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日本GE・BS学会が提言 薬価制度と流通「GMP違反事案を引き起こした遠因だ」 共同開発に批判も

日本GE・BS学会が提言 薬価制度と流通「GMP違反事案を引き起こした遠因だ」 共同開発に批判も 日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会GMP違反再発防止プロジェクトは3月7日、「安全、安心なジェネリック医薬品の継続的な供給を実現するための提言」を公表した。今回の提言は、後発品企業をめぐる一連の不祥事や、それに伴う行政処分を踏まえたもの。①企業体制・理念の整備と再構築、②GMP 体制の再構築、③環境整備-の各項目で提言を記した。このうち環境整備の提言では、これまで新薬、長期収載品と同じスキームに後発品が当てはめられ、「その過程で生じた矛盾の改善を加えるという対応がなされてきた」と指摘。しかし、「その対応だけでは解決できない矛盾が現れている」との見解を示し、「薬価制度、流通の制度に関し、抜本的な改善に向けての検討を求めたい」と強調した。

「非常に残念な事案が起こっている。小林化工、日医工、⾧生堂製薬とジェネリック医薬品製造販売企業による不祥事や、それによる行政処分などが相次いで発出されており、ジェネリック医薬品の社会的信頼が毀損されていることに強い危機感を持っている」-。提言の冒頭にはGE・BS学会として、一連の不祥事に対する強い問題意識と厳しい姿勢を明確に記した。

◎外部の民間監査機関等に委託した定期的なGMP監査実施を

提言のうち「企業体制整備」については、社内ガバナンス体制をより強固なものにするための「社外取締役」設置や、外部の民間監査機関等に委託した定期的なGMP監査の実施の検討、内部通報と通報者保護の制度の確立、GMP に関する全社員研修の定期実施の義務づけなどを明記した。一方、「GMP調査体制」については、登録査察員制度の設立、複数都道府県によるブロック間での調査員育成のプログラムの確立、複数都道府県によるブロック単位のGMP調査グループの構成、企業、薬学部等に対するGMPに関する教育活動-などを提言した。

◎「共同開発」 実体の把握を困難にしている

一方で、後発品の継続的な安定供給を実現する「環境整備」に関する提言では、薬価制度や流通などの問題に踏み込んだ。承認制度と薬価制度が「今回の GMP違反事案を引き起こした遠因である」との指摘が個々の事項から発せられたことに問題意識を表明。とくに「共同開発」については「実体の把握を困難にしている」など医療現場の目線から不透明性を追求した。

具体的な指摘事項では、「ジェネリック医薬品企業は納入価低下による利益減を補うために、薬価が相対的に高く設定されるジェネリック医薬品初収載を目指して承認申請が集中する傾向にある」と強調。「このため共同開発を利用してでも初収載に参入しようとする傾向が次第に強くなっている」と問題意識を表明した。実際に、共同開発による後発品は年々増加しており、2019年度における後発品の全製造販売承認取得品目数に占める共同開発品の品目数の割合は 36.4%に及ぶという。こうした状況について学会は、「関与している各メーカーの寄与が不明確」であることに加えて、「医療関係者にとっては、医療に供給されているジェネリック医薬品の実体の把握を困難にしている」と批判している

◎「薬価制度、流通の制度に関し、抜本的な改善に向けての検討を求めたい」

その上で提言では、「社会的財産としてのジェネリック医薬品とそれを製造販売する企業を維持していくため、制度的インフラを整備することが喫緊の課題となっている」と指摘。「とくに、薬価制度、流通面は、今回の GMP 違反事案発生の遠因になったことは明らか」と述べ、「ジェネリック医薬品に期待される社会的責務を維持、確保するための薬価制度、流通の制度に関し、抜本的な改善に向けての検討を求めたい」との見解を示した。また検討すべき事項では、①ジェネリック医薬品の製造承認申請・薬価収載の時期、収載回数、②自由競争下で決められる仕切価、納入価のあり方、③各医薬品の価値を反映した銘柄別薬価大原則下でのジェネリック医薬品の価格帯集約、加重平均方式による薬価改定のあり方、④共同開発における負の面の改善-を列挙した。

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