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22年度薬価改定・各社別影響率 長期収載品、G1品の影響度強まる 革新的新薬モデルへの転換必至

22年度薬価改定・各社別影響率 長期収載品、G1品の影響度強まる 革新的新薬モデルへの転換必至 ミクス編集部が2022年度薬価改定の各社別影響率を調査したところ、ポートフォリオにおける長期収載品比率の影響が高まっている傾向が強まっていることがわかった。21年4月からの影響率では、エーザイが「9%台半ば」、大日本住友製薬が「約8%台半ば」と回答した。主力品の特許切れがあった企業に加え、長期収載品比率の高い企業や、G1品目が主力品の企業では影響度が大きい結果となった。一方で、革新的新薬が主力品である企業は、内資・外資や企業規模によらず、影響度が低い傾向となった。政府は、革新的新薬を評価する一方で、長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却の方向性を掲げているが、体現する結果となった。


◎21年4月起点の影響率 エーザイ「9%台半ば」 大日本住友製薬「約8%台半ば」

21年4月を起点に22年度改定の影響率をみると、エーザイは「9%台半ば」と回答した。新薬創出加算品目も7成分あるものの、長期収載品比率は50%弱(現時点)。同社の売上を牽引してきたアリセプトD錠がG1品目に該当し、32.3%の引下げを受けた。新薬創出等加算の返還でヒュミラ皮下注が11.8%、リリカOD錠が27.5%引き下げられたことも響いた。

「約8%台半ば」と回答した大日本住友製薬は約21%(22年1⽉)だが、アムロジン錠がG1品目として2回目の引下げを受け、37.6%引下げられた。また、新薬創出等加算を返還するアムビゾーム点滴静注⽤が40.4%、シュアポスト錠が33.9%の引下げを受けたことも影響した。持田製薬も「9%台」と回答。長期収載品比率は20%台(22年3月時点)だが、ディナゲスト錠がG1品目に該当したほか、ドキシル注の新薬創出等加算の返還が響いた。杏林製薬は「8%台」と回答。キプレス錠がG1品目に該当し、22.9%の薬価引下げを受けたことが影響した。

◎塩野義製薬「約7%」 クレストールがG1の前倒しルールに該当 32.4%引き下げ

塩野義製薬は「約7%」と回答。同社の屋台骨を支えたクレストール錠が後発品収載から10年未満であるものの、置き換え率が80%以上を2回確認した場合に前倒しでG1ルールを適用する、いわゆる前倒しルールを適用され、G1品目に該当。32.4%の引下げを受けたことが影響した。

また、長期収載品比率の高い企業では、毎年薬価改定の導入による加速度的な薬価引下げのインパクトが大きいことも読み取れる。ヤクルト本社は、長期収載品比率が約60%台(22年3⽉時点)。21年4月から10%台、20年4月から20%台と大きな影響を受けた。

◎大塚製薬「3%台半ば」 第一三共「4%台」 小野薬品「2%台半ば」

一方で、大塚製薬が「3%台半ば」(長期収載品比率は約12%、22年4月時点)、第一三共が「4%台」(10%台前半、21年12月時点)、小野薬品が「2%台半ば」(9%程度、22年3⽉時点)、ファイザーが「4%台」など、長期収載品比率の低い企業では、改定の影響率が低い傾向がみられた。長期収支品比率ゼロのCSLベーリングでは改定影響率は「1.6%」にとどまっている。

◎中外製薬「4%台後半」 エディロールカプセルが新薬創出等加算の返還で38.6%の引下げ

中外製薬の改定影響率は「4%台後半」。長期収載品比率は約40%(21年12⽉時点)で、エディロールカプセルが新薬創出等加算の返還で38.6%の引下げを受けたものの、主力品の多くが新薬創出等加算品で影響を吸収した格好だ。このほか、武田薬品が「5%後半」、田辺三菱製薬と協和キリンが「5%台半ば」、アステラス製薬は「約5%」(約23%、22年3月時点)と回答している。

22年度改定では企業要件が見直された。企業区分について、ノバルティスファーマとファイザー、小野薬品が「Ⅰ」(上位25%)と回答。大鵬薬品とあすか製薬が「Ⅱ」(Ⅰ、Ⅲ以外)、扶桑薬品が「Ⅲ」(2ポイント以下)と回答した。今後、こうした影響も出ることとなりそうだ。

◎ジェネリックは毎年薬価改定の影響直撃 沢井製薬、東和薬品は「9.3%」も各社で影響度分かれる

一方、ジェネリックメーカーでは、21年度から導入された毎年薬価改定の影響が直撃し、薬価引下げのインパクトが年々大きくなることを示唆する結果となった。

東和薬品は21年4月からの影響率は「9.3%」、20年4月からの影響率は「17.2%」と回答。21年4月からの影響率は沢井製薬が「9.3%」、日医工が「6.2%」、富士製薬が「5.6%」、ニプロが「5%台後半」となった。ジェネリックメーカーのなかでも、影響度はわかれる格好となった。

◎G1前倒しルールの初適用で市場競争激化も 

22年度改定では、G1の前倒しルールが初めて適用された。ディオバン錠が40.6%、クラビット錠が38.6%、セロクエル錠が33.9%、オルメテックOD錠が32.3%、プラビックス錠が30.2%など、引き下げを受ける。このルールの適用で、今後さらに加速度的に薬価が引き下がり、市場競争が激化することも想定される。医薬品の安定供給が至上命題とされるなかで、ジェネリックメーカーにとっては、流通を含めた課題となりそうだ。
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