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政府・規制改革推進会議が答申 医療DXの基盤整備を推進 DTCの環境整備・22年度中にガイダンス策定を

政府・規制改革推進会議が答申 医療DXの基盤整備を推進 DTCの環境整備・22年度中にガイダンス策定を 政府の規制改革推進会議は5月27日、「規制改革推進に関する答申~コロナ後に向けた成長の“起動”~」と題した答申を取りまとめた。医療分野では、高齢化が進み、地方を含めて全国どこでも医療・介護が不安なく受けられる体制を整備するために、デジタル技術を最大限活用し、患者・利用者本位の医療・介護制度を構築するために、DXを加速させる必要性があると指摘した。具体的には、ラストワンマイルを含めてオンライン診療・服薬指導の環境整備をさらに推進するなど、医療DXの基盤整備を進める必要性を訴えた。また、在宅治験であるDTC(分散化臨床試験)についての環境整備を進める必要性を指摘。同意取得を非対面・遠隔で実施するためのガイダンスの策定を22年度中に措置するよう要請した。プログラム医療機器(SaMD)のアップデート時の審査の省略・簡略化を検討することも求めた。

◎患者本位・利用者本位の医療・介護制度構築へ 医療DXを加速

規制改革推進会議が取りまとめた答申のなかで、「医療・介護・感染症対策」は、5つの重点分野の一つに据えた。高齢化が進み、医療資源の偏在も指摘されるなかで、全国各地で医療に不安なくアクセスでき、個人に最適化したサービスを提供するためには、「デジタル技術を最大限活用し、患者本位・利用者本位の医療・介護制度の構築を進めていくためのDXを加速させていく必要がある」と指摘した。また、「地域で医師、薬剤師、介護職員などの専 門能力が最大限に発揮されること、また、革新的な医療機器、医薬品の円滑な開発・実装も不可欠だ」とした。

これを踏まえ、この分野は①新型コロナウイルス感染症に係る在宅での検査等の円滑化、②医療DXの基盤整備(在宅での医療や健康管理の充実)、③医療DXを支える医療関係者の専門能力の最大発揮、④質の高い医療を支える先端的な医薬品・医療機器の開発の促進、⑤利用者のケアの充実が図られ専門職が力を発揮できる持続的な介護制度の構築―を柱に据えた。

◎複雑な利害関係に立ちすくむのではなく迅速な意思決定を

改革項目は、実施を意味する今年度中の“措置”項目は多くなく、検討項目が目立つ。医療分野についてはステークホルダーの意見の対立が規制改革を阻むとの意見もある。答申では、「広く関係者の意見に耳を傾け丁寧な議論を確保していく必要は論をまたない」としたうえで、「複雑な利害関係の前に迷い、立ちすくむのではなく、迅速な国としての意思決定と実行も重要である。各事項の関係省庁における意思決定に当たっては、特に、この点に留意して意思決定されることを希望する」とした。厚労省で結論を得る前に、規制改革推進会議で議論を行う項目も多く含まれている。

◎オンライン診療・服薬指導 自宅での受診・健康管理から医薬品の受け取りまでを可能に

改革項目では、オンライン診療・服薬指導については、自宅で受診・健康管理から医薬品の受け取りまでを可能とすることを検討することを盛り込んだ。また、オンライン診療を実施する場について、通所介護事業所や公民館など自宅以外の身近な場所を含めて、オンライン診療を受診することが可能な場所や条件について、22年度中に課題を整理・検討し、結論を得るとした。

議論となった調剤の外部委託については、「一定の薬剤に関する調製業務を、患者の意向やニーズを尊重しつつ、当該薬局の判断により外部に委託して実施することを可能とする方向で、その際の安全確保のために委託元や委託先が満たすべき基準、委託先への監督体制などの技術的詳細を検討する」と盛り込んだ。22年度中に検討し、結論を得る。具体的には、委託可能な調製業務の対象や、委託先の範囲、委託元―委託先の役割分担及び責任関係の在り方などを検討項目にあげている。

地方の高齢者などを含め、全国どこに住んでいても高度な医療を受けることを可能にするため、SaMDについての審査のあり方を見直す必要性も指摘。承認後の追加学習を通じた有効性向上のためのアップデートなどについてPMDAが有効状況を確認できるなど一定条件の下、国際整合を踏まえ、審査省略を含めた審査の簡略化を検討することを盛り込んだ。22年度中に結論を得る。

また、類型ごと、対象疾患ごとに承認実績が存在するSaMDについて、産業界の協力も得て、早期に登録認証機関による認証に移行するよう、認証基準の策定及び改正を主体的に行うことや、審査のポイントについて整理・公表する。引き続き検討を進め、22年度措置、その後継続的に措置するとした。このほか、画像診断用のSaMDについて、「臨床現場で現に行われている診断技術の水準を踏まえ、それらとの比較における有用性が審査上重要であることを明確にする」ことを22年度中に措置することも盛り込まれた。

◎DTC 同意取得を非対面・遠隔実施やデータの信頼性確保等でガイダンス策定へ

DTCについては、「治験実施医療機関の医師等が、被験者に対して、治験に関する必要な説明を行い、同意の取得を非対面・遠隔で実施するための適切な方法やデータの信頼性確保等に関するガイダンスを策定する」ことを22年度中に措置することを求めた。策定に当たっては、国内外におけるオンライン技術を用いた治験の実施方法や各国のルール等に関する調査を踏まえたものとするとした。

また、治験依頼者から被験者への治験薬の直接配送に関して、「海外における取扱いの状況等の調査を実施の上、国際整合を踏まえつつ、実施の可否を検討する」ことも盛り込んだ。22年度に検討を進め、結論を得るとした。

◎創薬に向けた医療データの利活用促進の重要性を指摘

このほか、創薬に向けた医療データの利活用促進の重要性を指摘。ベンダーが高額な請求をすることなども指摘されているが、「ベンダーが合理的な理由なく、官公庁のシステムの仕様の公開やデータの引き継ぎを拒否したり、事実上拒否するのと同視し得る程度に高額なデータ移行のための費用を請求する場合等は独占禁止法上問題となるおそれがある」との考え方が医療機関などにも当てはまることを周知。独占禁止法に違反する行為が認められた場合には、厳正・的確に対処する。22年度中に措置する。また、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)について、死亡の時期や原因など、死亡した者に関する情報との連結が可能となるよう、22年度上期に検討を開始し、結論を得ることも盛り込んだ。

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