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健保連・幸野理事 リフィル処方箋は「患者の医療へのかかわり方を変える大きな一歩」

健保連・幸野理事 リフィル処方箋は「患者の医療へのかかわり方を変える大きな一歩」 健康保険組合連合会の幸野庄司理事は本誌インタビューに応じ、大臣折衝で2022年度診療報酬改定での導入が決定されたリフィル処方箋について、「患者の医療へのかかわり方を変える大きな一歩」との認識を示した。昨年まで中医協支払側委員を務め、一貫してリフィル処方箋導入の必要性を訴えてきた幸野理事に、リフィル処方箋導入の意義について聞いた。(聞き手・望月英梨)

リフィル処方箋導入の方針が明確に示されたということは今後、患者の医療へのかかわり方を変える大きな一歩だと捉えている。諸外国では当たり前のように行われているにもかかわらず、なぜ日本に導入されていないのか。中医協委員を務めていた6年間、ずっと主張してきた内容であり、「やっと実現するか」、というのが率直な想いだ。今後、中医協で具体的な仕組みが議論されることとなるが、政府方針に明記されている通り、まずは「病状が安定している患者」が前提になるだろう。そして、「医師及び薬剤師の適切な連携の下」で実施することが最も重要な要素になると考えている。

2019年の薬機法改正により、薬剤師は調剤時に限らず、服薬中の使用状況の把握や、服薬指導、患者の薬剤の使用に関する情報を医師に提供することが義務付けられた。これらが適切に行われることがリフィル処方箋導入の大前提になることは言うまでもない。

ただ調剤をするだけでなく、患者をよく知って管理できる薬剤師でなければ、リフィル処方は任せられない。残念ながらいまの薬局は、患者さんが病院に行った患者さんを待っているに過ぎないが、患者さんがまずは薬局に向かいたいと受療行動を変化させるような薬局薬剤師が街中に増えると、地域包括ケアシステムのなかで薬局が中心的な存在になるのではないか。

◎薬剤師もこれまで以上に大きな責任を負う

薬剤師もこれまで以上に大きな責任を負うことになると思う。いまは医師が一手に行っている、患者の病状の管理を一定期間、薬剤師が医師と連携して担うことになる。患者の病状と向き合い、場合によっては受診勧奨を行うなど、患者との距離を近づけることが必要になってくるのではないか。この制度は、薬局薬剤師のあり方を変える大きな転換期になるのではないか。

◎患者の意識変革も

患者自身の意識も変える必要があると思っている。これまでは処方期間ごとに受診し、服薬し、安心していたのではないかと思うが、今後は病状に応じて受診間隔を自ら判断することもできるようになる。そのためには、身近なかかりつけ薬局・薬剤師をもっておくことも重要になるだろう。保険者としてもこれを機に、“上手な医療のかかり方”をさらに啓発したい。服薬アドヒアランスの向上や、薬局の上手な活用法を啓発することで、リフィル処方箋の普及に努めたい。

医師にとっても、医師の働き方改革が推し進められるなかで、リフィル処方箋の導入と普及は、特に病院の多忙な医師のタスクシェアリングを推進し、働き方改革の一助となることに期待したい。生活習慣病などで同じ処方が繰り返される患者の管理は薬局に任せ、病状が不安定な患者に寄り添うようになるのではないか、と期待している。

◎患者、保険者、薬局薬剤師、医師のあり方がさらに問われる時期に

今回の政府方針には、「分割調剤とは異なる実効的な方策」と明記されている。まさに全く普及しなかった、煩雑な分割調剤とは異なり、普及する実効的な方策を期待したい。これを機に患者、保険者、薬局薬剤師、医師のあり方がさらに問われる時期に来たと思う。
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