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米・モデルナ ファイザーとBioNTechをmRNA技術の特許侵害で提訴 コミナティの販売差止めは求めず

米・モデルナ ファイザーとBioNTechをmRNA技術の特許侵害で提訴 コミナティの販売差止めは求めず 米・モデルナは8月26日、同社のmRNAワクチン技術に関する特許を侵害したとしてファイザーとBioNTechの2社を提訴した。mRNA技術を使った新型コロナワクチン「コミナティ」が、2010~16年の間にモデルナが取得したmRNA技術をカバーする2つの特許を侵害すると指摘している。この技術は同社のmRNAワクチン「スパイクバックス」の開発に不可欠なもので、「2社はこの技術を許可なくコピーしてコミナティを作成した」と主張した。ただ、2社への特許訴訟に際して、コミナティの市場排除は求めず、ワクチン供給支援対象のAMC92か国の販売損害賠償も請求しない考え。

◎問題視した2つの特許

同社は、ファイザーとBioNTechの2社を米・マサチューセッツ州連邦地方裁判所と、独・デュッセルドルフ地方裁判所に特許侵害で提訴した。問題視した特許が2つある、1つ目がmRNAの化学修飾に関するもの。mRNAが体内に導入されたときに望ましくない免疫反応を回避する化学修飾を同社が2010年に開発し、2015年にヒトへの試験で初めて検証した。この技術をファイザーとBioNTecは同じ mRNA化学修飾を持つワクチンの作成に利用したと指摘している。

2つ目の技術は、コロナウイルスの脂質ナノ粒子のスパイクタンパクを標的とする技術を使って2社がmRNAワクチンを作成したというもの。この技術に関して同社は、「新型コロナより以前となる中東呼吸器症候群 (MERS) を引き起こすコロナウイルスのワクチンを作成したときに、このアプローチを開発した」としており、「多くの異なる選択肢があるにもかかわらず、ファイザーとBioNTech はモデルナの技術をコピーした」と強調している。

モデルナのステファン・バンセルCEOは、「我々は2015年、16年に特許を取得した研究をもとに、新型コロナのパンデミック発生直後から、記録的な速さで安全で非常に効果的な COVID-19 ワクチンを製造することができた」と強調。同社のシャノン・タイム・クリンガーCFOは、「ファイザーとBioNTechはモデルナの特許を許可なく使用し続けている。ワクチン供給の支援対象となる中低所得国・経済92カ国・地域(AMC 92か国)以外でコミナティがモデルナの特許技術を継続的に使用することに対し、補償することを期待する」とコメントした。

◎コミナティの市場排除は求めず AMC92か国の販売損害賠償も請求しない考え

なお、モデルナはこの日、コミナティの市場からの排除を求めず、将来の販売差し止め請求も行わない方針を表明した。さらに、ファイザーのAMC 92カ国への販売に関連する損害賠償を求めない方針。加えて、22年3月8日以前の損害賠償についても求めない考えを表明した。



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