MRにいちばん必要なスキルとは

MRにいちばん必要なスキルとは

「MRにとっていちばん大切なスキルとは何か」

MRにとって、いちばん大切なスキルとは何だろうか。

学術知識、なるほど、そうかもしれない。あるいは、最新の論文を読み解く英語力、パソコンのスキル。もちろん、大事なことだ。毎日の営業に欠かせない強靭な体力。それもそうだ。旺盛な好奇心や時には鈍感力もあった方がいい。コミュニケーション能力も重要だろう。

しかし、それだけでは駄目だ。必要ではあるが十分とは言えない。

いろいろとあげれば、枚挙にいとまがないが、私が30数年、MRを続けてきて思う、今も昔も変わらない大切なスキルとは、「早さ」だ。

何をいまさらと思うかもしれないが、侮るなかれなのだ。

その昔、ある支店長が、「ウサイン・ボルトとわたしが競争して勝てる手段が、たった一つある。それは、わたしがスタートを早くすることだ。早くスタートすれば、誰でもボルトに勝てる」と話してくれた。

 「仕事にフライングはない」とも言っていた。

実に至極、当たり前だが、意外にも示唆に富んだ言葉とはいえまいか。

 「早くスタートすれば、絶対に誰でも勝てる」。

こんな、黄金律があったのかとわたしは目からうろこが落ちた。

以来、「自分のセールスポイントは、早さです」と努めて答えることにしている。

どんな小さな提出物や、例えばパソコン交換やスマートフォンの交換といったようなことまで、真っ先に手をつけた。

「あの人は、なにごとも、早いな」と印象付けることは効果的なのだ。

「早い」ことは、周りに好印象を与える。

「クイックレスポンス」とはよく言われるが、どんなことも、一番にやる。

「締め切りのあるものは最初に出す」。案外これが難しいのだ。早すぎて怒られることはない。

これだけで、評価はがらりと変わる。

では、新採用はどうかと言われれば、たとえ、遅れても、「あんな早い人でも苦戦するのか」と同情される。

 人の印象は、第一印象で決まる。一度決まった印象が、覆ることはなかなかない。

何事も、「遅い」ことは致命的だ。

MRの仕事に限らないが、もし、MRのサバイバルに王道があるとすれば、それは、「早さ」だと断言できる。

今からでも遅くはない。徹底的に「早さ」にこだわってほしい。微差は大差というではないか。日本人は些細なことで早いのが大好きなのだ。

2023/11/24