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欧EMA アルツハイマー病治療薬・アデュカヌマブの承認否決を勧告 エーザイ・バイオジェンは再審議請求

欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)は12月16日(現地時間)、アルツハイマー病治療薬・アデュカヌマブ(製品名:アデュヘルム)を承認しないと勧告したと発表した。EMAは、「アミロイドβの減少とアルツハイマー病の臨床的改善との関連が確立されていない」と“アミロイドβ仮説”そのものに疑問を投げかけた。さらに、2つの臨床第3相試験の結果が矛盾していることも問題視したほか、アミロイド関連画像異常(ARIA-E(浮腫))があることから安全性にも疑問を投げかけ、「ベネフィットがリスクを上回っていない」と結論付けた。これを受け、バイオジェンとエーザイは17日、「再審議を請求する予定」であることを発表した。 CHMPは11月に、アルツハイマー病治療薬・アデュカヌマブの販売承認申請について否定的なTrend Voteの結果をバイオジェンとエーザイに通告しており、これを受けたものとなる(関連記事)。 同剤をめぐっては、アルツハイマー病の初期段階(軽度認知障害および軽度認知症)の患者3000例以上を対象に有用性が検証された。「EMERGE」、「ENGAGE」の2本の臨床第3相試験が実施されたが、独立データモニタリングコミッティが無益性(Futility)解析により、主要評価項目が達成される可能性が低いと判断したことを踏まえ、2本の臨床第3相試験を中止した。その後、新たな症例を加えた最終解析を行い、EMERGE試験では主要評価項目を達成したが、ENGAGE試験では主要評価項目を達成できなかった。 これを受け、EMAは、「主な研究結果は矛盾しており、全体としてアデュカヌマブがアルツハイマー病の初期段階の治療に有効であることを示していない」と指摘した。また、MRI所見で脳にアミロイド関連画像異常(ARIA-E(浮腫))が認められるケースがあることが指摘されている。EMAは、「一部の患者の脳スキャンからの画像が腫れや出血を示唆する異常を示し、潜在的に害を及ぼす可能性がある」として、「薬が十分に安全であることを示していなかった。また、臨床診療で、適切な管理、監視ができるか明確ではない」と指摘。「ベネフィットがリスクを上回っていない」と結論付けている。 ◎バイオジェン 「早期段階における治療選択肢がないことは切実な問題だ」 これを受け、エーザイとバイオジェンは12月17日、再審議を請求する予定であることを公表した。バイオジェンのPriya Singhal Head of Global Safety & Regulatory Sciences and interim Head of Research & Development.は、「欧州で、アルツハイマー病の早期段階における治療選択肢がないことは切実な問題だ。時間が経つほど、より多くの当事者の病状は進行し、治療の機会を逃す可能性が高くなる」との見解を表明。「バイオジェンは、この薬剤をEUの当事者に届けることを目指し、再審議プロセスにおいて、CHMPの見解の根拠に対処するように努める。欧州の当事者の方々にも、ADの革新的な治療法をお届けすべきと考えている」としている。CHMPは再審査の請求の根拠を受領してから60日以内に、見解を再検討するとしている。 同剤をめぐっては、米FDAが6月、アミロイドβを減少させることによる改善効果を認め、追加的なRCTの実施を条件に、迅速承認した。一方で、審査に際しては、昨年11月に開かれたFDAの末梢・中枢神経系薬物諮問委員会ではエビデンスが不十分との専門家の見解が大半を占めていた。迅速承認後に、諮問委員会の委員のうち、3人が委員を辞任。米保健福祉省監察総監室が調査を実施するなどの事態に発展している。 ◎日本は22日に薬食審・医薬品第一部会で審議へ 認知症をめぐっては、アミロイドβ仮説に基づいた開発に挑んだ多くのメガファーマが開発に頓挫しており、極めて高いアンメットニーズが存在する。患者団体をはじめ、新薬を求める声は高まっている。今回EMAがアミロイドβ仮説そのものについて、「アミロイドβの減少とアルツハイマー病の臨床的改善との関連が確立されていない」とスタンスを明確にしたことも大きい。日本では、12月22日に、薬食審・医薬品第一部会で審議される予定で、その結果が待たれる。

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「モーダルシフト」でCO2・物流コスト大幅削減  メディセオが医薬品輸送に導入、来年2月から対象地域拡大へ

メディパルホールディングスの子会社メディセオが、環境配慮と同時に物流コストの低減を図る取り組みを推進している。貨物輸送手段を自動車から鉄道などに変更する「モーダルシフト」を活用し、同社の高機能物流セ...

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フォーミュラリー、次期改定も見送り濃厚  どうなる今後の普及策

フォーミュラリーに対する診療報酬上の評価は、2022年度改定も見送られる公算が大きくなった。次期改定に向けて対応を検討した今月8日の中医協総会で、診療側は報酬上の手当ては「なじまない」と主張。支払い...

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厚労省 新型コロナワクチン3回目接種にモデルナワクチンを追加 17日から使用可能に

厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会は12月16日、新型コロナワクチンの3回目接種(追加免疫)にモデルナ社のワクチン「スパイクバックス筋注」を追加することを了承した。厚労省は、自治体に同ワクチンの在庫がある場合、17日から追加免疫に使用できるよう関係省令を同日付で公布する方針。 分科会では、厚労省がスパイクバックスの追加免疫を特例承認した(薬食審医薬品部会通過の記事はこちら)のを受け、予防接種法における同ワクチンの追加免疫の取り扱いを審議した。 追加免疫に用いるワクチンについては、「1回目・2回目に用いたワクチンの種類にかかわらず、mRNAワクチンを用いる」ことがすでに了承されている。今回の同分科会では、スパイクバックスによる追加免疫は、2回目接種と比較して、局所反応や全身反応などの副反応が有意に低下することも確認された。これを踏まえ、追加免疫には、ファイザーのコミナティに加え、スパイクバックを使用することが了承された。 スパイクバックスによる追加免疫は原則、2回目接種から8か月以上の間隔をおいて接種するものの、地域の感染状況などを踏まえた自治体判断で、6か月の間隔をあければ追加免疫の対象にして良いとの方針も確認した。1回目、2回目にスパイクバックス以外のワクチンを使用していても、追加免疫にスパイクバックスを使用する「交互接種」も認めた。この投与間隔や交互接種の考え方はコミナティと同様となる。 政府は22年1月にスパイクバックス1700万回分を各自治体に配送する予定。ただ、厚労省は同分科会後の記者説明会で、自治体にスパイクバックスの在庫がある場合、17日から追加免疫に使用して良いとの考えを示した。

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アルツハイマー病治療薬・アデュカヌマブ 市販後臨床試験を22年から開始 エーザイ・バイオジェン

エーザイとバイオジェンは12月16日、アルツハイマー病治療薬・Aduhelm(一般名:アデュカヌマブ)について、米国で臨床第4相試験(市販後臨床試験)を2022年から開始することを発表した。同剤は6月7日に迅速承認された際に、臨床的ベネフィットを明確化するため、新たなランダム化比較試験の実施を求めており、ベネフィットが確認されなかった場合、承認を取り下げる手続きを開始することができるとしている。 試験は、2022年3月に最終プロトコルを米食品医薬品局(FDA)に申請し、22年5月に最初の被験者様のスクリーニングを開始する予定。 国際共同プラセボ対照試験で、早期アルツハイマー病の1300人を登録する。主要評価項目は、投与18か月後の臨床評価とする予定。主要評価項目の完了時期は試験開始から4年後を見込む。試験には、より長期間の治療データを収集するために、最長48か月間の長期継続投与も含まれる予定としている。

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自民党・厚労部会合同会議 次期診療報酬改定「大幅なプラス改定」を決議 党内手続き経て総務会報告へ

自民党厚生労働部会・社会保障制度調査会・雇用問題調査会合同会議が12月16日開かれ、「2022年度予算厚生労働部会における最重点項目」を決議した。焦点となっている次期診療報酬・薬価改定については、「不妊治療の保険適用や経済対策に盛り込まれた看護職員の賃上げに要する費用とは別に、診療報酬の大幅なプラス改定を行うこと」を盛り込んだ。12月20日に予定される政調審議会での手続きを経て、総務会に報告される見通し。 診療報酬・薬価改定については、「新型コロナ感染症は昨年来医療に大変な負担をかけ、現在なお継続中である。このような有事はもちろんのこと、平時においても新興感染症や一般医療への対応を含め、それぞれの地域において国民が安心して必要な医療を受けあれるということが何より重要」と指摘。「安定した経営のもとで、これらの課題に対応するため」に大幅なプラス改定が必要とした。案では、“平時・有事にかかわらず”とされていたが、新型コロナの影響が医療現場に依然として色濃いことなどから、こうした視点を踏まえた診療報酬とすべき、との意見があがり、修文された。 このほか、合同会議では、看護職員の賃上げについて、歯科衛生士への対応の必要性をしていきする声や、職種を指定すべきではないとの声もあがった。 最重点項目は、①診療報酬・薬価改定、②雇用保険の財政運営のあり方、③社会保障関係費の伸びに関する対応、④看護、介護、保育など現場で働く方々の収入の引上げ―の4項目。

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中外製薬 筋ジストロフィー治療薬候補をロシュから導入 初の遺伝子治療薬候補

中外製薬は12月16日、スイス・ロシュと、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する遺伝子治療薬として開発中のdelandistrogene moxeparvovec(SRP-9001)について、導入契約を締結したと発表した。中外製薬にとって、初めての遺伝子治療のプロジェクトになる。中外製薬は同剤の国内での独占的販売権を得て、契約一時金およびマイルストンをスイス・ロシュに支払う。 同剤は、米・サレプタ・セラピューティクス社がスイス・ロシュ社と協働で開発を進めており、臨床第3相試験「EMBARK」を実施中。今後もサレプタ社が日本を含むグローバルでの臨床試験を主導する。中外製薬は、国内における薬事申請および販売を担うとしている。 同社の奥田修代表取締役社長CEOは、「イノベーションによるアンメットメディカルニーズの解決を目指す当社にとって、外部パートナーとの協働を通じて日本の患者さんに新たなモダリティによるイノベーションを届けることは大変重要であり、本契約の締結を嬉しく思う」とコメントを寄せている。 delandistrogene moxeparvovecは、AAVrh74ベクターを用いた遺伝子治療候補。マイクロジストロフィンをコードする遺伝子をダイレクトに筋細胞に送達することで、マイクロジストロフィンタンパクを発現させることが期待されている。米国、EU、日本において希少疾病用医薬品指定を受けている。

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武田薬品 ノババックスの新型コロナワクチン候補を承認申請 国内工場で生産

武田薬品は12月16日、提携先の米国ノババックス社が開発した新型コロナウイルス感染症ワクチン候補・TAK-019(開発コード、海外の開発コード:NVX-CoV2373)について日本で承認申請したと発表した。同社は、特例承認はを求めていないとしている。ノババックスから技術移管を受けて、山口県光市の自社工場で、国内向けワクチンを生産する。 今回の申請は、現在実施中の同ワクチンの免疫原性および安全性を評価する国内臨床第1/2相試験の成績と、ノババックスが実施した英国、米国、メキシコで実施した2つの臨床ピボタル第3相試験を含む、5万人以上の被験者を登録したグローバル臨床試験の成績が含まれる。国内試験は20歳以上の日本人成人を被験者とし、グローバル試験は18歳以上の被験者が含まれる。 国内試験の中間成績では、健康な日本人成人を対象に、0.5mLを21日間隔で2回投与することにより、SARS-CoV-2に対する「強固な免疫反応」が誘導されることが示されたとしている。安全性は、重篤な有害事象は認められず、忍容性も良好だったという。これらの結果は、今までに報告されたグローバル試験の結果と同様だった。 同ワクチン候補は組換えタンパクワクチン。日本政府はこれまでに、薬事承認を前提に、早ければ2022年初頭から概ね1年間で、1億5000万回分の供給を受ける契約を武田薬品と締結している。武田薬品も今回の申請にあたり、「22年初頭からの供給開始を目指す」としている。なお、武田薬品は厚生労働省のワクチン生産体制等緊急整備事業と日本医療研究開発機構(AMED)のワクチン開発推進事業により、ノババックスの同ワクチン候補を日本国内で生産するための技術移転、生産設備の整備、供給、研究開発に係る助成を受けている。 日本ワクチン事業部の今川昌之事業部長は、「安全性と品質は当社の最優先事項であり、当社のワクチンの生産および流通が、可能な限り高い基準を満たすように努める」とコメントしている。

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中外製薬 新型コロナの経口薬候補「AT-527」の自社開発終了

中外製薬は12月16日、経口投与の新型コロナウイルス感染症治療薬候補・AT-527(開発コード)について同社による開発を終了すると発表した。同社の戦略的パートナーのスイス・ロシュが、同剤の創製元の米アテア社との共同でグローバルで開発し、ロシュから国内権利を得た中外が日本から同剤の開発に参加していた。しかし、11月にロシュとアテア社との提携が解消され、これを受け同社も開発から手を引くことを決めた。今後のAT-527 の開発は、アテア社が検討する。 新型コロナの外来患者を対象にAT-527を評価したグローバル第2相MOONSONG試験で、主要評価項目を達成しなかったことが10月に、報告された。主要評価項目とした軽症または中等症の新型コロナ患者の全体集団でのSARS-CoV-2ウイルス量のベースラインからの減少を達成できなかった。同試験のトップライン結果やAT-527の最新情報に加え、新型コロナを取り巻く環境変化を踏まえ、ロシュとアテア社はグローバル第3相臨床試験の主要評価項目や対象集団の変更など、プロトコルを変更して実用化する可能性も検討したが、結果的には提携解消に至った。 AT-527はプリンヌクレオチドの経口プロドラッグ。RNAウイルスの複製に不可欠な酵素であるウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼを特異的に阻害するよう設計されているという。

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日医・中川会長 22年度診療報酬改定「プラス改定でなければ医療が壊れる」 与党議員の動きに手応えも

日本医師会の中川俊男会長は12月15日の定例会見で、「診療報酬本体のマイナス改定はあり得ない。絶対にプラス改定にしなければ全国の医療が壊れてしまう」と危機感を露わにした。2022年度診療報酬改定の改定率をめぐる政府・与党間の議論が大詰めを迎えている。中川会長は、「ポストコロナの医療提供体制に道筋をつけるためには次の診療報酬改定は絶対に本体プラスでなければならないという理解は、かなり拡がってきていると思う。日に日に感触は良くなってきている」と語った。また、財務省や財政制度等審議会(財政審)がかかりつけ医の制度化を求めていることに触れ、「医療費抑制のための手段とするものではなく、機能に見合った評価に進化させていくべき」と指摘した。 ◎実質的な診療報酬本体部分の財源が焦点「0.5%ちょっとでは改定財源が見当たらない」 「躊躇なくプラス改定とすべきだ」-。中川会長はこの日もこう主張した。22年度診療報酬改定をめぐっては、看護職の処遇改善や不妊治療の保険適用で0.5%程度の財源確保の目途がつくなかで、それ以外の実質的な診療報酬本体(通常改定分)の改定財源の行方に焦点が移っている。中川会長が主張するのも、実質的な診療報酬本体(通常改定分)のプラス改定だ。「0.5%ちょっとで終わるのでは(本体部分の)改定財源が見当たらなくなる。大幅な本体プラス改定が必要だと思っているし、そういう要請を(政府に)している」と述べた。 中川会長は会見で、自公両党の動きが活発化していると説明。自民党の国民医療を守る議員の会は、「大幅なプラス改定」を提言書に明記したほか、今週14日の自民党社会保障制度調査会・医療委員会では、複数議員から絶対に本体プラス改定が必要との認識が示されている。中川会長は、「まさに時宜を得た発言であり、我々にとっては百人力であり、ものすごく心強く思っている」と述べ、与党議員のバックアップが政府との最終調整の追い風になると期待感を込めた。 ◎岸田首相の国会答弁を受け「医療者全体に対してもしっかり財政出動すべき」 中川会長 中川会長はまた、13日の衆院予算委員会で岸田文雄首相が、コロナ禍で必要な財政出動を躊躇なく行うと答弁したことに触れ、「危機を乗り越えるためにも医療に対してもしっかり財政出動すべき」と強調した。政府として看護職の処遇改善が掲げられているが、「医療は各職種のチームで成り立っている」との考えを示したうえで、「タスクシェアが推進されようとしているなか、看護職のみならず多くの職種が従来の業務以外にも医療機関内で新たな業務を担おうとしている」として、チーム医療を評価することが必要との考えを強調した。「そのためにも看護職以外の処遇改善以外も含めた大幅なプラス改定が必要だ」と続けた。 中川会長は、「2年近くにわたり、全国の医療機関、医療従事者・関係者は、感染リスクを乗り越えて、風評被害に耐えながら新型コロナと全力で戦ってきた。ワクチン接種にも邁進した。岸田首相が成長と分配を掲げたことに多くの期待を寄せている。これからもコロナとの戦いは続く。決してひるまず戦い続ける。第6波や新たな新興感染症にも、備えを固める覚悟だ。医療従事者の心を折らないでください。令和4年度診療報酬改定は躊躇なく本体プラス改定とすべきだ」と改めて主張した。 ◎改定率をめぐる調整は、いよいよ最終局面に 22年度新省報酬改定の「改定率」をめぐる議論は、実質的な診療報酬本体への切り込み圧力が財務省を中心に政府部内にある。中川会長が会見で主張したように、これまでの政府部内や与党関係者との調整を通じ、確かに「日に日に感触は良くなっている」状況にある。ただ、政府が主張する0.5%相当分以外の本体部分をめぐる駆け引きは依然として続いており、いよいよ最終局面を迎える。「本体大幅プラス」を唱える日本医師会など医療関係団体にとって、最後の一押しが重要になりそうだ。

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