MRのためのニュース・求人情報サイト

コロナ薬、価格30分の1で途上国へ メルクやファイザー

新型コロナウイルス治療薬の低所得国などへの供給が2022年に始まる。米メルクや米ファイザーが特許料を取らないことを決め、先進国向けの30分の1以下という低価格で後発薬をつくれるようになった。コロナの変異を阻止するためにも感染は世界全体で抑え込む必要がある。確実に低所得国に供給するには、治療薬の量産や供給体制の構築も課題となる。 メルクやファイザーの治療薬は飲み薬タイプで、重症化リスクを3~9割減ら...

続きを読む

【新着求人】外資系スペシャリティファーマでの案件です

アクセライズCSO事業部の新着求人です。 ■バイオ   福岡、大阪   ■スペシャリティ 大阪、神奈川、奈良 での募集です。 お問い合わせは以下まで。

続きを読む

厚労省 経口新型コロナ薬ラゲブリオ 院外処方時は患者に帰宅指示、対応薬局が配送

厚生労働省は、経口投与の軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症治療薬ラゲブリオを院外処方する場合、医療機関は患者に帰宅を指示し、原則として同剤の調剤に対応する地域の「対応薬局」が患者の居所に配送又は持参するよう、周知した。自治体に12月24日付で事務連絡した。対応薬局や、都道府県が選定した医療機関では、同剤の在庫の配置も認めた。ただ、「本剤の供給量に限りもある」として、「新型コロナウイルス感染症患者への提供に備えた過度な在庫や、必要以上の配分依頼は控えていただくよう配慮をお願いする」とも呼びかけた。 MSDの経口新型コロナ治療薬ラゲブリオカプセル200mg(一般名:モルヌピラビル)が24日付で特例承認された(関連記事)。これを受けて厚労省は、都道府県などに対し、同剤の医療機関及び対応薬局への配分方法などの詳細を事務連絡した。 ◎「安定的な供給が困難」 当面は厚労省が所有・配分 発注後原則1~2日で納品 事務連絡ではまず、安定的な供給が困難なことから一般流通は行わず、当面の間は厚労省が所有し、医療機関や対応薬局に配分・無償譲渡する方針を示した。 同剤を必要とする医療機関や対応薬局は、厚労省が供給を委託したMSDが開設する「ラゲブリオ登録センター」に登録した上で、同センターを通じて配分依頼するよう求めた。同センターは日曜祝日及び12月30日、1月1日、2日を除く各日15時時点の配分依頼を取りまとめ、医薬品卸から原則1~2日程度(日曜祝日及び12月30日、1月1日、2日を除く)で納品する。 ◎院内処方 集中して患者を受け入れる医療機関で在庫配置認める 同剤を患者に提供する流れとして、事務連絡では院内処方と院外処方の2パターンを示した。 院内処方(入院医療機関、随時の医療施設、往診、即時に診断・処方が可能な医療機関の外来)で直接患者に提供する際、「投与予定の患者がいる場合に同センターに発注することを基本とする」とした。ただ、集中して患者を受け入れ、ただちに同剤を投与する患者が発生した場合に確実に対応できるよう、都道府県が選定した医療機関では一定数の在庫配置を認めた。在庫の配分は原則として都道府県が作成するリストへの掲載に協力することが前提となる。 ◎院内・院外処方とも定期的フォローアップを 外来診療を行う医療機関で投与対象となり得る患者が発生した場合は、原則として、院外処方により対応薬局を通じて同剤を提供するよう求めた。院外処方では、感染対策の観点から、患者が薬局を直接訪問することを避けるようにするため、「医療機関は患者に帰宅を指示」するよう求めた。 その上で、医療機関は処方せんや適格性情報チェックリストなどを、「対応薬局リスト」をもとに患者が希望した対応薬局に、FAX等で送付。処方せんを受け取った対応薬局が、「患者の居所に本剤を配送又は持参することを原則とする」とした。 なお、医療機関は処方せんをFAX等する際、送付先の対応薬局に事前に電話確認することが「望ましい」とし、開局時間外の場合は「確実に電話等で一報すること」を求めた。「対応薬局リスト」はMSDの医療関係者向けサイト「MSD Connect」(https://www.msdconnect.jp/)に掲載するとしている。 院内処方、外来処方とも、処方した医療機関は定期的なフォローアップとともに、MSDが実施する市販後調査に協力するよう求めた。 ◎投与対象の患者像 61歳以上、活動性のがん患者、CKD患者など 事務連絡では、同剤の投与が想定される患者像も盛り込んだ。添付文書では、「SARS‐CoV‐2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者に投与すること。また、本剤の投与対象については最新のガイドラインも参考にすること」などと記載されている。 事務連絡では、日本感染症学会の「COVID-19に対する薬物治療の考え方 第11報」(21年12月24日)を引用する形で、同剤の投与が必要と考えられる患者として、▽61歳以上▽活動性のがん(免疫抑制又は高い死亡率を伴わないがんは除く)▽慢性腎臓病(CKD)▽慢性閉塞性肺疾患▽肥満(BMI30kg/m2以上)▽重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)▽糖尿病▽ダウン症▽脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)▽コントロール不良の HIV 感染症及び AIDS(免疫抑制された病態)▽肝硬変等の重度の肝臓疾患▽臓器移植、骨髄移植、幹細胞移植後――を列挙した。 また、承認審査における評価資料となった国際共同第2/3相試験(MOVe-OUT(002)試験)の組み入れ基準や、新型コロナに係る国内の主要な診療ガイドライン「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第6.0版」」(令和3年11月2日)、既承認の英国での臨床試験(PANORAMIC試験)の組み入れ基準で例示された重症化リスク因子――も投与患者に想定されると指摘。日本感染症学会の「薬物治療の考え方」での患者像のほかに、「喫煙」や「重度の精神疾患」なども含まれる。 事務連絡では、「これらのいずれかを有する者であって、医師が必要と判断した者については、本剤の投与対象になり得ると考えられるので、投与に当たって参考にしてほしい」としている。

続きを読む

22年度厚労省予算案 一般会計総額33兆5160億円 薬価は国費1553億円抑制 後発品の信頼確保1.4兆円

政府は12月24日、一般会計の総額107兆5964億円となる2022年度予算案を決定した。一般歳出に占める社会保障関係費の総額は前年度比4393億円増の36兆2735億円となった。一方、厚労省予算案は前年度比1.1%増の一般会計33兆5160億円。うち社会保障関係費は33兆1833億円で、医療は12兆1903億円(前年度比0.9%増)となる。薬価を1.35%、材料価格を0.02%引き下げる一方で、診療報酬は0.43%引き上げる。重点事項では、新型コロナウイルス感染症対策として、ワクチン・治療薬の研究開発の推進として、補正8817億円、当初15億円を計上した。後発品の供給不安への対応として、信頼確保のための体制・取組強化に1.4兆円を新規計上した。 厚労省予算案のうち、新型コロナワクチン・治療薬関係では、ワクチン開発・生産体制強化戦略に基づく研究開発の推進として4.4億円(一部新規)、アジア地域における臨床試験・治験ネットワークの充実および薬事規制調和の推進として8.4億円、臨床研究・治験ネットワークの充実として6.1億円を計上した。一方でコロナ以外を含む研究開発体制の強化では医薬品プロジェクトとして182億円を計上。新規モダリティ医薬品の開発に資する研究を推進する。このほか、再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクトの総額を49億円とし、iPS細胞や体性幹細胞等を用いた再生・細胞医療、遺伝子治療の実用化を目指す。 ◎薬価は国費1553億円抑制(▲1.35%)、材料価格は17億円(▲0.02%) 22年4月実施の薬価・診療報酬改定に伴う医療費国庫負担は11兆8076億円で前年度比469億円増となる。診療報酬本体の改定率はプラス0.43%。各科改定率は医科がプラス0.26%、歯科がプラス0.29%、調剤がプラス0.08%。一方でリフィル処方せんの導入(▲0.10%)と小児医療の加算措置の期限到来(▲0.10%)をあわせて0.20%の抑制が図られる。薬価は▲1.35%となり、国費ベースで1553億円抑制する。うち、不妊治療の保険適⽤(消費税増収分を活⽤)は+0.09%(国費+45億円)。材料価格は▲0.02%で、国費ベースで17億円抑制する。 看護職員の処遇改善については、10月以降の収入を3%程度(月額平均1万2000円相当)を引き上げるとし、そのための所要額として公費約144億円とした。一方で不妊治療の保険適用については、所要額(公費)を本体120億円(国分100億円)、薬価54億円(国分45億円)を計上した。 ◎後発品の信頼確保 製造所に対するGMP調査、承認申請資料の適合性調査を強化 医薬品関係では、後発品の信頼確保のための体制・取組強化を新規項目として1.4億円計上。後発品の品質等に対する信頼回復が急務となっていることから、医薬品医療機器総合機構の体制整備を行うことで、製造所に対するGMP調査、承認申請資料の適合性調査を強化する。さらに、MID-NETを活用した安全性確認を実施する。 このほか小児用医薬品の安全対策の推進として1.6億円を計上。小児医療情報収集システムの改修を行い、小児医薬品による副作用の発現状況等の情報の収集・解析・評価等を効率的に実施することにより、小児用医薬品の安全対策のさらなる向上を目指すとともに、小児医薬品の開発にも貢献する。

続きを読む

厚労省 7製品の効能追加など承認 子宮体がんへのレンビマとキイトルーダ併用療法も

厚生労働省は12月24日、7製品の効能追加などを承認した。がん化学療法後に増悪した子宮体がんに対する抗がん剤レンビマカプセルと免疫療法薬キイトルーダ点滴静注との併用療法や、免疫療法薬オプジーボの原発不明がんの効能追加、抗血小板薬エフィエントの虚血性脳血管障害後の再発抑制の効能追加などが含まれる。 効能追加などが承認された製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元。薬効分類順に記載) ▽レルミナ錠40mg(レルゴリクス、あすか製薬):「子宮内膜症に基づく疼痛の改善」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余期間(2027年1月7日まで)。薬効分類249。 GnRHアンタゴニスト。これまでは子宮筋腫に基づく過多月経、下腹痛、腰痛、貧血の改善で承認されていた。新効能の用法・用量は、既承認の効能の用法・用量と同じ。 ▽エフィエント錠2.5mg、同3.75mg(プラスグレル塩酸塩、第一三共):「虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制(脳梗塞発症リスクが高い場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。薬効分類3399。 新効能の用法・用量は「通常、成人にはプラスグレルとして3.75mgを1日1回経口投与する」。厚労省の薬食審医薬品部会での2回の審議を経て承認となった。審議の結果、投与対象は大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞を伴う虚血性脳血管障害後に限定し、脳梗塞発症リスクが高い場合に限った治療選択肢にすることになった。 ▽オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「原発不明がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類429。 抗PD-1抗体(免疫療法薬)。原発不明がんの80%が予後不良群。この予後不良群に対する治療は薬物療法が主体となるが、原発不明がんに対してこれまで国内外で承認された薬剤はなく、標準治療がいまだ確立されていない。 原発不明がんは、十分な検索にも関わらず原発巣が不明で、組織学的に転移巣と判明している悪性腫瘍と定義される。診断時に既に進行・転移している病態で、複数臓器に転移が認められる患者が全体の半数以上を占める。生存期間の中央値は6~9カ月、5年生存率は2~6%と極めて予後が悪い。 ▽キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD) ▽レンビマカプセル4mg、同10mg(レンバチニブメシル酸塩、エーザイ) :いずれも「がん化学療法後に増悪した切除不能な子宮体がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。いずれも希少疾病用医薬品。いずれも再審査期間は10年。いずれも薬効分類429。 キイトルーダは抗PD-1抗体(免疫療法薬)。レンビマはマルチキナーゼ阻害薬(分子標的薬)。子宮体がんに対して両剤の併用療法で用いる。 子宮体がんに対する薬物療法は化学療法や黄体ホルモン療法となっている。今回、併用療法が承認されたことで、子宮体がんに対して分子標的薬や免疫療法薬での治療アプローチが加わった。レンビマにとっては、国内でいよいよ免疫療法薬との併用が始まることになる。 子宮体がんの日本の罹患者数は、2020年に1万7000人以上が新たに罹患し、3000人以上が亡くなったと推定されている。子宮内膜がんは、子宮体がんにおけるもっとも発生頻度の高いがんで、9割以上を占める。生存率は診断時のステージによって大きく変わるが、転移性子宮内膜がんの5年生存率は17%と予後が悪い。 ▽ベージニオ錠50mg、同100mg、同150mg(アベマシクリブ、日本イーライリリー):「ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(2026年9月20日)。薬効分類429。 CDK4/6阻害薬。これまで切除不能な進行・再発乳がんを適応としていた。今回の術後薬物療法の効能追加により、切除後に治癒を目指す早期乳がん患者も治療対象となった。今回の追加適応の投与期間は24カ月までとなる。 ▽リツキサン点滴静注100mg、同500mg(リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):「難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類429。 抗CD20モノクローナル抗体製剤。天疱瘡は国の指定難病で、皮膚・粘膜に病変が見られる自己免疫性水疱性疾患。治療法はステロイド剤内服を中心とした免疫全般を抑制する治療法が中心だが、ステロイド治療に抵抗性を示し、従来の治療法では症状が治まらない症例が存在する。 今回の追加適応に対し、通常、成人には1回量1000mg/bodyを2週間間隔で2回点滴静注して用いる。

続きを読む

ニプロ、2024年にかけて医薬品生産能力を拡充へ  受託依頼増加で、供給難にも対応

 ニプロは医薬品の生産能力を拡充する。同社への受託製造の依頼が増加していることが主な理由だが、国内市場で医療用医薬品が深刻な供給難に陥っていることも踏まえ、新工場の建設や既存工場の設備増強を図る。現行...

続きを読む

キュア・アップ、心不全の治療用アプリ開発へ

医療IT(情報技術)スタートアップのCureApp(キュア・アップ、東京・中央)は慢性心不全を治療するスマートフォンアプリの開発を始めた。医師などが対面で実施してきた服薬や運動療法の指導をアプリで置き換える。同社は禁煙治療用のアプリで国内初の薬事承認を2020年に取得した。心不全向けでも数年以内の薬事承認取得を目指す。 在宅診療を手掛ける医療法人社団ゆみの(東京・豊島)と共同でアプリを開発する。運...

続きを読む

国がん 全がんの10年相対生存率は60.2% AYA世代のがん5年相対生存率、11種で80%超え

国立がん研究センターは12月24日、2009年にがんと診断された約29万例の10年相対生存率が60.2%だったと発表した。前回調査(08年診断例)は59.4%だったため、単純比較で0.8ポイント上昇したことになる。ただ、10年相対生存率は部位で差があり、膵臓、肝臓、胆のうの各がんや甲状腺未分化がん、小細胞肺がんの生存率は他のがんに比べて特に低いことが改めて確認された。また、国がんは今回、15歳未満の小児がん11種と、15歳以上40歳未満のいわゆるAYA世代のがん23種の5年生存率を初めて集計した。AYA世代では調査対象のうち11種で5年相対生存率が80%を超えたことがわかった。 文末の「関連ファイル」に、09年にがんと診断された患者のがん種及びステージ別の10年相対生存率と、13、14年にがんと診断された小児及びAYA世代の患者の5年相対生存率の資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルはこちら)。 生存率には相対生存率と実測生存率があり、相対生存率はがん以外の死因による死亡の影響を除外したもの。実測生存率は死因に関係なく全ての死亡を計算に含めた生存率となる。 今回発表した生存率は、国が指定するがん診療連携拠点病院等を含む院内がん登録実施施設から収集した情報を用いたもの。10年生存率は、09年診断例のうち、全がんにおける生存状況把握割合が90%以上の281施設約29万例を集計対象とした。国内で最大かつ最新の調査結果となる。5年生存率は13、14年の診断例のうち、全がんにおける生存状況把握割合が90%以上の437施設約87万例を集計対象とした。 ◎部位別・全病期の10年相対生存率 膵臓6.7%、甲状腺未分化7.2%、小細胞肺8.6% 部位別の全病期の10年相対生存率は、高い順から前立腺100%、甲状腺94.9%、乳(女)87.8%、子宮体83%、腎73.7%、子宮頸70.5%、咽頭69.3%、結腸68.5%、大腸67.5%、胃66.8%、直腸65.7%、膀胱62.4%、全がん60.2%、腎盂尿管44.6%、非小細胞肺35%、食道34.2%、胆のう25.2%、肝細胞22.8%、肝内胆管10.4%、小細胞肺8.6%、甲状腺未分化7.2%、膵臓6.7%――だった。 このうち予後不良の代表格の膵臓がんは早期発見の難しさが知られており、集計対象例を見ても、I期は554例だが、IV期は4312例と約8倍となっていた。10年相対生存率が膵臓がんに次いで低い甲状腺未分化がんはIV期の患者のみ登録。小細胞肺がんもI期は261例だが、III期1190例、IV期1678例と早期発見の難しさが垣間見える。 ◎がんや病期によって5年目以降のフォローアップも重要 今回、発見時のステージが進んでいても、5年以降の相対生存率がほぼ横ばいまたは緩やかな低下傾向を示すがんと、5年以降も相対生存率が低下傾向を示すがんがあることも確認された。 例えば大腸がんでは、III期の5年相対生存率は76.4%、10年相対生存率は70.1%――、IV期は同18.8%、12.7%――と5年以降、生存率は緩やかな減少傾向をみせた。一方で、女性の乳がんでは、III期は同80.6%、68.6%、IV期は同38.7%、19.4%――で、大腸がんと比べると、5年目以降の生存率の低下角度が大きい。 国がん・院内がん登録分析室の奥山絢子室長は会見で、「これまで多くのがんで診断から5年を治癒の目安として用いていた」とした上で、「今回、がんや病期によっては5年を過ぎてからも命を脅かす危険があることが再確認できた」と述べ、がんや病期によっては5年以降のフォローアップも重要との見方を示した。 ◎小児、AYA世代とも5年相対生存率は比較的高く 13、14年の登録データをもとにした全がんの5年相対生存率は67.5%で、前回調査の67.3%とほぼ横ばいだった。 今回初めて集計した、国際がん分類に基づく15歳未満の小児の5年相対生存率は、白血病88.0%、リンパ腫90.7%、脳腫瘍74.6%、神経芽腫78.6%、網膜芽腫95.4%、腎腫瘍93.8%、肝腫瘍87.1%、骨腫瘍70.5%、軟部腫瘍79.3%、胚細胞腫瘍96.6%、その他のがん91.0%――で、相対生存率は比較的高いことがわかった。 15歳~40歳未満のAYA世代の5年相対生存率も、同生存率が70%以上だったがんは、甲状腺99.2%、胚細胞性他95.0%、腎93.5%、リンパ腫90.1%、乳90.0%、子宮頸部・子宮89%、黒色腫・皮膚87.8%、その他の癌新生物84.5%、脳・脊髄腫瘍84.3%、癌腫(上皮性の悪性腫瘍)83.4%、頭頸部のその他のがん82.5%、性腺79.0%、白血病75.0%、大腸4.8%、軟部肉腫73.9%、膀胱73.4%、骨・軟骨腫瘍70.5%――の17種あり、分析対象の23種の74%を占めた。 ◎国立成育医療研究センターの松本公一氏 小児がん領域のドラッグ・ラグの解消を 小児、AYA世代とも5年相対生存率が比較的高い理由について、国立成育医療研究センター・小児がんセンターの松本公一センター長は、「小児がんは薬が非常に効きやすい。抗がん剤、放射線療法が効きやすいがんが多いことに起因していると思う」との見方を示した。 ただ、「小児がん、AYA世代のがんを診療する医療従事者は、合併症なく100%治すことを目指している」と強調し、「10年、20年、30年と長期フォローアップが非常に大事になる。(データとして)5年生存率では非常に短い」とも話した。 また、松本センター長は、小児・AYA世代のがん医療の課題のひとつにドラッグ・ラグの存在を挙げた。21年9月に発売した大量化学療法後の神経芽腫に用いるユニツキシン点滴静注を例に、「ユニツキシンがようやく使えるようになったが、この薬は5~6年前には米国で使用できていた。しかも海外では次の世代の治療薬も出ているのに、日本では使えない」と指摘した。「小児がんの市場がものすごく小さい」ことが製薬企業の創薬意欲に影響している可能性に触れつつ、国策として小児向け新薬を開発するようにすべきと訴えた。 ◎「サバイバー生存率」 長期生存するほど上昇 国がんは今回、13、14年登録データをもとに、新たな生存率の指標として「サバイバー生存率」を示した。サバイバー生存率は、診断から年数が経過して生存しているサバイバーの、その後の生存率を示すもの。例えば、3年サバイバーの次の1年生存率は、診断後3年経過した患者の、その後の1年(診断後4年)まで生存する確率を示す。 例えば非小細胞肺がん(NSCLC)では、診断から1年の生存率は73.7%だが、1年サバイバーの次の1年生存率(診断後2年)は83.4%、2年サバイバーの次の1年生存率は89.1%、3年サバイバーの次の1年生存率は92.5%、4年サバイバーの次の1年生存率は94.1%――だった。 胃がんも、診断から1年の生存率は85.5%だが、1年サバイバーの次の1年生存率は92.2%、2年サバイバーの次の1年生存率は95.8%――で、長期生存するほどサバイバー生存率は高くなっていた。 ほかのがん種も同様の傾向だが、特に膵臓がんや肝内胆管がんなど一般に予後不良ながんで、長期生存するほどサバイバー生存率もより上昇していた。膵臓がんでは診断から1年の生存率は44.2%だが、1年サバイバーの次の1年生存率は57.0%、2年サバイバーの次の1年生存率は70.7%、3年サバイバーの次の1年生存率は81.2%、4年サバイバーの次の1年生存率は86.3%――だった。 国がん・院内がん登録分析室の奥山室長は、「難しいがんの方がサバイバー生存率は上昇する傾向にある」と述べた。その理由については、十分に分析できていないとした上で、「診断された時点で難しい治療を乗り越えた方は、その後に長期生存する可能性が高まっていくということかと思う」との考えを示した。奥山室長は、「少しでも患者さんに希望を持ってもらえれば」とも述べ、今後もサバイバー生存率の最新情報を提供することに意欲を見せた。 ◎「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」で10年生存率も検索可能に 国がんは24日から、フリー公開している既存の「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」で、10年生存率の結果も検索できるようにする。がんの種類、性別、病期、年齢、手術の有無といった条件検索もできる。 国がん・がん対策研究所の若尾文彦事業統括は、社会には“がんは不治の病”とのイメージがあるとした上で、「(最新データでは)10年相対生存率は60.2%、5年相対生存率は67.5%であり、一般の方のイメージとギャップがあると思う。がんは不治の病とのイメージの払しょくにつながればと考えている」とコメントした。 また、今回公表した10年生存率は12年前、5年生存率は7~8年前に登録された情報が元になっていることから、「(近年の)様々な新しい医療の恩恵を受けていないデータであり、いま、治療に向き合っている患者さんにそのまま当てはまるものではない」とも指摘した。

続きを読む

ラインファーマ 経口人工妊娠中絶薬を承認申請 母体保護法指定医のもと使用

英国ラインファーマは12月22日、経口投与の人工妊娠中絶薬(一般名:ミフェプリストン及びミソプロストール)を日本で承認申請したと発表した。承認された場合、国内初の経口中絶薬となる。用法は、まずミフェプリストンを経口投与し、その36~48時間後に2剤目としてミソプロストールをバッカル投与(歯と歯茎の間に挟み、口腔粘膜から吸収させる方法)で用いる。同社日本法人は、2剤は母体保護法指定医師のもと、保険適用外で使用することになるとしている。 ミフェプリストン(開発コード:LPI001)はプロゲステロン受容体拮抗薬で、妊娠継続に必要な黄体ホルモンの働きを抑える。ミソプロストール(LPI002)はプロスタグランジンE1誘導体で、子宮収縮作用がある。ミフェプリストンは新有効成分含有医薬品。ミソプロストールはファイザーから抗NSAID潰瘍剤サイトテック錠として販売されている成分で、ラインファーマは今回、新投与経路医薬品として申請した。 ◎2剤目投与後24時間以内の中絶率は93.3% ラインファーマによると、今回の申請は、妊娠63日(9週0日)以下の18歳から45歳の女性120例を対象にした国内第3相臨床試験結果に基づく。120例のうち116例で試験が完了し、中止例は4例だった。 主要評価項目のミフェプリストン200mg投与からミソプロストール800μgの逐次併用投与後24時間以内の薬剤による人工妊娠中絶率は93.3%で、有効性が確認された。副次評価項目のミソプロストール投与後4時間までの人工妊娠中絶率は63.3%、同8時間まででは90.0%だった。 ◎有害事象発現率は59.2% 下腹部痛、嘔吐が多く 有害事象の発現率は59.2%で、「ほとんどの事象が軽度又は中等度」だったという。重度の有害事象は2.5%、重篤な有害事象は3.3%。投与中によく見られた有害事象は下腹部痛(30.0%)と嘔吐(20.8%)だったとしている。 同社は、「妊娠初期において人工妊娠中絶を希望する方のニーズや状況に合わせた新たな選択肢として人工妊娠中絶薬を提供できるよう、弊社は当局との協議を重ねながら承認取得に向けて取り組んでいく」とコメントしている。 ◎自社販売で展開へ 女性を積極採用 同社は本誌取材に、承認取得後の販売体制について、「自社販売を考えている」と答えた。MR数は検討中だとし、「全ての職種において女性を積極的に採用したいと考えている。ベストのマーケティング及び営業体制を検討中」だとしている。

続きを読む

米ゾジェニックス ドラベ症候群に伴うてんかん発作治療薬フェンフルラミン、日本で承認申請

希少疾患治療薬の開発・商業化を行う米国ゾジェニックス社は12月22日、ドラベ症候群に伴うてんかん発作の治療薬フェンフルラミン(一般名、開発コード:ZX008)について、日本で承認申請したと発表した。同剤は、今回申請した適応症で、厚労省から希少疾病用医薬品に指定されている。 ドラベ症候群は、生涯継続する重度の希少てんかんの一種。一般的には乳幼児期に発症し、頻発する治療抵抗性の発作、頻回の入院や救急医療の必要性、重大な発達障害、運動障害、行動障害、てんかんにおける予期せぬ突然死のリスク上昇という特徴がある。ほとんどの患者は認知障害、運動障害、行動障害を伴う発達遅滞の経過をたどり、成人期まで持続する。国内推定患者数は約3000人。 今回の申請は、既存の抗てんかん薬では発作が十分にコントロールできないドラベ症候群の小児および若年成人患者143人を対象とした、日本を含む国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相臨床試験の結果に基づく。同試験では、フェンフルラミン0.7mg/kg/日群はプラセボ群と比較して、けいれん発作頻度が月平均で64.8%の減少(p<0.0001)が認められ、主要評価項目を達成した。安全性については、忍容性は「概ね良好」で、既知の安全性プロファイルと同様だったとしている。 ゾジェニックスのステファンJ・ファー社長兼CEOは、「ドラベ症候群の治療環境は、実質的に効果のある治療ニーズが世界的に依然として満たされていない状況で、日本も例外ではない」との認識を示した。そして、「患者さんは難治性の発作が続き、彼らの生活の質に著しい負担と悪影響をもたらしている」とし、「私たちは、この希少かつ乳幼児期に発症する難治性の高いてんかんを抱える日本の患者さんに本剤を有望な治療選択肢として推進し、使用できるように尽力していく」とコメントしている。 ◎承認取得後 日本新薬が商業化 同社は2019年3月に、日本新薬との間で、ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群を対象疾患に日本国内の独占的販売契約を締結している。同剤の承認取得後は、日本新薬が日本で商業化する。 フェンフルラミンはセロトニン作動薬として5-HT1D、5-HT2A、5-HT2C受容体に対するアゴニスト活性を示すセロトニンを強力に放出し、また、Sigma1受容体のポジティブモジュレーターとして作用し発作を抑制する二重活性を有する。ドラベ症候群に伴う発作の治療薬として米国、欧州で承認されている。

続きを読む

サイト内検索