MRと身だしなみについて
MRと身だしなみについて
「女性も男性も第一印象は身だしなみ、コロナ時代だからこそ見た目が大切なのだ」
MRに限ったわけではないが、男女ともに第一印象は身だしなみであろう。
コロナ時代でマスクに顔が覆われているせいか、顔の印象よりも服装のイメージがどうしても残ってしまう。
スーツの着こなしでそれほど、差がつくのかといわれそうだが、相手は高給取りの医師である。見た瞬間、値踏みされていると思った方がいい。
内澤旬子の「着せる女」(本の雑誌社)という本がある。
普段、スーツを着ない編集者にピッタリのスーツを凄腕のフィッターと一緒にあれやこれやと提案して変身させる、「ビフォーアフター企画」をつづったエッセイで実に参考になる。
その中で、内澤は、「人の印象は服で変わる。中でもスーツという装いの持つパワーと言ったらもう。男性の体形の七難を隠しさらにパリッと仕事ができるように、そして色気まで醸し出してしまう。恐ろしい衣服なのだ。」と記している。
凄腕フィッターとして紹介されるバーニーズニューヨーク六本木店の鴨田優誠によれば、「スーツには必ず正しい答えがあるんです」と語っている。
「スーツはあえて大きめに着たり小さめに着たりすることを良しとはしないものだと思ってます。もちろん着る人の自由ではあるんですけど、正しいサイズがあるお洋服でして、それを大きめに着るメリットって何なんだろうと思いますね」とも断言している。
つまりは、サイズに合っているかどうかがすべて。
今は、身体が泳いでいるようなダブダブのスーツを見かけることはなくなったが、明らかに体形に合っていないスーツや清潔感のない残念ないでたちをしているMRをたまに見かける。そんな、MRの提案する薬剤や講演会など論外とは言えまいか。
なにも高いスーツを着ろとは言っていない。体形にあったスーツをせめて着てほしいということだ。
さらに、いえば、靴の印象も大切だ。私が入社した当時、営業本部長が「お辞儀をした際に自分の靴が汚れていないか見てほしい、お辞儀も深くなるし、靴もチェックできる」と言っていたが、案外、この意見は正しいと思っている。
靴が少しでも汚れていたり、傷んでいるとスーツの良さをすべて消してしまう。
高い靴を履けばいいという訳ではない。要は手入れが行き届いているかどうかが肝心。
見た目のイメージを侮ってはいけない。スーツや靴に少し予算を割くだけで印象はがらりと変わる。まずは、差別化の第一歩なのだ。
2023/11/24