現役調剤薬局経営者に聞く
「調剤薬局の経営者に薬局の現状とこれからのMRについて聞いてみた」
調剤薬局を経営して25年になる友人に薬局の現状とMRについて聞いてみた。
想像していた通り、開業して10年の間は薬価差益などの追い風もあっという間に借金返済、薬局経営は極めて順調だったそうだ。
しかし、ここ数年は調剤報酬も減少し、収益の悪化、厚生労働省の「かかりつけ薬局へ移行方針」で「在宅患者への対応「、「24時間の対応」で完全に曲がり角になってきたという。
友人曰く、「調剤薬局も飽和状態で今から開業しても労多くして報われないと思っていた」。
そんな中、昨年驚くことがっあったたらしい。
「近くに廃業した薬局があって、その薬局を元MRの方が買い取ったんですよ。よく、あんな処方箋枚数も少ない店舗を買収して、素人だなあと思ったら、空いてる時間に近くの老健や介護施設を回って、どんどん調剤を引き受けたんです。しかも営業がうまい、もともと、MRですし、プレゼン能力も高いし、フットワークもいい、おまけに誰も引き受けない仕事も積極的に引き受けて、わずか1年でまたたく間に売り上げを伸ばしたんです」
元MRの調剤薬局経営というのはよく聞くが、この冬の時代にニッチな市場を開拓して成功を収めているという。経営センスと営業センスがあれば、関係ないのかもしれない。
では、現役薬局経営者から見て優秀なMRについて聞いてみた。
「昔は、お菓子や高級ティッシュ、豊富な文具やいろんなものを持ってくるMRがいましたが、今は、手土産などで差別化ができない。当たり前ですが、疾患知識に詳しく、製品知識に精通しているMRが強いですよね。しかも、WEB講演会では事前に講演内容について説明してくれて、前日に訪問して事後のフォローもきっちりするMRは年齢に関係なく評価されますよね。自社製品のネガティブ情報もきちんと伝えるMR、患者さんのことを最優先に考えているMRは信頼されますよね。要は、フットワークのいいMRがありがたいです」
日々、仕事を通じて医師や薬剤師を見ているが、こちらの想像以上に相手もMRを観察している。面会できないアポが取れないと嘆くことも多いだろうが、こんな時代でもきちんと訪問し面会できているMRはいる。
選ばれるために日々何が大切なのか、当たり前のことを丁寧に実践することが、王道にして近道であることを友人は教えてくれた。
2023/11/24