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薬価研・赤名委員長 最優先は中間年改定 薬価制度改革「いずれ我々も答えを出さないといけない」

薬価研・赤名委員長 最優先は中間年改定 薬価制度改革「いずれ我々も答えを出さないといけない」 日薬連保険薬価研究委員会(薬価研)の赤名正臣委員長は6月9日の記者会見で、「今年度の最重要課題は、何と言っても薬価中間年改定にかかわる対応だ」と話した。7日に閣議決定された骨太方針2022では薬価の記載はなかった。赤名委員長は、「我々としては、一度原点に立ち戻って根本的に議論する機会を得たのではないかと期待している」と述べ、中間年改定の是非を含めた検討を求める姿勢を鮮明にした。新たな薬価制度抜本改革案を業界が自ら提案する必要性を指摘する声もあるが、言及は避け、まずは中間年改定を優先すると強調。「我々としても、我々の答えをいずれか、答えを出していかないといけない」と述べるにとどめた。

◎中間年改定は「加速度的な市場シュリンクでイノベーションや安定供給に弊害」

毎年薬価改定(中間年改定)導入初年度となった2021年度改定は、乖離率5%超の品目を「価格乖離の大きな品目」に位置付け、改定することが3大臣で合意された。骨太方針には記載はなかったものの、財務省主計局が財政制度等審議会で、実施初年度となった21年度改定について「価格乖離の大きな品目に限定」したとして、「完全実施を早期に実現すべき」と主張している。

赤名委員長は、毎年薬価改定導入の端緒となった、2016年末の4大臣合意では、対象が「価格乖離の大きな品目」とされたことを引き合いに、「中間年改定の設計図はかなり、変わってきている」と説明。「これが続くと、加速度的に市場がシュリンク(縮小)し、イノベーションの推進や安定供給に弊害が出てくると懸念している」と述べた。21年度改定は、平均乖離率以下の品目が対象となったことから、「我々としても看過できない。ここについて、ドラスティックな改革が必要ではないか」と強調した。

毎年薬価改定をめぐっては、赤名委員長は今後の議論について、「参院選が控えているので、なかなか通常の年とは違う。参院選が終わってから議論が本格化するのではないか。中医協を含めてスタートするのではなかという風に考えている」と述べた。「より良い医療保険制度の構築にむけて当事者同士が議論する中医協の議論は尊重すべき」とも述べた。

◎INES、くすり未来塾の薬価制度改革案「大変参考になる」 内容を聴取して検討進める

業界内外から、抜本的な薬価制度の見直しの必要性を指摘する声もあがっている。赤名委員長は、「委員会においても、内容を聴取しながら関係団体、委員会と連携し、イノベーションの評価、および医薬品の安定供給・確保を実現できる薬価制度の構築に向けて、薬価研委員長として委員の皆様と全力で取り組む」と述べた。新時代戦略研究所(INES)や薬価流通政策研究会(くすり未来塾)が薬価制度改革案を示しているが、「いずれの提言も大変参考になる」と強調。「いずれの提言とも現行の薬価制度の中ではイノベーションが推進されていない。さらに医薬品の安定供給確保も困難になるのではないかということを指摘しており、これをどう改善するかという方策として公開されている」との認識を示した。ただ、
薬剤費のマクロ経済スライドなど、総額管理については、「非常に慎重な議論が必要」との見解を示した。

◎薬価制度改革 中間年改定が趣旨に立ち返るのであれば「違う解決案もある」

赤名委員長は、「世界に魅力ある日本の市場を作らないと、日本国民への革新的新薬の早期アクセスが難しくなる。現行の薬価制度を変革するということであるが、イノベーションが推進され、そして必要性の高い医薬品が安定供給・確保されることを大前提として議論すべきだと考えている」と表明。中間年改定が4大臣合意に示された“価格乖離の大きな品目”の薬価を補正するという趣旨に立ち返るのであれば、「そこは違う解決案もある。それを見極めながら、対応していきたい」と述べ、薬価研として薬価制度改案を示すかは言明しなかった。

このほか、「革新的新薬、再生医療等製品の評価あり方や、再算定のあり方を含めて収載後のイノベーション評価等に係る課題について検討を鋭意進める」との考えも表明。「新型コロナ感染症の拡大、デジタル化の進展などの社会環境が急速に変化していることを踏まえると、幅広い観点から国民の医療の質向上に資する医療制度のあり方について検討もあわせて行っていく」とも述べた。

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