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薬価制度改革をめぐる製薬業界内での議論が始動 薬価差ゼロの新たな仕組みも視野に

薬価制度改革をめぐる製薬業界内での議論が始動 薬価差ゼロの新たな仕組みも視野に 薬価制度改革をめぐる製薬業界内での議論が始動した。市場実勢価格主義を貫く現行の薬価制度だが、20年間薬価制度が維持されるなかで薬価差の偏重など、歪みも生じている。こうしたなかで、業界内では、市場実勢価格に基づかない新たな仕組みとして、薬価差の出ない仕組みを検討する動きも出始めた。厚労省の「医薬品の迅速かつ安定的な供給のための流通・薬価制度に関する有識者検討会」が8月末にも議論をスタートさせることから急ピッチで議論を進める。

ここにきて市場実勢価格に基づく薬価制度のあり方についての提言などが相次いで示されている。製薬業界は課題認識をすり合わせたうえで、現行の市場実勢価格の改善と、薬価制度の根幹を支えてきた市場実勢価格主義そのものを見直す抜本的な改革との両睨みで検討を進める見通しだ。現行の薬価制度下では、日本製薬工業協会(製薬協)が主張するドラッグ・ラグ(ドラッグ・ロス)再燃への懸念も高まっている。低薬価品目や後発品などを中心に医薬品の供給問題、さらには薬価差の偏重など流通上の課題も浮き彫りになっている。イノベーションの推進や医薬品の安定供給が重視されるなかで、薬価差のない仕組みが必要との考えだ。

◎新たな薬価制度の提案・実現には少なくとも5年以上要する 直近の課題への対応も

製薬業界は、22年を反転攻勢の年と位置付け、特に中間年改定については「実施の是非を含めた抜本的な見直しが必要」との姿勢を崩していない。一方で、足下の経済の厳しさや、22年度から後期高齢者が団塊世代に入り始めるなかで、医療費抑制の圧力は強まることが想定される。さらに、物価やエネルギー価格の高騰で、国民生活にも影響が出始めている。当初から、財務省や中医協支払側は、薬価差を迅速に国民に還元することを求めているが、毎年薬価改定導入されるなかで、今年はさらに厳しい議論となることも想定される。製薬業界からは、財務省が薬剤総額マクロ経済などを財政審で提案するなかで、こうした導入と引き合いに毎年全面改定の導入を懸念する声もある。薬価制度を根本から見直し、新たな薬価制度の提案、実現には、少なくとも5年以上の時間がかかることから、直近の課題に対応する必要性を指摘する声もある。

◎現行制度についての改善か? 薬価差のない仕組みか? 

厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課の安藤公一課長は7月15日、第24回インターフェックスWeek東京で講演し、「市場実勢価主義を破棄することはないと思うが、実勢価方式をベースとしながら過度な薬価差、薬価差の偏在問題については是正する取り組みを進めなければならないのではないか」と発言。議論がスタートする有識者検討会でも、こうした方向で議論が進むことが想定されるなかで、市場実勢価格に基づく現行制度についての改善についてのみ主張を行うべきとの考えもある。

一方で、薬価差のない仕組みは、価格が下がらないことを意味する。製薬業界は、これまでも、社会保障費の実質的な伸びを抑えるための財源は、大半が薬価の切り下げから捻出されていると主張してきた。これは、逆に言えば、薬価差のない仕組みは診療報酬にも影響することを意味する。このため、製薬業界内からも、関係ステークホルダーからの理解を得ることの難しさを指摘する声もあがっている。

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