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日医・松本新会長 喫緊の課題は「トリプル改定をどう乗り切るか」 組織力強化に力

日医・松本新会長 喫緊の課題は「トリプル改定をどう乗り切るか」 組織力強化に力 日本医師会の新会長に就任した松本吉郎氏は6月25日、定例代議員会後、初の会見に臨み、「目の前に控えているトリプル改定をどう乗り切っていくかが大きな課題だ」と述べた。2024年度には、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬のトリプル改定が控える。少子高齢化、生産年齢人口の減少に差し掛かるなかで、すでに厳しい改定となることを指摘する声もある。こうしたなかで、地域からの声を結集して、医師会一丸となる「強い医師会」となる姿勢を強調。組織力の強化に努めるとともに、「政界、財界、関係団体へのコミュニケ―ションを図ったり勉強したり、ということに力を注いでいけたらいい」とも述べ、政府や与党と対話を深めていく姿勢を強調した。

◎政府与党とは「普段からのコミュニケーション」を重視 まずは参院選に注力

松本会長は、26日の臨時代議員会での所信表明演説でもトリプル改定について言及。「現場の声を結集し、必要な財源を確保していかなければならない。財政当局による厳しい医療費抑制策に対抗するため、さらには中医協でしっかり議論するためにも、まずは目の前に控えた参院選で全国の医師会、医師連盟の底力を発揮することが極めて重要だ」と述べた。

政府与党とは、「特に普段からのコミュニケーションが大事だ。普段からの付き合いの中で、私どもの考えを正確にお伝えして理解いただく、あるいは逆に政治家の先生方の考えを傾聴し、それを日医がどう考えていくのかを、心がけることが一番大事なことだと考えている。普段からのコミュニケーションの中で、しっかりと意見を申し上げていく。まずは直面している参院選を勝ち抜いた上で、その後、医師連盟をさらに強化する立て直しも喫緊の課題と考えている」と話した。

最優先課題としては、「組織力の強化」をあげた。松本会長は、「組織力強化のためには、政財界などとの連携、そして行政との協議や折衝を充実させることで対外的な存在意義を高めることも重要だ。医療を取り巻く環境が、これまで以上の速度で変化し続けている現在は、その変化に対応し得る多様な人材を一層確保する必要がある」との考えを表明。「組織力強化のための具体的な取り組みを早急に進める」と続け、常任理事の増員を検討に着手する考えも示した。

◎かかりつけ医「フリーアクセス制限されるような制度を阻止」 ワーキンググループ立ち上げも

このほか、喫緊の課題として、かかりつけ医をめぐる議論や医療DX、医師の働き方改革などをあげた。

かかりつけ医をめぐっては、財務省の財政制度等審議会の建議などで、「かかりつけ医機能の要件を法制上明確にすべき」と明記され、骨太方針2022では、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行う」ことが盛り込まれた。松本会長は、「政府与党の中から、財政再建を重視する立場からも、特に厳しい意見が出されてくることも見込まれる。かかりつけ医機能を発揮することは重要だが、フリーアクセスが制限されるような制度化については、これを阻止し、必要な時に適切な医療にアクセスできる現在の仕組みを守るよう、会内でしっかり議論した上で主張していく」と述べた。また、かかりつけ医機能を強化し、わかりやすく国民に発信する必要性を強調した。ワーキングループを発足させ、議論を急ぐ考えも示した。

◎医療DX 政府与党に協力もオンライン資格確認の原則義務化「現場感覚からは難しい」

このほか、今年6月に閣議決定された骨太方針2022に推進することが明記された“医療DX”についても言及し、「政府与党の考え方もあるので、できる限り協力する形で行っていきたいが、なかなか難しい課題もある。連携しながら進めていかないといけない」とも述べた。ただ、23年4月に予定されるオンライン資格確認の原則義務化については、「コロナ禍や機材の供給不足、ベンダーの対応能力等の状況を考えれば、現場感覚としてはスケジュール的になかなか難しい」との考えも示し、対話に努める姿勢を示した。

医師の働き方改革も課題にあげ、「地域医療提供体制が壊れないようにしなければ、患者の命と健康が守れなくなってしまう。一方で、過重労働になっている医師の方々にも、しっかり守っていかなければならない。両立しがたい命題を少しでも両立できるような形で進めていくことは非常に大きな課題で、政府や行政とも協議しながら何とかクリアできる形で収めていきたい」と話した。

◎執行部は「心を一つにできる」 まずは会員、医師の信頼に応える医師会に

6月25日に開かれた日本医師会代議員会では、松本氏が推薦した副会長候補の茂松茂人氏(大阪府)、猪口雄二氏(東京)、角田徹氏(東京都)の3人がいずれも当選。常任理事も、松本氏の推薦したキャビネットが当選した(本誌既報、関連記事)。松本会長は、「心を一つにできるような方々に全国の先生方に、有能で実績のある方に入ってもらった。地域的にもオールジャパンに近い形で入っていただいた。代議員会で認めていただいたことは嬉しく思っているし、代議員の先生方には感謝申し上げる」と話した。

会見で松本会長は改めて、「日本医師会の役割は国民の命と健康をしっかり守っていくことだと考えている。そのためには、現場の意見をくみ取り、地域社会の色々なご提言、ご意見を賜りながら、それを検討し、色々な選択につなげていくことが大事だと思っている」と表明。「会員、医師の方々の信頼に応えることができる医師会になるように努力していきたい。それがひいては、国民の皆さん方の信頼を得ることにつながると思っている」と意欲を示した。
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