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塩野義製薬・手代木社長 新型コロナ治療薬・ワクチンで22年度1100億円の売上見込む

塩野義製薬・手代木社長 新型コロナ治療薬・ワクチンで22年度1100億円の売上見込む 塩野義製薬の手代木功代表取締役社長は5月11日、21年度(22年3月期)決算会見に臨み、開発中の新型コロナに対する経口治療薬(S-217622)および遺伝子組換えタンパクワクチン(S-268019)により22年度通期で1100億円の売上を見込んでいると発表した。うち中間期までに経口治療薬で450億円を見込む。手代木功社長は「この予想はかなり難しい。これよりものすごく大きくなる可能性は十分にあると思っているが、どれぐらいを最低線として考えていけばいいのかということを示しながら、適切なタイミングで必要があればリバイズ(修正)をする」と語った。

◎新型コロナ治療薬で各国政府と交渉「次のステージの会社になるためのチャレンジ」

経口治療薬については、今年2月25日に国内承認申請済み。申請のもとになったフェーズ 2bパートに続けて実施中のフェーズ3パートについては「6月、7月ぐらいまでには結果を出したい」と述べた。別にグローバルフェーズ3試験を予定。グローバル展開に向けた他社との提携について手代木社長は「22年、23年は各国ごとに政府買い取りを中心に動くと思う。販売活動がどこまで必要かというと、そこまでではないかと思う」「自分で政府交渉して自分でモノを造って独自で展開する能力をいま上げておかないと、企業としての進化がない。次のステージの会社になるために、22年の大きなテーマとしてチャレンジしてみたい」との考えを示した。

◎新型コロナワクチン「どんなに遅くとも6月から7月には承認申請したい」

一方、ワクチンについては、既に追加免疫比較試験(ファイザーのコミナティ2回接種後の追加免疫)およびフェーズ 2/3試験(安全性・免疫原性評価試験)の結果を発表済みだ。このほか、実施中の中和抗体価比較試験(アストラゼネカのバキスゼブリアに対する優越性検証試験)について、「5月、6月の中で論文での結果公表を考えている」とするとともに、追加免疫比較試験(国内追加試験)は5月中に結果速報を入手予定とした。手代木社長はこれらの試験結果をもとに「どんなに遅くとも6月から7月には承認申請したい」と述べた。

◎21年度売上高は12.8%増の3351億3800万円 国内はサインバルタの後発品参入響く

21年度の業績は売上高が前期比12.8%増の3351億3800万円だった。最終利益は2.1%増。
国内医療用医薬品の売上高は5.9%減の891億円。21年6月に後発品が参入したうつ病・疼痛治療薬サインバルタが106億円減の159億円となったのが響いた。17年5月発売のAD/HD治療薬インチュニブは33億円増の164億円となったが、19年12月発売の同ビバンセは5億円増の8億円にとどまっている。インフルエンザファミリー(ゾフルーザ、ラピアクタ、ブライトポックFlu・Neo)は、ラピアクタの政府備蓄による売上を計上したため、28億円増の31億円となったものの、流行が極めて小規模だったため、計画した79億円に48億円もとどかなかった。

それでも2桁増収を確保できたのは、米ギリアド社とのドルテグラビル特許侵害訴訟の和解に伴う一時金により、HIVフランチャイズのロイヤリティー収入が506億円増の1740億円となったため。また、欧米で多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコルの販売が好調で、海外子会社/輸出は97億円増の344億円となった。手代木社長は「2年ぐらい非常にインフルエンザの売上がなくて苦しんでいたが、ここに来て少し下げ止め感を出させた決算だった」と総括した。

22年度の売上予想は19.4%増の4000億円。国内医療用医薬品は11.8%減の786億円を見込む。サインバルタは98億円減の61億円まで落ち込む予想。インチュニブは31億円増の
195億円、ビバンセは3億円増の11億円を予想する。21年度に特殊要因があったHIVフランチャイズのロイヤリティー収入は401億円減の1339億円となる見通し。一方、COVID-19関連製品(S-217622、S-268019)で1100億円の売上を予想する。手代木社長は「COVID-19以外の成長ドライバーはどうなのかということについて、次のステージに対する考え方を示さなければいけない。22年度はそれを伝えていくことも重要だろうと思っている」と語った。

【21年度連結業績 (前期比)22年度予想(前期比)】
売上高 3351億3800万円(12.8%増)4000億円(19.4%増)
営業利益 1103億1200万円(6.1%減)1200億円(8.8%増)
親会社帰属当期利益 1141億8500万円(2.1%増)1360億円(19.1%増)

【21年度国内主要製品売上高(前期実績)22年度予想、億円】
サインバルタ 159(265)61
インチュニブ 164(131)195
ビバンセ 8(3)11
感染症薬 118(98)134 –注1
うちインフルエンザファミリー 31(3)51
オキシコンチン類 48(53)45
スインプロイク 27(23)33
アシテア 5(3)6
ムルプレタ 1(1)1
ピレスパ 38(51)24
その他 324(320)276

海外子会社/輸出 344(246)416
ロイヤルティ収入 1813(1446)1404
 うちHIVフランチャイズ 1740(1234)1339
 うちクレストール 12(166)―
 その他 61(47)65
COVID-19関連 ―(―)1100

注1)感染症薬の構成製品:ゾフルーザ、ラピアクタ、ブライトポックFlu・Neo、フィニバックス、フルマリン、フロモックス、シオマリン、バンコマイシン、バクタ、フラジール、イソジン
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