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中医協総会 22年薬価制度改革の骨子を了承 新薬創出等加算の対象拡大でイノベーション評価

中医協総会 22年薬価制度改革の骨子を了承 新薬創出等加算の対象拡大でイノベーション評価 中医協薬価専門部会・総会は12月22日、2022年度薬価制度改革の骨子を了承した。新薬創出等加算の対象として、「新規収載時であれば有用性加算等に相当する効能・効果が追加された場合」を加え、新規収載時だけでなく、上市後にもイノベーションも評価する。一方で、原価計算方式で製造原価の開示度が50%未満の場合の加算係数を現行の「0.2」から「ゼロ」に引下げることを盛り込んだ。イノベーションを評価するとともに、薬価の透明性確保に向けてアクセルを踏む。

新薬創出等加算については、新規収載時だけでなく、効能追加がなされた時点で、有用性加算などに相当し、対象領域など一定の要件を満たした場合は対象となる。ただし、既存の効能効果の対象患者の限定を解除したものや、有用性加算Ⅱで製剤工夫などが認められた場合(要件二)のみに該当する場合は除外する。製薬業界が意見陳述で求めた主張が反映された格好だ。このほか、改正薬機法で位置付けられた先駆的医薬品や、小児の用量や薬剤耐性菌(AMR)など特定用途医薬品については、新規収載時、薬価改定時ともに新薬創出等加算や加算の対象とする。

新薬創出等加算の企業指標については、3区分にわかれている(企業区分Ⅰ:上位25%、区分Ⅱ:Ⅰ、Ⅲ以外、企業区分Ⅲ:最低点数)が、「企業区分Ⅲ」を現行の最低点数(ゼロポイント)から「2ポイント以下」に引下げる。新型コロナのワクチンや治療薬について新たな承認を取得した場合は、1品目について「4ポイント」、先駆的医薬品や特定用途医薬品の指定数(過去5年)は1品目について「2ポイント」を指標に加える。

支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「一見、厳格化のように見えるが、企業によっては予見性が高まるものと考えている。また企業におかれては、2ポイントを確保、あるいは2ポイントを超えればいいということではなく、この区分間の企業数のバランスを考慮して線引きがされているということを十分に認識していただき、特定用途医薬品やコロナ関係がポイントに反映するようになったことも踏まえ、積極的に研究開発に取り組んでいただきたい」と述べた。

◎原価計算方式 開示度50%未満の場合の加算係数を現行の「0.2」から「ゼロ」に引下げ

一方で、原価計算方式については、開示度を向上し、薬価の透明性を高める観点から、開示度が50%未満の場合の加算係数を現行の「0.2」から「ゼロ」に引下げるほか、海外からの移転価格について、合理的な理由がある場合を除き、他の国への移転価格の最低価格を上限とする運用を明確化することも盛り込んだ。合理的な理由としては、輸入元の企業で国内の臨床試験を実施しており、その試験費用が移転価格に計上される場合をあげた。また、移転価格として日本に導入される品目について、営業利益率の適切な水準を把握するため、必要な営業利益率についてのデータ提出について協力を求めるとした。

欧州製薬団体連合会(EFPIA)などがイノベーション評価の観点から見直しを求めていたが、当初案通りとなった。支払側の眞田享委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会長代理)は、「透明性の視点は重要であり、開示度の向上を図る点に全く異論はないが、一方で、イノベーション評価の観点から、加算部分が全く薬価に反映されないという取扱いの影響が大変気になるところ。今回の見直しが開示度向上だけではなく、イノベーションの評価という観点から、新薬の開発・上市に影響がないか、今後算定状況などについて確認をしていくべきだと考えている」と述べた。

◎市場拡大再算定の類似品目 PhRMAなどの要望も踏まえ「4年間」に

市場拡大再算定の類似品目についての取り扱いは、米国研究製薬工業協会(PhRMA)などの要望を踏まえ、「特例の適用日の翌日から起算して4年を経過するまでの間」は、1回に限り、類似品としての対象から除くとした。厚労省は当初、除外期間を「3年間」とすることを提案していたが、製薬業界は、「少なくとも2回分(5年間)の猶予は必要と考える」と主張しており、この意見を踏まえて緩和した。

長期間薬価収載されている臨床上の必要性の高い、いわゆる安定確保医薬品については、最も優先度が高いカテゴリ「A」に分類されている品目について、基礎的医薬品の要件に該当するものを基礎的医薬品として取り扱うとした。ただ、G1該当から6年以内、G2該当から10年以内の先発品については対象外とするなど、他のルールとの整合性を図るとした。

一方で、長期収載品については、特例引下げ(Z2)、補完的引下げ(C)の置き換え率の基準を引き上げる。現行では、「50%未満(引下げ率:▲2.0%)」、「50%以上70%未満(▲1.75%)」、「70%以上80%未満(▲1.5%)」だが、「60%未満(▲2.0%)」、「60%以上80%未満(▲1.75%)」の2段階に見直し、さらなる適正化を図る。
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