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同社が独自に開発した「liGALILEO」は、自然言語解析AIエンジン「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を用いて、膨大な論文情報や医学薬学データ(非構造化情報)をベースに、ターゲット分子のポテンシャルを網羅的・効率的に分析できる。さらに、ターゲット選定に必要不可欠とされる科学性評価や市場性評価など多岐にわたる複雑な評価指標をAIスコアリングすることで、有力な候補物質を多面的に評価することができる。これにより、創薬プロセスの大幅な効率化や高速化を実現するだけでなく、創薬プロセスの成功率の飛躍的な向上が期待される。
同社の提供する創薬プロセスイノベーションでは、網羅的評価に「Amanogawa」、構造的評価に「Cascade Eye」と名付けられた自然言語解析AIエンジンが用いられている。今回の「liGALILEO」は科学的評価のスコアリングパネルとして活用され、網羅的・構造的評価と並んで創薬プロセスイノベーションの一角を構成する。すでに自然言語解析AIエンジンを用いたCOVID-19関連遺伝子の解析が行われ、抗リウマチ薬・ヒドロキシクロロキンがウイルスの増殖抑制に有用であることを事前予測したことが、この日の会見でも紹介された。
◎高橋本部長「膨大な情報をヒトだけで分析するには限界がある」
高橋本部長は会見で、新薬の成功確率が3万分の1であることや、開発期間が10~15年に及ぶこと、さらに開発コストも1000億円超となるなど、「創薬の難易度上昇やそれに伴うコスト増などが背景にあり、クライアントの製薬企業にとって抜本的な効率化が求められている」と指摘。一方で、「膨大な情報をヒトだけで分析するには限界がある」と述べ、薬剤開発のステップを大幅に改善するソリューションが求められているとの認識を強調した。
その上で、「liGALILEO」を用いた創薬プロセスの効率化・高速化を図るドラッグマイニング事業に同社が参入する意義を示しながら、「この基本的な作業は数日で行うため、圧倒的な時間軸が異なる。各企業のプロセスと製品数で異なるものの、最終的なコストや時間を定量的に示すならば圧倒的なコストの効率化と時間短縮はこのメカニズムでできると思う」と強調した。