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22年度診療報酬改定 本体改定率プラス0.43%、実質本体はプラス0.23%で最終調整 リフィル処方導入へ

22年度診療報酬改定 本体改定率プラス0.43%、実質本体はプラス0.23%で最終調整 リフィル処方導入へ 政府は12月19日、2022年度診療報酬本体の「改定率」をプラス0.43%とする方向で最終調整に入った。いわゆる医科・歯科・調剤にまわる実質的な診療報酬本体(通常改定分)はプラス0.23%とする方針。医療費抑制の観点から「リフィル処方」の導入が決定的となった。財務省は国民負担を軽減する観点から、診療報酬本体に切り込みを入れる姿勢を鮮明にしてきた。一方で、日本医師会など医療関係団体は、コロナ禍での医療機関経営の悪化などから、“絶対プラス改定”を主張。これを受けた与党・厚労関係議員も、今夏の衆院選や来夏に予定される参院選などを追い風に、“大幅なプラス改定”を掲げ、政府側との調整に臨んでいた。強い逆風も吹いたが、最終的に診療報酬の実質的な本体もプラス改定を死守することで決着する。

◎岸田首相、鈴木財務相、後藤厚労相が会談

診療報酬本体は、いわゆる医科、歯科、調剤にまわる実質的な本体(通常改定分)の財源として0.23%を確保する方針だ。医科:歯科:調剤の1:1.1:0.3も堅持される見通し。本体にはこのほか、看護職員の処遇改善で0.2%程度、不妊治療の保険適用で0.2%程度を上乗せする。一方で、リフィル処方の導入で0.1%程度、コロナ特例の小児科医療の見直しで0.1%程度を抑制し、最終的に診療報酬本体は0.43%のプラス改定とすることを固めた。一方で、薬価については平均乖離率が約7.6%であることを踏まえ、1.3%程度引き下げる方針で、診療報酬全体ではマイナス改定となる。岸田文雄首相は12月19日、公邸で鈴木財務相、後藤厚労相と会談し、改定率を固めた。22日に予定される後藤茂之厚労相と鈴木俊一財務相の大臣折衝で正式に決定する。

22年度診療報酬改定で導入される方向性が固まったリフィル処方をめぐっては、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2021」に、「症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院負担を軽減する」ことと盛り込まれており、政府が導入に意欲をみせていた。財務省も、財政制度等審議会財政制度等分科会で、「時機を逸することなく導入すべき」と主張。かかりつけ医と連携する、かかりつけ薬剤師の「服薬指導・管理の評価を調剤報酬上充実・強化していくこともあわせて検討すべき」としていた。処方薬をもらうためだけに受診する患者の通院回数や負担を減らすことで、医療費抑制効果があるとみられている。

中医協でも現在、議論が進められており、厚労省は「一定期間内の処方箋の反復利用」としてリフィル処方の導入を提案している。現行制度では、“分割調剤”が導入されている。例えば90日分の内服薬について処方を行う場合、分割調剤では医師が90日分の処方箋を発行し、薬局に対して3回分の分割調剤を行う。一方で、リフィル処方では医師は30日分の処方箋を繰り返し利用できる回数(3回)を記載したうえで発行することになる。米国やイギリス、フランスなど、諸外国ではすでにリフィル処方が導入されている状況にある。

現行の分割調剤では、処方箋が3枚綴りとなっており、患者に別紙を含む処方箋のすべてを毎回薬局に提出するよう指導する必要があるなど、手続きの煩雑さなどが普及の妨げの一環となっていることも指摘されてきた。1枚の処方箋を繰り返し利用する、リフィル処方とすることで、導入が推進されることが期待される。

◎診療側の日医委員はリフィル導入に「反対」を表明 制度設計など詰めの議論に注目

ただ、日本医師会は中医協の場などで、一貫してリフィル処方の導入には反対の姿勢を示しており、この姿勢を崩していない。診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)も、「長期処方は残薬リスクや、多剤投与に気づきにくくなる。病状の変化を見逃すなど、患者の治療と保険財政への弊害が懸念される。それにもかかわらず、長期処方を助長される議論には、日本医師会として明確に反対する」と述べていた。一方で、診療側の有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)や支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、処方箋様式の見直しに賛同していた(関連記事)。

医師会内にいまも慎重論が根強くあるなかで、中医協の場で制度設計について詳細に詰めることとなり、今後の議論が注目される。

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