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これは調剤レセプト、社保レセプト、厚労省のNDBオープンデータなどで実際の処方動向を把握し、拡大推計して全国の処方実態を分析できるインテージリアルワールド社の統合医療データベース「Cross Fact」によるもの。今回分析したインフルエンザの推計患者数は、抗インフルエンザ薬を処方された全国の患者数(拡大推計値)のことで、分析対象の薬剤はオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、バロキサビル――となる。
同社データで毎年1月のインフルエンザ患者数を確認すると、18年約382万人、19年約489万人、20年約183万人、21年約3200人、22年約2700人――だった。22年1月の患者数は、コロナ禍前の同月平均の約1200分の1、21年比では約15%減となる。
◎感染性胃腸炎患者 21年12月に大幅増 5歳未満で50万人近くに
冬に流行する感染症のひとつに感染性胃腸炎もある。そこで今回、感染性胃腸炎の際に処方されることが多い整腸剤である乳酸菌製剤(ビオフェルミンなど)を指標に、市場動向を見てみる。
乳酸菌製剤の処方患者数は1回目の緊急事態宣言下にあった20年5月に激減し、特に10歳未満の小児患者で大きく減少した。その後、増減を繰り返しながらも増加トレンドとなり、5歳未満の乳幼児患者は21年12月に、コロナ禍の中では最多の50万人近くの患者数となった。前月比では22%増となる。12月のほかの世代では10%前後の増加が多いなか、30代は前月比19%増だった。
この動きについてインテージリアルワールド社は、「乳幼児のいる家庭内で感染が広がったことが想定される」とし、「新型コロナウイルス同様、家庭内感染を防ぐことの難しさを示した数字なのかもしれない」としている。