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日医・松本会長 23年度薬価改定「ある程度の技術料還元は考えて頂きたい」 内容は政治と一緒に検討

日医・松本会長 23年度薬価改定「ある程度の技術料還元は考えて頂きたい」 内容は政治と一緒に検討 日本医師会の松本吉郎会長は7月14日、報道各社の合同インタビューに応じ、今秋以降に議論が加速する23年度薬価改定に向け、「(いわゆる中間年改定は、)通常の診療報酬改定とは違う位置づけにはなっている。すべてとは申し上げないが、ある程度の技術料への還元はしっかりと考えていただきたい」と強調した。毎年薬価改定導入の初年度となった21年度改定で日本医師会は新型コロナ特例として初・再診料の引き上げを勝ち取った。松本会長は、「この財源を使ってコロナを診療している医療機関に診療報酬上のコロナ特例として一部が還元された」と説明。「今回は現場の意見を伝えて、中間年改定だが、どのような還元が必要か、政治と一緒に検討したい」と話した。

21年度に導入された毎年薬価改定だが、23年度薬価改定は診療報酬改定のない年として2回目の改定となる。21年度改定では、大臣折衝で薬価改定の範囲が決まると同時に、新型コロナ特例として、時限措置ながら感染予防策を講じた医療機関に対し、初・再診料に点数を上乗せすることが決まっていた。

◎「薬価と診療報酬の間には密接な関係が」 薬価改定財源の基本的考え方は変わらない

松本会長は、「薬価と診療報酬の間には密接な関係がある」との見方を表明。「日本医師会と財務省の考えに隔たりがあるのは十分承知したうえで発言するが、日本医師会としては薬価改定に伴って生じる財源についてはやはり医師の技術料をしっかり補填する意味で使っていただきたいというのが基本的な考え方でそれは変わっていない」と述べた。

◎調整幅 影響の大きいテーマ「慎重に議論すべき」

今後議論の焦点となることが想定される調整幅については、「医薬品の流通安定のための一定幅だ。これまでの様々な歴史的経緯により2%とされてきた。価格や経費のバラツキが生じていることを前提とすると、ある程度平均的に吸収させる仕組みとして調整幅が必要であることに変わりはない」との考えを表明。「コロナ禍での対応や、製造管理や品質管理の不備等による後発品の安定供給障害等によって流通経費が増加するなど、様々な在庫管理のコストが増加していることなどにより、2%ではむしろ足りないという声も多くある。医薬品が適切に流通されなければ、困るのは患者さんだ。影響の大きいテーマなので慎重に議論すべきであると考えている」と述べた。

◎リフィル処方箋 医師や薬剤師の役割が大きく変わるわけではない 

22年度改定で導入されたリフィル処方箋については、「処方箋を応需している薬局薬剤師とはこれまでも連携してきた。リフィル処方箋が導入されても、医師や薬剤師の役割が大きく変わるわけではない。処方するのは医師であり、薬剤師は残薬の管理や処方変更の提案、服薬情報等に関する処方医へのフィードバック、ならびに患者さんの疑問や相談に対応していただいていると思っている。患者さんのフォローアップはこれまでも薬剤師の基本業務として認識しており、新たなこととは認識していない」との見解を表明。「薬剤師は、地域包括ケアシステムの一員として、地域の薬剤師会を中心に地域の他の薬局や医療機関等との連携、在宅医療への対応では在宅医、訪問看護師等との多職種との連携。地域住民との健康相談等を通じて、地域の医療提供体制にさらに貢献していただけることを期待している」と述べた。

◎24年度のトリプル改定 地域医師会と連携して地域の医療提供体制を確保

24年度には診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬のトリプル改定が控える。松本会長は、「現在ウイズコロナ、ポストコロナを見据えた医療提供体制の整備には様々な課題が山積している。地域医師会と日本医師会が連携し、地域医療の充実に努めて、地域における医療提供体制を確保し、それをしっかりと守れるようなトリプル改定に努めて参りたい。2040年に向けた第一歩を踏み出すためには、社会保障財源の確保が大変重要だ。今回の参院選挙は、全国医師会、医師連盟の底力が大きく発揮された結果となった。政府与党をはじめ、医療を支える議員の先生方と普段からのコミュニケーションを通じて信頼関係を醸成できるように努力していきたい」と述べた。

◎かかりつけ医は会内にワーキング立ち上げ 今月にも議論開始

このほか、現在焦点となっているかかりつけ医の制度化をめぐる議論については、会内にワーキンググループを立ち上げ、今月中にも検討を開始する考えを示した。「その際に大切なことは国民目線、患者目線を忘れないことだと考えており、そのことを念頭に置きながら真摯に検討を行ってまいりたい」と述べた。会内で一定の方向性を導いたうえで、病院団体などと連携することも視野に入れる。

◎松本会長の横顔 今も陸上競技や駅伝の観戦を楽しみに 陸上専門誌を定期購読も

松本会長は、山口県出身の67歳。趣味は旅行で、日本のお城巡りという。「各地の名城を全てではないが、多くの城を見た。国宝もあるが、どこの城もすべて感動した。地方のあまり有名でないお城でも、先人の残した遺跡は素晴らしい、といつも感動する」と話した。

中学・高校は陸上競技に熱中し、いまもテレビで陸上競技や駅伝を観戦するのが好きという。陸上専門誌を50年間、毎月購読するというほど。祖父の影響で大相撲に興味を抱き、いまも勝敗を毎日確認。「次の場所の番付を予想するのが楽しみ」と笑顔で語った。日本医師会の役員を務める前は月に1度ほど、ゴルフも楽しんだという。いまもゴルフを楽しむこともあるが、「アベレージゴルファーよりもさらに良くないスコアで回っている」と笑った。

「患者さんから見て頼りになる医師、優しさを感じられる医師、話していると元気が出る、病気は治らなくても前向きにできるようになったとか、患者さんにプラスの影響を与えられる医師でありたいと願っている。医師になって40年以上過ぎたが、まだまだしっかりできているとは自分では思っていない」と語り、謙虚な人柄もにじみ出る。「私のたった一つだけの強みは、地域医師会の仕事を長くしてきたこと」と松本会長。地域医療の現場で培った強みを武器に、現場の意見をくみ取り、地域医師会と一丸となって直面する課題の解決に挑む。

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