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ファイザーとビオンテック 小児用新型コロナワクチン・コミナティ筋注5~11歳用の追加免疫を一変申請

ファイザーとビオンテックは6月22日、5~11歳の小児に対する新型コロナワクチン・コミナティ筋注5~11歳用(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2))について、追加免疫に係る一変申請を行ったと発表した。現在は全額公費で、初回免疫(1回目、2回目)に使える。 両社の12歳以上に用いる新型コロナワクチン・コミナティ筋注は、追加免疫として、2回目接種から少なくとも5カ月経過した後に3回目の接種が行うことができる。高齢者等については3回目接種から少なくとも5カ月経過した後に4回目接種を判断することができる。

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エーザイ レカネマブの潜在的価値を査読学術専門誌に掲載 早期の治療コストと経済的負担の軽減を示唆

エーザイは6月22日、アルツハイマー病治療薬候補・レカネマブの潜在的な経済価値について査読学術専門誌「Neurology and Therapy」に掲載したと発表した。掲載論文によるとレカネマブ投与群は、標準治療群(SoC)に比べ、疾患の進行がベースラインから軽度へは平均2.51年、中等度へは3.13年、高度へは2.34年遅くなる可能性が指摘された。その結果、質調整生存年(QALY)が延長するとともに、直接的なケアコストおよびインフォーマルな社会的コストを低減する可能性が示唆された。 同論文は、2022年4月に同誌に掲載されたレカネマブの長期的健康アウトカム評価に次いで第2報となるもの。今回のシミュレーションはレカネマブの有効性と安全性を評価した臨床第Ⅱb 相試験(201試験)の結果と公表された論文を用いて行われた。医療費支払者の観点では直接的なケアコスト(医療、介護・在宅サービス、レカネマブを除く投薬、その他介入コスト等)に焦点を当てるのに対し、今回の論文では社会的観点として追加で社会的コスト(家族介護によるインフォーマル・ケアコストおよび生産性損失)を考慮している。 論文によると、レカネマブ群は SoC 群と比較して、医療費支払者観点では0.61 QALYsの増加と 8707ドルの総費用(レカネマブの薬剤費を除く)の減少をもたらすと予測。社会的観点に基づく評価では0.64 QALYs 増加、1万1214 ドル減少する。一方、レカネマブ群の潜在的な経済価値を複数推定したところ、米国医療制度下のレカネマブの潜在的価値に基づく価格(VBP:value-based price)は、年間 9249ドル~3万5605ドル(社会的観点:1万400ドル~3万8053ドル)と試算された。この結果、「特に社会的負担が直接医療費に比べて大きく、治療法がこれらの費用に与える影響が大きい場合は、幅広い支払意思額の閾値範囲の高い方がより適切である。レカネマブにはその高い閾値範囲が適用される可能性があると考えている」としている。 ◎レカネマブの潜在的な臨床的・社会経済的価値を理解する際の参考になる 今回の論文について同社は、「今回の予測およびシミュレーションの結果は、レカネマブによる早期治療がこれらのコストと経済的な負担を軽減する可能性があることを示唆している」と指摘。「医療の意思決定者がレカネマブの潜在的な臨床的・社会経済的価値を理解する際の参考になると考えている」と強調した。また、間もなく発表される検証第3相「Clarity AD試験」から得られる知見を、このモデルにインプットすることで今回の知見をさらに精査することにしている。また「FDA承認後にはこのモデリングの枠組みに加え、医療システムの持続可能性、当事者様の購入可能な水準などを十分に考慮して、価値に基づく価格を決定して行くことになる」と見通した。

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塩野義製薬の新型コロナ治療薬候補・ゾコーバ錠 賛否両論で緊急承認の結論出ず 薬食審・第二部会

厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は6月22日、塩野義製薬の新型コロナ治療薬候補・ゾコーバ錠の緊急承認の可否を審議した結果、委員から賛否両論あり、「さらに慎重に議論を重ねる必要がある」ということでこの日は終了した。緊急承認制度では、薬事分科会でも承認可否を審議することになっている。同省は、一定の結論を早期に得たいとして、次回は分科会と部会との合同審議を7月中にも公開で開催する方向で調整する。 同省によると、この日の部会での主な論点は4つだった。具体的には、(1)第2b相試験の主要評価項目の結果、副次評価項目の結果、事後解析の結果等を踏まえた有効性の評価(2)動物実験における催奇形性の所見、薬物相互作用の状況、臨床試験における副作用の発現状況等を踏まえた安全性の評価(3)現在承認されている医薬品の状況、本剤による入院・宿泊療養者の隔離期間への影響等を踏まえた臨床的位置付け(4)オミクロン株の流行期に実施された臨床試験であることを踏まえた有効性、臨床的位置付け――となる。 ◎「実効再生産数が小さくなること期待できる」、「臨床症状の改善は示されていない」と賛否 厚労省の吉田易範・医薬品審査管理課長は部会後の記者説明会で、特に(1)の第2b相試験などの結果を踏まえた有効性の評価が、「大きな論点だった」と話した。 同剤の第2/3相臨床試験のうち、軽症/中等症患者を対象としたPhase 2b partでは、軽症/中等症の新型コロナ患者428例(日本419例、韓国9例)を高用量群(低用量の2倍)、低用量群、プラセボ群に無作為に割り付けた。1日1回、5日間経口投与し、抗ウイルス効果および臨床症状の改善効果を比較した。 主要評価項目に据えた4日目(3回投与後)におけるSARS-CoV-2のウイルス力価のベースラインからの変化量は、高用量群、低用量群ともにプラセボ群に比べて有意な減少を示した。ウイルス力価陽性患者の割合は両用量群ともに10%未満で、プラセボ群との比較でPhase 2a partの成績を上回る減少率となった。しかし、新型コロナの症状合計スコアの初回投与開始から120時間(6日目)までの単位時間あたりの変化量は、プラセボ群に比べ改善傾向を認めたものの、統計学的に有意な差は認められず、主要評価項目を達成しなかった。なお、同試験の集団で特徴的な症状だった呼吸器症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳、息切れ (呼吸困難))の合計スコアは、高用量群、低用量群ともに有意な改善効果が認められた。 吉田課長によると、この試験結果を踏まえて委員から、「ウイルス量に差が出ている。実効再生産数が小さくなることが期待できる」との肯定的な意見があった。一方で、「ウイルス量を減らすデータは確かにあるが、臨床症状の改善は示されていない。このようなあいまいな状況で国民がこの薬を使うことをどう考えるのか」と、有効性の観点から承認に否定的な意見もあった。 ◎吉田課長「一定の結論を出すまでにも至らなかった」 このほかの委員からの意見としては、「今は流行が落ち着いているが、今後第7波や新たな変異株が出る恐れもある。治療の選択肢を持っておくことは重要」との肯定的なコメントがあった。一方で、「経口剤は(ラゲブリオ、パキロビットに次ぐ)3つ目。プロテアーゼ阻害薬としては(パキロビットに次ぐ)2つ目になる。(ゾコーバ錠に)既に新規性はないのではないか」と緊急承認の要件を満たしていないとの厳しい見方も示されたようだ。 吉田課長は、この日の議論を振り返って、「肯定的な意見もあれば否定的な意見もあった。本日は(継続審議にするなどの)一定の結論を出すまでにも至らなかった」と話した。賛否どちらの意見が多かったかについては、合同審議を控えていることもあり、「コメントは差し控える」と述べた。 5月に創設された緊急承認制度の対象医薬品は、「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品」であり、「かつ、当該医薬品の使用以外に適当な方法がない」ものとなる。新型コロナの場合は感染拡大の状況や医療提供体制のひっ迫状況、代替治療法の有無などが検討される。安全性が確認され、有効性が「推定」された場合に緊急承認されるが、当該承認の期限内に有効性を確認し、再度申請・承認を得る必要がある。ゾコーバ錠は緊急承認制度を用いて承認可否を審議した最初の製品となった。 ゾコーバ錠(一般名:エンシトレルビル フマル酸、開発コード:S-217622)は、塩野義製薬と北海道大学の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、同錠は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制するとされる。 日本政府は塩野義製薬との間で、承認後速やかに100万人分を購入する基本合意を締結している。

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モデルナ 生後6か月~6歳未満への緊急使用の許可 米FDAに申請

アメリカの製薬会社モデルナは28日、新たに生後6か月から6歳未満の子どもを対象にした新型コロナウイルスワクチンの緊急使用の許可をFDA=アメリカ食品医薬品局に申請したと発表しました。 モデルナは28日、生後6か月から6歳未満の子どもを対象にした新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の結果、効果と安全性が確認されたとしてFDAにこの年代に対する緊急使用の許可を申請したと発表しました。 この年代には18歳以上の大人の4分の1の量を2回、接種するとしています。 モデルナによりますと、生後6か月から6歳未満の子どもおよそ6700人を対象にした臨床試験の結果、ワクチンを接種したあとウイルスの働きを抑える抗体の値は大人の場合と同じ程度に増加したということです。

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厚労省幹部人事 次期厚労事務次官に大島一博政策統括官 保険局長に伊原和人氏、医薬局長に八神敦雄氏

厚労省は6月21日、次期厚生労働事務次官に大島一博政策統括官(総合政策担当)を就任させる幹部人事を決定した。保険局長には伊原和人医政局長を、医薬・生活衛生局長には八神敦雄内閣府健康・医療戦略推進事務局長を充てる。また、医政局長には榎本健太郎大臣官房審議官(医療保険担当)が就任する。現・老健局長の土生栄二氏は内閣官房内閣審議官・デジタル田園都市国家構想実現会議事務局長に、現・官房長の渡辺由美子氏は内閣官房内閣審議官・こども家庭庁設立準備室長にそれぞれ就任する。いずれも6月28日付。 ◎大島氏、伊原氏、八神氏は昭和62年4月の同期入省組 後藤茂之厚労相は同日の会見で、「大島政策統括官は、老健局長、大臣官房長、政策統括官等を歴任し、厚生労働政策全般に精通している。事務次官として厚生労働省における様々な重要課題に対してその能力を発揮してもらうことを期待している」とコメントした。 次期事務次官の大島氏、次期保険局長の伊原氏、次期医薬・生活衛生局長の八神氏は、いずれも昭和62年(1987年)4月の同期入省組。大島氏は、老健局介護保険計画課長、保険局保険課長、保険局総務課長などを歴任。その後、内閣官房審議官として健康・医療戦略室次長、まち・ひと・しごと創生本部事務局次長、社会保障改革担当室審議官などを務めた。2018年7月に老健局長、20年8月に官房長、21年9月に現職の政策統括官(総合政策担当)に就いた。 次期保険局長の伊原氏は、1996年に薬務局医療機器開発課課長補佐を経て、97年6月に日本貿易振興会(JETRO)本部事業統括付(ニューヨークセンター)に赴任。帰国後は保険局企画課課長補佐、政策企画官(政策統括官付社会保障担当参事官室)などを経て、2012年9月に医薬食品局食品安全部企画情報課長、13年9月に健康局総務課長、18年7月に大臣官房審議官(総合政策(社会保障)担当)、19年7月に政策統括官(総合政策担当)し、全世代型社会保障制度に注力した。21年9月から現職の医政局長に就いている。 次期医薬・生活衛生局長の八神氏は、1994年の薬務局経済課課長補佐を経て、官房総務課企画官として社会・援護局保護課災害救助対策室長や雇用均等・児童家庭局保育課、雇用均等・児童家庭局母子保健課などを歴任。2006年9月に保険局医療課保険医療企画調査室長、12年9月に年金局事業企画課長、13年7月に年金局総務課長、16年6月に人事課長、14年7月に大臣官房審議官に就任、19年7月から医療介護連携、データヘルス改革を担当した。20年8月に内閣官房審議官として健康・医療戦略室次長、イノベーション推進室審議官を経て、21年4月から現職の内閣府健康・医療戦略推進事務局長に就いている。 ◎現厚労事務次官の吉田氏、医薬局長の鎌田氏、保険局長の濱谷氏は辞職 なお、今回の人事に伴い、吉田学厚労事務次官、鎌田光明医薬・生活衛生局長、濱谷浩樹保険局長、高橋俊之年金局長は辞職する。

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治療用アプリ市場 30年1260億円、35年2850億円に 高血圧・糖尿病・不眠症などに対応疾患拡大へ

治療用アプリの市場規模が急拡大しそうだ。市場調査会社の富士経済は、2021年に1億円、22年見込が2億円程度の市場規模が、25年に210億円、30年に1260億円、35年に2850億円に拡大すると予測した。医薬品開発の半分程度の期間となる5~6年で開発から製品化が可能なことや開発費が抑えられることから製薬企業が本格参入している。さらに今後、高血圧症、糖尿病、不眠症、小児ADHDなどに対応疾患が拡大すると予測し、市場拡大すると分析した。 調査は、同社の専門調査員による参入企業や関連企業・団体などへのヒアリング、関連文献調査、社内データベースを用いて行った。調査期間は21年12月~22年3月。 禁煙治療プログラムを提供する「CureAppSCニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」(一般的名称:禁煙治療補助システム、製造販売:CureApp)が20年に医療機器として承認されて、治療用アプリ市場が立ち上がった。今年4月には世界初の高血圧症治療用アプリ「CereApp HT 高血圧治療補助アプリ」(高血圧症治療補助プログラム、CureApp)が薬事承認され、保険適用の手続きが進められている。CureAppは年内上市を目指している。 高血圧症治療用アプリは「成人の本態性高血圧症の治療補助」を使用目的とし、患者のスマホに同アプリをダウンロードして、医師の「処方」(処方コードの発行)により使用する。患者が毎日入力する運動・食事などの情報や血圧値を、アプリに埋め込んだ独自アルゴリズムで解析し、患者個々に最適と思われる生活習慣改善のための減塩や運動、睡眠などの情報をアプリに配信。これにより患者の行動変容を促し、生活習慣を改善して降圧効果を発揮する。

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厚労省 新薬等20製品承認 新型コロナワクチン・ジェコビデン、オルミエントの円形脱毛症の効能追加等

厚生労働省は6月20日、新医薬品など20製品を承認した。この中には、18歳以上を対象とする1回接種型新型コロナワクチン・ジェコビデン筋注(一般名:遺伝子組換えアデノウイルスベクター、ヤンセンファーマ)や、国内初の寒冷凝集素症治療薬・エジャイモ点滴静注(スチムリマブ、サノフィ)のほか、JAK阻害薬・オルミエント錠(同バリシチニブ、日本イーライリリー)の円形脱毛症の効能追加、SGLT2阻害薬・カナグル錠(カナグリフロジン水和物、田辺三菱製薬)の2型糖尿病合併CKDの効能追加が含まれる。エジャイモなど新有効成分含有医薬品は、手続きが順調にいけば8月に薬価収載される見通し。 承認された製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)。薬効分類順に記載。 ▽ジクトルテープ75mg(ジクロフェナクナトリウム、久光製薬):「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(2025年3月22日まで)。薬効分類114。 フェニル酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)。久光製薬のTDDS(経皮薬物送達システム)技術を用いて経皮吸収性を向上させ、3枚貼付時のジクロフェナクの全身曝露量が既承認の徐放性カプセル剤(ナボールSRカプセル)と同程度になるよう製剤設計された全身投与型経皮吸収製剤。これまで「各種がんにおける鎮痛」を効能・効果としていた。 ▽ジクアスLX点眼液3%(ジクアホソルナトリウム、参天製薬):「ドライアイ」を効能・効果とする新剤形医薬品。再審査期間なし。薬効分類131。 同じ成分で既承認のジクアス点眼液3%はドライアイ治療の選択肢として推奨されている。ただ、1回1滴、1日6回点眼と、点眼回数が多い。そこでジクアスを製剤改良し、効果と安全性はそのままに、点眼回数を1回1滴、1日3回点眼に低減させたものがジクアスLX点眼液となる。 ▽ベオビュ硝子体内注射用キット120mg/mL(ブロルシズマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ):「糖尿病黄斑浮腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2028年3月24日まで)。薬効分類131。 眼科用VEGF阻害薬。糖尿病性黄斑浮腫(DME)の用法・用量は、「ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を6週ごとに1回、連続5回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること」――。既承認の「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」とは導入期の用法・用量が異なるが、維持期は同じ。 糖尿病に伴う高血糖により、眼の中の細い血管が傷つけられ、滲出液が生じる場合がある。この損傷により、血管内皮増殖因子(VEGF)が過剰に産生される。VEGFは血管の成長を促す蛋白質で、DME患者のVEGF濃度が上昇すると、漏出性のある異常な血管の増殖が誘発される。黄斑部における滲出液の蓄積(浮腫)は疾患活動性の重要なマーカーであり、視力喪失の原因になり得る。DMEは先進国における成人の失明原因の第1位。 ▽エパデールEMカプセル2g(イコサペント酸エチル、持田製薬):「高脂血症」を効能・効果とする新剤形医薬品。再審査期間は4年。薬効分類339。 高純度EPA製剤。イコサペント酸エチルに乳化剤を含めて消化管で吸収されやすく工夫したもので、1日1回の食直後の経口投与で用いる。主成分は同社が製造販売するエパデールと同じだが、エパデールは高脂血症に対して1日2回または3回投与で用いる。 ▽イグザレルト錠2.5mg(リバーロキサバン、バイエル薬品):「下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は4年。薬効分類339。 選択的直接作用型第Xa因子阻害薬。今回の末梢動脈疾患(PAD)に係る新効能に合わせて、新たに2.5mg錠を追加された。用法・用量は、「通常、成人にはリバーロキサバンとして2.5mgを1日2回経口投与する」となる。 なお、2.5mg錠は、既承認の10mg製剤、15mg製剤、ドライシロップの効能・効果には使えない。既承認の10mg製剤なども今回のPADに係る適応に使えない。 PADは、下肢動脈の進行性アテローム硬化性閉塞であり、塞栓症や血栓形成リスクを伴う。下肢血行再建術施行後のPAD患者は、進行したアテローム動脈硬化性疾患の病態であることに加え、下肢血行再建術自体が血栓塞栓症リスクの増加に寄与すると考えられており、血栓性血管イベントの発現リスクが高い。 ▽ノイトロジン注50μg、同100μg、同250μg(レノグラスチム(遺伝子組換え)、中外製薬):「再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。再審査期間なし。薬効分類339。 ▽グラン注射液75、同シリンジ75、同注射液150、同シリンジ150、同注射液M300、同シリンジM300(フィルグラスチム(遺伝子組換え)、協和キリン):「再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。再審査期間なし。薬効分類339。 ▽フルダラ静注用50mg(フルダラビンリン酸エステル、サノフィ):「再発又は難治性の急性骨髄性白血病」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。再審査期間なし。薬効分類422。 再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対し、ノイトロジンとフルダラ、グランとフルダラをそれぞれ併用して使えることを追加された。 ▽カナグル錠100mg(カナグリフロジン水和物、田辺三菱製薬):「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は4年。薬効分類396。 SGLT2阻害薬。同じクラスのフォシーガは「慢性腎臓病(CKD)」の適応を有するが、カナグルは2型糖尿病患者のCKDに関する適応となる。用法・用量は、既承認の「2型糖尿病」と同じ。 CKDは何らかの原因によって腎臓の機能が低下する状態で、国内患者数は成人の8人に1人、約1330万人と推定されている。2型糖尿病はCKDの発症、進展の大きなリスク因子で、2型糖尿病を伴うCKDの対策は、患者のQOLや医療経済的な観点からも重要な課題になっている。 ▽オルミエント錠2mg、同4mg(バリシチニブ、日本イーライリリー):「円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。薬効分類399。 選択的JAK1及びJAK2阻害薬。円形脱毛症(AA)は、後天性に類円系の脱毛班を生じる疾患で、重症例では増悪・軽快を繰り返しながら脱毛斑が拡大することが多く、免疫特権を失った毛包を標的とした自己免疫反応による慢性の臓器特異的自己免疫疾患と考えられている。 同剤のAAに対する用法・用量は、「通常、成人にはバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与して用いる。なお、患者の状態に応じて2mgに減量すること」となり、既承認の関節リウマチ、アトピー性皮膚炎と同様となる。 AAの治療は現在、重症度や症状に応じてステロイド外用療法、ステロイド局所注射療法、局所免疫療法、ステロイド内服などが用いられているが、局所免疫療法は保険適応外であり接触皮膚炎等の副作用の懸念があること、経口ステロイドは休薬後の再発率が高く長期的な予後の改善に関するエビデンスが限られていることなど、脱毛面積が広範囲な重症AAに対する治療選択肢は限られている。 ▽ボックスゾゴ皮下注用(ボソリチド(遺伝子組換え)、BioMarin Pharmaceutical Japan):「骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類3999。 C型ナトリウム利尿ペプチド類縁体。軟骨無形成症(ACH)患者では、線維芽細胞増殖因子受容体3型遺伝子(FGFR3)の機能獲得変異によって、骨組織の形成に欠かせない軟骨内骨化が負の調節を受ける。同剤はC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)類縁体で、FGFR3シグナル伝達を下方制御して正の調節を行った結果として、軟骨内骨化を促進する。 用法・用量は、「通常、ボソリチド(遺伝子組換え)として、2歳以上の患者には15μg/kgを、2歳未満の患者には30μg/kgを1日1回、皮下注射する」 ▽ダルビアス点滴静注用135mg(ダリナパルシン、ソレイジア・ファーマ):「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類429。 抗腫瘍活性を有する有機ヒ素化合物。ミトコンドリア機能の障害、活性酸素種の産生増加、及び細胞内シグナル伝達系への作用が推定されており、細胞周期の停止及びアポトーシスを誘導することで抗腫瘍効果を示すと考えられている。 ソレイジア・ファーマは日本化薬と日本国内における商業化等に関するライセンス契約を締結している。 ▽リツキサン点滴静注100mg、同500mg(リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類429。 抗CD20モノクローナル抗体。視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は、視神経と脊髄の炎症性病変を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患で、国の指定難病の一つ。国内の患者数は約4300人で、約9割を女性が占めるとされる。 永続的な神経障害により、生涯にわたり著しい生活の質の低下が生じるといわれている。患者の多くは症状を繰り返す再発経過をたどり、神経の損傷や障害が蓄積され、視覚障害や運動機能障害、疼痛などが現れるほか、症状の発生が致死的な結果となる場合もある。 ▽アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL(ベバシズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「卵巣がん」を効能・効果とする新用量医薬品。事前評価済公知申請。再審査期間なし。薬効分類429。 卵巣がんに対して、他の抗悪性腫瘍剤と併用して、1回10mg/kg(体重)を2週間間隔でも投与できる新用量が追加された。これまでは1回15mg/kg(体重)を3週間間隔で投与していた。 ▽ジェセリ錠40mg(ピミテスピブ、大鵬薬品):「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類4291。 経口HSP(Heat Shock Protein)90阻害薬。がん細胞や腫瘍組織に多く発現するタンパク質・HSP90を阻害することで、がんの増殖や生存などに関与するKIT、PDGFRA、HER2やEGFRなどのタンパクを不安定化し、減少させることで抗腫瘍効果を示すとされる。 消化管間質腫瘍(GIST)は胃や小腸などの消化管の壁にでき、転移、再発を起こす悪性腫瘍の一種で、国内の年間罹患数は約1500~2500人と推定される希少がんの一つとなっている。多くががんの増殖や生存などに関与するKIT、PDGFRA遺伝子に変異を有しているとされる。 ▽キュビシン静注用350mg(ダプトマイシン、MSD):「敗血症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は4年。薬効分類611。 環状リポペプチド系抗生物質。グラム陽性球菌の細胞膜に結合し、細胞機能不全を引き起こして細菌を死滅させる他の抗MRSA薬とは異なる作用機序で、MRSAに対して有効性を示す。治療薬物モニタリング(TDM)を行なう必要がなく、1日1回の点滴静注で利便性が高い。今回のMRSAに対する小児用量は、1歳以上7歳未満、7歳以上12歳未満、12歳以上18歳未満のそれぞれで体重当たりの投与量などが定められている。 ▽マヴィレット配合錠、同配合顆粒小児用(グレカプレビル水和物/ピブレンタスビル、アッヴィ):「C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は残余期間(2025年9月26日まで)。薬効分類625。 3歳以上12歳未満で45kg以上の小児適応が追加された。これにより、3歳以上12歳未満の小児C型慢性肝炎に適応を有する、国内初の直接作用型抗ウイルス剤(DAA)となった。同剤は17年に成人、19年に12歳以上の小児のC型慢性肝炎治療薬として承認済み。 ▽ジェコビデン筋注(コロナウイルス(SARSCoV-2)ワクチン(遺伝子組換えアデノウイルスベクター)、ヤンセンファーマ):「SARS-CoV-2 による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。優先審査品目。再審査期間は8年。薬効分類631。 ウイルスベクターワクチン。18 歳以上の者を接種対象者に、初回免疫や追加免疫に用いる1回接種型の新型コロナウイルス感染症予防ワクチン。追加免疫に用いる場合は、本剤の初回接種から少なくとも2カ月経過した後に2回目の接種を行うことができる。初回免疫に他のワクチンを接種し、追加免疫にジェコビデンを用いる交互接種に関しては、「有効性及び安全性は確立されていない」と添付文書に記載されている。 コミナティなどの先行して使用されている新型コロナワクチンは、国の買い取りによる全額公費負担で用いられている。ただ、厚労省はこれまでに、「臨時接種に用いるワクチンは確保できている」ため、ジェコビデンの買い取りはせず、全額公費負担の対象にもしない方針を示している。 ▽ヘムライブラ皮下注30mg、同60mg、同90mg、同105mg、同150mg(エミシズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「後天性血友病A 患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類634。 中外独自の抗体エンジニアリング技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体で、インヒビターの影響を受けずに出血抑制効果を発揮するよう設計されている。 後天性血友病Aは国の指定難病で、後天的に血液凝固第VIII因子に対する阻害物質(インヒビター)が出現し、その結果、第VIII因子活性が著しく低下して突発的な皮下出血や筋肉内出血などの出血症状を呈する疾患。重篤な出血も稀ではない。 ▽エジャイモ点滴静注1.1g(スチムリマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「寒冷凝集素症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類639。 ヒト化IgG4モノクローナル抗体。古典的補体経路の特異的セリンプロテアーゼである補体第1成分sサブコンポーネント(C1s)と結合することにより、古典的補体経路の活性化を阻害し、寒冷凝集素症(CAD)における溶血を抑制する。同剤は国内初のCAD治療薬。 CADは重篤な慢性希少血液疾患で、補体経路とよばれる体の免疫系の一部が自己の正常な赤血球を誤って破壊する。慢性的な貧血や消耗性疲労があり、溶血性発作や生活の質(QOL)の低下がみられる。また、血栓塞栓症や若年死のリスクが上昇するという。

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東京都福祉保健局 トリアゾラムの原薬模造品販売でライフ・エヌ・ピーを行政処分 10日間の業務停止

東京都福祉保健局は6月20日、睡眠導入薬・トリアゾラムの原薬の模造品を販売したとして医薬品卸売販売業者のライフ・エヌ・ピー(東京都千代田区鍛治町)に対し、6月21日から30日までの10日間、医薬品販売(授与を含む)について業務停止処分を命じた。この問題をめぐっては、2019年7月にトリアゾラムの原薬の模造品38点を製薬会社に計約5300万円で販売した疑いで元幹部社員が今年2月に逮捕されている。模造品は、辰巳化学と富士薬品に納入されており、辰巳化学は今年2月22日に、昨年7月のトリアゾラムの自主回収(クラスⅡ)が当該事件と関連したものであったことを正式に認めていた。 ◎医薬品製造業の許可を受けずに原薬を製造 他事業者名を表示した模造品を販売 東京都は今回の行政処分に際し、ライフ・エヌ・ピーが医薬品製造業の許可を受けずに向精神薬トリアゾラムの原薬を製造し、当該原薬の製造業者として、他の事業者名を表示した模造品を医薬品製造業者等に販売したとの違反事実(薬機法第13条第1項及び法第55条第2項違反)を指摘した。また、管理者に対し、営業所を管理させるために必要な指示を行わなかったことや、管理者が医薬品その他の物品の管理、営業所の業務に必要な注意を行っていなかったことをあげ、薬機法第35条第1項及び法第36条第1項に違反すると判断した。さらに、同社は向精神薬卸売業の免許を有していない事業者に対し向精神薬を販売したことも明らかになり、東京都は麻薬及び向精神薬取締法第50条の16第2項に違反するとも指摘している。 ◎2021年6~7月に当該製品が自主回収(クラスⅡ)される事態に なお、トリアゾラムをめぐっては2021年夏に、製造販売承認書に記載のない製造所で製造された原薬を使用したとして、同年6月28日に富士薬品と販売元の共和薬品が、7月19日に辰巳化学と共同開発を行った日新製薬と長生堂製薬がそれぞれ当該製品を自主回収(クラスⅡ)する事態となった。 このうち富士薬品は21年6月14日に規制当局から製造販売承認書に記載のない原薬製造所から納入されている可能性があるとの指摘を受け、事実確認を行った。その結果、2019年1月から仕入れている原薬は、製造販売承認書に記載のない原薬製造所で製造された原薬であることが判明。同社は、今年1月初旬に原薬製造所から最終ロット番号の連絡を受けた際に、保持する最終ロット番号との相違を認識したものの、試験成績書、容器ラベルおよび向精神薬原薬譲渡証の確認をもって、使用した原薬は当該製造所製造のものであると判断していた。 一方、辰巳化学は、2019年1月28日に納入された原薬が製造販売承認書に記載がない原薬製造所で製造された原薬であったと指摘。当該原薬を使用して製造した対象ロット製品の自主回収に踏み切った。自主回収した製品は、辰巳化学のトリアゾラム錠0.125mg「TCK」(PTP100錠、出荷時期2019年9月30日~20年6月30日)のほか、製造委託を受けている日新製薬のトリアゾラム錠0.125mg「日新」(PTP100錠包装品・出荷時期2019年10月2日~21年6月14日までの当該製品)と長生堂製薬のトリアゾラム錠0.125mg「CH」(販売元:日本ジェネリック PTP100錠、出荷時期2019年10月9日~21年7月21日までの当該製品)。回収は21年9月30日までに完了した。

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出荷量十分でも4割以上が限定出荷  日薬連・390成分規格調査、容易には解除できず

 日本製薬団体連合会は17日、会員企業129社への調査によって得られた390成分規格の医療用医薬品の出荷量と供給状況の調査結果を会のホームページで公開した。これまでと比べて出荷量が100%以上だった2...

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大塚製薬とルンドベック アリピプラゾール2か月持続性注射剤が統合失調症の適応でEMAに申請受理

大塚製薬とH.ルンドベックA/Sは6月16日、成人の統合失調症の適応でアリピプラゾール2か月持続性注射剤(LAI)の医薬品販売承認申請が欧州医薬品庁(EMA)に受理されたと発表した。同剤は、シングルチャンバー型プレフィルドシリンジ製剤で2か月に1回筋肉注射を行う。承認されれば症状が安定した成人の統合失調症維持療法を適応とする、欧州初の2か月投与型抗精神病薬となる。 EMAの申請にあたっては、統合失調症または双極Ⅰ型障害の成人患者266人を対象に、アリピプラゾール2か月LAI 960mgの安全性、忍容性、薬物動態について、エビリファイ メンテナ(アリピプラゾール1ヵ月製剤)と比較した。32週間の薬物動態試験の結果、主要評価項目であるアリピプラゾール2か月LAI 960mgと、エビリファイ メンテナ400mg の1か月1回投与の血中濃度において同等性を確認した。また、複数回投与でも良好な忍容性を示した。新たな安全性の懸念は認められなかった。 統合失調症患者の服薬アドヒアランスは一般的に低く、アドヒアランスの不良はさらなる再発の最も強い予測因子であることが分かっている。このため長時間作用型のLAIは1回の注射で持続的な薬物血中濃度の維持を可能とし、アドヒアランスの問題を軽減することで患者の良好な転帰に寄与する可能性があると期待している。さらに初期の統合失調症において、LAIは経口抗精神病薬と比較して再発率を低下させることなどへの期待感もある。

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