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サワイの一手、供給問題解決につながるか  小林化工の生産設備・人員引き受け

サワイグループホールディングス(HD)が、小林化工の生産活動の拠点と関連部門の従業員を譲り受ける契約を締結したと発表した。同社の設備と従業員を受け入れ、サワイHDのクオリティーカルチャーの下、同グル...

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医薬敗戦、バイオ出遅れ 21年の貿易赤字3兆円へ

日本の医薬品の存在感が低下している。日本発の画期的新薬は減り、2000年代後半から膨らむ貿易赤字額は21年に初めて3兆円を超える見通しだ。新型コロナウイルスでも国産ワクチンの開発は遅れ、輸入に頼っている。医薬品開発は化合物の合成からバイオ創薬へと競争力の源泉が移る。技術転換に乗り遅れた日本の「医薬品敗戦」は医療制度にも影を落とす。 貿易赤字額が膨らみ始めたのは15年ほど前からだ。財務省の貿易統計に...

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イーケプラ後発品 錠剤の薬価は対先発の33% 6社が収載日に発売予定

後発医薬品など34成分58規格108品目が12月10日に薬価基準追補収載された。初めて収載された後発品は8成分(記事はこちら)。このうち12社から後発品が参入する抗てんかん薬イーケプラ(一般名:レベチラセタム)では、錠剤の後発品薬価は対先発品薬価の33%となった。ドライシロップは同44%、点滴静注製剤は同43%だった。イーケプラ後発品は、安定供給体制確保を理由に収載手続きを見送ったり、当初、収載日の発売を予定していたものの延期すると発表する企業が相次いだが、少なくとも6社は収載日に発売する予定だ。 文末の「関連ファイル」に21年12月追補収載の資料を掲載しました。今回初めて収載された後発品の一覧表や後発品薬価などをまとめました(有料会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルはこちら)。 イーケプラ後発品を収載日に発売するのはキョーリンリメディオ、高田製薬、東和薬品、日医工、日新製薬、Meiji Seikaファルマ――の6社の予定。日医工は本誌取材に、「10日発売予定だが、他社の状況次第で変動の可能性はある」と答えた。 フェルゼンファーマは15日発売予定、日本ジェネリックは16日発売予定。フェルゼンは他社の動向を踏まえた対応。日本ジェネリックは、製品物流の委託先である日立物流の倉庫で発生した火災の影響を受け、「出荷体制を再整備する必要がある」ため、当初の即日発売の計画から約1週間遅れになるとしている。 当初は収載日の発売を計画していたが、安定供給体制確保を理由に「発売日を延期する」と発表した共和薬品、沢井製薬、ダイト(販売:マイランEPD、販売提携:ヴィアトリス製薬)は、発売日が決定次第、改めて発表する方針。ただ、沢井は発売時期のメドとして、錠剤とドライシロップは22年1月中旬、粒状錠は2月以降になるとしている。 粒状錠は苦みと服用性を考慮して水分で錠剤表面がゲル化するコーティング技術を採用したもので、患者の服用負担の軽減が期待できるという。イーケプラ後発品の中だけでなく、てんかん治療薬としても初の製剤となる。 8月に同後発品のOD錠とドライシロップの承認を取得した陽進堂は、OD錠の収載手続きは行わず、ドライシロップのみ収載した。ドライシロップの発売日は「未定」。 ◎ベルケイドの後発品薬価は対先発の34% パタノール点眼液は対先発の39% 後発品薬価は基本的に先発品薬価の0.5掛け(=50%)で算定される。ただ、内用薬について、組成、剤形区分、規格が同一の後発品の銘柄数が10を超えた場合は0.4掛け(=40%)となる。先発品に新薬創出等加算が適用されている場合は、先発品薬価からこれまでの新薬創出等加算分を差し引いた上で0.5掛け、0.4掛けする。 イーケプラ後発品は、錠剤は11品目、ドライシロップは9品目、静注製剤は3品目が収載された。先発品は新薬創出等加算品のため、後発品薬価は先発品薬価から同加算分を差し引いた上で、錠剤は0.4掛け、ドライシロップと静注製剤は0.5掛けで算定された。 イーケプラ以外に初めて登場する後発品のうち、先発品に同加算が適用されていたのは、▽肺動脈性肺高血圧症治療薬ヴォリブリス錠(一般名:アンブリセンタン)、▽抗リウマチ薬ケアラム錠(同イグラチモド)、▽抗がん剤ベルケイド注射用(同ボルテゾミブ/ボルテゾミブ水和物)、▽制吐剤プロイメンド点滴静注用(同ホスアプレピタントメグルミン)、▽抗アレルギー点眼薬パタノール点眼液(同オロパタジン塩酸塩)――の5製品となる。 後発品薬価はいずれも先発品から同加算分を差し引いた上で0.5掛けで算定され、ヴォリブリスの後発品薬価は対先発の39%、ケアラムの後発品薬価は同41%、ベルケイドの後発品薬価は3mg1瓶で同34%、プロイメンドの後発品薬価は同45%、パタノールの後発品薬価は同39%――となった。 ◎ベルケイド後発品はAG先行発売 初後発品のうちベルケイドには第一三共エスファから、パタノールにはサンドから、それぞれオーソライズドジェネリック(AG)が10日に発売される。 このうちベルケイド後発品は第一三共エスファを含めて6社が参入するが、先発品に製剤特許が残っているため、ベルケイド後発品はAGの先行発売となる見込みだ。ベルケイドの製剤特許は22年1月25日まで残っているとみられる。 ◎東和薬品 エディロールAGを10日に発売予定 東和薬品が手掛ける骨粗鬆症治療薬エディロール(一般名:エルデカルシトール)のAGも今回収載された(関連記事はこちら)。東和は同AGを10日に発売する予定。 エディロールには既に後発品が参入しているが、先発品の製造販売元の中外製薬は物質特許を侵害しているとして沢井製薬、日医工、日産化学を相手に係争中。また後発品大手による製造上のトラブルをきっかけにエルデカルシトール製品の出荷調整が相次ぎ、安定供給に支障が出た。このような中で中外は、東和にAGの製造販売を許諾した理由として、エディロールのライフサイクルが成熟期にあることに加え、「患者さんの選択肢の拡大とエルデカルシトール製品の安定供給確保のため」としている。

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武田テバファーマ AG、後発医薬品、長期収載品の「在庫情報」をHP上で公開 不要な在庫偏在回避へ

武田テバファーマは12月9日、同社が取り扱うAG(オーソライズドジェネリック)、後発医薬品、長期収載品の「在庫情報」をホームページ上で公開した。在庫状況を可視化することで、病院、診療所、保険薬局が計画的に製品を発注でき、不要な在庫偏在を生じさせないよう支援する狙いが込められている。同社は、安定在庫基準を「3か月」に設定しており、製品包装規格ごとに販売予測に基づく在庫目安月数(3か月以上、2か月未満等)をホームページ上で確認できる。現在は22年1月~3月の在庫状況を月次別に掲載した。あわせて出荷調整中の製品も公開している。 同社は、後発品の供給不安に伴う製品の在庫偏在などを回避する目的で、同社のMRが医療機関や薬局を訪問した際に、求めに応じて在庫情報を開示してきた。この取り組みは11月30日に記者会見した松森浩士社長(日本エスタブリッシュ医薬品研究協議会・JEMA代表)が紹介したもので、「ホームページ上での公表も含めて今後検討していきたいと」と意欲を示していた。(関連記事) ◎医療関係者向け情報サイト「武田テバ DI-net」に掲載 在庫情報は医療関係者向け情報サイト「武田テバ DI-net」(こちら)を通じて公開する。同社は、「製品の在庫状況を可視化することで、医療機関等が客観的な情報に基づいて計画的に発注することのお役に立ち、もって医薬品の安定供給に貢献しようとする目的とする」と説明している。 在庫情報は、①カテゴリー(AG、後発医薬品、長期収載品)、②製品包装規格、③在庫目安月数(単位:月数)-ごとに掲載。現段階では、22年1月、22年2月、22年3月と3か月分の在庫情報を示した。同社は、在庫情報の安全在庫基準を「3か⽉」とし、製品規格ごとに過去実績や⽣産スケジュールをベースに設定した。安全在庫基準を上回る需要があった場合は、都度、⽣産スケジュールを見直す。 なお、日薬連が定める「ジェネリック医薬品供給ガイドライン」では、製造販売業者に平均2か⽉以上の在庫確保を求めている。これに対し同社は、「より安定した供給を確保するため、安全在庫基準を3か⽉に設定している」と強調した。また、在庫情報では、出荷調整中の製品の情報も掲載している。同社は、出荷調整の定義について、「該当⽉の出荷数上限を設定し、それを超える出荷を制限すること指す」とし、「想定を上回る注⽂により、当⾯の期間、安全在庫基準まで引き上がらないケースに限り、特約店に対して出荷調整を⾏っている」と説明している。 ◎不安が広がっている状況下で「時限的に開示」 在庫状況の開示について同社は、あくまで医薬品の安定供給に対する不安が広がっている状況下において「時限的に開⽰するもの」と強調。「本資料の⽬的以外のご使⽤および同業メーカーへの開⽰は、ご遠慮いただけますようお願い申し上げます」とも付け加えた。

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NPhA・首藤会長 敷地内薬局めぐる中医協での議論「率直なところ理解に苦しむ」 薬局機能に基づく評価を

日本保険薬局協会(NPhA)の首藤正一会長(アインホールディングス)は12月9日、会見に臨み、2022年度調剤報酬改定の焦点となっている敷地内薬局について、「中医協等の場で、適切な医薬分業のあり方や地域包括ケアシステムに逆行するといった根拠のない一方的な非難が行われているのはなぜか、率直なところ理解に苦しむ」と述べた。「一方的な決めつけではなく、事実に基づく客観的な議論により、国民目線に立った適切な結論が得られることを心より祈っている」と強調した。また、チェーン薬局を狙いうちにした議論が進むことに対しても、「強い違和感を覚える」とけん制。「薬局個々の機能で評価されるものであり、規模や立地での評価には疑問も感じている」と述べ、薬局機能に応じた評価を求めた。 敷地内薬局をめぐっては、診療側の有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)が7月の中医協総会で論点には示されていなかったものの、敷地内薬局について問題提起(関連記事)。11月26日の中医協総会では、敷地内薬局の調剤料や薬剤料の減算に加え、敷地内薬局を持つ同一グループの薬局での評価を低くすることなどを提案していた(関連記事)。 ◎敷地内薬局は「はるかに国民目線に立っている」 院内調剤と同等には「全くあたらない」 首藤会長はこうした議論に一石を投じた。敷地内薬局が解禁された経緯として、規制改革推進会議での議論を踏まえ、最終的に中医協の場を経て、決められたことを説明。構造的独立性を担保する観点から病院と薬局が公道を介すことなどが求められていたが、車椅子や高齢者の患者などではむしろ、負担が大きいとの声があがり、患者の利便性観点から、敷地内薬局解禁の道が開けた。 首藤会長は、「敷地内薬局が医療機関と連携し、地域包括ケアシステムの一員としてポジティブな価値を提供していることについて、情報発信が不足しており、ご認識いただけていないということなのかもしれない。一方的な決めつけではなく、事実に基づく客観的な議論により、国民目線に立った適切な結論が得られることを心より祈っている」と述べた。 院内処方と同じ点数設計をするべきという議論については、「院内処方は患者が医科の調剤所で受け取るしかないが、院外処方においては敷地内薬局も含め、患者が自由意思で選ぶことができる。はるかに国民目線に立ったものであり、院内調剤と変わらないという指摘もまったく当たらない」と主張。在宅対応や服用薬の一元管理などを通じて地域医療に貢献していることを強調した。 ◎チェーン狙い撃ちの議論に「強い違和感」 薬局間の規模や地域、処方内容で差も 中医協の議論では、医療経済実態調査の結果から、20店舗以上のチェーン薬局の黒字幅が大きいことも指摘されており、すでにチェーン薬局の評価厳格化なども議論の俎上に上る。首藤会長は、「店舗数の多い薬局チェーンなどを狙い撃ちにした検討が進められつつあることに私どもは強い違和感を覚えている」と述べた。 「薬局個別の規模や収益状況をもとに検討することには、それに応じた報酬という点で理解できる部分もあるが、20店舗以上の薬局チェーンなどという企業規模による報酬体系の議論は理解に苦しむ」と強調。「チェーン店舗の中にも、収益力の高い薬局から低い薬局まで規模や地域、処方内容によって大きな差が生じている」と述べた。 ◎かかりつけ薬剤師の算定件数は「企業努力の結晶」 そのうえで、調剤報酬について、「薬局個々の機能で評価されるものであり、規模や立地での評価には疑問も感じている」との見解を表明。かかりつけ薬剤師を評価する、いわゆるインテリジェントフィーについても、「一般のいわゆる薬局よりも会員薬局は点数を高く評価、算定している。これは、企業努力の結晶だと我々は思っている。こういった努力の末、実態調査に出ているような利益改善を図ってきた。そこを非難されるのはおかしいのではないか」と主張した。 中医協で意見を述べる薬剤師を代表する委員は1人で、日本薬剤師会から排出している。直接反論する場もなく、一方的に”チェーン薬局叩き”ともいえる現状に陥っているが、「中医協委員も出せていないし、その場がない。空に向かって言うしかない」と嘆いた。

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22年度診療報改定 看護師の処遇改善等を除く「実質本体」で調整続く 本体マイナスめぐりギリギリの攻防

政府は2022年度診療報酬改定で、実質本体マイナス改定とする方向で調整に入った。看護職員の処遇改善(0.2%)、不妊治療の保険適用(0.3%)などで合わせて0.5%程度の上乗せ要因がある。一方で、これらの要因を除く、実質的な診療報酬本体についてはマイナス改定とする力が働いている。看護職員の処遇改善や不妊治療の保険適用などを含めれば、微増となる見通し。ただ、実質的な診療報酬本体はマイナス0.3%台半ばまで引き下げるギリギリの調整が進んでおり、なお予断を許さない厳しい情勢が続いている。 コロナ禍で財政出動も多いなかで、国民負担を軽減する重要性も増している。岸田政権が可処分所得増大を掲げる政策を推し進めるなかで、保険料率の増大を抑制したい狙いもある。日本医師会など医療関係団体や与党は、コロナ禍で医療機関経営が厳しさを増しているとして、0.5%以外の実質的な診療報酬本体のプラス改定を要望しており、最終的な調整が進む。

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薬剤費財政規律、「23年度予算編成で議論も」  財務省・一松主計官、保険給付見直しやマクロ経済スライドなど

財務省主計局の一松旬主計官(厚生労働係第1担当)は日刊薬業の取材に応じ、薬剤費の予算統制について「優先度が高く、正常化を図らなければならない課題だ」と述べ、財政規律の導入・強化の必要性を訴えた。その...

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22年度診療報酬改定 財務は実質マイナス姿勢崩さず 看護職員処遇改善と不妊治療で0.5%相当分の財源確保

2022年度診療報酬改定の「改定率」をめぐる調整が大詰めを迎えている。すでに政府内では、看護職員の処遇改善と不妊治療の保険適用で合計0.5%相当分の財源確保に目途をつけた。このほか医師の働き方改革で財源確保を求める声もあり、必要な財源は膨らんでいる。一方で財務省は、看護職員の処遇改善や不妊治療の保険適用も含めて前回20年度診療報酬改定の本体0.55%以下を求めており、実質的なマイナス改定を貫く姿勢を崩していない。日本医師会など医療関係団体は、“絶対プラス改定”を掲げており、実質的なプラス改定をかけてギリギリの調整が進んでいる。 ◎中医協総会 支払側・松本委員が異例の追加発言「国民目線の改定」求める 「現下の厳しい国民生活を考えれば、今回改定は保険料負担や自己負担の観点から、国民の負担軽減につなげるべきと強く考えている。ただ、今回はすでに政府において方向づけられている看護職員の処遇改善など医療従事者の働き方改革、不妊治療、オンライン診療の恒久化など、財源を要する内容も多いことから、改定はあくまで政府の決定する改定率のなかで、メリハリをつけた国民目線での改定としていただきたい」-。12月8日の中医協総会で支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)が追加発言を求め、異例ともいえる“健保連”としての意見表明に打って出た。 前回20年度改定は医師の働き方改革で0.08%上積みし、診療報酬本体改定率0.55%で決着した。22年度改定では、看護師の処遇改善や不妊治療の保険適用で、確保すべき財源が膨らむ。コロナ禍で経済対策が優先されるなかで、政府は過去最大となる35.9兆円規模の21年度補正予算を国会に提出している。岸田内閣は政権発足時から一貫して「成長と分配の好循環」を掲げ、可処分所得増大を掲げる政策を推し進めている。この一方で財政当局は、医療費適正化への圧力を普段にも増して強めており、先の財政制度等審議会の建議にその方向を色濃く反映した。 ◎中医協総会 診療・支払各側から次期改定で意見表明 この日の中医協総会は、診療・支払各側から次期診療報酬改定についての意見表明が行われた。支払側はこの日、“マイナス改定”にあえて言及せず、「診療報酬を引き上げる環境になく、国民の負担軽減につなげるべき」と主張した。また、「配分の見直しに主眼を置いたメリハリのある改定とする必要がある。薬価等については、イノベーションの推進にも配慮しながら、市場実勢価格の低下に伴う公定価格の引き下げ分を、長期的に上昇し続ける負担の抑制のために還元されなければ、国民の理解は得られない」との見解を示した。 ◎診療側・城守委員 地域医療と医療従事者を支える財源確保を「プラス改定しかあり得ない」 一方、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「国民の安全を守るためには、地域の医療と医療従事者を支える適切な財源が必要であり、令和4年度の診療報酬改定ではプラス改定しかあり得ない」と強調した。コロナ禍で、「医療機関等は感染リスクや風評被害に耐えながら、新型コロナウイルス感染症患者への入院医療、発熱患者に対する外来医療やワクチン接種など必死で新型コロナウイルス感染症に立ち向かうとともに、コロナ以外の地域医療を全力で守っている。診療報酬は、それに対して十分な手当で応えなければならない」と述べた。またコロナ対応で、「改めて医療現場における人材の重要性が認識された。医療従事者の働き方改革と処遇改善を推進し、安定的な医療提供体制を維持することが必要であるが、医療機関等は、むしろ給与費を抑制せざるを得ない実態だ」として、プラス改定への理解を求めた。 医師の働き方改革についても言及した。20年度改定では診療報酬と地域医療介護総合確保基金との組み合わせで拡充が図られたが、「医療現場ではコロナへの対応を最優先としたため、働き方改革に着手できかねる現状がある。このため、改めて診療報酬による適切な対応をお願いしたい」と述べた。医療ICTなどについては、「ICT活用等、医療の高度化に係るインフラの整備等は政府の成長戦略として別建ての財源を充て、イノベーションを促進すべき」と主張した。このほか、「薬価改定財源は診療報酬本体に充当すべき。診療報酬と薬価は不可分一体の関係にあり、財源が切り離されるようなことがあってはならない」と強調した。 ◎診療側 医療関連職種に対し「幅広く恒久的な賃上げが必要」 この日の中医協は22年度診療報酬改定の財源確保で焦点となっている、看護師の処遇改善が議題にあがった。看護師の処遇改善をめぐっては、22年の年2~9月分については収入を月1%(4000円)上げる方針。21年度補正予算を活用する。10月以降は段階的に約3%に引き上げる考えで、診療報酬で補う方向で議論が進んでいる。 診療側の城守委員は、「地域医療の崩壊を防ぐうえでも重要な取り組みと理解しているが、医療関係職種に対して幅広く恒久的な賃上げが必要だ。それに見合う診療報酬上の評価ができるよう、加算ではなく、基本診療料の引き上げが必要だ」と主張した。診療側の有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)も、「看護職員の確保は重要な問題であることは認識している。ただ、医療現場は実際にあらゆる職種によるチームで成り立っている。地域医療を守っていくためには医療職種や医療スタッフ、従事するすべての医療関係職種に対し、幅広く引き上げることが必要であり、そのためにはそれに見合う診療報酬が不可欠だ」との見解を示した。「診療報酬という性格を考えると特定の職種に特化して処遇改善することはなじまず、別の方法で対応していくべきものであるように思う。慎重な対応が必要ではないか」とも述べた。 ◎支払側・松本委員 基本診療料の引き上げ「反対する」 一方で、支払側の松本委員は、基本診療料の引き上げについては「反対する」と強調。「対象者に確実に増加分が届く観点からすれば、介護報酬を参考に対処することが考えられる。医療者負担や保険者負担に影響することは間違いないので、全体的にメリハリのなかで、どのように負担増を吸収していくかという視点は不可欠だ」と突き放した。安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、「仮に診療報酬制度で対応することとなれば改めての議論が必要だが、どのような政策手法であっても対象となる個人の給与が確実に引き上げられるような仕組みが必要だと考える。その結果を検証できる仕組みも併せて検証すべき」と述べた。

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中医協総会 分割調剤で「一定期間内の処方箋の反復利用」に前進 医師と薬剤師の連携で

分割調剤を議論した12月8日の中医協総会で、診療側の有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)は、「分割調剤が現場で運用しやすくなるよう、様式変更すべき」と主張した。具体的には、「1枚の処方箋様式にし、一定期間内の処方箋の反復利用を可能にすることが良いと考える」と述べた。支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)も、「処方箋様式の問題があるが、少なくとも一枚の処方箋を繰り返し使用できるように見直していただきたい」と主張した。“一定期間内の処方箋の反復利用”に前進した。 政府が6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2021」では、「症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院負担を軽減する」ことが盛り込まれていた。 いわゆるリフィル処方箋は、米国、イギリス、フランスなど、諸外国ではすでに導入されている状況にある。一方、日本では2016年度診療報酬改定で分割調剤が導入されたものの、算定回数は伸びていない現状にある。ただ、31日以上など長期処方は増加傾向にあり、残薬や副作用など、医薬品の適正使用の観点からも課題となっている。 厚労省は、分割調剤についての調査結果を提示。医師の指示による分割調剤を行ったことがある薬局は12.1%だった。薬局からみた分割調剤のメリットは、「残薬の確認が行いやすい」、「副作用等の確認が行いやすい」との声が多くあがった。実際に分割調剤を受けた患者に対する調査では、良かった点として、「残薬の相談がしやすい」、「後発品を安心して試すことができた」との声があがった。一方で、良いと思わなかった点をたずねたところ、「特に不満はない」が54.5%と過半数を占める結果となった。 ◎診療側・有澤委員 分割調剤のデメリットとして「手続きが煩雑」 診療側の有澤委員は薬局対象の調査で、分割調剤のデメリットとして「手続きが煩雑」との回答が最多だったことを指摘。「現場の話を聞くと、処方箋様式が負担となっている」として、処方箋様式の変更を提案した。そのうえで、「最も大切なのは分割調剤を必要とする患者に対し、医療機関と薬局、医師と薬剤師の適切な、かつ確実な連携の下で実施することが必要だ」と強調した。 ◎支払側・松本委員 「患者、医療者ともに使い勝手が良い簡便な仕組みを」 支払側の松本委員も、「患者、医療者ともに使い勝手が良い簡便な仕組みに進化させる必要がある」として、処方箋様式の変更の必要性を主張した。そのうえで、「服薬管理が難しい患者だけでなく、病状が安定している患者も十分対象になり得ると考える。処方医と薬局薬剤師が連携し、その間隔を柔軟に対応できることが重要だ」と述べた。普及に向けて、患者や医療機関の認知度が低いことをあげ、「薬剤師には患者の適切なフォローと、こうした仕組みがあることの情報提供、周知をお願いしたい」と呼びかけた。支払側の安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)も、「手続き的な課題や制度の周知についての取り組みを含め、改善を検討してもよいのではないか」と述べた。 一方、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「長期処方は残薬リスクや、多剤投与に気づきにくくなる。病状の変化を見逃すなど、患者の治療と保険財政への弊害が懸念される。それにもかかわらず、長期処方を助長される議論には、日本医師会として明確に反対する。むしろ、対象から除外すべきリスクの高い薬剤等についての議論を深めるべきだろう」と述べた。処方箋様式については、「様式の見直しではなく、30日を超える長期投与が可能であると判断した理由や病状が変化した場合の対応方法等を処方箋に記載して、患者や薬局に伝えることなども検討してはどうか」と提案した。 ◎フォーミュラリ 診療報酬上の評価に肯定的な意見なく フォーミュラリについてもこの日の中医協総会で、議論の俎上にのぼったが、診療報酬上の評価に肯定的な意見はみられなかった。診療側の城守委員は、「医療機関、法人経営の観点から活用されることは理解するが、リストの作成について医薬品関連企業が主導するなど、恣意的な内容になる危険性もある。定義もはっきりせず、策定方法やプロセスも明確になっていない。こういうものを診療報酬で評価することはなじまない」と指摘した。「医薬品の選定はあくまで、治療指針等が示している学会等が推奨する医薬品を中心に、医療機関が一定程度の自由度をもって導入を検討するものという風に考える」と述べた。 診療側の島弘志委員(日本病院会副会長)は、「たとえば急性期病院では抗菌薬を適正に使用することで、病院の収支的にも大きく寄与することがわかっている。策定することは医療の質を担保する観点からも重要だろうと思う。積極的に進めていく必要がある。クリニカルパスやクオリティーインディケーターという質を担保するような、指標とセットで進めていく必要があると考えるが、診療報酬で評価すべきかどうかに関しては必要ない、と今は考えている」と述べた。 診療側の有澤委員は、「院内フォーミュラリの報酬上の評価については時期尚早」との見解を示し、今後も調査を継続する必要性を指摘した。 ◎支払側・松本委員「療養担当規則等に定めていくという方策も一考では」 一方、支払側の松本委員は厚生労働科学研究でガイドラインが策定されたことに触れ、「報酬上の評価に結び付けていくためには今後のガイドラインの策定状況や、地域や病院の取り組み状況を見ながら丁寧に議論することが必要だ」と述べた。そのうえで、「一案として効果が同等であればより経済的な薬剤を優先的に使用するという旨を療養担当規則等に定めていくというのも方策としては考えられる」との考えを示した。また、診療報酬以外の対応として、「都道府県の策定する医療費適正化計画の中にフォーミュラリを位置づける」ことを提案した。支払側の安藤委員は、「フォーミュラリの取り組みを推進する方向性には異論はないが、推進するために診療報酬上の評価が必要なのかという点は制度のガイドライン等を定めて、その活用状況も踏まえ、さらなる検討が必要ではないか」と述べた。

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イーケプラGEは12社、半数以上が発売遅延回避  12月追補収載、パタノールやベルケイドのAGも

厚生労働省は9日、12月の後発医薬品薬価収載基準追補収載を官報告示した。収載日は10日。初後発品は8成分(剤形区分違い含む)で、注目の抗てんかん剤「イーケプラ」(一般名=レベチラセタム)には内用薬、...

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