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22年度診療報酬改定 「改定率」前回水準めぐる攻防に発展 次期改定めぐり予算委員会で政府の見解質す

政府・与党間の2022年度診療報酬改定の「改定率」をめぐる議論はいよいよ大詰めを迎えている。政府は看護師の処遇改善と不妊治療の保険適用の0.5%程度を確保する方針を固めているが、実質本体部分のマイナスを主張する財務省と与党厚労関係議員との間で綱引きが続いている。ここにきて日医など医療関係団体も攻勢を強めており、診療報酬本体は前回改定率(0.55%)をめぐる攻防に発展してきた。一方、臨時国会は12月13日から衆院予算委員会で、補正予算案の実質審議に入り、自民・公明両党の厚生労働部会長が診療報酬改定で岸田文雄首相、後藤茂之厚労相に答弁を求めた。 臨時国会における補正予算案をめぐる論戦が始まった。初日の質疑では、自公ともに政調会長を質疑のトップバッターに立たせ、関連質問を厚労部会長に託すという布陣で岸田政権の新型コロナ対策、経済対策、次期診療報酬改定などの諸問題についての見解を質した。 次期診療報酬改定で答弁を求められた後藤厚労相は、「物価賃金動向や医療機関の経営状況、保険料などの国民負担、岸田政権が支える看護師の収入引き上げ・処遇改善、新型コロナを踏まえた政策課題の対応などを踏まえて、予算編成過程においてしっかり検討して参りたい」と強調。続けて、「医療提供体制、国民が安心できるように全力をあげて努めて参りたい」と応じた。自民党厚生労働部会長を務める牧原秀樹議員への答弁。焦点の「改定率」に言及しなかったものの、看護師の処遇改善など岸田内閣のカラーを全面に打ち出す改定の実現に意欲を示した。 牧原議員は、看護師の労働環境の厳しさに触れたうえで、「あるところに、しわ寄せが起きるような対策ではなく、医療界全体で取り組みを促すような方向性が大事だ」との考えを表明。診療報酬改定については、「現場を見ている立場としてプラス改定にすることも含めて、現場の皆さんがやる気の出る結果にしてほしいと思う」と要望した。 ◎岸田首相「公的価格については補正予算によって、2月に前倒し」 看護師の処遇改善をめぐっては、日本医師会など医療関係団体は、診療報酬と別途の財源確保を求めている。予算委員会で岸田文雄首相は、「公的価格については補正予算によって、2月に前倒しする形で実現していきたい。それ以後については予算編成のなかで議論していくことになるが、医療介護費は高齢化に伴って増加していく。高齢化に伴う増加する医療費介護費の中で分配のあり方等を考えていただく。予算編成過程でしっかり議論していきたい」と述べ、与党に協力を求めた。公明党の厚生労働部会長を務める伊佐進一議員への答弁。 伊佐議員は、「通常でやるものとは別枠でやるべきだ。そうでないと、結局は同じパイの中での食い合いになる」との見解を表明した。 ◎鈴木財務相 「国民負担の軽減と医療の質の向上を両立、真にイノベーションを推進」 予算委員会では「薬価」で政府側の見解を質す場面もあった。鈴木俊一財務相はイノベーション評価について、「薬価算定基準については骨太方針2021で革新的医薬品におけるイノベーションの観点、長期収載品等の医薬品についての評価の適正化を行うという観点を踏まえた見直しを図るとされている。薬価改定に際してはこの方針を踏まえ、国民が恩恵を受ける国民負担の軽減と医療の質の向上を両立しつつ、真にイノベーションを推進するか、という観点から取り組んでいきたい」と応じた。伊佐議員(公明)への答弁。 一方、岸田首相は、「我が国において科学技術によるイノベーションを推進し、経済の付加価値創造力を引き上げていくことは大変重要な取り組み」と主張。今年6月に閣議決定した成長戦略実行計画を引き合いに、ライフサイエンス分野をデジタルやグリーンと並ぶ重要戦略分野に位置づけている。岸田首相は、「革新的新薬を創出する製薬企業が成長できるイノベーション環境を整備するために医療情報を利活用しやすい環境整備を進めていくことや、コロナ禍で新たな健康課題が生じていることを踏まえて予防・重症化予防、健康づくりへの支援を推進する。データヘルス改革を推進し、個人の健康医療情報の利活用に向けた環境整備をする、こうした仕組みを推進することがこのなかに盛り込まれている。ぜひこうした取り組みでより、分野の成長を推し進めていくようしっかり努めていきたい」と述べた。

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22年度診療報酬改定 「改定率」前回水準めぐる攻防に発展 次期改定めぐり予算委員会で政府の見解質す

政府・与党間の2022年度診療報酬改定の「改定率」をめぐる議論はいよいよ大詰めを迎えている。政府は看護師の処遇改善と不妊治療の保険適用の0.5%程度を確保する方針を固めているが、実質本体部分のマイナスを主張する財務省と与党厚労関係議員との間で綱引きが続いている。ここにきて日医など医療関係団体も攻勢を強めており、診療報酬本体は前回改定率(0.55%)をめぐる攻防に発展してきた。一方、臨時国会は12月13日から衆院予算委員会で、補正予算案の実質審議に入り、自民・公明両党の厚生労働部会長が診療報酬改定で岸田文雄首相、後藤茂之厚労相に答弁を求めた。 臨時国会における補正予算案をめぐる論戦が始まった。初日の質疑では、自公ともに政調会長を質疑のトップバッターに立たせ、関連質問を厚労部会長に託すという布陣で岸田政権の新型コロナ対策、経済対策、次期診療報酬改定などの諸問題についての見解を質した。 次期診療報酬改定で答弁を求められた後藤厚労相は、「物価賃金動向や医療機関の経営状況、保険料などの国民負担、岸田政権が支える看護師の収入引き上げ・処遇改善、新型コロナを踏まえた政策課題の対応などを踏まえて、予算編成過程においてしっかり検討して参りたい」と強調。続けて、「医療提供体制、国民が安心できるように全力をあげて努めて参りたい」と応じた。自民党厚生労働部会長を務める牧原秀樹議員への答弁。焦点の「改定率」に言及しなかったものの、看護師の処遇改善など岸田内閣のカラーを全面に打ち出す改定の実現に意欲を示した。 牧原議員は、看護師の労働環境の厳しさに触れたうえで、「あるところに、しわ寄せが起きるような対策ではなく、医療界全体で取り組みを促すような方向性が大事だ」との考えを表明。診療報酬改定については、「現場を見ている立場としてプラス改定にすることも含めて、現場の皆さんがやる気の出る結果にしてほしいと思う」と要望した。 ◎岸田首相「公的価格については補正予算によって、2月に前倒し」 看護師の処遇改善をめぐっては、日本医師会など医療関係団体は、診療報酬と別途の財源確保を求めている。予算委員会で岸田文雄首相は、「公的価格については補正予算によって、2月に前倒しする形で実現していきたい。それ以後については予算編成のなかで議論していくことになるが、医療介護費は高齢化に伴って増加していく。高齢化に伴う増加する医療費介護費の中で分配のあり方等を考えていただく。予算編成過程でしっかり議論していきたい」と述べ、与党に協力を求めた。公明党の厚生労働部会長を務める伊佐進一議員への答弁。 伊佐議員は、「通常でやるものとは別枠でやるべきだ。そうでないと、結局は同じパイの中での食い合いになる」との見解を表明した。 ◎鈴木財務相 「国民負担の軽減と医療の質の向上を両立、真にイノベーションを推進」 予算委員会では「薬価」で政府側の見解を質す場面もあった。鈴木俊一財務相はイノベーション評価について、「薬価算定基準については骨太方針2021で革新的医薬品におけるイノベーションの観点、長期収載品等の医薬品についての評価の適正化を行うという観点を踏まえた見直しを図るとされている。薬価改定に際してはこの方針を踏まえ、国民が恩恵を受ける国民負担の軽減と医療の質の向上を両立しつつ、真にイノベーションを推進するか、という観点から取り組んでいきたい」と応じた。伊佐議員(公明)への答弁。 一方、岸田首相は、「我が国において科学技術によるイノベーションを推進し、経済の付加価値創造力を引き上げていくことは大変重要な取り組み」と主張。今年6月に閣議決定した成長戦略実行計画を引き合いに、ライフサイエンス分野をデジタルやグリーンと並ぶ重要戦略分野に位置づけている。岸田首相は、「革新的新薬を創出する製薬企業が成長できるイノベーション環境を整備するために医療情報を利活用しやすい環境整備を進めていくことや、コロナ禍で新たな健康課題が生じていることを踏まえて予防・重症化予防、健康づくりへの支援を推進する。データヘルス改革を推進し、個人の健康医療情報の利活用に向けた環境整備をする、こうした仕組みを推進することがこのなかに盛り込まれている。ぜひこうした取り組みでより、分野の成長を推し進めていくようしっかり努めていきたい」と述べた。

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小野薬品と京大 「小野薬品・本庶 記念研究基金」設立発表 230億円は若手研究者の雇用・研究資金に

小野薬品の相良暁社長と京都大学の湊長博総長は12月13日、京大構内で記者会見し、「小野薬品・本庶 記念研究基金」を設立したと発表した。がん免疫治療薬・オプジーボの特許使用料などをめぐり、本庶佑氏と小野薬品が争っていた裁判で、11月12日の和解成立時に小野薬品から京大側に総額230億円の寄附を行うことが本庶氏との間で合意されていた。小野薬品の相良社長は、「(基金設立により)優秀な和解研究者の皆様が精いっぱい研究できる環境が整うことになった結果、我が国の医学・薬学研究がさらに発展するようにと期待している」と述べた。 ◎小野薬品 助成対象の研究に関する選考などに関与しない 同寄附金は、京都大学特別教授でノーベル医学・生理学賞受賞者の本庶佑氏が小野薬品に対し、特許使用料収入の分配金約262億円の支払いを求めた訴訟の和解が成立し、同社が支払うことになった計280億円の一部を活用したもの。生命科学分野の若手研究者を対象に、雇用・研究資金を助成することで、優秀な研究者の育成を図る。寄附金の運用はすべて大学側が担うことになり、小野薬品は助成対象の研究に関する選考などにも関与しない。 ◎湊総長 「長期的な視点から最大限有効活用させていただく」 湊総長は寄附金の運用について、日本の研究力低下の原因の1つに博士研究員のキャリアパスの問題があると指摘。「博士研究員がきちんと研究を続けられるように、生活面と研究面双方の支援をするような内容を考えている」と述べた。そのうえで、「我が国の国際的な存在感、競争力低下が叫ばれる中、世界に信頼される科学技術立国としての原動力は、新しい研究に果敢に挑戦する意欲的な若い人材である」と強調。基金について、「将来の学術研究の推進を担う優秀な若手研究者の育成と研究環境の実現をしていくために、長期的な視点から最大限有効活用させていただく」と述べた。具体的な仕組みなどの議論はこれから学内で行っていくという。 ◎今後の産学連携で相良社長 「大きな成功した場合はアカデミアに還元もいいこと」 今回の裁判は産学連携のあり方を問う異例なものとなった。相良社長は会見で、「今回の事例をもって全体的な話はしにくい」と断りながらも、「予想より大きな成功をおさめることができた場合、アカデミアに還元をということがいいのではないか」と述べた。湊総長も、「大学は裁判の当事者ではない」と強調したうえで、「結果として大きな成果になった場合、企業側から一部を還元という形で利益の一部をいれていただくという一般則があってもいいのではないか」と指摘。「今回の(基金のような)かたちは初めてのケースだと思うが、このかたちが1つの産学連携の成功例として認知され、広まっていくとありがたい」と投げかけた。

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日本化薬 抗がん剤テモゾロミドの出荷再開 製造所追加の一変承認取得、自社工場で生産

日本化薬は12月13日、小林化工の品質問題をきっかけに出荷停止していた抗がん剤テモゾロミド錠20mg「NK」、同100mg「NK」の出荷を再開したと発表した。製造所追加の一変承認を取得し、日本化薬の高崎工場で生産を開始。安定供給体制が整ったことからこの日、出荷を再開した。 テモゾロミド錠「NK」を製造委託していた小林化工は2月9日に業務停止命令を受けた。ただ、その後、同剤の製造に関してはテモゾロミド製剤としての安定供給に支障がなくなるまでの間、業務停止から除外され、製造が再開された。そして、MSDの先発品テモダールカプセルが7月以降に代替品として供給できるめどが立ち、テモゾロミド錠「NK」の製造は休止され、日本化薬は6月末で特約店への出荷を停止した。 テモダールへの切替えにより、剤形が錠剤からカプセル剤に変わったほか、薬価が約2倍となることで患者負担も増えた。テモゾロミド製剤の後発品は、日本化薬のテモゾロミド錠「NK」のみで、市場シェアが極めて高いとされる。 日本化薬は今回の出荷再開にあたり、「7月以降、製造・出荷することができない状況となっていた」とした上で、「製薬会社の重要な使命の医薬品の安定供給を確保できず、患者様とそのご家族、医療関係者の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げる」とコメント。今後については、「高品質な医薬品の安定供給により、医療の向上と医療費の効率化を通じて社会に貢献していく」と決意を示した。

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シオノギファーマ、来年4月にナガセ医薬品を吸収合併

塩野義製薬は30日、完全子会社のシオノギファーマがその完全子会社であるナガセ医薬品を2022年4月1日をめどに吸収合併すると発表した。シオノギファーマが存続し、ナガセ医薬品は消滅する予定。ナガセ医薬...

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モチベーション

「キャリア官僚」を目指す人が減っている、と最近よく耳にする。人事院の10日の発表によると、2021年度国家公務員の総合職試験の申込者は1万7411人。20年度と比べると1年で2500人以上、約13%...

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ワクチン接種、スマホで証明 20日から開始

政府は13日、新型コロナウイルスのワクチンの接種済みを証明するスマホ向けのアプリの詳細を発表した。20日から運用を始める。飲食店やイベントで利用するほか海外渡航時の隔離期間の短縮といった水際措置の緩和に活用する。 米アップルのiPhone(アイフォーン)などのアプリストアから無料でダウンロードできる。スマホでマイナンバーカードの情報を読み取る。同カードの発行の際に登録した4桁の暗証番号を入力して本...

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厚労省 偏在解消へ供給量前年比5%超製品の年内出荷調整解除を要請 医療機関は「必要最低限発注を」

厚生労働省医政局経済課は12月10日、日本製薬団体連合会(日薬連)宛てに、アセトアミノフェンなど供給不安を起こしている一部製品について、年末を目途に、当該成分規格を製造販売する企業は出荷調整を解除するよう要請した。今年9月時点の供給量が昨年9月時点に比べ5%以上増加し、成分規格全体として概ね需要を満たしているものと考えられるため。医薬品の在庫の偏在が供給不安に拍車をかけていることも指摘されるが、日本医師会や日本薬剤師会など、医療関係団体に対しては、「処方見込みや在庫量を把握の上、必要最低限の発注としていただき、返品は避けていただく」ことを要請した。医薬品の安定供給については「一義的には製造販売企業の責務」として、今後安定供給に努めることも求めている。 対象品目についての資料は、文末のファイルからダウンロードできます。 日医工や小林化工の行政処分に端を発した後発品の供給不安問題は現在も拡大を続け、3000品目以上の製品の供給に影響が生じている。一方で、ジェネリックメーカーを中心に在庫放出や増産対応を進めている。こうしたなかで、早期に安定供給を確保するために、在庫の偏在を解消することの必要性も指摘されている。 ◎出荷停止品目など86%は昨年9月より供給量多く 供給状況の見える化を 厚労省医政局経済課は10月1日時点で出荷停止している製品規格について、今年9月と昨年9月の供給量について調査を実施した。その結果、出荷停止品目(559 品目)と代替品を含めた同一成分・同一規格である成分規格(324 成分規格)のうち、86%は昨年9月より供給量が多かった。昨年よりも5%以上、増産されていた品目は、アセトアミノフェンやアトルバスタチンなど。これらの品目については、製薬企業に年末を目途に出荷調整を開示することを求めるとともに、医療機関や薬局、卸関係者が確認できるよう、製造販売業者の販売する製品ごとの供給状況を業界団体のウエブサイトに掲載するなど、適切な情報提供を行うことを求めた。医療関係者には、処方見込みや在庫量を把握の上、必要最低限の発注としていただき、返品は避けるよう要請している。 ◎供給量前年比20%減の製品「増産対応の検討」を要請 処方変更要請の可能性も 一方で、抗真菌薬・イトラコナゾールや関節リウマチ治療薬・エタネルセプトなど16の製品規格については、供給量が昨年に比べて20%以上減少していることが明らかになった。これらの品目については、「規格全体として供給量が足りないものと考えられる」として、製薬企業には、「増産対応について検討を行い、可能な場合には増産にご協力いただきたい」と求めた。医療関係者には、「今後、関係する学会等に優先する患者や処方の変更等に関する意見を聴いた上で、必要な患者への優先的な処方や、処方の変更等をお願いする可能性があることを申し添える」としている。 ◎経済課 安定供給は「一義的には製造販売企業の責務」 製薬企業には、こうした医薬品の供給状況について、「医療機関・薬局等に対して適切な情報提供が行われることは重要」として、適切な情報提供を求めた。また、「製造販売する医薬品を安定的に供給することは、一義的には製造販売企業の責務であることから、今後は、医薬品関係業界において、必要な調査等を実施し、安定供給に努めること」も要請している。

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22年度診療報酬改定 「改定率」めぐり与党の動き活発化 実質本体のマイナス幅押し戻しも

2022年度診療報酬改定の「改定率」をめぐる政府・与党間の議論が佳境を迎える。政府は看護職員の処遇改善や不妊治療の保険適用で0.52%程度を確保する方針を固めており、医科・歯科・調剤に実質的にまわる実質的な本体部分の取り扱いが焦点となっている。“絶対プラス改定”を掲げる日本医師会など医療関係団体や自民・公明両党の厚労関係議員の動きが先週末から活発化しており、当初のマイナス幅を押し戻しつつある。日本医師会は12月10日、TKC医業経営指標に基づく経営動態分析を公表。コロナ禍での経営環境の悪化を指摘し。「安全・安心な医療提供体制を持続、向上させるために診療報酬財源によるさらなる下支えが必要」と強調している。 ◎日医・医療機関経営動態分析 補助金含まない一般病院の医業利益率1.0% 前年度下回る 日本医師会が10日発表した医療機関経営動態分析によると、2020年度の一般病院における医業利益率(補助金を含まない)は1.0%で、前年度の2.5%を大きく下回った。補助金を含む経常利益率は3.1%だったが、前年度(3.3%)より低下した。診療所では、補助金の有無によらず、利益率が大幅に低下。法人立の無床診療所の小児科、耳鼻咽喉科は赤字だった。経常利益率(補助金含む)は、個人立の有床診療所のみ横ばいであったものの、それ以外ではすべて低下した。このほか、役員報酬は病院、診療所ともに低下傾向だった。 損益分岐率は、一般病院で96.0%、精神科病院95.5%、有床診療所96.1%、無床診療所95.3%と、危険水域とされる95%をいずれも超えていた。 日本医師会は、「今後、コロナ関連の補助金が縮小された後、たちまち医療機関経営が綻びかねない状況にあり、政府が収入の引き上げを決定された看護職員等以外の処遇改善の余地はない。安全・安心な医療提供体制を持続、向上させるために診療報酬財源によるさらなる下支えが必要だ」としている。 ◎中医協・公益委員が次期改定で意見書とりまとめ 診療・支払各側の意見を併記 中医協は12月10日に開いた総会で、次期診療報酬改定に向けて、後藤茂之厚労相宛ての意見書を取りまとめた。同日、小塩隆士会長(一橋大経済研究所教授)が厚労省の榎本健太郎大臣官房審議官(医療保険担当)に手渡した。意見書では、「薬価財源は診療報酬に充当したうえで、プラス改定しかあり得ない」とする診療側の意見と、「診療報酬を引き上げる環境になく、国民の負担軽減につなげるべき。配分の見直しに主眼を置いたメリハリのある改定とする必要がある」とする支払側の意見の両論を併記した。 そのうえで、新型コロナへの対応をはじめ、医療機能の分化・強化・連携、保健・医療・福祉の更なる連携、医療従事者の働き方改革や処遇改善、地域・職域等における予防・健康づくりの取り組み、費用対効果、新しい医療技術などの課題を解決するうえで、「診療報酬のみならず、補助金、税制、制度改革など、幅広い施策を組み合わせていくことが重要」と指摘した。また、国民一人一人が医療提供施設の機能に応じ、適切に医療を選択し、受けるよう努めることの重要性も強調。仕組みをできるだけわかりやすく説明し、患者の主体的な選択を可能とする情報提供の必要性も指摘した。

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中医協総会 バイオシミラー使用促進でバイオ後続品導入初期加算 診療・支払各側が対象拡充求める

中医協総会は12月10日、バイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進について議論した。使用促進の観点から、2020年度診療報酬改定で、在宅自己注射指導管理料についてバイオ後続品導入初期加算を創設。対象品目の一部は使用割合が増加している一方で、対象外となった品目は使用割合が低いことが指摘された。診療・支払各側からは入院や外来など、評価する対象の拡充を求める声があがった。 ◎加算対象のテリパラチドなどはバイオシミラー浸透も抗がん剤など低率に バイオ後続品導入初期加算は、バイオシミラーについて説明し、処方した場合に初期導入加算として、初回処方日の属す月から起算して3か月間を限度に1回150点加算するというもの。在宅自己注射管理指導料の対象となり、バイオシミラーが薬価収載されているインスリン製剤やヒト成長ホルモン剤、エタネルセプト製剤、テリパラチド製剤、アダリムマブ製剤が対象品目となっている。腫瘍用薬やインフリキシマブ製剤は外来化学療法加算の対象となっており、バイオ後続品導入初期加算の対象とはなっていない。 制度が創設された20年度以降の推移をみると、テリパラチドやインスリンプロなど加算対象品目の使用割合が20年度を境に上昇。一方で、インフリキシマブやアガルシダーゼベータ、ベバシズマブなど、対象となっていない品目では依然としてバイオシミラーの使用割合が低い状況が続いている。 患者調査の結果からは、一般層で約39%、患者層で43.2%にバイオシミラーの使用以降があり、特に「薬の負担額が安くなりそうだから」(65.3%)との理由が最多となった。また、患者や患者家族が求めている情報としては、安全性や効果、費用負担との声が多かった。 ◎診療側・城守委員「入院や外来でも評価を」 診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「入院や外来で使用するバイオシミラーについても情報提供を評価することも検討してよいかと思う」との考えを表明。診療側の有澤賢二(日本薬剤師会常務理事)は、「医療費削減、国民負担の軽減の観点から今後も促進していくべき」として、診療報酬上の評価の必要性を強調した。そのうえで、「薬局でも患者さんからの希望を受けて、処方医に確認したうえでバイオ後続品に切り替える場合もあることから、一定程度の評価が必要だ」と主張した。 ◎支払側・松本委員「外来化学療法にも同様の仕組みを」 一方、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「高額療養費に該当することが多く、患者の負担軽減は小さいかもしれないが、患者の4割が使用に前向きということで、ぜひ推進したい」と意欲を見せた。そのうえで、「今後は外来や在宅でも積極的に使用していただきたい。そのためには、効果、副作用、費用について医療機関から患者に丁寧に説明していただくことが欠かせない。外来化学療法にも同様の仕組みを設けることで、使用が進むことが期待される。ベースになる報酬標目にも注意しながら、制度設計をすることが考えられる」と述べた。「診療報酬の誘導だけでは限界があるので、国をあげた新たな研究開発、使用促進をお願いしたい」とも語った。

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