改定の導入で、さらなる環境変化も見込まれるなかで、流通コストの構造変化も想定される。安藤課長は市場実勢価主義に基づく薬価改定について、「思惑通りに実際に改定が行われているのかどうか。もう一回、立ち止まって考えていかないといけない」と強調。厚労省は今夏にも、「医薬品の迅速かつ安定的な供給のための流通・薬価制度に関する有識者検討会」を立ち上げる方針で、今後議論が加速することになる。 日本の薬価制度は、医療現場が医薬品の価値を評価する、市場実勢価格主義を貫いてきた。2000年度改定以降が、医療機関の平均的な購入価格の保障の考えに基づき、薬剤流通の安定のための調整幅を設けた、「市場実勢価格加重平均値調整幅方式」が取られている。20年間制度に変更がないなかで、医薬品を取り巻く環境は大きく変化している。後発品80%時代に入り、先発メーカーの主力品もスペシャリティ医薬品へとシフトするなかで、薬価・流通を取り巻く環境も大きく変化してきている。また、日本の医薬品市場成長が横ばいであることが見込まれるなかで、内資系大手製薬企業などが米欧市場を重視するなど、企業動向も変化してきている。一方で、22年度から団塊世代が後期高齢者に入り、今後25年にかけて医療費の抑制は国家的な課題と言える。公的医療保険制度の枠組みのなかにある薬価制度も当然のことながら、財政との均衡点を探ることが求められている状況にある。 ◎足下の課題はドラッグ・ラグと安定供給 ドラッグ・ラグは「時間差か、日本の市場回避かわからない」 安藤課長は、「様々な環境変化が足下で起こっているなかで、いまの薬価制度・流通制度のあり方は果たしてどうなのか、と問われているのではないかと思っている」と表明。「足下では後発品をはじめとした医薬品の供給問題がある。また、どこまで顕在化しているかは議論のあるところだが、新薬で言えば、ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの懸念が出始めているという風に、業界からは指摘を受けている。足下での課題も顕在化し始めている」と懸念を示した。なお、先発メーカーが主張するドラッグ・ラグについては、「時間差があるということなのか、製薬企業として日本の市場を回避しているかは、(製薬協の資料だけでは)わからない」とも述べた。 そのうえで、6月に開かれた革新的医薬品等創出のための官民対話で後藤茂之厚労相が流通・薬価・検討会有識者検討会を立ち上げることを表明したことを紹介し、「流通・薬価制度のあり方について検討するということは、我々としてもそこに踏み切って対応する判断をした」と強調した。そのうえで、「いま検討会を回していくための準備段階で、本日時点で確定的なこと、具体的に何をするのか、何を検討するかを話すのは難しい段階だが、この夏の終わりまでには検討会を立ち上げて議論をスタートしていきたい」と意欲を示した。 23年4月に実施される2度目の診療報酬改定のない年の薬価改定(中間年改定)、24年4月に予定される診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬のトリプル改定を見据え、「全体の動きのなかで、検討会でいつ、どのような形で検討し、どのような形で中医協に提言していくかは戦略的に動かなければいけないと思っている」とも述べた。 ◎市場実勢価格主義「もう一回、立ち止まって考えていかないといけない」 そのうえで、「私、個人の想い」としたうえで、「安定供給の問題とも大きく絡むが、日本の薬価の改定の仕組みは市場実勢価方式だ。医薬品自体の付加価値、価値については、様々な要因があるが、一定程度変わり得るものだと思っている。コスト構造自体も変わり得るものだ。実際に市場の中で適切に価格を評価することが市場取引に委ねられているのが日本の仕組みだ。そこで、作られた市場実勢価格に基づいて薬の価格を改定するのがいまの日本の仕組みになっている。制度をつくったときに想定されている考え方なんだろうということだが、思惑通りに実際に改定が行われているのかどうか。もう一回、立ち止まって考えていかないといけない。いわゆる過度な薬価差、薬価差の偏在が起こっているのではないかという視点で考える必要がある。実勢価主義を廃棄することはないと思うが、実勢価方式をベースとしながら過度な薬価差、薬価差の偏在問題については是正する取り組みを進めなければならないのではないか」と述べた。 ◎新薬創出加算品と安定確保医薬品は市場実勢価主義がなじむのか? カテゴリーも論点に 安藤課長はまた、市場実勢価主義を新薬創出等加算品目や、安定確保医薬品も含めた、すべてのカテゴリーに当てはめる必要性があるか、についても言及。「実勢価方式が基本だったとしても、すべてのカテゴリーについて、実勢価方式を当てはめていくのかどうかも、一つ考えていかないといけない問題なのかもしれない。新薬創出等加算は基本的には一定期間薬価を維持する仕組みだ。それ自体がそもそも本当に機能しているのかというところもひとつ議論としてあるが、実勢価方式に並べたときに価格が改定されないということを前提としている制度が本当になじむのかどうか。この辺も考える一つの論点かもしれない」と指摘した。 また、「医療上必要性の高い医薬品について、安定供給の観点から市場実勢価方式のなかでほかの医薬品と同列で扱っていいのかどうかも考えなければいけないかもしれないな、と思っている。安定供給を図るという観点から、医薬品メーカー側の産業構造についてどう考えるのかについてもひとつ議論しないといけない論点かもしれない」との考えを示した。医療上必要な品目とされる安定確保医薬品については、「これから薬価・流通制度の改革をしていくが、そのなかで安定確保医薬品は一つ重要な切り口になってくるのかな、と思っている」とも述べた。 ◎財政と産業のバランスを制度としてどう取るか「一回立ち止まって考えないといけない」 安藤課長は、「当然、薬価制度は医療保険制度の枠内で運営されていくので、財政との両立についても避けては通れない検討課題だろうと思っている。財政と産業についてどうバランスをとっていくのか。そのバランスを制度としてどう取り方としてはどういう方法があるのか。今の仕組みでいいのか。一回立ち止まって考えないといけないだろうと思っている」との考えも示した。今夏の有識者検討会立ち上げに向け、安藤課長は「少しでも現状の課題、大きく変わりつつある環境変化に即す制度にもっていければと思っている」と意欲を示した。

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特定臨床研究の薬事申請利用、事例集積に期待  厚労省・荒木研発課長「産学ギャップ埋める一つのかすがい」

厚生労働省医政局の荒木裕人研究開発政策課長は14日、専門紙の共同取材に応じ、特定臨床研究の薬事申請利用について「産学のギャップを埋める一つのかすがいとなる」と語り、事例の積み上げに期待を示した。 研...

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BMS CAR T細胞療法を“One team”で顧客支援 日能協カスタマーサポート表彰制度で「最優秀賞」受賞

ブリストル・マイヤーズ スクイブは7月14日、日本能率協会グループが主催するカスタマーサポート表彰制度で「2022年度最優秀賞」を受賞したと発表した。製薬企業からは初受賞。CAR T細胞療法「ブレヤンジ静注」の発売にあたり、CAR T細胞療法の安全かつ確実な提供に向けて、製造施設や医療機関など国内外の関係者と協力して最適なサプライチェーンや情報共有プラットフォームを構築したことなどが高く評価された。同社CAR T統括部の前田敏宏部長は本誌取材に応じ、「延べ20チームにも及ぶ各ステークホルダーが“One team”となり顧客をサポートできた」と強調。CAR T細胞療法の今後について、「日本のパートナーとともに、新たな技術・産業を育てていきたい」と受賞の喜びを語ってくれた。 再生医療の1つの治療法として「CAR T細胞療法」が注目されている。BMSは2021年3月に「ブレヤンジ静注」が再生医療等製品製造販売承認を取得。22年1月には「アベクマ点滴静注」の製造販売承認を取得するなど、国内で唯一複数のCAR T細胞療法を提供する企業となった。その意味でBMSは、この領域におけるリーダーとしての地位を固めつつある。 ◎製薬企業と医療関係者との関係性を“協力者”(パートナー)と再定義 CAR T統括部ビジネスプロセスマネジメント部の小林美奈子アソシエイトディレクターは本誌取材に、最優秀賞受賞の背景を語った。「CAR T細胞療法は患者の白血球採取から始まり、米国で細胞の遺伝子加工・培養、さらに病院への低温輸送という複雑なプロセスを辿る」-。「製品は各患者専用となるため、プロセス全体を通じた患者情報の一元的な管理や、医療機関、ロジスティクスなど全関係者が情報共有を行うプラットフォームの構築・バリューチェーンの整備が求められる」-。加えて製造プロセスの一部は医療機関に担ってもらう必要があるなど、「製薬企業と医療関係者との関係性を“協力者”(パートナー)と再定義」するといった、従来製品とは異なる苦労があったと小林アソシエイトディレクターは振り返る。 ◎小林アソシエイトディレクター コロナ禍と重なり「大きなチャレンジがあった」 また、「ブレヤンジ静注」を上市した21年春はコロナ禍と重なったことで、「従来とは異なる取り組みを軌道に乗せることに大きなチャレンジがあった」とも強調した。実際に「ブレヤンジ静注」の事業立上げは2019年に遡る。ブレヤンジの複雑なサプライチェーンを実現するための患者ジャーニーの作成や患者視点の治療プロセスの整理など、通常の医薬品とは異なるバリューチェーンの整備が求められた。21年春の承認に向けて模擬検証も行った。医療機関や関係機関との情報共有を行い、約50件の課題を抽出し、最終的には約1か月間で62%の課題解決まで達成したという。こうした取り組みを経て、社内外・国内外で約20チームに及ぶステークホルダーが一丸となって顧客をサポートする体制が整った。なお、サポート体制には、ロジスティクス、営業、メディカル、IT、法務、製造拠点、配送業者などがOne teamとなって取り組んだ。 小林アソシエイトディレクターは、「認証医療機関の整備や患者への製品投与ともにスムーズなスタートを切れた」と強調する。「お互いの顔が見えないコロナ禍でも、プロセスにおけるトラブルや連携ミスにより投与に至らなかったケースはなく、想定期間内での製品投与を実現できた」-。受賞の実感をこう語ってくれた。 ◎前田統括部長 「優れたパートナーとともに、日本の新たな技術・産業を一緒に育てたい」 CAR T統括部の前田敏宏部長は、「複雑なサプライチェーンの構築が不可欠なCAR T細胞療法を提供できる国はまだ世界でも一握り」と指摘する。その上で、「日本は世界をリードできる立ち位置にある。通常の医薬品とは異なる広い裾野を持つCAR T細胞療法は医療機関だけでなく、日本国内の製造や物流など幅広い分野のパートナーとの連携が求められる。インフラを支える国内の優れたパートナーとともに、CAR T細胞療法に先行投資を重ね、日本の新たな技術・産業を一緒に育てていきたい」と強調した。

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