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くすり未来塾 「調整幅」は医療機関のみ6% 薬局にグローバック求める 企業届出価格制度の創設提案

くすり未来塾 「調整幅」は医療機関のみ6% 薬局にグローバック求める 企業届出価格制度の創設提案 薬価流通政策研究会・くすり未来塾は4月1日、「薬価流通改革提言Ⅱ(22年3月31日付)」を公表した。イノベーションの評価として、収載時から一定期間はメーカーの届出価格で償還を認める「企業届出価格制度」の創設を提案。「調整幅」については、医療機関のみ6%に拡大し、薬局は「薬価算定の市場価格から除外すべき」と指摘。薬価差益を政府に戻す「グローバック」を求めた。また、医薬品流通安定化戦略の策定を求め、赤字受注の禁止、総価除外品目、カテゴリー別交渉、AI予測受注、ドローン活用など具体的対処方針を示し、その進捗を評価する仕組の構築を提言した。

くすり未来塾は、元日薬連保険薬価研究委員会委員長の長野明氏と、元厚労省医政局長で現在はBCGシニアアドバイザー、東京海上日動火災保険会社顧問である武田俊彦氏が共同代表を務めている。今回の提言は、昨年12月の研究会設立時に公表した改革提言の第2弾となるもの。

今回公表した提言(試みの案)は、①日本の医薬品等の最新技術をマクロ・ミクロの指標で評価・検証する年次報告書「医療技術白書」(仮称)の創設、②企業届出価格制度の創設、③必須医薬品確保総合戦略の策定、④薬価差解消計画・薬価差還元スキームの策定、⑤医薬品流通安定化戦略の策定と調整幅の拡大-の5項目から構成される。

◎財政中立が崩れた負のメッセージに

「特許期間中に薬価を維持する仕組み」として導入された新薬創出等加算については、「当初、財政中立を目指した制度として発足したものの、近年、これが大幅縮小したため、財政中立が崩れた負のメッセージになった」と指摘。今年度の引き下げ規模である約850億円と同程度の規模を薬価維持に当てるなど、「明快で分かりやすい方針を打ち出すべき」と主張した。

その上で、「企業届出価格制度」の創設を提案。収載時には一定期間メーカーの届出価格で保険償還を認め、一定期間経過後は中医協で算定し直すこととし、患者アクセスと開発インセンティブとの両立を図ってはどうかと強調した。また価格については、企業の裁量と説明責任を求める観点から、販売時のみならず、発売後も届出に基づく価格引き下げも可能にしてはどうかと提案。同時に保険適応外使用等について民間保険の活用を図るとした。

◎薬局の薬価差「過半は国に返還すべき」 卸の赤字受注は禁止

薬価差の計画的縮小と財源確保についても提言した。現状認識として、都心大病院と大手薬局チェーン、薬局の共同購入で薬価差が発生していることを問題視。病院の一部に残る薬価差は病院の技術料の引き上げと同時実施で大幅縮小を図る。一方、薬局の薬価差については、交渉力で生じる薬価差は許容するが、「過半は国に返還すべき」と提案。手法として技術料(減算)で調整するとし、調整方式は店舗数でなく、購入価水準指標に変更するとした。また、これに伴って、薬価の全品目対象の一律毎年改定になっている「中間年改定」は廃止する。さらにボランタリーチェーンによる全国一律価格での地方配送要求などを受けた「卸の赤字受注は禁止」と提言した。

◎調整幅見直しと薬価差縮小は同時実施を

調整幅については、「赤字受注の拡大による医薬品卸業の経営の不安定化の防止」(医薬品流通の安定化)と説明されていることから、「調整幅が引き上げられても医師の取り分の拡大と誤解されないよう、薬価差の縮小の同時実施が必要」と指摘。その上で、「まずは、アメリカの仕組みを考慮して医療機関のみ6%とする」と提案。薬局については、「そもそも薬価算定の市場からは除外すべき」と指摘し、英国の薬局市場で導入されている、当初の予定を超えた薬価差益があれば薬局から政府に差益を戻す「クローバック制度」の導入を検討すべきとした。

◎「医薬品流通安定化戦略」策定 赤字受注の禁止など具体的対処方針で関係者間の合意を

加えて、「医薬品流通安定化戦略」の策定を求め、関係者の合意を得る必要性を訴えた。また安定化戦略の具体的対処方針として、赤字受注の禁止、調整幅の見直し、総価除外品目、カテゴリー別交渉、総合評価方式、最低価格、量の交渉、医療機関への提言機能の強化、共同物流、AI予測受注、ドローン、配送頻度減、ロボット導入の人件費減などを明示した。

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