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【5月28日新着】中医協薬価専門部会 中間年改定の薬価調査 新型コロナ影響で慎重意見相次ぐ 業界は「反対」姿勢

中医協薬価専門部会は5月27日、中間年改定(薬価毎年改定)の薬価調査をテーマに議論した。この日は、薬価調査のスケジュールや手法などを議論することが主目的だったが、製薬業界代表の上出厚志専門委員(アステラス製薬上席執行役員渉外部長)は、「今回の薬価調査、薬価改定は実施するような状況ではない」と述べ、実施に反対する姿勢を鮮明にした。新型コロナウイルスの感染拡大の煽りを受け、地域の病院や診療所の経営を揺さぶっている。さらに医薬品卸と医療機関の価格交渉にも影響が出始めている。例年とは異なるマーケットトレンドのなかで中間年改定の議論がスタートしたことに、各側および専門委員の発言が注目された。 厚労省はこの日の中医協に、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、「例年と同様の価格交渉や医薬品流通ができていないと考えられる」として、まずは製薬業界や医薬品卸からヒアリングを行った上で議論する考えを提案した。そのうえで、通常改定のスケジュールを踏襲すれば、調査に必要な準備期間を考慮すると、遅くとも6月中旬には実施準備を開始する必要があると説明した。 同省はまた、具体的な論点として、新型コロナの感染により医療現場が打撃を受けるなかで、調査結果の正確性を担保するために実施される購入側調査(病院、診療所、薬局から無作為抽出)の実施方法や、医薬品卸の負担軽減を考慮した販売側調査(医薬品卸)などをあげた。さらに地域医療機能推進機構(JCHO)をめぐる医薬品卸の談合疑いで公正取引委員会が調査中であることから、「念のため」として今回調査対象から外すことを提案した。 ◎診療側・松本委員 新型コロナの影響大「(薬価調査は)現時点で全くイメージできない」 議論では、診療・支払各側ともに、新型コロナの感染下で、通常の薬価調査が実施できないことを踏まえた意見が相次いだ。診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「意見聴取の結果に関係なく薬価調査を実施しようとしているように見えるのは大変問題だ」と述べ、中間年改定の実施ありきの議論を牽制した。「新型コロナウイルスの感染拡大で、医療提供体制全体が崩壊の瀬戸際まで追い込まれ、経営的に大打撃を受けている」と述べ、「2021年度の薬価改定に向けてどんな調査を、どう行うのが適当か現時点で全くイメージできない」と強調。製薬業界の意見陳述以降の論点については「時期尚早」と述べた。ただ、薬価調査の実施反対との明言は避けた。 中間年改定は、2016年末に4大臣合意した薬価制度抜本改革に向けた基本方針で実施が明記され、18年度薬価制度抜本改革で、「全ての医薬品卸から、大手事業者を含め調査対象を抽出し、全品目の薬価調査を実施する」との方向性が固まった。厚労省医政局の林俊宏経済課長は、「政府としては、過去の類似の決定を踏まえ、やるとなった場合の実施方法を考えておく必要がある」と述べ、議論の継続に理解を求めた。 ◎支払側・幸野委員 通常状態とは乖離ある「特例的、暫定的な薬価調査」で検討も 支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「中間年の薬価改定は閣議決定されたものであり、この方針は変更されていない。中医協の役割としては、6月を目指し薬価調査の在り方について粛々と検討していくべき」との立場を表明。ただ、通常の状態とは乖離があるとして、中間年改定時のルールとしてではなく、“今年限り”の「特例的、暫定的な薬価調査として検討していくべきではないか」と提案した。 支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)も、「流通現場の影響を勘案すれば、やめるべきという意見も出てくる恐れがある」としたうえで、「このような環境下で実施するのであれば最低限実施可能なのか、前向きな方向でヒアリングが進むよう、厚労省には事前準備をお願いしたい。業界団体にもその点を勘案して意見をいただきたい」と業界側に要望した。 ◎村井専門委員 卸側も通常とは異なる業務に終始 価格交渉の遅れを懸念 これに対し、業界側は「実施するような状況ではないのではないか」(上出専門委員)、「薬品卸としては、本年の薬価調査の実施は極めて難しい状況だと考えている」(専門委員の村井泰介委員・バイタルケーエスケー・ホールディングス代表取締役社長)と即座に難色を示した。 村井委員は、医薬品卸が感染拡大を防止する観点から、輪番制など配送スタッフの勤務体制の変更、配送回数の変更、営業活動の自粛などに取り組んでいることを説明。「医薬品卸は医療機関、薬局への配送業務に特化した活動にシフトしている」と述べた。さらに、800品目超が品薄で、製薬企業から出荷調整がかかっており、「商品手配、在庫配分の調整などに多くの労力を費やしている状況だ」と述べ、通常とは異なる業務に終始していると説明した。 このため、「ほとんど価格交渉が行われておらず、多くの場合見積書も提出していない」と現状を説明。通常通り9月に薬価調査を実施すると、妥結までに「極めてタイトな時間枠での交渉となることが予想される」と述べた。購入側の医療機関、薬局も新型コロナウイルス感染の影響を受け、「全く異なった状況となっており、果たして適切な価格交渉が行うことができるのか憂慮している」と訴えた。「購入側も卸側もこのような状況下で未妥結減算という事態だけはできるだけ避けたいと考えている。短期間の交渉のなかで未妥結減算をクリアするために単品総価や部分妥結が大幅に増えるのではないか」と述べ、価格の正確性にも疑問を投げかけた。そのうえで、「今回の新型コロナウイルス感染症の影響で価格交渉の状況が通常とは大きく異なっていることから、薬価調査のための環境整備どころではない。医薬品卸としては、本年の薬価調査の実施は極めて難しい状況だと考えている」と述べた。 ◎診療側・有澤委員「通常時と同様のスケジュールは問題」と実施に難色 診療側の有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)は、製薬企業が医薬品の原薬調達に苦慮している実態に触れ、「安定供給、流通コストの上昇から流通価格に影響を与える可能性がある」と指摘。「通常時と同様のスケジュールは問題があると考えざるを得ない」と述べた。 ◎上出専門委員 医薬品の原薬高騰を指摘 企業努力も訴え 上出専門委員も原薬の調達に奔走している状況などを説明。「製薬各社は他の企業との連携、もしくは関係機関との連携を図りつつ新型コロナへのワクチンや治療薬に鋭意取り組んでいる。医薬品の原薬調達や製造等のサプライチェーンの状況を注視し、安定供給に取り組んでいる。生産工場においてはマスクやアルコール消毒などの衛生環境の整備、検温、従業員同士の適切な距離間隔確保の徹底など、感染拡大防止につとめながら操業を継続している。業界団体としても安定供給に支障を来たす事態を早期に把握し、会員企業が相互に協力できるスキームを策定し、代替薬リストを作るなどの取り組みをしているところだ」と述べた。そのうえで、原薬について、「海外から調達するケースも多く、各国のロックダウンの対応に伴って現地工場の閉鎖や輸送ルートの寸断、日本へ輸出するための航空便の運航停止など様々な事象が発生しており、これらに対し、チャーター便を確保するなど、各社が業界として原薬の確保、安定供給に努めている。原薬の調達コストが上昇するリスクも承知している」と述べ、製造原価に跳ね返る可能性を指摘した。 さらに「新型コロナの影響で原薬調達から製造、供給に至るまでの医薬品のサプライチェーンが平時とは大きく異なるなか、医薬品の安定供給を継続して図っていく必要がある。医療現場は非常に厳しい中医療の提供に努めている。流通も非常に厳しい環境のなか、安定供給を確保している。これらの状況を踏まえると、今回の薬価調査、薬価改定は実施するような状況ではないのではないか」と理解を求めた。

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【5月28日新着】政府・第2次補正予算案を決定 コロナと闘う医療機関・医療者を全面支援 長期化と「第2波」に備える

政府は5月27日、新型コロナウイルス感染症に伴う追加経済対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出総額は31兆9114億円。うち厚労省の追加額は4兆9733億円となった。ワクチン・治療薬の開発等に600億円、ワクチンの早期実用化の体制整備に1455億円を計上する。新型コロナと闘う医療機関への支援として3兆5000万円を確保する。2次補正とは別に重症・中等症患者を受入れる病院の診療報酬を3倍に引き上げたところだが、今回の補正予算では、秋以降の第2波を想定し、患者受入れのための「空床確保」について予算措置した。また、医療の最前線でコロナウイルスの感染リスクと背中合わせで闘った医療従事者への支援として、1人当たり上限20万円を給付する。このため310万人分、2921億円を予算計上した。このほか地域医療の確保として、一般の病院、診療所、保険薬局などに対し、診療継続に必要な感染拡大防止対策の費用を補助する。 2次補正予算案は、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波など事態の長期化を想定した。コロナ患者を受入れる重点医療機関や医療従事者、コロナの疑いの患者、コロナ以外の患者の感染リスク回避、さらには地域医療の継続を確保するための一般の医療機関への支援策を盛り込んだ。 この背景には、今年3月以降の感染拡大に伴い、医療機関や医療従事者から様々な課題が各地から報告され、必要な対応策を国に求める声があがったことによる。例えば、重点医療機関の場合、コロナ患者を受入れた病室に空床が生じ、病院の経営を直撃した。コロナ疑い患者を受入れた救急・周産期・小児医療機関で医療の提供に支障をきたす事例が散見され、院内感染防止対策が求められた。さらに地域の医療機関は、軽症の患者がコロナへの感染リスクを回避するために定期受診を控えたりもした。いずれも地域医療の根幹を揺るがすものばかりで、地域医療を継続する観点から必要な措置が国に求められていた。 ◎新型コロナ感染症緊急包括支援交付金(医療)1兆6279億円計上 「空床確保料」を補助 第2次補正予算案では、新型コロナ感染症緊急包括支援交付金として医療分1兆6279億円(全額国費)を計上した。うち新規事業分は1兆1788億円を確保する。具体的施策では、コロナ患者を受入れる重点医療機関(コロナ専門病院、専門病棟等)に対し、患者を受入れていない病床について「空床確保料」として補助する。これまでは、入院病床は診療報酬収入(3倍増)で賄えたが、空き病床の収入はゼロだった。今回の補正予算案により、コロナの入院患者は診療報酬収入で賄い、コロナ患者用に確保した病床のほかに、休止病床も「空床確保料」として収入を得ることができる。 重点医療機関についてはまた、超音波画像診断装置や血液浄化装置、気管支ファイバー、撮影装置、生体情報モニターなど、高度医療向け設備の整備も支援する。 ◎コロナと闘った医療従事者 1人上限20万円を給付 310万人分の予算確保へ 新型コロナとの感染リスクと最前線で闘っている医師や看護師などの医療従事者に対しては、「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」を1人当たり上限20万円で給付する。予算規模は2921億円、310万人の医療従事者を想定する。給付額は、都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務し、「実際にコロナ患者に診療などを行った医療機関」である場合は「20万円」(79万人想定)を給付。当該医療機関に勤務しながらも、「実際にコロナ患者の診療がなかった」場合は「10万円」(35万人想定)を給付。「その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し、患者と接する医療従事者や職員」は「5万円」(196万人想定)を給付するとした。なお給付対象は一定期間の勤務経験があること。所得税などの税金は非課税扱いとする。 ◎救急・周産期・小児医療機関の院内感染防止対策で費用補助 コロナ疑い患者については救急医療機関への収容に時間を要する事例があった。また救急、周産期、小児医療機関に疑い患者が受診した場合、外来診療や必要に応じて入院診療を行うことができるよう、受入れのための院内感染防止対策が求められていた。このため補正予算案では、これら機能を有する医療機関の医療提供を継続するため、院内感染防止対策を講じるための費用を補助することとした。具体的には、99床以下は実費2000万円、100床以上3000万円、100床ごとに1000万円を追加する。 ◎地域の病院、診療所、保険薬局 必要な診療を継続するための支援 重点医療機関以外の一般の病院、診療所、保険薬局、訪問看護ステーション、助産所についても、それぞれの役割や機能に応じた医療を地域に提供するため、感染拡大防止対策などに要する費用についても補助することにした。院内の消毒や、待合室の分離、動線の確保やレイアウトの変更、電話等情報通信機器を用いた診療体制の確保などの費用を予算計上するもの。補助額は、病院の場合、200万円に1病床あたり5万円を乗じた実費を上限に補助する。同様に有床診療所は200万円、無床診療所は100万円、薬局、訪問看護ステーション、助産所は70万円をそれぞれ上限に必要な費用を設定するとした。 ◎6月の資金繰り対策「診療報酬の概算払い」認める このほか医療機関の資金繰り対策も盛り込んでいる。6月の資金繰り対策として「診療報酬の概算払い」を認めるもの。福祉医療機構の優遇融資を拡充する。このための貸付原資として1.27兆円を財政融資から賄う。

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【5月28日新着】アステラス製薬 特定警戒地域対象の出社禁止措置解除 在宅勤務は引き続き推奨

アステラス製薬は5月27日、新型コロナウイルス感染拡大防止のために続けていた出社禁止措置を解除した。これにより、特定警戒都道府県となっていた5都道県の事業所に勤務するMRも、外出勤務が一部可能となった。ただ、出社する際には、時差出勤などの感染防止対策をとるよう呼びかけているほか、在宅勤務については引き続き推奨する考えを示している。 可能となったMR活動は、▽GVP(市販直後調査、添付文書改訂)など、各種法令に伴う対応を実施する場合や、▽有害事象などへの対応、▽医療機関からの訪問要請があった場合、▽適正使用情報の提供、▽講演会などの開催中止や延期を申し入れる場合-の5つ。すでに42府県では可能としていたが、5都道県についても今回、同様の対応が実施できると指示された。 ただ本社がある日本橋地区に出社する際には、時差通勤のほか、部署単位の交代勤務やローテーション勤務をとるよう呼びかけている。これにより、緊急事態宣言解除から1ヵ月間については出社者数を30%以内にしたい考えだ。 このほか、▽人と人の間隔を可能な限り2メートル以上に保ち、座席なども対面を避けて対角に配置すること、▽会議についても、インターネット電話やテレビ会議を優先し、対面で実施する場合には、同席者を収容人数の半数以下とし、30分に1回は換気を行うこと-などの感染防止対策をとるよう呼びかけている。 新型コロナウイルスをめぐり同社では2月26日から、全MRに対して可能な限り在宅勤務を行うよう指示。4月16日に緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大することが示された際には、会社からの指示を受けた社員以外の出社・外出を禁止し、原則在宅勤務とするよう呼びかけたほか、各種法令に伴う対応など一部のMR活動についても、手紙・電子メールなどの代替手段で対応するよう求めていた。その後は、緊急事態宣言の解除に伴い、地域の感染状況に応じて段階的に措置を緩和していた。

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【5月28日新着】報告品目・キット製品が薬価収載 初のヒューマログのBSも

新剤形、新規格などの報告品目・新キット製品が5月27日付で薬価収載された。この中には国内初の超速効型インスリンアナログ製剤ヒューマログ(一般名:インスリン リスプロ(遺伝子組換え))のバイオシミラー(BS)が含まれる。BSは3規格あり、それぞれの薬価はインスリン リスプロBS注カートHU「サノフィ」300単位1筒が586円、同BSソロスターHU「サノフィ」300単位1キットが1258円、BS注100単位/mL HU「サノフィ」100単位1mLバイアルが194円――となった。先発品は日本イーライリリーの製品、BSはサノフィの製品。 バイエル薬品の加齢黄斑変性治療薬アイリーアのキット製剤となるアイリーア硝子体内注射用キット40mg/mLも収載された。薬価は13万7292円で、既存の注射液と同額。ファイザーの乳がん治療薬イブランスの錠剤も収載された。錠剤の薬価はカプセル剤と同額だが、錠剤は食事の摂取状況にかかわらず服用できる特長がある。 ■主成分充填されたヌーカラ皮下注100mgシリンジ、ペンは即日発売 また、グラクソ・スミスクラインの難治性の気管支喘息に用いるヒト化抗インターロイキン-5(IL-5)モノクローナル抗体薬・ヌーカラに、あらかじめ主成分メポリズマブの液剤が充填されているヌーカラ皮下注100mgシリンジ、同ペンも収載され、即日発売した。従来の凍結乾燥製剤投与時における溶解、薬液の計量・採取の操作が不要となり、医療従事者の負担軽減が期待されるとしている。 持田製薬が承認を取得した月経困難症専用の低用量製剤・ディナゲスト錠0.5mgも収載された。持田は28日に発売する予定。この0.5mg製剤は、既承認の1mg製剤の効能・効果である▽子宮内膜症▽子宮腺筋症に伴う疼痛の改善――には使えない。 ■CSLのピリヴィジェン2.5g/25mL 無又は低ガンマグロブリン血症の効能追加承認 同日には、CSLベーリングの10%液状静注用人免疫グロブリン製剤・ピリヴィジェン2.5g/25mLが、「無又は低ガンマグロブリン血症」の効能追加の承認を取得した。 同剤は、従来の5g/50mL、 10g/100mL、 20g/200mL――の各製剤が、「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の筋力低下の改善」と「CIDPの運動機能低下の進行抑制」、「無又は低ガンマグロブリン血症」を効能・効果にすでに承認を取得。2.5g/25mL 製剤については4月3日、CIDPの適応で新規格として追加承認されていたが、「無又は低ガンマグロブリン血症」については承認を取得していなかった。今回承認を取得したことで、同社は「より柔軟な治療選択が可能になる」としている。

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【5月28日新着】中医協総会 ADHD治療薬ビバンセ 長期処方解禁後の投与日数上限「30日分」で了承

中医協総会は、ADHD治療薬のビバンセカプセル(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)について長期処方解禁後の投与日数上限を30日分とすることを了承した。同剤は、2019年5月に薬価収載され、6月1日に長期処方が解禁となる。同剤の有効成分は向精神薬ではないが、覚醒剤原料であり、薬物依存のリスクがあることが指摘されている。そのため、ADHDの適応を有する向精神薬・コンサータ錠(メチルフェニデート)の投与日数上限が30日であることを踏まえて対応が決められた。 覚醒剤については現行ルールでは処方日数の上限が薬機法上に明確に定められていない。診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「麻薬や向精神薬と同様に、覚醒剤についてもルールとして明確化することを検討すべきだ」と指摘し、厚労省側も検討する姿勢を示した。

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【5月28日新着】中医協総会 費用対効果評価・制度化第1号のテリルジー 企業分析の提出に遅れ 

厚生労働省は5月27日、中医協総会に費用対効果評価の対象となったCOPD治療薬・テリルジー(グラクソ・スミスクライン)の企業分析の提出が2か月遅れたと報告した。同剤は19年5月15日に、費用対効果評価が制度化されて以降、対象品目第1号として選定された。企業分析の期限は2月15日だったが、4月15日にずれ込んだ。 企業側は、費用対効果評価専門組織で決定した分析の枠組みが臨床試験や薬事審査の枠組みと大きく異なっていたため、枠組み決定前に開始していた企業分析が活用できなかったと説明。決定された枠組みに則った分析を行うために、新たなデータ解析や確認に多くの時間を要したとしている。費用対効果評価専門組織は、「制度化以降初めての選定品目であり、企業と国立保健医療科学院の間で進め方や情報共有に不十分なところがあった」として、企業説明に一定の妥当性を認めた。 ◎支払側・吉森委員 分析前協議の厳格化求める 費用対効果評価に選定された品目は、分析の枠組み決定前に、厚労省、国立保健医療科学院と企業との間で「分析前協議」を行い、枠組みを詰めることとなっている。その後に企業分析、公的分析と進み、最終的に薬価調整に反映される仕組みだ。この日の中医協では、支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)が、「分析前協議の厳格化をしっかりやってほしい」と要望。「制度創設時に、再発を防止する意味も含めて民間企業も含めたHTA分野の人材育成が急務だ。新たな教育プログラムの設置、費用対効果評価制度を真に有益な仕組みとして定着させるために、スキル向上がマストだと思うので早急に具現化していただきたい」と述べた。

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【5月28日新着】UAゼンセン 「治療薬・ワクチン開発に支援を」安倍首相に要請

国内最大の産業別労働組合UAゼンセンは5月27日、安倍晋三首相と加藤勝信厚労相に対し、新型コロナウイルスへの感染を防止しながら経済活動を行う「新しい生活様式」が始まるなか、労働者が安全に働き、生活を維持していくことができるよう要請した。そのためには治療薬やワクチンの開発が必要だとして、開発・生産にかかる資金や設備投資に対する支援を求めている。 要請は、①「新しい生活様式」に対応する労働者の安全確保と働き方の支援 、②雇用の維持、事業の継続と倒産防止対策の強化、③医療提供体制の強化および治療薬、ワクチン開発の推進―の3本柱からなる。 治療薬やワクチン開発の推進については、「あらゆる支援を強化し、国内ワクチン開発および原薬等の生産に向けた資金、設備投資に対するさらなる追加の支援を行うこと」とした。また医療提供体制については、院内感染を防止するため、医療従事者への感染検査、発熱外来の整備、病院受診時の患者の感染リスク確認等の措置を促進し、支援を行うほか、オンライン診療推進のための設備投資に向けた支援を行うよう求めた。 このほか「新しい生活様式」に対応した働き方を目指すため、▽PCR検査や抗原検査、抗体検査を国民の生活や経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業を中心に優先順位を決めて、必要とする労働者が全員検査を受けられるよう体制を整えること、▽労働者やその家族が感染や、その看護のため仕事を休む場合に、2 週間の病気有給休暇を創設すること-などを要請。雇用調整助成金のスピーディーな給付や助成対象の拡大などにより、雇用の維持、事業の継続と倒産防止対策の強化を行うことも合わせて求めた。 UAゼンセンは、繊維や化学、食品、流通など国民生活に関連する産業の労働者が結集して組織した産業別労働組合。製薬業界でも約40組合が加盟している。

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【5月28日新着】帝人 骨粗鬆症治療薬アバロパラチドを国内申請 新規のPTH製剤

帝人ファーマは5月27日、「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を予定適応とするアバロパラチド酢酸塩(一般名、開発コード:ITM-058)について、日本で同日に承認申請したと発表した。新規の副甲状腺ホルモン(PTH)製剤で、骨形成を促進するタイプの薬剤となる。 今回の申請に用いたプラセボ対照、二重盲検無作為化群間比較によるフェーズ3試験では、アバロパラチドとして80μgを1日1回78週間皮下投与したデザインになっている。承認された場合の用法・用量が78週(約1年半)までの投与となるのか気になるところだが、同社広報部は本誌に、「非公表」と回答した。競合するPTH製剤のフォルテオは1日1回投与で、最大24か月まで使用可となっており、アバロパラチドの承認時の投与可能期間にも注目が集まりそうだ。 アバロパラチドは、細かく分類すると副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の誘導体で、Gタンパク質が結合した副甲状腺ホルモン1型受容体を選択的に刺激することで骨形成を促進する。同社は、「短期間で骨密度増加と骨折抑制効果が期待できる」とし、高カルシウム血症のリスク低減も期待できるとしている。同社は骨・関節領域に強みを持ち、ワンアルファやボナロンなどの骨粗鬆治療薬や超音波骨折治療器セーフスなどのソリューションを提供している。

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【5月27日新着】アビガンの観察研究で中間報告 新型コロナの入院患者軽症・中等症で7割、重症で4割が改善

藤田医科大学は5月26日、アビガン(一般名:ファビピラビル)を新型コロナウイルス感染症患者に投与する観察研究の中間報告(5月15日時点)を公表した。入院中の新型コロナウイルス感染症患者に対してアビガンを適応外使用した2158例を解析したところ、投与開始7日後に軽症や中等症で7割、重症では4割が改善。投与開始14日後には重症でも6割が改善した(関連記事)。安全性についても未知のシグナルは認められなかった。研究班は、「ファビピラビルなどの薬物療法がおこなわれていなかった症例は補足していないため、ファビピラビルが投与された場合と投与されなかった場合の直接比較を行うことはできない」と観察研究の限界を強調。軽症者では自然軽快する症例が多いことを指摘し、慎重に結果を解釈することを求めている。 ◎国内407施設 2158例が登録 観察研究には、患者は国内407施設から2158例が登録された。患者背景をみると、男性が67.1%(1447例)と多く、60歳以上が52.3%を占めていた。合併症は糖尿病が24.4%(521例)、心血管疾患が25.0%(533例)、慢性肺疾患が11.6%(248例)、免疫抑制状態が7.3%(156例)だった。これらの4疾患のいずれかを合併する患者は49.2%だった。また、吸入ステロイドのシクレソニドを投与されている患者は41.6%を占めた。新型コロナウイルス感染陽性確認から投与開始までの期間(中央値)は2日、入院から投与開始までの期間(中央値)は1日だった。投与期間(中央値)は11日。なお、中等症は、自発呼吸だが酸素投与を必要としている患者、重症は人工呼吸やECMOを必要とする患者としている。 ◎軽症例は多くが退院も重症では7日後に増悪が3割 年齢がリスク因子の可能性も 投与開始7日後、14日後の転帰を「改善」、「増悪」、「不変」に評価した。その結果、「改善」と判定されたのは、軽症(976人)では投与開始7日後に73.8%(574例)、14日後に67.8%(506例)だった。中等症では7日後に66.6%(498例)、14日後に84.5%(469例)だった。重症では7日後は40.1%(75例)だったが、14日後には60.3%(91例)だった。 一方で、「増悪」と判定されたのは、軽症で投与開始7日後に13.1%(102例)、14日後に5.9%(34例)、中等症では7日後に21.3%(159例)、14日後に8.8%(49例)だった。重症では7日後に28.3%(53例)、14日後に25.2%(38例)だった。入院から1か月後の転帰は、退院した症例が軽症で61.7%(512例)、中等症で42.7%(369例)、重症は14.7%(33例)だった。一方、死亡は軽症例で5.1%(42例)、中等症で12.7%(110例)、重症で31.7%(71例)だった。年齢群別に解析すると、年齢が上昇するにつれ初期症状の改善率が低下し、死亡率が上昇する傾向も示された。 ◎有意事象は高尿酸血症など 新型インフル用量で高用量投与で注意深い観察求める 有害事象の発生率は24.65%(532人/2158人)で、尿酸値上昇/高尿酸血症が15.52%(335例)、肝障害/肝機能障害が7.37%(159例)だった。 安全性については、新型インフルエンザ治療薬として開発された際の治験などと同様の傾向を示したが、研究班は、投与量(初日に1800mgを2回、2日目から800mgを1日2回)が新型インフルエンザの投与量(初日に1600mgを2回、2日目から600mgを1日2回)より高用量で、投与期間も長いことを指摘。「有害事象を注意深く観察することが薦められる」としている。 ◎観察研究であることの意義 本来、観察研究は臨床現場の診療や経過の成り行きをありのままに観察することで、有効性・安全性を検証する目的で実施される。これに対をなすのが、治験に代表される介入研究で、研究対象となる治験薬などの有効性・安全性を検証することが目的となる。介入研究のなかでも、プラセボ群を対照群に置いたランダム化比較試験(RCT)は、エビデンスレベルが高くなる。一方で、観察研究は、患者背景や併用薬など多くのバイアスを含むため、エビデンスレベルは低い。そのため、当然のことながら、承認に際しては介入研究、特にRCTを実施することがゴールドスタンダードだ。 ただ、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大が国家的な緊急事態となるような、緊急時は救命が第一となる。プロトコルの遵守が難しいなかで、観察研究の意義は大きい。ただ、研究結果を慎重に解釈する必要があることは論を待たない。今回の解析結果について言えば、対照群がなく、特にすでに有用性が報告されているシクレソニドが4割以上投与されている点も考慮する必要がある。現時点で科学的根拠を判断できないのは、観察研究を実施する目的からも明らかだ。 エビデンスに基づいた確固たる新薬を日本からいち早く発信するためにも、6月末にも終了が予定される治験結果の公表が待たれている。(望月英梨)

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【5月27日新着】WHO 抗マラリア薬・ヒドロキシクロロキンの臨床試験を一時中断

WHO(世界保健機関)は5月25日、抗マラリア薬・ヒドロキシクロロキンの新型コロナウイルス感染症の有用性を検証する臨床試験を一時中断すると発表した。ヒドロキシクロロキン、もしくはクロロキンの投与により死亡率が上昇し、心室頻拍がみられるとの論文が医学誌「The LANCET」に22日、掲載されたことを踏まえたもので、安全性が確認されるまで試験を中断する考え。 論文では、新型コロナウイルス感染症で入院する患者9万6032人を、治療群1万4888人、対照群8万1144人にわけ、治療効果を検証した。治療群は、クロロキン単独投与が1868例、ヒドロキシクロロキン単独投与が3016例、クロロキンとマクロライド系抗生物質の併用が3783例、ヒドロキシクロロキンとマクロライド系抗生物質の併用が6211例だった。 登録された患者のうち、11.1%(1万698例)が死亡した。複数の交絡因子を踏まえて解析した結果、死亡率は対照群の9.3%だったのに対し、ヒドロキシクロロキン単独群では18.0%(ハザード比:1.335、95%CI:1.223-1.457)、ヒドロキシクロロキンとマクロライド系抗生物質の併用群では23.8%(HR:1.447、1.368-1.469)、クロロキン単独群では16.4%(HR:1.365、1.218-1.531)、クロロキンとマクロライド系抗生物質の併用が22.2%(HR:1.368、1.273-1.469)で、いずれも有意な入院中の死亡率の上昇がみられた。 また、入院中の心室性不整脈が対照群の0.3%に対し、ヒドロキシクロロキン単独群では6.1%(HR:2.369、1.935-2.900)、ヒドロキシクロロキンとマクロライド系抗生物質の併用群では8.1%(HR:5.106、4.106-5.983)、クロロキン単独群では4.3%(HR:3.561、2.760-4.596)、クロロキンとマクロライド系抗生物質の併用が6.5%(HR:4.011、3.344-4.812)で、関連性が認められた。 研究グループは、「マクロライド系抗生物質の投与の有無によらず、ヒドロキシクロロキン/クロロキン投与のベネフィットは認められなかった」と結論づけている。 なお、ヒドロキシクロロキン(製品名:プラケニル)の製造販売元であるサノフィは4月28日以降、新型コロナウイルス感染症患者への投与により、心停止を含む重篤なQT延長に関連する事例があったとして医療関係者に注意喚起していた。国内でも、QT延長の誘発が知られる抗菌薬・アジスロマイシンと併用した症例で心室細動が報告されていた。同剤は、国内で「皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス」の適応で承認されており、添付文書でも、過量投与時の QT 間隔延長については添付文書上で注意喚起。必要に応じて ECG 測定等のモニタリングを実施することなどを求めていた。

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