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沢井製薬・澤井会長 物価高騰に伴う安定供給への対応「品目によらず最低薬価引上げも一つの手法では」

沢井製薬の澤井光郎代表取締役会長は本誌取材に応じ、物価・エネルギー価格の高騰が続くなかでジェネリックの安定供給を維持するためには、「品目によらず、最低薬価を引き上げるというのも一つの手法ではないか」との見解を表明した。ジェネリックでは、日本薬局方収載品の最低薬価である10.10円(10円10銭)を下回る品目が約6割を占める。毎年薬価改定の導入や物価高騰など激変するビジネス環境が各社の収益構造を直撃する中で、「ジェネリックは国民の健康を支えるインフラになってきているが、果たして事業継続が本当にできるのか。大きな岐路に差しかかっている」と危機感を露わにした。「低薬価品を継続して、生産、供給していけるような制度にもっていくか。早急に提案していかないと、3年後には大変な状況を迎えている」と述べ、日本ジェネリック製薬協会としても理解を求める姿勢を強調した。 ◎「安定供給は私にとっても最大の課題だ」 経済情勢などビジネス環境に「不安感増す」 「どうしたら安定的に、ジェネリックが供給し続けられるのか、毎日こればかり考えている。安定供給は私にとっても最大の課題だ」-。澤井会長は、足元に迫る危機感を本誌にこう吐露した。続けて澤井会長は、安定供給の危機をまさに目前に差し迫った「医薬品危機だ」と語る。毎年薬価改定の導入に加え、世界経済情勢の急変に伴う物価やエネルギー価格の高騰など、ビジネス環境が日々刻々と変化しているためだ。さらに、業界最大手の日医工が事業再生ADRを申請するなど、ジェネリック業界内のビジネス環境も不安定感を増している。 ジェネリックの数量シェアは薬価調査によると約79.0%(21年9月時点)まで伸長した。ただ、医薬品全体の数量ベースでも50.3%まで伸びたが、金額ベースでは16.8%にとどまる。これに対し、長期収載品は数量ベースで14.3%、金額ベースで16.5%を占め、ジェネリックと長期収載品の価格差は約3.5倍にまで広がっている。ジェネリックでは局方最低薬価である10.10円以下の品目は61.1%、5.90円以下の品目も28.9%を占める。 低薬価品目が増加するなかで、ジェネリックビジネスをめぐる大きな環境変化が、毎年薬価改定導入による加速度的な薬価引下げだ。 ◎6か月間在庫を持つと「利益出ない」、3か月間程度だと「供給不足」 大きな岐路に 澤井会長は、「これまで2年に1度の改定だったので、原価が下がった部分で何とか利益を計上し、次の設備投資や開発品に投資ができた」と明かしてくれた。半年分程度の製品在庫を有することから、薬価改定後に利益が出るまで半年程度の時間を要するとしたうえで、「毎年改定が導入され、ようやく原価の下がった製品が作れたと10月に思っていたら、半年後にまた薬価が下がる。これまで通り6か月間在庫を持っていると、利益が出てこなくなる。企業として何をして対抗するか、となると在庫を減らす」と澤井会長は強調する。 例えば、在庫を3か月間程度に減らすなどして対応すると、「市場で変化があると、供給不足が生じてしまう。これまで以上に自転車操業のような状態だ」とも語る。「ジェネリックビジネスが国民の健康を支えるインフラになってきているが、果たして事業継続が本当にできるのか。大きな岐路に差しかかっている。どうしたら安定的に、ジェネリックが供給し続けられるのか、毎日こればかり考えている。安定供給は私にとっても最大の課題だ」と話した。 ◎約300成分中、約50成分で利益の8割占める 一方で約70成分は赤字 薬価引下げ圧力が強まるなかで、赤字品目も増加していると澤井会長は言う。沢井製薬では約300成分のうちの約50成分が利益の約8割を占める。一方で、約70成分は赤字だ。赤字品目は2015年度時点で約120品目(全品目は約660品目)だったが、21年度には約220品目まで膨らんだ。注射剤や抗生物質、全規格対応で非汎用医薬品などが多く含まれているという。 「一部品目の利益で不採算品をカバーしてきた。しかし、薬価改定があり、原薬価格が上がり、22年はおそらく赤字品目がもっと増える」と説明。「企業に任せていたら、製造中止、販売中止となってしまう。各社とも殆ど同じ品目が赤字のため一斉にやめる。一番迷惑を被るのは患者さんだ。やはりこの時勢で、5.90円、10.10円では厳しい」と吐露する場面も。「このあたりの実状を、日本ジェネリック製薬協会を通じて、きちんと伝えていかないといけないのではないか。低薬価品を継続して、生産、供給していけるような制度にもっていくか。早急に提案していかないと、3年後には大変な状況を迎えている」と危機感を露わにした。 ◎価格を武器とした市場競争も「いまは違う。競争はしたくないし、競争はない」 企業としても、増産体制の整備を進めるほか、原薬の価格交渉を行ってきたが、「限界がある」との考えを示す。日本の薬価制度は市場実勢価格主義だ。価格を武器とした市場競争も指摘されるところだが、「いまは違う。競争はしたくないし、競争はない。赤字品目は、薬価で売ってほしいという仕切価を設定している。しかし、単品総価交渉のなかで、赤字品目も値引きがされてしまっている」と述べ、品目数も多く単価も安いことから単品単価交渉の難しさがあることも指摘した。 ジェネリックの品目数の多さが与える影響も指摘されるところだが、「承認の時点で共同開発を簡単に認めない方向へもっていく必要がある。責任を持って供給し続ける体制を作るのであれば何らかの汗をかいて承認をとる方向にもっていかないといけない」との見方を示した。ただ、「この3年間のなかでは、解決できない。他の業界との時間軸とはだいぶ違う話だ」との見解も示し、早急な対応の必要性も指摘した。

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富士製薬 バクスターとの間で「ドキシル注20mg」の国内独占的販売契約に合意 販売移管は12月1日

富士製薬は7月11日、バクスターとの間で抗悪性腫瘍剤「ドキシル注20mg」の国内における独占的な販売契約に合意したと発表した。同剤は、ヤンセンファーマが2007年に製造販売承認を取得、販売を開始した。18年1月からは持田製薬が販売を行っていた。この度、製造販売承認がヤンセンからバクスターに承継され、販売は持田製薬から富士製薬に移管されることになった。同剤の製造販売承認の承継および販売移管は12月1日を予定している。 同剤は、「がん化学療法後に増悪した卵巣がん、エイズ関連カポジ肉腫」を効能・効果とするアントラサイクリン系抗腫瘍性抗生物質。ドキソルビシン塩酸塩をPEG化リポソームに封入し、目的とした腫瘍組織で有効成分を放出するように設計されたドラッグデリバリーシステム(DDS)を活用した製剤。卵巣がん治療薬として、世界75か国で承認・販売されている。 富士製薬は「2030 年ビジョン」で、2029年9月期末に到達したい「ありたい姿」の 1 つとして「世界の女性のwell-beingの向上に貢献」を掲げており、女性医療領域におけるNo.1 を目指している。今回の販売移管で「貢献の幅を広げていきたい」としている。

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ゲノム医療×AIスタートアップ・テンクー 総額7億円を資金調達 Chrovis機能・サービス拡張と開発加速

ゲノム医療×AIスタートアップのテンクー(Xcoo)は7月11日、総額7億円の資金調達を実施すると発表した。がんゲノム医療関連市場の成長を踏まえ、拡大する医療現場のニーズに合わせたChrovisの機能・サービス拡張と開発とをさらに加速する方針。今回の資金調達については、その体制を実現するための人材拡充を中心に投資を行うことにしている。 同社は、ゲノム医療解析・バイオインフォマティクスに特化した東京大学発ベンチャー。ゲノムおよび生体情報解析のトータルソリューションChrovisの開発と運用や並列分散コンピューティングによる高速データ処理を行うシステムの開発、最先端のアルゴリズムに基づくデータ分析/可視化を行うシステムの開発などを事業内容に据えている。 包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査の保険適用から3年が経過し、保険診療下での検査症例数が年間1万件を超えるなど、がんゲノム医療関連市場は堅調に成長を続けており、同社としては、Chrovisの機能・サービス拡張と開発とをさらに加速するとみている。 資金調達は、未来創生3号ファンド(運営者:スパークス・グループ)をリード投資家とし、他1社を含めた2社を引受先として総額7億円を調達するもの。スパークス・グループの櫻庭茂樹グループ執行役員は、「テンクー社のChrovisは、情報収集・臨床的アノテーションから患者へのレポート作成まで一気通貫にサービスを提供し、医師の業務を格段に効率化させ、今後がんゲノム医療には欠かせないツールになると思う。投資家として、革新的なサービスを日本だけではなく、グローバルに展開することを後押しできることは大変うれしい」と強調した。

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三菱総研 リモートワーク「目安は会社、個人の裁量で」が魅力的な働き方  5割が給与1割ダウン許容も

ポストコロナのリモートワークについて、「目安は会社が決め、個人の裁量で決定する」との回答が製薬やヘルスケア企業を含む製造業で最も高いことが分かった。三菱総合研究所経営イノベーション本部が行った「ポストコロナにおける働き方・オフィスに関する企業向け・従業員向け調査結果」から明らかになったもの。従業員向け調査でも、魅力的な働き方として、出社日に個人の裁量を求める意見が5割を占め、逆に、毎日出社を課す企業の従業員は、「約5割が転職を考える。もしくは退職する」と回答した。継続勤務の場合、給与が1割程度下がったとしても理想的な働き方を望む従業員が全体の45.8%に及ぶことも分かった。 ◎リモートワーク「目安は会社が決め、個人の裁量で決定」 製造業が38.4%でトップ 調査は、売上高100億円以上で首都圏・関西圏にオフィスのある企業(建設・製造、情報通信・運輸郵便・卸小売り・金融保険・その他サービス業)の人事・総務部門の係長・主任クラス以上を対象に行った。調査期間は21年12月11日~16日。リモートワークの推進方針については、「会社が出社日を決定」との回答が55.6%、「会社と相談もしくは個人の裁量で出社日を決定」が44.4%だった。このうちリモートワークの「目安は会社が決め、個人の裁量で決定する」との回答は全体で27.7%だったのに対し、製薬企業を含む製造業は38.4%と10ポイント以上高く、2位の情報通信業(33.3%)を大きく引き離していることも分かった。 ◎リモートワーク割合 コロナ感染収束以降14.2% なお、オフィス勤務者におけるリモートワークの割合は、21年8月~9月時点(コロナ第5波)の23.4%をピークに減少しており、コロナ感染収束以降は14.2%と、「規模を縮小しながらリモートワークの継続を検討していることが明らかになった」と分析している。 ◎従業員が望む働き方 「毎日出社する会社」26%と低率 その場合の転職意向は4割に 従業員が望む働き方についてみると、「目安は会社が決め、出社日は個人の裁量で決める」との回答が54%で最も高い。逆に「毎日出社する会社」への回答は26%に止まった。“魅力を感じない働き方”を推進した場合の従業員の対応をみると、「毎日出社する会社」については、「社命には従うが転職活動を考える」との回答が40.8%、「転職先が決まっていなくても退職する」も7.0%だった。一方、理想的な働き方ができる場合に受け入れることのできる「給与ダウンの程度」についても調べた。それによると、継続勤務の場合の平均値は11.8%。内訳をみると、5%未満との回答が38.9%、5~10%が6.9%、20%以上との回答も22.9%あった。この結果については、「従業員に対し、理想的な働き方を提供すれば従業員の満足度向上や、これまでは採用が難しかった人材の獲得を実現できる可能性もある」と指摘している。 ◎オフィスの移転意向 3割の企業が「ある」と回答 オフィスに求めるニーズについても調査した。オフィスの移転意向については、3割の企業が「ある」と回答。すでに5%の企業がオフィスを今後契約しないと決めていることも分かった。オフィス面積についても、首都圏に本社のある企業の3割が「縮小を検討している」と回答している。縮小を検討している企業の場合、賃貸の場合は、借主に返却、自社保有の場合は売却し、「コスト削減を図ろうとしていることが分かった」としている。また、次に多かったのは、テナントとして自社の他部署やグループ会社、連携先など関連する組織を迎え入れ、「自社の機能やグループ会社を集約する動きがあった」とも分析している。 ◎オフィスに求める役割・機能 イノベーション、アイディエ―ションなど新規事業創出 オフィスに求める役割・機能については、「部署間・部署内の連携・コラボレーションの促進」を期待しているほか、「イノベーション、アイディエ―ション」などの新規事業創出に関わる役割を期待していることも分かった。シェアオフィスの利用対象社員割合を調べたところ、全体の1~3割程度で、外出先で利用機会の多い営業職の社員やリモートで業務遂行可能な一部の職種を対象者として契約していると推察している。また7割の企業が利用時間などに制限を設けていることも分かった。

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顧客支援システム営業、担当MSの提案力強化  東邦HD、エリア制・役割分担で効率化図る

東邦ホールディングス(HD)は、MSだけでも客先で顧客支援システムの営業を担うことができるよう、MSの提案力強化に力を注いでいる。研修を通じて同システムの取り扱いに習熟したMSを育成して社内資格「ス...

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富士製薬 日本製薬から10月1日付で4製品の製造販売承認を承継 女性医療の向上とBS事業の確立に期待

富士製薬は7月8日、日本製薬から10月1日付で4製品の製造販売承認が承継されると発表した。承継されるのは、サルプレップ配合内用液、ミンクリア内用散布液0.8%、フォリアミン(注射液、錠剤、散剤100mg/g)、オスバン消毒液(10%、0.025%、0.05%、0.1%、オスバンラビング)。今回の承継について同社は、中期経営計画の成長シナリオのうち、「女性医療領域No.1へ」および「バイオシミラー事業の確立」に貢献するものとして期待している。 日本製薬の製品承継については、2021年末の資産譲渡契約の締結および22年2月28日付の「日本製薬からの承継に関する資産譲受完了」を受けたもの。3月から当該4製品についての適正使用情報等の提供、安全情報の収集・伝達を行ってきた。ただ、製造販売承認は引き続き日本製薬が保有しており、今回の製造販売承認の承継時期が決まったことで、22年10月1日以降は富士製薬が製造販売承認元となる。 ◎「女性のwell-beingの向上に資する製剤」と期待 富士製薬は、2030年ビジョンの1つに、「世界の女性のwell-beingの向上に貢献する」を掲げている。今回承継する葉酸注射液/錠・散「フォリアミン(注射液、錠剤、散剤100mg/g)」は、女性に多いリウマチ治療で併用されることが多い製剤としており、同社は、「女性のwell-beingの向上に資する製剤」と期待している。また、「譲受対象製品には、当社の今後のバイオシミラー事業に関連する領域の製品も含まれており、相乗効果を期待している」と強調した。

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FIRM・畠会長 再生医療等製品の特殊性を踏まえた薬価算定ルールを モダリティ、カテゴリー踏まえて検討

再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)の畠賢一郎代表理事会長は7月8日、会見に臨み、「再生医療等製品の特殊性も踏まえた新たな薬価算定ルールが必要だ」との考えを示した。24年度薬価制度改革に向け、会内でモダリティの多様性やカテゴリーを踏まえた検討を進めていることを明らかにした。現行の薬価制度では原価計算方式で算定されることが多いが、イノベーション評価に見合わないとの見方を表明。バリューベース・プライシングの考え方については、1度の治療で長期間の治療効果が継続できる再生医療等製品の医療面でのバリューを強調。これに加えて、日本からベストインクラスの再生医療等製品を創出する基盤の観点からのバリューについても評価を求める考えを示した。 畠会長は、再生医療等製品のコストについて、スケールメリットが享受できないことや、製造施設や設備機器の転用の難しさ、保管・輸送コストが必要になるなど、これまでの医薬品・医療機器とは異なる特殊性があるとの考えを示した。また、プロセスベースでの研究開発を進める必要性があることから、細胞の培養や分化誘導、遺伝子導入など、複数の知財を用いるため、技術ライセンス料などが必要になると指摘した。再生医療等製品は原価計算方式で算定されるケースが多いが、これらの再生医療等製品に特徴的な経費が原価として計上されず、結果的に投資に見合う収益が得られないケースも散見されるという。 畠会長は、「再生医療は多様性があり、作りかたひとつ、モダリティでも違う。決まった(薬価算定)ルールが作れればいいがなかなか決まらない」と説明。「薬機法で再生医療等製品というカテゴリーができたことで、様々な議論が進んだ。こういう方法がいいとか主張できればいいが、複雑さをご理解いただき、再生医療等製品を的確に評価いただく方向で考えている」と述べた。「社会保障費、医療費の財源は限られている。再生医療のような高付加価値型のものをどう発展させていくかということは課題だ。再生医療だけでなく国全体の医療、社会保障に関するグランドデザインのなかでどう説明していくかということだと考えている」との考えも示した。 バリューベース・プライシングなどの考えもあるが、「再生医療については治療したものがかなり長期間、効果が残るというバリューがある。産業育成というと言いすぎになるかもしれないが、周辺産業の基盤構築についても大きな影響をもつので、トータルで国策として考えていただきたい。医療の面でのバリューベースについてもしっかり訴求していきたいし、この領域を日本の強みにしていく。日本の医療は信頼性が高い。国民の健康にプラスにできるような形にしていきたい」と述べた。

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持田製薬、31年に売上高1400億円目指す  再生医療製品とバイオマテリアルが牽引役

持田製薬は13日、2031年に同社グループが目指す「2031年のありたい姿」を策定したと発表した。医薬品関連事業の再生医療等製品分野とバイオマテリアル事業で売上高400億円程度を目指し、これら新規事...

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日本イーライリリーと田辺三菱製薬 GIP/GLP-1受容体作動薬・チルゼパチドで販売提携 初の協業

日本イーライリリーと田辺三菱製薬は7月7日、新規の2型糖尿病治療薬・チルゼパチド(一般名、開発コード:LY3298176)について、国内における販売提携契約を締結したと発表した。同剤は日本イーライリリーが開発している週1回投与のGIP/GLP-1受容体作動薬と呼称する新クラスの注射薬。日本イーライリリーは本誌取材に、同剤は「2型糖尿病」を対象疾患に日本で承認申請していることを明らかにした。申請年月は非開示。 今回の契約に基づき、日本イーライリリーが同剤の製造販売承認を取得後、田辺三菱製薬が流通・販売を行い、両社共同で情報提供活動を行う。 両社とも糖尿病領域に強みを持つ。営業面で協業するのは、糖尿病領域に限らず、今回が初めてとなる。日本イーライリリーは本誌取材に、田辺三菱製薬を同剤のパートナーに選んだ理由について、「田辺三菱製薬は糖尿病領域の自社オリジンの医薬品を幅広く情報提供している。チルゼパチドについても、より幅広い医療関係者に、より早く、しっかりと情報提供できると判断した」と説明した。 田辺三菱製薬は自社創製の糖尿病薬としてDPP-4阻害薬・テネリアやSGLT2阻害薬・カナグルを手掛けている。田辺三菱製薬は本誌取材に、「当社には糖尿病領域での情報提供の実績があり、幅広く迅速に情報提供できるなどの理由で今回の契約締結に至った」と話した。

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製薬協・MA部会 MSLの目指すべき方向性を公表 「現状と乖離もある」がMSLの役割を会員各社に提示

日本製薬工業協会・医薬品評価委員会MA部会は7月7日、「MSLの目指すべき方向性」と研修プログラム例を公表した。製薬各社にMSLの資格要件化を求め、その任命要件として医療系資格や生命科学系の博士号(PhD)の保有を考慮するなど一歩踏み込んだ。MSLの前職でMRなど営業部門が半数近くを占めたことなどから、体系的な研修制度の整備を提言。「導入・継続」それぞれの研修プログラム例を示した。さらに手順書の整備を求め、役割、行動規範、営業部門からの独立などを明示する。業務評価指標では、販売・営業関連指標は含めず、活動目標の達成度やプロセス遂行度を指標とすべきとした。MA部会は「現状と乖離している部分もある」としながらも、各社はMSLの役割を再認識して取り組んで欲しいと強調している。 MA部会は2019年にMSL活動の基本的考え方を取りまとめている。その後、一部項目で各社間の捉え方に乖離がみられたとしながらも、会員会社の行動指針策定に使用されるなど、「浸透しつつあることが確認できた」と指摘。MSLとして更に目指すべき方向性を新たに公表するに至った。

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