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科研製薬 「長期経営計画2031」を策定 26年度に800億円の売上目指す 販売提携や導入も視野

科研製薬 「長期経営計画2031」を策定 26年度に800億円の売上目指す 販売提携や導入も視野 科研製薬の堀内裕之代表取締役社長は5月12日、21年度(22年3月期)決算説明会に臨み、31年度までの「長期経営計画2031」を発表した。25年に特許切れを迎える爪白癬治療薬クレナフィンの後発品参入の影響を含めて、26年度の売上目標として800億円(21年度760億円)を掲げた。堀内社長は「それまでに何らかの販売提携品が出る、もしくは導入品がある。こういうところも踏まえたものだ」と説明した。31年度の売上目標は1000億円。

クレナフィンは14年9月の発売。当時の中医協資料によると、ピーク時予想は20年度に35億円(薬価ベース)だったが、科研製薬の決算資料(決算ベース)を見ると、初年度の14年度に68億円とピーク時予想を突破。以降、15年度198億円、16年度216億円、17年度221億円、18年度225億円、19年度222億円、20年度191億円、21年度184億円と推移してきた。クレナフィンの特許切れを前に、研究開発面では、パイプライン拡充の更なる強化や上市確度の向上が課題となっている。

20年11月の原発性腋窩多汗症治療薬エクロック発売や、21年11月に発表した国内創薬バイオベンチャー企業アーサム社買収による第2相試験段階のART-001(適応症:難治性脈管奇形)、ART-648(水疱性類天疱瘡)の獲得といった成果が見られた。一方で、19年1月に米コーバス社から日本における全身性強皮症及び皮膚筋炎治療剤の販売権等を取得したレナバサムについては、コーバス社による第3相試験の結果、両適応とも主要評価項目が達成されなかった。22年4月にはポストクレナフィンと位置付けていたKP-607について、第2相臨床試験結果を踏まえ爪白癬を適応とする開発を中止した。

◎研究開発に10年間で2000億円投資 新規診療領域やモダリティの挑戦に意欲

こうしたなかで発表した「長期経営計画2031」では、ビジョンとして①画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業②皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業―を掲げた。その実現に向け、①研究開発②海外展開③経営基盤―の各戦略について詳細に示している。

研究開発面では、研究開発等投資額として10年間で2000億円(うちパイプライン拡充に向けたM&A、導入等の費用として800億円)を設定。新規診療領域への展開や新たなモダリティへの挑戦にも意欲を見せた。海外展開では、売上高に占める医薬品の海外売上高比率25%以上を目標に掲げ、海外開発拠点の開設や海外自社販売を積極的に検討していく姿勢を示した。クレナフィンに続く海外展開品の充実に向け、北米や欧州でのART-001、ART-648の導出に注力する。

◎経営基盤戦略に“リアル×デジタル”のMR育成 「患者ファーストで地域医療に貢献」

経営基盤戦略では、リアルとデジタルの融合により変革の時代に柔軟に対応できるMRの育成を重点施策の一つに挙げた。堀内社長は「近年MRの在り方が変化している。従来の対面だけでなく、デジタル技術等のマルチチャネルを活用していく。時代に即した情報提供を行い、患者ファーストで地域医療に貢献していくMRを育成していきたい」と述べた。MR数について松浦真洋取締役は「3月末時点で約500人おり、市場の変化や制度変更等に対応するために、その時の製品特性、地域特性を考慮して人員配置、組織変更をしていく予定だ。現時点で大きく減らす計画はない」とコメントした。

◎21年度売上高 1.4%増の760億3400万円 国内はエクロックが伸長

21年度業績は、売上高が1.4%増の760億3400万円。国内エクロックの伸長やJublia(国内販売名クレナフィン)伸長よる海外売上高増加が増収の要因。最主力品のクレナフィンは、新型コロナ禍での受診抑制が継続的に影響し、3.9%減となった。長期収載品(G2)の関節機能改善剤アルツはシェア拡大に努め、横ばいを確保。

22年度業績は0.5%の増収を予想。エクロックの売上は2.1倍を予想。クレナフィンとアルツについては「薬価改定の影響により金額ベースではマイナスの計画になっているが、市場拡大やシェア拡大により数量ベースでは伸長させていく」(鈴土雅取締役)とした。

【21年度連結業績 (前期比)22年度予想(前期比)】
売上高 760億3400万円(1.4%増)764億円(0.5%増)
営業利益 170億6400万円(4.1%減)150億円(12.1%減)
親会社帰属純利益 95億4900万円(28.8%減)120億円(25.7%増)

【21年度国内主要製品売上高(前期実績)22年度予想、億円】
クレナフィン 184.49(191.92)181
アルツ 188.53(188.89)175
セプラフィルム 84.33(86.55)89
フィブラストスプレー 27.69(27.89)28
エブランチル 19.36(19.18)20
エクロックゲル 9.50(1.7)20
リグロス 8.60(7.29)10
ヘルコニア 3.81(3.57)4
ジェネリック合計 88.31(84.87)95

【長期経営計画2031経営目標】
26年度/31年度
売上高 800億円/1000億円
営業利益 180億円/285億円
ROE  8%以上/10%以上
海外売上高比率(医薬品・農薬の合計)10%以上/30%以上

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