落語を聴くと話し方が勝手に上達するかもしれないことについて
「説明会や面談で話し方がうまくなりたいなら、実は落語が役に立つ」
皆さんは、落語を聴いたことがあるだろうか。
「M-1グランプリ」を欠かさず見ているという人は多いかもしれないが、落語となるとかなり少ないだろう。
もちろん、「笑点」やラジオ、テレビを通じて、何回か落語を目にしたことや聴いたことはあるかもしれない。あるいは、落語イコール「笑点」という方も少なくないはずだ。
コロナの影響で客足は多少落ちたが、実は今も人気落語家の公演は超満員なのだ。
即日完売が代名詞の立川志の輔は、渋谷のPARCO劇場一ケ月公演を満員にするし、春風亭一之輔は年間800席以上、落語をやっている。
その一之輔をはじめ、柳家喬太郎、桃月庵白酒、柳家三三、立川談春、立川志らく、春風亭昇太あたりだと、チケットはかなり入手困難だ。
いずれも、古典落語を現代のお客さんに通じるように練りに練って作り上げ、笑わせて泣かせる。
優れた落語は、「リズム」と「間」だといわれている。落語の名調子は心地よいので、すとんと身体に入ってくる。しゃべり言葉のリズム、つまり「メロディ」と絶妙な「間」は、観客に必ず伝わる。
昔から、吉田茂をはじめ有名な政治家は落語を好んだ。スピーチの極意を学びたかったのかもしれない。私は今まで数限りなく落語を聴いてきたが、間違いなく、落語の「リズム」や「間」が話し言葉に活かされていると思っている。
YouTubeで手始めに落語を聞くのも悪くないが、現在、東西合わせて落語家は900人もいる。
ぜひとも、ナマで落語を聴いてほしい。
都内には末廣亭や浅草演芸場、上野鈴本演芸場、池袋演芸場など、定席と呼ばれている寄席がある。毎日、必ず寄席が開かれている。自分好みの落語家が見つかるかもしれない。
落語に入る前に、本題、つまり噺にまつわる自分の身辺雑記や身近に起こった出来事、時事ネタを話すマクラと呼ばれている導入部がある。
このマクラの善し悪しが、落語家のセンスである。寄席ならば、十数人の落語家が登場するから、マクラを比較することもできるだろう。面白ければ、ヒントにもなるし、つまらなければ、こういう話はつまらないのかと参考にもなる。
ナマはすぐに伝染する。一度、寄席や落語界に行くことをお勧めしたい。
2023/11/24