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塩野義製薬の新型コロナ治療薬候補・ゾコーバ錠の緊急承認を審議へ 6月22日の薬食審・第二部会で

塩野義製薬の新型コロナ治療薬候補・ゾコーバ錠の緊急承認を審議へ 6月22日の薬食審・第二部会で 厚生労働省は薬食審・医薬品第二部会を6月22日に開催し、塩野義製薬が承認申請した新型コロナウイルス感染症治療薬候補・ゾコーバ錠125mg(一般名:エンシトレルビル フマル酸、開発コード:S-217622)を審議する。経口新型コロナ治療薬として承認されれば、内資系企業で初となる。

塩野義製薬は今年2月に条件付き早期承認制度の適用を求めた承認申請を行ったが、「できるだけ早く承認・実用化される制度で進めたい」(塩野義製薬広報部)ということから、5月20日付で施行された緊急承認制度の適用を求めた申請に切り替えた。同剤は、緊急承認制度を用いて承認可否を判断する最初の製品となる。

緊急承認制度の対象医薬品は、「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品」であり、「かつ、当該医薬品の使用以外に適当な方法がない」ものとなる。新型コロナの場合は感染拡大の状況や医療提供体制のひっ迫状況、代替治療法の有無などが検討される。安全性が確認され、有効性が「推定」された場合に緊急承認されるが、当該承認の期限内に有効性を確認し、再度申請・承認を得る必要がある。

同制度では、医薬品部会で審議された後、薬事分科会でも審議することが規定されている。同省担当官は6月15日、「部会の審議結果に基づいて、分科会でも審議する」とした上で、部会での審議後から分科会開催までの期間は「数週間程度は要する」との見方を示した。

◎主要評価項目 ウイルス力価で有意な減少も 症状改善は統計学的有意差を認めず

同剤は、北海道大学と塩野義製薬の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、S-217622は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制するとされる。

同剤の第2/3相臨床試験のうち、軽症/中等症患者を対象としたPhase 2b partの主要評価項目を達成したことから、2月に承認申請された。Phase 2b partでは、軽症/中等症の新型コロナ患者428例を高用量群(低用量の2倍)、低用量群、プラセボ群に無作為に割り付けた。1日1回、5日間経口投与し、抗ウイルス効果および臨床症状の改善効果を比較した。日本から419例、韓国から9例が組み入れられた。

主要評価項目に据えた4日目(3回投与後)におけるSARS-CoV-2のウイルス力価のベースラインからの変化量は、高用量群、低用量群ともにプラセボ群に比べて有意な減少を示した。ウイルス力価陽性患者の割合は両用量群ともに10%未満で、プラセボ群との比較でPhase 2a partの成績を上回る減少率となった。

一方で、新型コロナの症状合計スコアの初回投与開始から120時間(6日目)までの単位時間あたりの変化量は、プラセボ群に比べ改善傾向を認めたものの、統計学的に有意な差は認められず、主要評価項目を達成しなかった。ただ、同試験の集団で特徴的な症状だった呼吸器症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳、息切れ (呼吸困難))の合計スコアは、高用量群、低用量群ともに有意な改善効果が認められた。

安全性については、「Phase 2a partの結果と同質であり、新たに懸念される有害事象等は認められなかった」としている。

塩野義製薬は2月の申請時に、「本試験の更なる追加解析データを速やかにPMDAへ提出する」との方針を示していた。厚労省は、実際に追加解析データが提出されたことは明らかにしたものの、どのようなデータかは現時点では開示できないと話した。

なお、日本政府は塩野義製薬との間で、承認後速やかに100万人分を購入する基本合意を締結している。
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