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杏林大病院・若林薬剤科長 「発注は新屋号製品、納品は旧屋号製品」 これって製品偽装じゃないの?

杏林大病院・若林薬剤科長 「発注は新屋号製品、納品は旧屋号製品」 これって製品偽装じゃないの? 杏林大学医学部付属病院薬剤部の若林進薬剤科長は9月3日の「2022年度第1回JASDIフォーラム」で講演し、販売名変更時に旧製品のGS1コードにシールを貼って、 新製品として出荷している製薬企業があることを問題視した。若林薬剤科長が示した事例は、エパルレスタット錠50mg「VTRS」を発注すると、エパルレスタット錠50mg「ファイザー」屋号の製品の外箱にGS1シールが貼られて納品されるというもの。「処方箋でVTRSと書いてあっても、患者さんの手元にファイザーの製品がわたる。業界では“シール対応”と言うそうだが、中身が違う。これって製品偽装じゃないのか。どうして問題にならないのだろう」と提起した。

この事案をめぐっては、ファイザーからヴィアトリス製薬に製造販売業者等の名称・住所の表示を変更する「お知らせ」が企業側からあったという。お知らせには、「製造販売元および販売元の変更に伴い、しばらくの間は新旧製品が流通します。一部製品において現行品の個装箱に新流通バーコードシールが貼付された製品が納入されます。ただし、PTPシート、分包フィルム、バラ包装ボトルおよび添付文書等にはシール貼付の対応をしておりませんのでご了承ください」と案内している。

若林薬剤科長は、「これ意味わかりますか? かなりひどい話。うちの病院ではエパルレスタット錠50mg「VTRS」を発注すると、エパルレスタット錠50mg「ファイザー」が納品される。箱にVTRSのバーコードシールを貼って納品する“シール対応”と業界は言うが、頼んだものと中身が違う。何言っているか分からない」と指摘。講演では納品された製品(ファイザーの屋号)のPTP包装の写真を提示しながら、「新屋号で納品されているのに、中身は旧屋号だ。処方箋でVTRSと書いてあっても、患者さんには旧屋号の製品が手元にわたりますから、ファイザーになってしまう。これは製品偽装ではないのか」と大いに問題視した。

◎「販売名変更および包装変更のお知らせ」は正確な情報提供ではない

製薬企業が行った情報提供の別事案として、「販売名変更のお知らせ」についても問題視した。若林薬剤科長が指摘したのは「販売名変更および包装変更のご案内」と題する文書で、ビクロックス点滴静注125mg、250mgが、アシクロビル点滴静注125mg、250mg「MEEK」に販売名を変更するという事例。「これは販売名が変わるというだけのものでない。院内に2剤が同時に存在する瞬間がある。新規採用と採用取消の作業が必要になる。その手続きだけでも相当の時間を要する。製薬企業のいう単にAをBに変更するのでなく、Bが薬価収載され、Aを経過措置にするというものだ。正確な情報提供が行われていない」と批判した。

◎「販売中止のお知らせ」にはGS1コードの記載を

また別の事例として、「一部包装販売中止のお知らせ」の文書にも触れ、ここに「GS1コード」の記載のないものがあることを問題視した。2019年の改正薬機法では21年8月から医療用医薬品の添付文書は電子化されたものの閲覧を基本とした。また経過措置として23年7月から紙媒体による添付文書の同梱は終了することになっている。これに伴いGS1コードの掲載が重要視されている。若林薬剤科長は、「薬品マスタ作成にはコードが必要だ。製薬協もあれほどGS1コードが大事だといっている。(製薬企業が配布する)お知らせにはGS1コードを載せて欲しい。正確な情報が提供されていないことになる」と述べ、理解を求めた。


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