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医師の薬剤情報取得チャネル ネット情報の優位性変わらず 新規処方の意思決定は「MR」がトップ

医師の薬剤情報取得チャネル ネット情報の優位性変わらず 新規処方の意思決定は「MR」がトップ コロナ禍において医師が薬剤情報を効率的に取得するために利用したい情報チャネルの上位は、ネット講演会、医療系ポータル、企業サイトなどネット情報が上位を占めた。一方で、医師の処方行動にインパクトを与える情報チャネルは、新規処方で「MR」がトップとなり、次点の「ネット講演会」に10ポイントの差をつけた。コロナ禍でMRの病院訪問が規制される中、医師はネットを通じて情報収集しているものの、新規処方の意思決定にMRがいまだ影響力を発揮していることも分かった。オミクロン株に伴う感染急増により、再び病院の訪問自粛要請も強まっている。医師の情報源としてネット情報の優位性は維持されるが、一方でネット情報をみた医師への迅速なフォローアップはMR活動の主戦場として欠かせない。アフターコロナにおいて、時間軸を意識したハイブリッド型MR活動の充実が課題となってきた。

文末の「関連ファイル」に、▽医師が疾患・薬剤情報を効率的に取得するために利用したい情報チャネル、▽処方行動が変化した薬剤の情報入手先――の資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。

調査は、医薬品マーケティング支援会社のエム・シー・アイ(以下、MCI)が行ったもの。調査対象は製薬企業サイトや医療関係企業サイトを閲覧している医師で、有効回答数は5057人(HP3880人、GP1177人)。調査時期は21年10月。方法はインターネット調査。結果は「医師版マルチメディア白書2021年冬号」としてまとめた。

◎MRからの情報取得であれば、「訪問面談」が良いが過半数

「疾患・薬剤情報取得の効率化のために使用したい情報源」の調査結果によると、「インターネット講演会」を「利用したい」または「やや利用したい」との回答割合は、2月調査(有効回答5077人)、7月調査(同5122人)、10月調査とも1位で、回答割合も83%台で変わらなかった。2位は「医療系ポータルサイトで提供される製薬企業のコンテンツ」の77.4%。この回答割合は7月調査とほぼ変わらないが、2月調査からは約5ポイント上昇した。

3位は、MRによる訪問面談、メール、リモート面談のいずれかを指す「MR(ユニーク)」の63.5%だった。裏を返すと、医師の36.5%はMRからの情報取得は必ずしも効率的ではないと考えているということになる。コロナ禍を通じて病院の訪問自粛要請が長引き、MRとのリアル面談が激減したことも背景にある。このような医師には、ネット講演会やデジタルコンテンツを通じ、最新情報へのアクセス導線の最適化を図る必要がある。一方、「MR(ユニーク)」を挙げた医師は7月調査から1.3ポイント伸びた。2月調査にこのデータはない。

「MR(ユニーク)」の内訳をみると、「MR(訪問面談)」は50.3%(7月調査から2.4ポイント増)、「MR(メール)」は37.3%(同1.4ポイント増)、「MR(リモート面談)」は24.7%(同1.3ポイント増)」――だった。MRからの情報取得であれば、過半の医師はリアル面談が効率的と思っているようだ。

4位は「製薬企業のウェブサイト」の61.4%で、7月調査と同水準だった。

◎チャネルの組み合わせ コロナ禍でネット情報やデジタルコンテンツの利用は定着

MCIは今回、医師が医薬情報を効率的に取得し、処方を決定する際に活用する情報チャネルの組み合わせについても調べた。情報チャネルは、▽MR(訪問面談)▽MR(リモート面談orメール)▽製薬企業ウェブサイト▽ネット講演会▽医療系ポータルサイトコンテンツ――の5つ。組み合わせのパターンは計32通り。

1位は「全5チャネルから情報取得する」で、医師の22.0%がこのパターンだった。興味深かったのは、2位以降の結果だ。2位は、「MRを除くネット情報(企業サイト、ネット講演会、医療系ポータル)のみ」で16.0%を占めた。3位は、「MRの訪問面談を除く、リモートMR+ネット情報」で9.8%。4位は、逆に「リモートMRを除く、MR訪問+ネット情報」で8.5%となった。上位の情報取得パターンでは、MRが選択肢から外れるケースが見られる一方で、コロナ禍が長期化したことで、ネット情報やデジタルコンテンツを通じた医師側の情報収集が定着したことを感じさせるものと言える。

◎複数チャネルでの情報収集 上位パターンの全てに「ネット講演会」の視聴あり!

なお、MCIによると、単一チャネルで情報取得している医師は「かなり少数派」で、2つ以上の情報チャネルから情報取得している医師がほとんどを占めていたという。情報取得パターンの1位~5位の全てに「ネット講演会」が入っていることも注目ポイントで、ネット講演会をきっかけにMR活動やデジタルコンテンツでフォローアップすることが新規処方や処方継続に効果的といえそうだ。

実際、本調査では、医師が利用する情報チャネル数が多いほど処方変化が起こりやすいことも確認されており、1チャネルでの処方変化は15.9%、2チャネルでは23.0%、3チャネルでは35.6%、4チャネルでは44.8%、5チャネルでは54.6%――となっていた。

◎HP市場 訪問面談を求める医師と求めない医師に二極化か

チャネルの組み合わせをHP・GP別にみる。HP・GPとも1位は「全5チャネルから情報取得する」となり、HPは22.8%、GPは19.4%――となった。2位も全体と同じく「MRを除くネット情報(企業サイト、ネット講演会、医療系ポータル)のみ」から情報取得するとなり、HPは16.6%、GPは14.3%――だった。

そして、HPは3位、4位とも、「MR(訪問面談)」を除く複数チャネルから情報取得したいとのパターンだった。つまり、1位は「MR(訪問面談)」も求められた一方で、2位~4位は「MR(訪問面談)」は敬遠されていた。HP市場ではMRの訪問面談を求める医師と、求めない医師に二極化している可能性があり、医師ごとに希望する情報取得チャネルを把握する必要がありそうだ。

GPは3位、4位とも、「MR(訪問面談)」を含む複数チャネルから情報取得したいとのパターンだった。1位、3位、4位でMRの訪問面談を求めるパターンになっており、GP市場では訪問面談での情報取得を希望する医師が多いといえそうだ。
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