CSOとメーカーの違いについて
「メーカーからCSOに転職してわかったことについて」
内資メーカーに勤めて30年、縁あって、CSOに転職することになった。
メーカーにとって顧客は、当然ながら医師である。
薬剤師、卸も顧客だが、ドクターに評価されなければ始まらない。
薬剤が採用されて、その薬剤が使われて初めて、MRの評価につながる。
一方、CSOにとって、クライアントとはプロジェクト先のことであり、派遣先のメーカーである。
大学病院で例えれば、教授が部長で、准教授か講師が所長、普通の医師が営業所の同僚というわけだ。
つまり、派遣先の評価が思いのほか、大きいという訳だ。
よく、実績や新採用など業績評価は悪くないのに、クライアントの評価が恐ろしく低いCSOMRがいる。
要はそのほとんどが、クライアント先の所長の評価が低い。
一度ついた印象はなかなか覆せない。人の印象は、最初の一か月で決まるといっても過言ではない。レスポンスがいいとか、清潔感があるとか、受け応えがしっかりしている、安心感があるなど、小さな積み重ねがものをいう。
もちろん、クライアント先の同僚の評価も重要だ。
良き相談相手になりながら、課題解決に向けて誰よりも「早く」取り組む。
当たり前だが、誠実というのは、案外ごまかせない。
MRであるならば、CSOに限らず、見られていることにもっと敏感になるべきだ。
先日、ある、クリニック近くの駐車場に車を停めたら、明らかにMRらしき営業車が二台停まっていた。二台とも車は汚く、中のMRは電子タバコをふかしながら、シートを倒してスマホを眺めていた。なんというか、非常に不愉快だった。また、MRがさぼっていると見られるかもしれない。
人目のつく、駐車場でよくそんなことができるなと唖然とした。
MRは見られている仕事なのだ。他者の視線に敏感でないものが、人の命を左右する薬など扱ってならないだろう。
私は、メーカーからCSOに転職して、「見られること」について、ことのほか神経質になった。営業所に行ったとき、同行したとき、一緒に食事にいったとき、メールのやり取りをしたとき、そのすべて、一挙手一投足が見られていると思うべきだろう。
極端にいえば、CSOMRは代打のスペシャリストのようなものだ。チャンスは一打席しかない。見逃し三振では次に使ってもらえないかもしれない。
一打席一打席が真剣勝負なのだ。
2023/11/24